「新社会兵庫」 3月25日号
放置される避難生活−さようなら原発・兵庫が3.11公開学習会
 東日本大震災から丸3年の3月11日、「さようなら原発・兵庫」(さようなら原発1000万人アクション兵庫県実行委員会)は、福島から講師を招いて公開学習会を神戸市内で開いた。福島第一原発事故から3年、「フクシマの現実から見えてくるもの」と題した講演で福島の現状に触れた。長引く避難生活、そして被害者どうしの分断と差別意識……、明らかにされた福島の人々の現実の一端を通し、いま安倍政権がもくろむ原発再稼働を許さず、脱原発に向けた運動をあらためて強化しようと誓い合った。

 「3・11公開学習会」は震災犠牲者への黙とうから始まり、主催者あいさつで酒井浩二さん(ひょうご地域労働運動連絡会・議長)が「『3・11』は命を見つめる日であり、犠牲者に原発を止め核のない社会をつくることを誓う日にしなければならない」と述べた。
 講師は福島県平和フォーラム前代表の竹中柳一さん(福島県教組)。南相馬市在住の竹中さんは(自宅は福島第一原発から約4キロ)、原発事故直後の、刻々と変化する放射線量の測定数値をほとんど公表しなかった政府や東京電力の無責任な対応ぶりなどを報告。近くの原発が事故を起こした時、被曝を避けるために必要な防災用品は?と問いかけ、それは線量計だと強調した。
 また、今の被災者・避難者の苦痛は、被害者どうしの分断と差別意識であるとして、約15万人の「原発事故難民」(避難者)の約半数が「自主避難者」であり、放射線管理区域内では子どもは育てられないと、周囲からは冷たい視線を受けながら避難していると報告。生活保障もなく、母子のみが県外に避難し、夫は単身赴任で県内に住むというケースが多いそうだ。一方、国の指示による避難者等へは賠償、補償があっても、住むべき家を失くして仮設での暮らしで地域のつながりも破壊され、仕事や生きがいを失っている。さらに、家族はバラバラの状態である。
 そして、原発事故後に見えてきたこととして、○戦争責任と同じで、誰も責任を取らなかったし、取ろうとしない、○原発安全神話から放射能安全神話へ、情報操作と隠蔽、ごまかしがあった、○多くの被曝労働を生み出している事故処理、○自衛隊も早期に撤退、○被害者に分配される金が差別と分断を拡大していて、それがいやで「もう病院には行かない」「もう買い物には行かない」「もう外にはでない」……の声、○将来世代は選択の余地がない。54基の原発の廃炉と放射性廃棄物の処理という負担を負い続ける―などをあげた。
 竹中さんは最後に、「来年の3・11の夜の5分でも家庭の明かりを消して犠牲者への思いをはせるとともに大量の電気の消費を前提とした生活と原発に決別の意思を日本国中で表せたら日本は変わる」とメッセージし、講演を締めた。

写真:「フクシマの現実から見えてくるもの」と題して講演する竹中柳一さん(福島県平和フォーラム前代表)=3月11日、神戸市中央区・兵庫県私学会館
熟年者ユニオンが集会
 熟年者ユニオン(今村稔会長)が主催する「私たちの見てきたフクシマ+福島は今」と題する集会が6日、神戸市勤労会館で開かれた。
 熟年者ユニオンは昨年秋、会員有志が南相馬市などを訪問したが、集会ではその報告が行われるとともに、その時現地の案内役を務めてもらった國分富夫さんを招き、原発事故後3年の福島の状況を報告してもらった。
 國分さんは、福島第一原発の建設計画が持ち上がった時から反原発運動を続けてきた方で、事故後は「原発事故被害者
 相双の会」を結成し(会長に就任)、いま、国と東京電力に対して損害賠償訴訟を起こしている。
 國分さんはまず、原発事故直後の国、県が混乱の極みにあるなかで何も情報が伝えられない住民たちはただ翻弄されるだけであった事故後の状況を報告。そして、避難先を転々とする生活をはじめ、落ち着くこともままならないまま3年の日々が経ち、今も同じように続いている避難者の状況なども報告した。農家では6〜7人の多家族が普通だったが、事故後、放射能から逃れるために、とくに子どものいる家族は相双(相馬、双葉)地方から遠く離れ、夫婦でも離れ離れの避難生活が続いている。一方、仮設では一人暮らしの高齢者が多く、うつ病が増えている―と。
 生活再建を図るため、そして、後世のために原発をなくす闘いとしての裁判闘争も報告された。
写真:国と東京電力に対して損害賠償の訴訟を起こしている國分富夫さんが訴え=3月6日、神戸市勤労会館
ひょうご労働安全衛生センターらがシンポジウムを開催
3.9 神戸
 NPО法人ひょうご労働安全衛生センターが結成した「震災と労働を考える実行委員会」は東日本大震災から3年を迎える3月9日、神戸市勤労会館で「震災と心のケアを考えるシンポジウム」を開いた。約100人が参加し、被災自治体では今も多くの職員が休職するなど震災の復興過程での赤裸々な労働実態が浮き彫りにされた。
 「阪神・淡路の苦いカルテを活かす」という基調講演で、兵庫教育大の岩井圭司教授が被災者のトラウマは経過に合わせた予防や治療が必要であることを強調、「ここより下に家を建てるな」という先人の碑が集落を救った教訓などを語り継ぐ大切さを説いた。
 パネル討議では4人が被災自治体の震災時の職場実態を自らの体験をも交えながら語った。
 岩手県職員の及川隆浩さんは「県職員は市町の支援で、震災直後は4、5日は家に帰れなかった。復興事業により震災前の約3倍の予算執行だが、職員は増えていない。時間外勤務は確実に増加している」と職員の窮状と訴えた。
 兵庫県神河町から宮城県山元町に派遣されている平岡民雄さんは「職場には職員24人が働いているが4人が休職中。職場は、自治体職員、他府県からの派遣職員、県職員、非正規職員など待遇の違い、仕事のやり方の違いによる感情的な対立が続いている」と職場実態を報告した。
 阪神・淡路大震災時に神戸市職員(灘区役所)であった三木平さんは「震災で子どもを失った心の傷により今も休職を繰り返す職員がいる」と震災は終っていないと指摘した。
 神戸新聞記者の長沼隆之さんは、労働組合役員だった経験から「震災直後の取材記者に『メンタルケアの心得』という手引を配布した。復興を支える人を応援する人が必要だと思う」と被災者や支援者を孤立させない取り組みを強調した。
(K)
写真:被災自治体の職員や新聞記者らがパネル討論会を行った=3月9日、神戸市
脱原発はりまアクション 3.2 加古川
 3・11から3年を目前に、脱原発はりまアクションは3月2日、加古川市内で「福島原発事故から3年のつどい フクシマはここにある〜心・からだ そして子ども after311〜」と題した集会を開き、105人が参加した。
 メイン講演は、福島の子どもを長野県松本市に招いて「留学」による子どもを守る活動に取り組んでおられる橋本俊彦さん(「まつもと子ども留学」副代表)のお話。橋本さんは、福島原発事故から3年を経過したにもかかわらず事態はなんら解決していないことを報告するとともに、今後さらに甲状腺がんが増え続けるなど、心配なのはこれからではないかと訴えた。
 メイン講演のほか、公演や支援活動で何度も東北、福島を訪問している総合芸術家、だるま森+えり子さんによる「原発地獄・極楽絵図」などのパフォーマンスや主催メンバーによる歌やバイオリン演奏など多彩な内容で集会を盛り上げた。
 また、講演会会場の一角を使って福島県飯館村の酪農家、長谷川健一さんの写真も展示した。
(菅野逸雄)
写真:メイン講演で「まつもと子ども留学」に取り組む橋本俊彦さんが福島の子どもたちの状況を報告=3月2日、加古川市
憲法ひょうご・第2回実行委員会
 ひょうご憲法集会実行委員会(略称「憲法ひょうご」。憲法・兵庫会議や自治労県本部など7団体が事務局団体)は10日、「憲法67年 5・3兵庫憲法集会」に向けた第2回実行委員会を神戸市勤労会館で開いた。
 この実行委員会では第1回実行委員会以降に事務局で進めてきた準備などの報告・確認を行うとともに、「憲法情勢学習会」を持ち、澤野義一・大阪経済法科大学教授による講演「安倍政権の改(壊)憲動向」に学んだ。
 澤野さんは安倍政権の改憲戦略について、2年半後には明文改憲が想定されるが、96条先行明文改憲策動の失敗後は、明文改憲よりも集団的自衛権の解釈見直しで平和憲法の実質的改憲の道を優先し、昨年10月の「日米2プラス2」で約束した日米防衛協力指針の改定を12月までに行なうことに進むだろうと指摘。
 改憲反対運動の当面の検討課題として、反立憲主義を明確に打ち出し「権力を縛る憲法」から「国民を縛る憲法」へと変質させる自民党改憲草案の危険な内容と集団的自衛権見直し(論)の問題点を明らかにして反対世論を大きくすることだと提起した。
 学習会では、集団的自衛権の見直しとして安保法制懇と内閣法制局による憲法解釈の変更(解釈改憲)、そして立憲主義に違反する解釈変更の閣議決定、さらに立法による変更(立法改憲)などの手法、問題点もさまざまに検討された。
 当面の焦点となる集団的自衛権見直し反対運動をめぐっては、集団的自衛権行使違憲論にとどまらず、非武装永世中立による集団的自衛権否認(放棄)論も視野に入れておくことが重要だと、憲法論からの問題提起も行なわれた。
写真:集団的自衛権行使容認の解釈改憲を許すなと講演する澤野教授=3月10日、神戸市
3.6 憲法を生かす会・ひょうごネット(準)
 特定秘密保護法を廃止させようと全国で起こっている「6の日行動」(同法が強行可決された12月6日を忘れず、同法の廃止をめざして呼びかけられた行動で、「6」にちなんで「ロックアクション」と名づけている運動グループもある)―。
 3月6日、神戸では午後3時から三宮のマルイ神戸店前で、憲法を生かす会・ひょうごネットワーク(準備会)が宣伝行動と同法の廃止を求める請願署名行動に取り組んだ。行動開始前に雪が降り、行動中も時折雨が降るなど、たいへん寒い悪天候の中での行動となったが、約20人が参加し、チラシ配布を行いながらマイクで訴えた。
 同ネット(準)では今後も毎月「6の日」の行動を続けるが、4月6日は、大阪市の扇町公園で開かれる関西規模の集会に参加しようと呼びかけている。
写真:寒い中、秘密保護法廃止を求める請願署名の呼びかけ=3月6日、神戸市中央区
2014兵庫たたかう仲間の集会
 毎年3月の第2土曜日に開かれる「兵庫たたかう仲間の集会」が今年も8日、神戸中央港湾労働者福祉センターで開かれ、約160人が参加した。今年の集会スローガンは「労働法制総破壊反対!起って反撃に」。いま安倍政権が進めようとしている雇用・労働分野の規制緩和の動きは、労働者の生活、労働組合を破壊していくと反撃を呼びかけるものだ。
 塚原久雄ひょうごユニオン事務局長による集会基調の提起ののち、上原康夫弁護士が労働法制改悪の具体的な動きについて批判的に解説し、これと闘おうと呼びかけた。 さらに、兵庫県パート・ユニオンネットワークの仲間が、もし今の労働法制が安倍政権のねらい通りに改悪されたら労働者の働き方はどういう事態になるかを寸劇によって演じてみせた。
 その後は闘いの報告が続き、昨年ストライキで休日増を求めた全港湾神戸支部山陽バス分会の報告、「14春闘を闘うぞ!」として全港湾神戸支部、兵庫県職労、JPネットひょうご、国労、そしてパワハラと闘うひょうごユニオンのマツヤデンキの仲間からの報告と決意が次々と述べられた。
 掛け声と足音を響かせて行う独特のシュプレヒコールのパフォーマンスも行い、集会後は元町までのデモ行進で、労働法制の改悪反対を訴えた。
写真:「黙っていれば労働組合が否定されてしまう」と反撃を決意しあった=3月8日、神戸市
2014春闘講演会
 神戸地区春闘共闘とひょうご地域労働運動連絡会が共催する「2014春闘講演会」が5日、神戸市勤労会館で開かれた。
 講師は、労働法学界の重鎮、西谷敏大阪市立大学名誉教授。「労働法制改悪と労働組合の役割」と題して、いま安倍政権の下で強引に進められようとしている労働法制の規制緩和の動きについて平易な言葉でわかりやすく解説して批判するとともに、労働組合の存在意義そのものが問われていると問題を提起した。
 講演では、かつてない労働法の危機は同時に、それへの対応次第で労働組合の危機でもあることが総括的に述べられたあと、安倍政権は雇用特区(国家戦略特区法)を雇用・労働分野の規制緩和の突破口にするねらいだと指摘。具体的な規制緩和のもくろみとして、@労働者派遣法の全面改正、A有期労働契約の規制緩和、B労働時間規制の特例(ホワイトカラー・イグゼンプション)、C解雇制限の緩和(解雇の金銭解決)、D限定(ジョブ型)正社員制度の問題と5点にわたってくわしく紹介された。
 また、そうした動きが、労働法上の原則への攻撃として、強引な手法により、安倍政権の改憲の動きと一体で、「戦後レジームからの脱却」の中に位置づけられるという点にも警鐘を鳴らした。
 こうした攻撃のなかにあって、労働組合の存在意義が切に問われているとして、諸団体との連携をも含めた労働組合の闘いを強く求めた。
写真:労働組合の存在意義そのものも問われていると問題を提起する西谷敏さん=3月5日、神戸市勤労会館
全港湾「姫路伊藤闘争」
 全港湾神戸支部姫路伊藤分会の不当解雇撤回闘争に取り組む全港湾神戸支部は3月1日、姫路市飾磨区にあるイトウメタル前で「分会結成から5年 組合員を職場に戻せ!イトウメタル前集会」を開き、全国各地から73人が集まった。
 会社はふだん土曜日も仕事をしているが、この日は集会が開かれることを事前に察知して完全休業、もぬけの殻。何を逃げる必要があったのか知らないが、まさに「敵前逃亡」だ。
 昨年秋から闘争専従に就いた梅村薫姫路伊藤分会書記長は今春闘中、全港湾の全国各地本の春闘討論集会を飛び回り、争議への支援と集会への呼びかけを行ってきた。この要請を受け、この日、東は名古屋、西は四国から全港湾の仲間も駆けつけ、会社に向かって「不当解雇を撤回せよ」「職場に戻せ」と訴えた。
 梅村書記長は「解雇から5年を迎える9月、会社が逃げることできない日に大規模な集会を開きたい」と訴えた。これに呼応し、「9月に勝利報告集会がイトウメタル前でできるよう頑張ろう」と支援の仲間からの連帯のあいさつも行われた。
 「姫路伊藤闘争」の集会と言えば雨がつきもの。この日も小雨が降り続く中での集会となったが、雨が降ろうが風が吹こうが、勝利まで闘うことを確認する集会となった。
(塚原)
写真:全国から全港湾の組合員も応援にかけつけて会社前で集会=3月1日、姫路市
インフォメーション

「奨学金」制度の問題点を考える集い

  • 講演 岩重佳治 弁護士(奨学金問題対策全国会議事務局長)
  • 3月30日(日)14時〜16時30分
  • 神戸市勤労会館308号室
  • 参加費 500円 学生・相談者は無料
  • 主催 奨学金問題と学費を考える兵庫の会

高齢者の明日を考える
―高齢者こそ生命と暮らしを守るトップランナー

  • 金丸正樹 ろっこう医療生協専務理事
  • 4月6日(日)13時
  • 神戸市勤労会館
  • 参加費 500円
  • 連絡先 熟年者ユニオン 078-382-2124

守れ憲法!許すな秘密保護法!関西集会

  • 4月6日(日)
    14:00〜ロックアクション
    15:00〜本集会
    16:00〜デモ
  • 大阪市・扇町公園
  • 主催:立憲フォーラム・平和人権センター・秘密保護法廃止!ロックアクション実行委

第19回被災地メーデー

  • 4月27日(日)11時〜14時30分
  • 新長田・若松公園グランド(多目的広場)
  • 連帯のひろば/熱唱&熱笑in新長田など

「やめろ安倍!ストップ戦争準備」 憲法67年 5.3兵庫憲法集会

  • 5月3日(土)13時30分
  • 神戸市勤労会館
  • 講演「安倍政権下の“壊憲”情勢」(仮題)
    河上暁弘さん(広島市立大学広島平和研究所講師)
  • 参加費 500円