「新社会兵庫」 4月8日号
憲法を生かす会ひょうごネット(準)が講演会
 安倍政権の改憲戦略で当面の最大の焦点となっている集団的自衛権の行使容認問題をめぐり、憲法を無視したこの企てを許すなと、憲法を生かす会・ひょうごネット(準備会)が呼びかけた講演会「集団的自衛権と国家安全保障基本法案を斬る―高作正博さん講演会―」が3月21日、神戸市勤労会館で開かれた。この講演会は、「憲法を生かす会・ひょうごネット」の結成へのステップとして昨年11月の「福島第一原発視察同行ルポ報告会」に引き続く開催で、100人を超える人たちが参加した。

 講師の高作正博さん(関西大学法学部教授)はまず、安倍内閣の下で「平和国家」の危機が迫っているとして、自民党新憲法草案の問題点や、日本版NSC設置法、特定秘密保護法、非核3原則の破壊、武器輸出3原則の撤廃、自衛隊増強などの状況に触れ、集団的自衛権の議論の陰で着々と進む全般的な「平和国家」の危機も見逃してはいけないと指摘した。
 続いて、集団的自衛権行使容認に向けたスケジュールとして、4月にも安保法制懇の報告書が提出され、憲法解釈変更の閣議決定を経て、集団的自衛権行使を可能にする法案を提出、その後、「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」を改定し、ガイドライン関連法(周辺事態法)の改定に進むだろうと説明。集団的自衛権行使を可能にする法案としては「国家安全保障基本法」か「自衛隊法改正」の選択があるが、手法が違うだけで実質は同じと指摘した。
 次に、集団的自衛権行使を政府が憲法解釈の変更によって行おうとしていることについて、選挙結果で憲法の内容を覆すことはできないとし、さらに日本国憲法上、集団的自衛権は保有も行使もできないことを論理的に検証しながら強調した。
 今後、政府側の解釈改憲論の戦略として、「集団的自衛権」の概念の変更という方法もあり得、必要最小限度の範囲内であれば集団的自衛権の行使も可能という方法などもあり得ると述べた。
 そして最後に、いま日本社会では自由、平等、正当性が危なくなる「市民社会の危機」が深まっているとして、「引き下げ民主主義」による分断や「モラル・パニック」による規制強化などで公権力による「民意」の利用が行われていると指摘。さらには、「スラップ訴訟」(沖縄の高江通行妨害排除請求訴訟など)で公権力が「裁判」を活用し、市民の意見表明への公的な妨害が行われている実態も紹介しながら、今後これらの動きに対抗する力として、市民社会の「潜勢力」(内部に潜んでいて表面には現れていない勢力)に期待したいと締めくくった。

(中村)
写真上:日本国憲法では集団的自衛権は保有も行使もできないと力説する高作正博さんの講演に学んだ=3月21日、神戸市勤労会館
写真下:講演する高作正博関西大学教授=3月21日、神戸市
奨学金問題を考える集い
 「奨学金問題と学費を考える兵庫の会」主催の「奨学金問題を考える集い」が3月30日、神戸市勤労会館で開かれた。
 冒頭、同会の佐野修吉事務局長があいさつし、昨年6月に出発した同会の活動内容を、この間に受けた17件の相談事案も紹介しながら報告。今後も奨学金問題対策全国会議と連携しながら、電話相談や出前講座、会員拡大などの活動に取り組んでいくと表明した。
 その後、奨学金問題対策全国会議事務局長の岩重佳治弁護士が「『奨学金被害』の現状と課題」と題して講演。今やまさに教育ローン化し、返したくても返せない利用者が社会構造的に多く生み出され、返済できない人への無理な取り立てで経済的にも精神的にも追い詰められている人が広がるなど、深刻化する「奨学金被害」の仕組みと現状が明らかにされた。さらに、きわめて不十分な救済手段や強引な回収強化策などの問題点も指摘しながら、具体的なケースをもとに、「被害」からの救済のための知識や法的対応も示し、制度改革を訴えた。
 その後、松崎喜良さん(神戸女子大学教授)らが教育現場の立場から今の学生の実態などを発言し、奨学金問題に触れた。
 集いには、現役の高校教員や元教員も多く参加し、新聞部として取材にきた数人の高校生たちの姿もあった。
写真:講演する奨学金問題対策全国会議事務局長の岩重佳治弁護士=3月30日、神戸市
3.17 兵庫区・薬仙寺
 神戸空襲を記録する会(中田政子代表)が主催する第43回神戸空襲犠牲者合同慰霊祭が今年も3月17日、神戸市兵庫区の薬仙寺で行われた。
 69年前のこの日、神戸の街の西部を米軍B29が襲い、多くの死者が出た。2月4日、5月11日、6月5日にも神戸に大空襲があり、わかっているだけでも7491人が亡くなっている。
 慰霊祭では西阪順三さんが、6月5日朝の空襲で三宮駅北側の家に焼夷弾が直撃、神戸小学校に避難したが、母と姉2人は行方不明になった体験を語り、「こんなにつらく悲しい思いをしたことはない。世界から戦争をなくしたいと、学校でも体験を話している」と述べた。西澤ワさんからも、疎開している間に中央区に住む父と姉を空襲で亡くしたという話があった。同会世話人の杉田哲さんは「180人を超える参加者のお一人お一人に空襲と戦争をめぐる語りがあり、神戸の歴史をつくってきた」と述べた。
 また、同会が行ってきた恒例の戦跡ウォークは今年は実施せず、6月1日に大倉山公園で「神戸空襲を忘れない いのちと平和の碑」への追加刻銘式を行うことや8月23、24日に神戸市東灘区の御影公会堂で「第44回空襲・戦災を記録する会全国連絡会議 神戸大会」が開かれることが報告された。
(小)
写真:大倉山公園の「平和の碑」への追加刻銘式を6月1日に行うなどとあいさつする中田政子・神戸空襲を記録する会代表=3月17日、神戸市兵庫区
4.13 神戸市
 新社会党兵庫県本部(粟原富夫委員長)は第19回定期大会を4月13日、神戸市内で開く。
 「海外で戦争のできる国」をめざす安倍政権の“壊憲暴走”、さらにそれと一体で進められる労働法制の大改悪や社会保障の圧縮など、国民生活総破壊≠フ政治と闘う護憲・反新自由主義の共同戦線づくりが切実な課題となるなか、その課題への取り組みとともに、その推進軸となるための党組織の拡大・強化も重要な課題として掲げられている。とくに今年度は、2016年の参院選など国政選挙をも見据えながら、来春に控える統一自治体選挙を闘い抜く闘争態勢の確立が重要な課題だ。県議選や神戸市議選をはじめ、明石市議選、芦屋市議選などをたたかう第1次公認決定を行ない、選挙闘争への布陣の確立を進めていく。
 沖縄・東村高江の住民によるヘリパッド建設反対運動を通して米軍基地をめぐる沖縄の人々のたたかいの姿と思いを伝えるドキュメンタリー映画「標的の村」(三上智恵監督、琉球朝日放送制作)の上映会が3月の3日間、篠山市と神戸市で相次いで開かれ、あわせて約670人が鑑賞した。

神戸では500人が参加
 神戸では昨年末、「『標的の村』を上映する会」が女性たちで立ち上げられ、チラシ、ポスター、インターネットなどでの呼びかけが始まった。メンバーひとりひとりの周囲への声かけが拡大、神戸新聞でもこの取り組みが報道されたこともあり、反響が広がった。
 3月15日の新長田勤労市民センターでの上映会(昼夜2回)には287人、16日の灘区の六甲神戸学生青年センター(昼夜2回)には208人の計495人が参加した。
 上映会によっては若い人の参加も目立ち、沖縄への修学旅行前の準備として映画を観た高校生や大学のゼミの活動の一環として参加した学生グループの姿もあった。高江の住民を激しく揺さぶる沖縄の現実をつきつけられた衝撃が会場を覆い、涙を流しながら観る人も少なくなかった。
 「涙が止まらなかった。反対運動をするのも、それを阻止しようとするのもどちらも沖縄県民というのが悲しい」「やり切れない気持で一杯になった。こんな事実を知らずに平気で過ごしてきた自分も悲しくなり、何かしなければという強い気持が胸をよぎった」(高校1年生)などの若い人の感想も寄せられている。
 上映会を思い立ち、会の立ち上げを進めた吉田優さんは「この映画を観たとき、秘密保護法の動きなど、高江の人たちを踏みにじる刃は私たちにも向けられていると思った。そんな中、どう生きていくのか、問われているのは私自身だと思った」と上映会のきっかけを語り、「若い人には映画を観てのそれぞれの感じ方を大切にしてほしい。それを率直に語り合えれば、この問題への理解が深まり、自分のなかに根を張っていくのではと思う」と述べている。
写真:若い人の参加も目立った上映会=3月6日、神戸学生青年センター

篠山では170人参加
 映画「標的の村」の篠山での上映会は3月11日、篠山市民センターで行われた。
 沖縄・高江在住のミュージシャン、石原岳さんの関西滞在期間中に上映会を企画しようと3月11日の開催を決め、2月4日、「丹波篠山で『標的の村』を観る会」を数名でたちあげた。約ひと月の取り組み期間に、憲法たんば、ひょうご丹波・憲法を生かす会など多くの団体が協賛団体として上映運動に加わり、チラシ、ポスター、インターネットなどを使い上映会の宣伝を行った。
 上映会には、当初の目標を上回る170人が参加。とくに夜の部は満員の盛況。若い世代の参加も多く、会場は熱気に溢れた。上映に先立って全員で東日本大震災の犠牲者への黙とうを行い、上映後には「高江ヘリパッドいらない住民の会」のメンバーでミュージシャンの石原岳さんのトークがあり、映画だけでは分からない現地の貴重な話を聴くことができた。
 参加者から、「修学旅行で沖縄に行く。この映画を見てより深く沖縄のことが分かった。沖縄についてクラスのみんなでそれぞれ調べることになっており、僕は『地位協定』について調べた。インターネットで調べ、『沖縄って大変だなあ』としか思っていなかった自分を恥ずかしく思った。今日学んだことをクラスのみんなや先生たちに話したい」(中学生)などの感想が寄せられた。
 会場では、Tシャツなど高江支援のグッズ販売やカンパを呼びかけるとともに、「高江スラップ裁判に関する要請署名」「京丹後市・経ヶ岬への危険な米軍基地設置計画の撤回を求める要請署名」の協力も訴えた。
(K)
写真:3月11日、篠山市民センター
インフォメーション

米軍Xバンドレーダー基地建設着工反対!
 4.20京丹後現地集会

  • 4月20日(日)13時
  • 宇川農業会館(京丹後市)
  • 沖縄から山城博治さん、岩国から田村順玄さんなどが参加
  • 神戸からバスで参加(1人3千円)
  • 連絡先 078-361-3655

第19回被災地メーデー

  • 4月27日(日)11時〜14時30分
  • 新長田・若松公園グランド(多目的広場)
  • 連帯のひろば/熱唱&熱笑in新長田など

「やめろ安倍!ストップ戦争準備」 憲法67年 5.3兵庫憲法集会

  • 5月3日(土)13時30分
  • 神戸市勤労会館
  • 講演「安倍政権下の“壊憲”情勢」(仮題)
    河上暁弘さん(広島市立大学広島平和研究所講師)
  • 参加費 500円