「新社会兵庫」 8月27日号
犠牲者1752人の名を刻む
 7千人以上の人々が亡くなったといわれる1945年の神戸空襲。その犠牲者のうち1752人の名前を刻んだ碑「神戸空襲を忘れない いのちと平和の碑」が、市民団体「神戸空襲を記録する会」(中田政子会長)の取り組みによって完成し、除幕式が8月15日、碑が設置された神戸市中央区の大倉山公園で行なわれた。除幕式には遺族や空襲体験者をはじめ800人を超える人々が参列し、亡くなった人を偲び、平和ヘの誓いを新たにした。

 設置された御影石製の碑は高さ約2b、幅約1・6b。碑の裏側にはこれまでに集まった1752人の犠牲者の名前が刻まれている。
 除幕式であいさつした中田会長は、「多くの人々の思いが集まってやっとこうした形になった。『なぜ名前なのか』と何度も聞かれたが、たった4〜6字ほどの名前の向こうにはひとりひとりの生きた命、人生がある。どうかそのことを想像してほしい。この碑が戦争体験の風化に歯止めをかけ、平和を考えるよすがとなることを願ってやまない」と語った。
 あいさつののち、来賓や遺族代表ら10人の手によって除幕され、碑が披露された。
 碑の設置場所を提供した神戸市からは矢田立郎市長が参列し、来賓あいさつを行った。
 式の終了後、参列者たちは碑の近くに集まり、それぞれの思いを持って銘板に刻まれた家族や親類の名前をさがした。名前を見つけては指でなでながら涙ぐむ人もいた。空襲から68年後の夏だった。
 神戸空襲を記録する会は、1978年から空襲による死没者の氏名登録を呼びかけ、同年6月に364人の名前を登録。その後、05年8月の「写真で見る神戸大空襲 戦後60年記念パネル展」の開催をきっかけに死没者名簿の届出受付を再開。09年3月に1050人の死没者名が神戸新聞紙上に掲載されると多くの反響が集まった。同会は07年から神戸市に対して協力要請を行なっていたが、10年になってようやく市が名簿収集の協力を表明、昨年5月に碑の設置場所の提供も決まった。
 碑の建設のための寄付は998万円を超えた。

写真上:神戸空襲を記録する会の中田政子会長らによって除幕された「いのちと平和の碑」=8月15日、大倉山公園
写真下:除幕式には800人を超える人たちが参加した=8月15日、神戸市中央区
8.15平和のための市民の集い
 敗戦から68年の8月15日、恒例の「8.15平和のための市民のつどい」が神戸市勤労会館で開かれ、安倍政権の改憲策動に危機感を強める市民ら約70人が参加した。
 主催は「戦争を起こさせない市民の会」(河村宗治郎会長)。新社会党や社民党の政党、労働組合、市民運動団体が賛同した。 集会では、沖縄から駆けつけた山城博治・沖縄平和運動センター事務局長と照屋寛徳衆議院議員の2人が、オスプレイの追加配備や米軍ヘリの墜落事故などを交えた最新の沖縄の情勢も伝えながら、反基地闘争の強化や護憲共同の課題などについて講演した。
 7月の参院選で社民党比例区候補として闘った山城さんは支援への感謝を述べ、一段と権力側の警備が厳しくなるなか、自らもその攻防に身を置きながら、今も普天間のゲート前で続くオスプレイ追加配備に反対する闘争の現状や、辺野古、高江の反基地闘争について報告。とどまらない米軍基地負担に対して、「どこまでやるのか」と、沖縄に差別と犠牲を強要し続ける日米両政府への怒りを強く表し、当面の最大の攻防の焦点として来年1月の名護市長選挙の意義を強調した。
 照屋さんも、安倍政権の強硬な改憲と戦争準備の諸政策に触れ、「いまの沖縄の状況は、戦後が終わらないままにまた新しい戦前が始まったという状況だと思う」と切り出し、オスプレイ配備反対をはじめ、沖縄県民の思いが日米両政府によって踏みにじられ、一方的に不条理と犠牲を押し付けられる沖縄の差別構造を指摘した。さらに、改憲阻止闘争についても言及し、護憲勢力側の反省課題も提起しながら、非常に困難だが護憲勢力の総結集しか道はないことを訴えた。
写真上:市民ら約70人が参加したつどい
写真中:講演する山城博治さん
写真下:講演する照屋寛徳さん
平和友好祭県実行委が企画>
 平和友好祭兵庫県実行委員会は8月3日、「神戸港の戦争の歴史といま」を考えるフィールドワークを行った。自治労、全港湾などの青年女性22人が参加した。
 先ず、神戸市中央区の私学会館で「平和な港を守るために」と題して全港湾の戸崎正巳さんが講演。「戦後、神戸港は米軍の占領下にあり1952年から部分的に返還されていった」と経過を説明した。
 政府が非核3原則を明らかにする一方、米海軍のラドック少佐が米艦船の核搭載に言及、これを契機に3原則を具体化するため、1975年には神戸市会で「非核神戸方式」が決議された。
 全港湾が平和運動を取り組む理由として、「近年、神戸港に自衛艦が入港している。有事が最優先の風潮がつくられつつある。市民の反対の声がなければ、平和は常に脅かされる」と参加者に訴えた。
 フィールドワークは、「戦争への道を許さない女たちの会」の小城智子さんの案内でスタート。三宮神社、海岸通の銃弾の残るビル群、「戦没した船と海員の資料館」を訪れた。資料館では、「戦中、商業船が兵士や物資の輸送に用いられた。死亡率は軍人よりも民間人の方が高い」と戦争の悲惨さを学んだ。
 参加者は「こんな身近なところに戦争の痕跡が残っていることに驚いた」などと感想を述べた。
(A)
写真:「戦没した船と海員の資料館」を訪ね説明を聞く参加者=8月3日、神戸市
フォーラムひょうごが総会と学習会
 フォーラムひょうごは8月3日、神戸市中央区のラッセホールで「改憲論の問題点について学ぶ」学習会を開催、約80人が参加した。主催者あいさつで本多義弘代表委員(自治労兵庫県本部委員長)が「自民党が中心の国会の中で、政治が平和、憲法、人権、環境をマイナスの方向に動かそうとしている。私たちは地域から運動の再構築を進めていく」と述べた。
 講演は、名古屋学院大学の飯島滋明准教授が「改憲論の問題点―憲法理念と政治」と題して行った。飯島さんは、自民党改憲草案の問題点を「基本原理の転換」「国民生活の破壊」などと、具体的な事例をあげながら指摘し、市民に対しては「憲法理解」の促進が重要であることを訴えた。
 学習会に先立ち、フォーラムひょうごの総会が開かれ、今後の取り組み方針が確認された。この間、フォーラムひょうごの運動は、中央段階での取り組みへの参加にとどまっており、県内の運動強化を目的に加盟団体で議論が進められ、数年ぶりの総会開催となった。新たにJR総連が加わることが確認され、今後も組織拡大を進めていくとした。
(T)
写真:学習会では飯島滋明・名古屋学院大准教授が改憲問題について講演=8月3日、神戸市
武庫川ユニオンが定期大会
 労働組合武庫川ユニオン(上山史代委員長)は8月3日、第26回定期大会を尼崎市立労働センターで開き、500人のユニオンの早期達成を目指すなど、2013年度の活動方針を決めた。
 これまでずっと大会会場に使ってきた尼崎市立労働福祉会館が市の方針で強行的に閉鎖されたことや9月中に労働センター内の事務所明け渡しを求められていることについて、上山委員長は「とても残念だ」とあいさつで怒りを表明。
 大会では、尼崎地区労やひょうごユニオン、都築徳昭尼崎市議らの来賓あいさつのあと、小西純一郎書記長が議案を提案。「結成25周年を迎えたが、最近、ユニオン運動への結集力が落ちてきている。運動には波がある。ユニオン運動の存在感を再び大きく示すような反撃の波をつくれるか、今年の運動にかかっている」と訴えた。
 その後、日本郵便非正規ユニオン、郵政労働者、学校分会、重里分会などから発言がつづき、それぞれの闘争への支援などを訴えた。議案を原案通り採択、役員の選出などを行なった。
 大会後は交流会に移り、MKG3070(音楽隊)の歌の披露や来賓、新入組合員のスピーチなどが行なわれ、和やかな雰囲気が広がるなか、最後はインターナショナルをみんなで歌って閉会した。
写真:政治状況の悪化や経営側の攻勢をはね返していこうと決意した大会=8月3日、尼崎市
ひょうごユニオンら3団体が共催
 「改正労働契約法と非正規労働を考える交流会」が8月4日、神戸市勤労会館で開かれた。
 交流会は、兵庫郵政労働運動研究会、ひょうごユニオン、兵庫自治体労働運動研究会が共催したもので、約40人が改正労働契約法の講演と正規労働者のたたかいに学んだ。
 講演では、「改正労働契約法の内容と今後の課題」をテーマに、森博行弁護士が改正された新18条(通算契約期間の規制)などを解説した。新18条は、通算契約期間が5年を超える有期労働者は無期労働になる権利が保障される点では国家意思として正規雇用に誘導するものと評価できるが、使用者側の5年以内に有期雇用期間を制限するための不更新条項などへの注意の喚起も必要だと強調した。
 闘いの報告では、日本郵便非正規ユニオンの福本慶一さんから、不当な賃金カットに対して「守る会」を結成して闘っている裁判闘争、加古川市職労の芝田智恵子さんからは働き続けられる職場づくりに向けて、臨時調理職員の組織化によって2年の雇止めを克服した取り組みが報告された。
 非正規労働の交流では他の産別からも意見が出されたが、「非正規は声を上げてきたから改善がある。公務員バッシングがあるが、正規ももっと声を上げてほしい」と、正規を激励する非正規の発言があった。
(K)
写真:森博行弁護士による改正労働契約法についての講演も行われた=8月4日、神戸市
 「尼崎市公契約条例の制定をめざす会」は8月11日、梶正治・丸亀市長を招き、公開学習会を開いた。梶市長は今年6月の丸亀市議会で議員からの「公契約条例の必要性」の質問に、条例制定に向け検討を開始する考えを明らかにしている。学習会には、他市の市会議員や尼崎市役所からの参加も含め64人が参加、熱心な議論が 行われた。丸亀市からも市職労書記長や市会議員ら4人が参加した。
第1部の梶市長の講演では、民間委託が進む学校給食の例をあげ、契約金額が300万円から150万円と果てしない低価格が民間へ押しつけられている実態を紹介して官製ワーキングプアや仕事の質の低下の危険性を取り上げ、考えを変えないと止まらないと警告。健全な姿への一つの方法として公契約条例の必要性を語った。
 会代表世話人の在間(ざいま)弁護士からは、公契約条例の制定を積極的に要請する全国の弁護士会の意見等の公表状況が報告された。九州では全県、関東でも広がりつつある。近畿ではこれまで皆無だったが、大阪弁護士会が今年7月に表明するなど全国に広がりつつある。
 第2部は参加者と丸亀市からの参加者との意見交換も行われた。
 公契約条例はこれまで関東を中心に7つの自治体で制定されているが、関西でも兵庫県三木市が検討会を設置、条例制定に向けた動きが始まった。丸亀市も含め条例制定への動きが加速している。
(尼崎市議・つづき徳昭)
写真:尼崎市公契約条例の制定をめざす会が開いた公開学習会=8月11日、尼崎市
憲法を生かす西神戸連絡会
 「憲法を生かす西神戸連絡会」は、3年目となる今年の夏の平和集会を9月28日、須磨区役所多目的ホールで開く。改憲問題に焦点をあてた講演会で、東京から加藤晋介弁護士を招く。
 同連絡会は、兵庫、長田、須磨、垂水の各区の憲法を生かす会の連絡組織で2011年から映画上映会や講演会を合同で取り組んできた。今年からは憲法を生かす北区の会も新たに加わった。
インフォメーション

■憲法講演会 「96条破壊の先には!?」

  • 加藤晋介弁護士(新社会党副委員長)
  • 9月28日(土)14:00〜
  • 須磨区役所4F・多目的ホール
  • 参加費:500円