- 放置される避難生活−さようなら原発・兵庫が3.11公開学習会
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東日本大震災から丸3年の3月11日、「さようなら原発・兵庫」(さようなら原発1000万人アクション兵庫県実行委員会)は、福島から講師を招いて公開学習会を神戸市内で開いた。福島第一原発事故から3年、「フクシマの現実から見えてくるもの」と題した講演で福島の現状に触れた。長引く避難生活、そして被害者どうしの分断と差別意識……、明らかにされた福島の人々の現実の一端を通し、いま安倍政権がもくろむ原発再稼働を許さず、脱原発に向けた運動をあらためて強化しようと誓い合った。
「3・11公開学習会」は震災犠牲者への黙とうから始まり、主催者あいさつで酒井浩二さん(ひょうご地域労働運動連絡会・議長)が「『3・11』は命を見つめる日であり、犠牲者に原発を止め核のない社会をつくることを誓う日にしなければならない」と述べた。
講師は福島県平和フォーラム前代表の竹中柳一さん(福島県教組)。南相馬市在住の竹中さんは(自宅は福島第一原発から約4キロ)、原発事故直後の、刻々と変化する放射線量の測定数値をほとんど公表しなかった政府や東京電力の無責任な対応ぶりなどを報告。近くの原発が事故を起こした時、被曝を避けるために必要な防災用品は?と問いかけ、それは線量計だと強調した。
また、今の被災者・避難者の苦痛は、被害者どうしの分断と差別意識であるとして、約15万人の「原発事故難民」(避難者)の約半数が「自主避難者」であり、放射線管理区域内では子どもは育てられないと、周囲からは冷たい視線を受けながら避難していると報告。生活保障もなく、母子のみが県外に避難し、夫は単身赴任で県内に住むというケースが多いそうだ。一方、国の指示による避難者等へは賠償、補償があっても、住むべき家を失くして仮設での暮らしで地域のつながりも破壊され、仕事や生きがいを失っている。さらに、家族はバラバラの状態である。
そして、原発事故後に見えてきたこととして、○戦争責任と同じで、誰も責任を取らなかったし、取ろうとしない、○原発安全神話から放射能安全神話へ、情報操作と隠蔽、ごまかしがあった、○多くの被曝労働を生み出している事故処理、○自衛隊も早期に撤退、○被害者に分配される金が差別と分断を拡大していて、それがいやで「もう病院には行かない」「もう買い物には行かない」「もう外にはでない」……の声、○将来世代は選択の余地がない。54基の原発の廃炉と放射性廃棄物の処理という負担を負い続ける―などをあげた。
竹中さんは最後に、「来年の3・11の夜の5分でも家庭の明かりを消して犠牲者への思いをはせるとともに大量の電気の消費を前提とした生活と原発に決別の意思を日本国中で表せたら日本は変わる」とメッセージし、講演を締めた。写真:「フクシマの現実から見えてくるもの」と題して講演する竹中柳一さん(福島県平和フォーラム前代表)=3月11日、神戸市中央区・兵庫県私学会館