「新社会兵庫」 7月9日号
7ユニオンで迎えた結成15周年
 県内の7つの地域ユニオンなどで構成するひょうごユニオン(小西純一郎委員長、960人)は6月29日、神戸市勤労会館で第16回定期総会を開いた。総会では各地域ユニオンが進めてきた活動や闘争の報告が行なわれて全体が学びあう一方、厳しい労働情勢に立ち向かおうと2千人のユニオン建設をめざすことなど5つの柱からなる新年度の方針を決めた。

 総会の冒頭、あいさつに立った小西委員長は、同ユニオンが結成から15年を迎えたという節目にふれ、「振り返れば、兵庫で地域ユニオン運動が始まったのは25年前。その後、各地域でユニオンが立ち上がり、一時、ユニオン運動には破竹の勢いがあった。今は厳しい情勢だが、踏ん張り時だ。組織を強めて将来に備えよう」と呼びかけた。
 その後、塚原久雄事務局長らから活動総括・方針案などの提案が行なわれた。ひょうごユニオンとして取り組んだ闘争、争議支援が報告されたほか、各地域ユニオンの共通の課題として世代交代、若者の育成≠ェ意識され、そのための工夫した学習や交流の取り組みも紹介された。
 その後、各地域ユニオンからは具体的な活動を報告する発言がつづいた。今年2月、神戸地裁で解雇無効の全面勝訴の判決をかちとりながら、会社側の控訴によっていま高裁段階での闘争が続いている明石地域ユニオン東亜外業分会の報告。武庫川ユニオンに二重加盟しながら労働運動の活動分野をさぐる郵政の若い仲間の発言。また、武庫川ユニオンからは、組合つぶしをねらう雇い止め通告をはね返したのち、大幅な賃下げを伴う教務職から事務職への配置換えを受けたことに対して闘う決意を述べた重里学園分会の報告。人員整理の不安からユニオンに加入してまだ2カ月の組合員が発言した但馬ユニオン。神戸ワーカーズユニオンからは、地域支部のさきがけとして垂水支部が結成されたことが紹介され、支部としての定期的な交流会や労働相談などの取り組みが報告された。
 11人の代議員からの発言を受け、小西委員長が「じっくり学べる発言を聞いて改めてひょうごユニオンの役割を実感した。ひょうごユニオンがあるからこそ闘え、学べるものがある。労働組合の存在価値が問われる今こそ闘いを起こし、発信し、つなごう」と集約、すべての議案を提案どおり採択した。総会は最後にアピールを採択し、新年度の役員を選出して閉会した(三役は全員再任)。

写真:「今こそ闘い、発信し、組織を大きくしよう」と訴える小西純一郎委員長=6月29日、神戸市勤労会館
奨学金問題と学費を考える兵庫の会
 いまやローン化した奨学金制度によって就職前から年収以上の借金を抱え、返済に困窮する若者が急増するなど奨学金問題が社会問題化しているなか、「奨学金問題と学費を考える兵庫県集会」が6月21日、神戸市勤労会館で開かれた。
 集会を呼びかけたのは「奨学金問題と学費を考える兵庫の会」(共同代表・赤松範夫弁護士)。3月末に「奨学金問題対策全国会議」が発足したことを受け、全国会議と連携して兵庫でも奨学金問題の対策や運動に取り組もうと立ち上げられた。
 集会では共同代表の赤松範夫弁護士のあいさつのあと、奨学金問題対策全国会議・共同代表を務める大内裕和中京大学教授が「教育における格差と貧困―奨学金問題から考える」と題して講演。奨学金制度の大きな変化を追いながら、有利子枠の拡大と民間資金の導入が進み、有利子枠が1988年度の11万人から2012年には96万人に達していることを指摘した。さらに、新自由主義の進行のもと、学費の上昇や雇用情勢の悪化などで経済的困難が拡大し、奨学金返済の困難がたいへん深刻になっている実態を紹介し、もはや「奨学金が奨学金でなくなっている」と現状の問題点を総括的に指摘した。
 制度の改善方向として@一定年収以下の場合の返済猶予・減額・免除。猶予5年以上の上限の撤廃A有利子奨学金の改善(延滞金の廃止、返済方法の改善)B給付型奨学金の導入を提起した。
 今後、「兵庫の会」としても相談活動などに取り組むが、活動維持のために会員を募っている。年会費1口1千円。「兵庫の会」連絡先=電話078‐362‐1166(平日10時〜19時)、メール hy‐shougakukin@mbr.nifty.com
写真:「もはや奨学金が奨学金でなくなっている」と問題を指摘する大内裕和教授=6月21日、神戸市
県内一巡 6.20〜7.3 7.23〜29
 今年で第29回を迎えた反核平和の火リレーが6月20日、県庁前を出発した。核兵器の廃絶などを訴えて県内600qを走りつなぎ今月29日、神戸市役所前に到着する(参院選期間中は中断)。
 出発にあたり、20日午前9時30分から県庁1号館前で出発式が行なわれ。主催者の兵庫県青年女性学生平和友好祭実行委員会の平瀬勲実行委員長(自治労兵庫県本部青年部長)があいさつし、「安倍政権の改憲の動きに大きな危機感を抱いている。福島原発事故の被災者の思いも届いていない。これらも訴えて走りつなぎたい」と今年のリレーの意義を訴えた。
 その後、自治労県本部、県職労、部落解放同盟、民主党、社民党、新社会党、県企画県民部の代表がつぎつぎと激励のメッセージを贈った。新社会党からは粟原富夫県本部委員長があいさつし、「原発再稼働や原発輸出に躍起となっている安倍内閣への怒りをともに発信していこう」など、連帯と激励の意を表した。
写真:県庁前での出発式=6月20日、神戸市中央区
第30回アジア労働者交流集会in神戸
 毎年2回神戸で行われているアジア労働者交流集会in神戸(第30回)が6月19日、神戸市勤労会館で行われた。
 今回のゲストは韓国から許榮九(ホ・ヨング)さんと権唯利(クォン・ユリ)さんの2人。ホさんはAWC国際共同代表で、韓国の左派労働者会代表。クォンさんはまだ20代半ば。今年1月に韓国でアルバ連帯という組織を立ちあげた。青年アルバイト労働者がサービス業の大部分を支えているにもかかわらず、劣悪な条件で働くアルバイトの若者を組織しようという運動だ。また、今回は2人のゲストに同伴して仁川で人権問題などに取り組む仁川サラム連帯の6人も参加した。
 集会では、ホさんが大統領選後の朴槿恵政権と労働運動、南北関係など朝鮮半島をめぐる状況を報告。クォンさんは韓国アルバイト労働者の置かれている過酷な状況と最低賃金1万ウォン(現在の最低賃金は4860ウォン。10ウォンは約1円)を要求している運動、若者をひきつける運動の工夫などについて報告した。
 集会に先立って行われた懇談会では、兵庫社労センターの松枝佳宏事務局長が、安倍政権下の改憲状況を報告し、日韓の選挙制度などについても意見交換を行なって感想などを述べあった。
(M)
写真:人権問題に取り組む韓国の若者のパフォーマンス=6月19日、神戸市勤労会館
全港湾姫路伊藤分会の裁判闘争
 会社の偽装解散による不当解雇、労働組合つぶしは許せないと、全港湾神戸支部姫路伊藤分会(高M健太分会長。訴訟中に1人が亡くなり現在7人)の労働者が地位確認を求めて2009年12月に提訴した裁判の判決言い渡しが6月26日、神戸地裁姫路支部であった。
 判決は、「原告の請求を棄却する」。―「なぜ?」「信じられない」という空気が勝利判決を信じていた原告席と支援者で埋まった傍聴席を覆い、ショックが広がった。
 場所を移した報告集会には代理人弁護士4人も出席し判決の解説が行なわれた。会社解散、解雇を行なった伊藤運輸と、同社を実質的に経営し、解散後は組合員を排除した従業員を引き継いだ伊藤興業は実体として一体であり、会社解散は偽装であるという原告側の主張は斥けられた。
 「こんな判決を許せば、会社はいくらでも組合つぶしのための解散ができる」など、闘争を支援してきた県内の各地域ユニオンの代表らがつぎつぎと不当判決への怒りを述べ、分会員を激励した。前に並んだ分会員は、「勝つことを信じてきたのでとにかくショックだ」「今後も闘いたいから支援を」など、一人ひとりが悔し涙も見せながら闘い続ける決意をにじませ、それぞれの思いを語った。
 報告集会ののち、参加者は車でイトウメタルの正門前に移動して抗議行動。大きな声でシュプコールを繰り返し、不当解雇を許さず闘い続けるという決意をぶつけた。会社は行動を予想してか、臨時休業にして門を固く閉ざしていた。

写真上:報告集会では原告の一人ひとりが怒りと悔しさをにじませ次への思いを語った=6月26日、姫路市労働会館
写真下:イトウメタルの正門前に移動しての抗議行動
【全港湾姫路伊藤分会闘争】
 09年3月、伊藤運輸(姫路市)で働く運転手が全港湾に加入して姫路伊藤分会を結成、劣悪な労働条件の改善を求めて組合運動に立ち上がった。伊藤運輸は伊藤興業の運輸部門。経営も事務所も一体で両社は実質的に一つの会社であったが、労働組合を嫌悪する経営者は同年9月、「経営状態の悪化」を理由に突然、伊藤運輸を解散し従業員全員を解雇した。その後、伊藤興業は6億円以上かけて新工場を建設しながら、経営者一族が密かに設立したイトウメタルという新会社に全事業を譲渡した。組合は県労働委員会に救済を申し立てるとともに、3つの会社を被告として地位確認請求の提訴を行ない、闘ってきた。
6.23 大阪市
 保守・改憲勢力に対峙する政治勢力の結集を進めようとする運動団体「『共生・連帯』近畿」が6月23日、大阪市内で壊憲ストップ! 脱原発、格差なき社会≠掲げて発足のつどいを開き、約250人が参加した。
 参院選を間近に控え、共同代表の武建一・全日建連帯労組関西地区生コン支部委員長が「何としても壊憲≠阻止したい。そのための結集を大きくしよう」とあいさつ。
 記念講演では浦部法穂・神戸大学名誉教授が「『壊憲』の本質と私たちの課題」と題して自民党改憲草案を解説。「改憲案は『国民』ではなく『国家』が主体で、基本的人権を否定するものだ」と批判し、参加者はいま直面する壊憲≠フ危機感を改めて共有した。
 つづいて、「慰霊の日」の沖縄から駆けつけた安次富浩・ヘリ基地反対協共同代表が沖縄のたたかいを、湯川喜朗・全農林大阪分会委員長が反TPPの闘いを訴えた。
 集会は最後に、「共生・連帯」近畿がめざす4つの柱(@反戦・護憲A反貧困・反格差B脱原発、持続可能社会の実現C反差別・共生社会の実現を内容とする)とそれらの実現のための12の課題で大同団結することを誓って閉会した。
(彩)
写真:護憲のための大同団結を訴えた「共生・連帯」近畿の集会=6月23日、大阪市