- ヒロシマ、ナガサキ、そして敗戦から68年の夏、安倍政権の”壊憲=E改憲への暴走にいっそう拍車がかかる情勢に危機感を強める平和運動団体が各地で集会を開き、戦争・平和・憲法≠ノついて考えた。神戸では8月25日、兵庫・長田(合同)と北で、28日は垂水で、各区の憲法を生かす会が主催する集会が開かれた。
- 被爆体験を聞く 兵庫・長田
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憲法を生かす会・長田と憲法を生かす会・兵庫の共催による「平和のつどい」が8月25日、新長田勤労市民センターで開かれた。
会場には午前から神戸空襲や戦後の兵庫、長田両区の戦争跡の写真12点を中心に戦争に関わる子ども向けの絵本や貴重な資料など約50点、さらに妹尾河童氏の『少年H』に登場する地域の地図などが展示された。
午後からは、神戸市原爆被害者の会の副会長で事務局長の高野光江さんの「被爆体験」のお話と、「神戸平和マップをつくる会」の小城智子によるスライドを使った話「平和マップ作製から学んだこと」を聞いた。
高野さんは、「私は7歳のとき被爆。私の『命の恩人』は、被爆した時に偶然にも熱射を遮ってくれたポプラ並木だと思う」と語り始め、原爆で逃げ惑う両親のこと、爆心地の横川橋の両岸に避難し互いに親子と分からず心配しながら一夜を過ごしたこと、原爆投下後わずか2カ月で4歳年上の兄が亡くなったことなどを語った。淡々とした口調にも参加者の涙は止まらなかった。高野さんは「戦争は絶対駄目です。とくに原爆、原発など論外です」と、改めて反戦・反核≠強調した。
小城さんは、2年前までの小学校教員時代の平和教育の取り組みの経験から、戦跡などを記録する『平和マップ』を自分でつくろうと思い立ったいきさつを紹介。集めた戦跡の写真の一部をスライドで紹介しながら、「これまでに長田、兵庫、中央、灘区のマップができた。神戸に住んでいてまだまだ知らないことが多いが、間もなく東灘、須磨区ができるし、ひきつづき垂水、北区の平和マップに取り組んで行きたい」と抱負を述べた。
開会時がひどい雷雨だったにもかかわらず、会場では展示物を食い入るように見つめる参加者もあり、「この写真は今のどこ?」「中国に対してこんなひどいことを行なっていたんですか」などの声も聞かれた。
集いでは、戦争の悲惨さを再認識し、護憲・平和運動を広げていくことを確認した。(K)写真:会場には神戸空襲跡や兵庫、長田の戦跡の写真のほか絵本や資料なども展示された=8月25日、長田区
- 被爆2世からの訴え 垂水
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憲法を生かす会・垂水は8月28日、レバンテ垂水で8月例会を持った。今回はいつもとは違い、兵庫県被爆2世の会の中村典子さん(垂水区在住)にゲストで参加してもらい、ヒロシマ・ナガサキの被爆やフクシマの被曝をもう一度考えてみようという趣旨でいつもよりは少しだけ大きい例会となった。
2世の会からは上田理恵さん(垂水区)、神戸市原爆被害者の会の高野光江副会長や古石忠男元会長も参加。憲法を生かす会・長田、兵庫、北区の各会と西神ニュータウン9条の会からも参加があった。
中村さんは原爆投下3年後の広島の生まれ。国鉄病院のレントゲン技師だった父親が爆心地から1・7kmのところで被爆。中村さんは25年間、健康に働いてきたのに09年5月、慢性骨髄性白血病と診断され、以来闘病生活が続いている。2世には被爆者健康手帳の交付はなく、手帳の保持者には年2回の健康診断も、2世は1回のみ。高額医療費の償還払いはあるものの、昨年1年間で診察・薬剤のために175万円超の支払いを余儀なくされる厳しさや不安、とくに被爆から68年経ってなお子や孫へ放射線の影響が及ぶのではないかという不安などを訴えた。
交流では、2世の会の活動や福島の被曝、安倍内閣が一歩踏み出そうとしている戦争の道への懸念などについて質問や意見表明が交わされ、また、古石さんからは毎年被爆者手帳を持っている人が9千人を超えて亡くなっている現実も報告された。「生かす会」と参加者は改めて原発を含むあらゆる核に反対していく運動の強化を確認した。(M)写真:「兵庫県被爆2世の会」からゲストを招いた憲法を生かす会・垂水の8月例会=8月28日、垂水区
- 「96条改憲」を考える 北
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憲法を生かす北区の会は8月25日、北区民センターで「第29回憲法を考える集い」を開いた。
夜半からの激しい雨が朝になってもおさまらず、大雨警報まで発令されるに及んで、集会はどうなることかと気を揉んだが、幸い午後から雨も上がりどうにか開催することができた。悪天候のせいか参加者は少なかったが、その分それぞれから意見が多く出され、有意義な集会となった。
前回に引き続き原和美さんを講師に「96条改憲」の意味や参院選後の動きを中心に話を聞いた。憲法改正を国会議員や内閣総理大臣が言い出すこと自体が問題であること、内閣法制局長官をすげ替えて解釈改憲で集団的自衛権を認めさせようとしていること、ヒトラーが利用した大統領非常大権条項に似たものを自民党の改憲草案に入れていること、松江市の「はだしのゲン」閲覧制限問題はヒトラー政権の「焚書」事件を思い起こさせることなど、個人の人権が徐々に制限され、戦争ができる国へと向かっている現状が出された。
憲法を生かす北区の会では、手作りののぼりを作り、9条に因んで毎月9日に街頭行動で市民に憲法の大切さを呼びかけようと決めている。人権・平和を護るために、一人ひとりが自分のできることをねばり強く続けることを確認して、集いを終えた。(W)写真:第29回憲法を考える集い=8月25日、神戸市北区