「新社会兵庫」 3月12日号
あかし地域ユニオン 東亜外業分会が勝訴
 鋼管製造等の東亜外業(本社・神戸市兵庫区)が経営不振を理由に東播工場(播磨町)を休止し、従業員28人を一斉に「整理解雇」したことに対し、被解雇者の大多数はあかし地域ユニオンの組合員であることから「解雇は労働組合を嫌悪した不当解雇。解雇権の乱用だ」と解雇無効を求めていた訴訟の判決が2月27日、神戸地裁であり、工藤涼二裁判官は、原告の主張をほぼ全面的に認め、解雇無効と解雇後の賃金の支払いを命じた。

 「整理解雇」が行なわれたのは11年6月25日。東播工場(85人が働いていた)で同年1月から始まった希望退職募集に応じなかった従業員28人が解雇されたが、このうち26人があかし地域ユニオンの組合員だった。この解雇に対し同年9月、23人の組合員が解雇無効を訴えて提訴、約1年半にわたって裁判闘争に取り組むとともに、抗議行動などを続けてきた。
 この日、傍聴に入りきれなかった支援の仲間が待つ神戸地裁前に、開廷後間もなく連絡員が駆け込んできて開いた垂れ幕は「勝利判決」。「やったぞ」と大きな歓声と拍手が湧き起こった。やがて、にこやかな笑顔をたたえて法廷を出てきた分会員らを、勝利を喜ぶ支援者の拍手が迎える。みんながそろって、勝利≠フ記念撮影が行なわれた。
 その後、一団は近くの別会場に移り、記者会見ののち、判決報告集会を持った。
 報告集会では、原告の代理人を務めた上原康夫弁護士から判決内容の解説を受けた。争点となった「整理解雇4要件」に沿った検討で、裁判所は、会社は解雇回避努力を十分に尽くしていないこと、被解雇者の人選には合理性はないこと、などを判断し解雇権の濫用と断じたことが明らかにされた。
 分会員からは「勝利判決で正直、ホッとしている。今後に不安もある」「会社は判決を重く受け止めて早く職場に返してほしい」などの声が出された。支援者からの喜び、連帯、激励のあいさつがつづいたあと、集会の最後に、退職勧奨を最初に受け09年に組合に加入、分会をつくってきた森崎吾郎分会長があいさつし、支援への感謝を述べるとともに就労実現に向けた今後の支援を要請した。
 集会後、分会員らは、1日も早い就労、職場復帰を求める申し入れ書を手渡しに本社に出向いたが、会社の対応はこれまでと同様、慌てて車庫のシャッターを降ろし、ドアに施錠するなどの不誠実な対応。翌日の工場に対する申し入れに対しても門をシャトアウトする状況で分会員と支援者たちに最後は警察を呼んで対応するというありさまだった。

写真上:「解雇無効」の勝利判決に喜びの記念撮影=2月27日、神戸地方裁判所前
写真下:本社での申し入れ行動=2月27日
憲法を生かす会・垂水と憲法を生かす須磨区の会が開催
 昨年末の総選挙の結果、改憲勢力が大多数を占め、国会勢力からみると憲法の危機といえる状態となるなか、憲法を生かす会・垂水と憲法を生かす須磨区の会が、この状況で「何をしなければいけないか」「何ができるか」を考えていくため、2月17日、憲法講演会を垂水区で開催した。
 講演会には危険な政治情勢を反映し、会場を埋める63人が集まった。
 講演の前に川端忠さん(垂水区在住)の「うたとギター演奏」の披露があり、少しリラックスした雰囲気のなかで、上脇博之(かみわき・ひろし)さん(神戸学院大学大学院教授)の「安倍改憲は何をめざし、どう進められるのか」と題する講演に聞き入った。
 上脇さんは、安倍政権には過去に教育基本法改悪と、防衛庁の省昇格という憲法破壊の「実績」があり、恐ろしさがあること、改憲論の本質はアメリカの戦争への加担であり、「集団的自衛権」が目的であることなどを分かりやすく説明した。
 各政党の主張から見ると、憲法96条(憲法改正手続き)の要件緩和を先行させる動きがあり、発議要件の緩和(3分の2から2分の1へ)だけでなく、国民投票を回避する案も出ているが、「国民投票」を守ることでこと足りるのでなく、「両にらみ」が必要だと話した。
 また、財界は近隣諸国との関係から安倍首相の外交政策に不安を感じており、アメリカも安倍政権を不安視しているとも指摘。最後には、「保守的な人でも憲法改悪反対の人がいる。幅広い運動で改憲を阻止しよう」と訴えた。
(W)
写真:上脇博之・神戸学院大学大学院教授の講演に学んだ=2月17日、神戸市垂水区
兵庫県農業問題懇話会が総会
 兵庫県農業問題懇話会(中井常男会長)の第18回総会が2月24日、明石市内で開催され、安倍政権によってTPP交渉参加が確実視されていることや農政全般がかつての自民農政に逆戻りしていることなどに懸念の声が相次いだ。
 参加者から「現実はTPPどころではない。田んぼを維持するのに汲々としている。できれば手放したいくらいだ」、「兼業がほとんどで、TPP反対の声が上がらない」、「農協も反対署名に取り組んでいない」、「高齢化の中で集落営農もうまくいかない」などの声があがり、学習と交流の場を設けていくことが確認された。また、@集落営農の実態調査に取り組むA全国や近畿、そして県内における労組や「ぴぃぷる」、I女性会議などとの連携強化B会員拡大Cニュースの発行……などの方針が承認された。
 総会には松枝佳宏新社会党中央本部委員長や鳥居龍太郎近畿食糧・環境ネットワーク代表がかけつけ、連帯と激励のあいさつを行った。
 総会後の記念講演では稲美町の北川寿一さんから、同町の農業の現状と課題について報告を受けた。その中で北川氏は、「兼業がほとんどだが、農業で暮らしていけるのは、米だけだと20f以上必要だが、これは現実的でない。米作と野菜など複合経営でないとやっていけない」のが現状だと強調した。
(N)
写真:厳しい農業・農家の現状を交流し課題について話し合った総会=2月24日、明石市
ひょうご地域労働運動連絡会
 県内7つの地区労(センター)や県職労、ひょうごユニオンとそこに結集する地域ユニオンらの有志労組などでつくるひょうご地域労働運動連絡会(酒井浩二議長)が2月23日、24日の両日、恒例の春闘討論集会を西宮市内で開き、各労組の春闘方針や春闘に向けた問題意識などを交流し合った。
 先ず、酒井議長(尼崎地区労議長)が最近の春闘情勢や労働運動の現状に触れ、「いま、労働運動そのもののあり方を問い直してみなければいけない。年末の総選挙結果も労働運動に大きな宿題を与えた。改めて基本に忠実に、何から、どこから、どう変わるべきかを考えよう」とあいさつ。岡崎進事務局長(明石地労協特別常任幹事)から情勢報告や討論のための基調提起が行なわれ、「原点に立ち返って職場から労働運動の再構築を」として、職場点検、職場学習会、職場からの権利行使など基本的な活動の実行が強調された。各地区・各労組の報告として、全港湾神戸支部、神戸ワーカーズユニオン、県職労、尼崎地区労からそれぞれ春闘の取り組み状況などの報告を受けたのち、参加者全員がひとこと自己紹介を行なった。
 その後、「コミュニティユニオンと地域労働運動への期待」と題する水谷研次さん(東京都労委あっせん員、雑誌『労働情報』編集委員)の講演が行われ、水谷さんは自身の豊富な運動経験と教訓をもとに今後の労働運動のあり方などを提起した。 2日目は3つの分散会での討論。討議資料を読み合わせ、それぞれの持ち場での活動や問題意識などを交流しあった。
 討論集会の最後に、宇野克巳副議長(神戸地区労議長)がまとめを行い、「労働運動は極めて困難な局面にあるが、希望もある。今の職場・社会に矛盾をかんじている若者とつながろう。つなぐ≠ニいうことをこの1年がんばろう」などと訴えた。
写真:職場からの基本的な活動の再構築を確認しあった討論集会=2月23日、西宮市
あかし地域ユニオンが大会
 あかし地域ユニオン(西山和宏委員長)は2月24日、明石市内で第15回定期大会を開いた。
 冒頭、西山委員長は「あかし地域ユニオンの結成は99年2月。当初は10数名で始まったが、この1年は『フレッシュ学習会』を立ち上げ若い人の結集が見えてきた。3日後に判決を迎える東亜外業分会闘争の2年間の月日は長かった。判決の翌日から就労する気持ちで構えよう」とあいさつ。
 その後、新体制になったばかりの明石地労協人権平和センター、ひょうごユニオンや各地域ユニオンから来賓あいさつが行われた。
 各分会の闘いの報告では、会社が退職金の分割支払いを言ってきた際、一括支払いを求めユニオンに加入したぺリカセブン分会や、2年前に突然の解雇通告を受け、裁判闘争に入っている東亜外業分会、さらに、関西超硬合金分会から発言があった。
 大会では、労働者の立場に立った闘う駆け込み寺≠ニして「地域に根ざし、労働者にとことん寄り添い、200人の組合員、専従者の配置、支部づくりを進めよう」をスローガンにこの1年間の活動を進めていくことを確認した。
 第2部は、なにわユニオンの中村研さんの講演。中村さんは、ユニオン運動における専従者の役割などについて話した。
 この大会で、これまで委員長や書記長などを歴任してきた中谷紀子さんが退任した。
(T)
写真:大会第2部ではなにわユニオンの中村研さんの講演を受けた=2月24日、明石市
3月23日に講演会と祝賀会
 兵庫県内にとどまらず国内外の労働運動の歴史研究を年4回の例会を通じて行なってきた兵庫県労働史研究会が20周年を迎え、20周年記念行事を開催する。
《20周年記念行事》
◎日時=3月23日(土)午後2時〜6時
◎場所=兵庫県中央労働センター201号(県庁西5分)
〈記念講演会〉
記念講演「韓国大統領選挙後の新たな情勢と労働組合運動の現状」
金元重(キム・ウォンジュン)千葉商科大学大学院教授
〈20周年記念と金元重さんの再審無罪判決祝賀会〉
◎参加費=講演会のみ500円、講演会と祝賀会3千円
◎申し込み=電話、ファックスとも079‐437‐7842(福田方)
 ※金さんは1975年、軍部独裁政治の下、韓国中央情報部(KCIA)が在日韓国人学生を「北朝鮮スパイ団」として摘発した事件で不当逮捕され、7年間服役したが、昨年3月、「再審無罪」判決をかちとった。
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もはや奨学金問題を見過ごせない

■2013年緊急ゼミナールin近畿

  • 3月24日(日) 14:00〜16:30
  • 山西福祉記念会館(大阪市北区神山町)
  • 講師:大内裕和さん(中京大学教授)
  • 資料代:1,000円
(主催)奨学金問題に取り組む近畿の会