「新社会兵庫」 8月13日号
- 2013ピースフェスタ明石 8.1~4
-
毎年夏に明石の地から平和について発信していこうと取り組まれている「ピースフェスタ明石~平和・いのち・子ども~」が今年も8月1~4日の4日間、明石市立勤労福祉会館で開かれた。明石地労協人権平和センターが窓口となり、市内の多くの市民団体や労働組合、個人などで構成する実行委員会が主催する同イベントは、今年で9回目を迎え、期間中約1千人の市民が訪れた。
1日からのギャラリー展示では、3・11以降のフクシマでの〝見えざる〟現実をわかりやすい作風で表現した絵画展『いのちというあかり~フクシマからの想い~』(あとりえとおの氏の作品展)のほか、『原爆と人間』展の写真パネル、戦時下の暮らしの品など戦争の悲惨さを訴える展示が行われた。また、現在の問題として、『フクシマは今…原発事故のその後』、『憲法を考える…』、『オキナワと本土・政府のギャップはなぜ?』などが取り上げられ、新聞記事や図表などをまとめた手作りのパネルも展示された。
3日には「戦争体験談の集い」が開催され、16歳のとき川崎航空機明石工場で空襲に遭い、多くの同僚を亡くした男性(85歳)、2歳のときに満州から家族とともに引き上げて来た男性(68歳)、シベリアに抑留され、過酷な捕虜生活を体験した男性(89歳)の3人がそれぞれの体験談を語った。3人はそれぞれに「あのようなことは二度とあってはならない」と強調。「今、平和憲法を変えて戦争ができる国に戻そうとする動きがあるが、私たちには憲法が染みついている。そうさせないためにも、私たちは責任を持って歴史を伝えていく」と平和への強い思いを訴えた。
最終日の4日は、福島第一原発事故で被災し、いま明石に移住している画家・あとりえとおの氏による 〝絵語り〟と、メインイベントとして「松元ヒロ『笑』ライブ~われら市民に笑いと勇気をふりそそぐ~」が行われた。ソロ芸人の松元さんは新鮮な時事ネタをパントマイムと風刺のきいたギャグで披露するなど、終始観客を笑いの渦に引き込んだ。憲法に対する強い思い入れを、憲法を擬人化したコントや、親交のあった井上ひさしさんや小沢昭一さんとのエピソードの紹介も交えながら面白おかしく披露すると、観客からは惜しみない拍手が贈られ、イベントは熱い盛り上がりの中で閉幕した。
(彩)
写真:最終日のメイン行事では松元ヒロさんの「笑」ライブも行われ盛りあがった=8月4日、明石市
- 社民党 獲得議席は1
-
7月21日投開票で行なわれた参議院選挙で、兵庫選挙区は自民・現職と維新・新人が当選し改憲勢力が2議席を占めた。投票率は53・02%と前回から1・39ポイントさがった。
比例代表選挙では、新社会党が選挙協力協定を結んで支援した社民党は改選議席を1減らす1議席にとどまった。兵庫県本部が沖縄基地問題を重視する立場から重点的に推薦・支援した山シロ博治さんは112,641票の個人票を集めたものの社民党の当選枠1のなかでは議席にとどくことができず、山内徳信前参議院議員の議席を引き継ぐことはできなかった。
自民が圧勝し改憲勢力が3分2に近づいたことで、安倍政権による改憲の動きが一段と強まることがすでに現れており、改憲をめぐる攻防はいっそう緊迫度を増してくる。
-
6月20日に兵庫県庁前を出発した第29回反核平和の火リレーは、延べ15日間(参院選期間中は中断)で兵庫県内全市町を約800人の青年女性が走りつなぎ、7月29日、神戸市役所前に到着した。戦後68年を迎えるなか、「地球上からの核兵器廃絶」「原発再稼働反対」「武力で平和はつくれない」などと訴えた。
リレーを主催する平和友好祭兵庫県実行委員会(県実)では、リレーのランナーを各自治体が迎え入れるよう毎年、各地区実行委員会(地区実)が自治体に要請を行っている。あわせて非核自治体宣言の採択と、すでに採択している団体には平和行政の推進を求めてきた。県内では5つの自治団体が未採択だが、このうち、兵庫県、佐用町、多可町ヘは現地実行委員会の申し入れに県実も同行した。
多可町では、副町長から「核兵器も当然ながら、豊かな自然環境を守るためには原発政策も見直すべき。行政の責任として『非核自治体宣言』採択の努力をしたい」と力強い言葉をもらった。
「平和の火リレーを地域の青年女性の交流の場にしよう。組織強化につなげよう」と意識的な議論を重ねてきた地区実では、ランナーを集めて初めてバーベキューも企画されている。また、安倍政権によって右傾化が強まる中、ねばり強く平和講座を続けている地区実も少なくない。
各地区や職場で重ねた取り組みを集約・交流する場として、県実は8月31日~9月1日、第56回平和友好祭県祭典を神河町のグリーンエコー笠形で開く。
(M)
写真:県内の全市町を延べ約600人のランナーが走り継いだ反核平和の火リレ=市川町
- 神戸市原爆被害者の会が開く
-
核兵器廃絶などを訴える「『原爆と人間』写真展」が今年も8月1日から6日の6日間、JR神戸駅南側の地下街、デュオこうべのギャラリーで開かれた。神戸市原爆被害者の会(立川重則会長)の主催。福島第一原発の事故による放射能被曝も踏まえ、展示パネルには脱原発の内容も加わった。
写真:「さようなら原発」も訴えた新しい写真パネルが展示された=8月1日
- 神戸ワーカーズユニオンが大会
-
結成から25年を迎えた神戸ワーカーズユニオン(西直子委員長)は7月28日、第27回定期大会を神戸市勤労会館で開き、大会スローガン「私ができること見つける 小さな力を集めて組織強化を」に沿った新年度の運動方針などを決めた。
西委員長のあいさつやひょうごユニオンをはじめ傘下の各地域ユニオンなどから来賓あいさつが行なわれたのち、「ユニオンの1年」として写真やビデオによる活動の紹介が行なわれ、被災地メーデーなど取り組んできた諸行事を振り返った。
活動報告や運動方針案の提案が木村文貴子書記長によって行なれ、この1年の間に2つの分会が新たに結成されたことや、行政区単位の支部づくりの先頭として垂水支部が27回の交流会の積み重ねのうえに昨年12月に結成され、主体的な宣伝行動、労働相談活動をつづけていることなどが明らかにされた。
その後、体と会場の雰囲気をほぐすためのストレッチ体操をはさみ、参加した6つの分会から近況報告がつづいた。また、「一人組合員」からも、加入したばかりの若い組合員が、不当な解雇通告を受けて「こんなことは絶対に許せない」と組合加入を決意したなどと発言した。
こうした発言を経て、大会では「2015年までに400人のワーカーズとボランティア専従をつくろう」を柱とする新年度の運動方針を決め、閉会した。
同ユニオンは結成25周年の集いを8月24日に神戸市勤労会館で開く。
写真:結成から25年を迎えた神戸ワーカーズユニオンの定期大会=7月28日、神戸市勤労会館
- ひょうご労働法律センター総会
-
ひょうご労働法律センターは7月24日、第13回総会を神戸市勤労会館で開いた。
総会では代表委員の上原康夫弁護士があいさつし、「当センターの活動も12年つづき、法律対策活動への援助と相互交流に役立っている。参院選の結果、解雇をよりしやすくするような労働・雇用分野の規制緩和が目論まれ、労働者には厳しい情勢だが、これに闘っていける法対活動家の育成が急務だ」と訴えた。
議案の提案は事務局長の宇野克巳全港湾神戸支部書記長が行い、これまでとおり「ひょうご労働法律セミナー」の隔月開催やホットラインなどに取り組むとともに、会報発行体制の強化などが提案され、確認された。
総会議事終了後は第2部として懇親パーティーが持たれた。参加した各労働組合から活動の近況報告などが行なわれたが、解雇撤回の裁判闘争で不当な判決が出された全港湾神戸支部姫路伊藤分会の仲間に激励のエールが続いたことが印象的だった。
写真:「活動の強化を」と訴える上原康夫代表委員=7月24日、神戸市
|