「新社会兵庫」 2月12日号
不当な賃下げに裁判で闘う
 日本郵便で働く非正規労働者が、たった1回30分の遅刻を理由に理不尽な評価を受け、時給を210円も下げられたこと(自動的に半年で約22万円の賃下げとなる)は明らかに不当だとして、提訴して裁判で闘うことを決意した。この労働者の決意を支え、非正規労働者の差別的な待遇の改善を進めるためにもこの裁判闘争を支援しようと「日本郵便非正規労働者の権利を守る会」が立ち上げられ、その結成集会が1月24日、尼崎市労働センターで開かれた。集会には会場を埋める120人余が集まった。

 提訴するのは、神戸市長田郵便局で働く日本郵便非正規ユニオン委員長の福本慶一さん。福本さんは昨年8月の契約更新時に30分の遅刻をしたことを理由に時給210円を下げると通告された。遅刻は電話連絡をしたにもかかわらず「無届」だとして「訓戒」処分され、基礎評価で10円のカット、それとスキル評価を連動させて(「習熟無」の評価)資格給で200円、合計210円のカットというものだ。日本郵便の神戸・阪神地域の郵便外務の時給制契約社員は年2回の人事評価(2月、8月)によってその後の半年間の時給が決まる。また「習熟有」というスキル評価は正規社員への絶対条件ともなるため、たった1回の遅刻で正規社員への道も大きく阻まれたことになる。
 福本さんは、この問題で自らが委員長を務めるユニオンとして会社側と団体交渉してきたが解決しなかったため、裁判で争うことを決意した。
 結成集会では、「守る会」準備会を代表して酒井浩二さん(結成後、会代表に就任)があいさつしたのち、今回の処分の意味や裁判に至る経過、会の結成などについて塩浜勇さん(のち、事務局長に就任)が説明、報告、提案を行なった。
 さらに、郵便労働者の裁判闘争に深く関わり、今回も代理人を務める森博行弁護士や小谷成美弁護士から、争点と原告側の主張などについての解説が行なわれた。
 決意表明に立った福本さんは「郵便局で働き出して10年目。正規社員と変わらない仕事と責任を受け持ってきたが、非正規は不安の中で日々働いている。08年には非正規に一方的な労働時間の削減による賃金引き下げが提案され、ユニオンをつくって撤回させた。今回、1度の遅刻で時給210円のカットは、正規にはないもので評価制度そのものに問題がある。非正規であるということで許されるのか。いま、郵便労働者の60%が非正規。だから、私だけの問題で終わらせない。正規を求める前に非正規労働者が安心して働き、暮らせるよう裁判闘争をがんばりたい。会員を広げてほしい」と発言、会場からは大きな激励と連帯の拍手が送られた。

写真上:120人が集まった結成集会=1月24日、尼崎市
写真下:提訴する福本慶一さん=1月24日、尼崎市
 新社会党兵庫県本部(粟原富夫委員長)は1月19日夕、神戸市内のホテルで「2013年新春の集い」を開いた。
 冒頭、粟原委員長が「新社会党が若者を結集できる魅力ある党に大きく脱皮≠キるよう、年男の委員長が先頭に立つ」とあいさつ。松枝佳宏・新社会党中央本部委員長や社民党兵庫県連などの来賓あいさつののち、今年選挙を闘う都築徳昭・尼崎市議(6月)、村井正信・西脇市議(11月)、山名宗悟・神河町長(11月)の3人が選挙に向けて決意表明を行なった。
 乾杯ののち、歓談をはさんでゲストによる美しいフルート演奏や来賓による連帯あいさつが続いた。党内からは県内5ブロックからひとつずつ出し物の披露。アコーディオンの演奏や、党員がこのほど新しくつくってマスコミにも大きく取り上げられた、神戸空襲跡などの戦跡を写真や体験談などで解説・案内する「平和マップ」の紹介などが行なわれた。
 新春の集いに先立ち、別会場で「新社会党兵庫県本部時局講演会」が開かれ、松枝委員長が「総選挙後の政治情勢とわれわれの課題」と題して講演。改憲の流れに立ち向かう、存在感のある護憲共同戦線の構築を、と訴えた。
写真上:時局講演会=1月19日、神戸市
写真下:新春のつどい=1月19日、神戸市
熟年者ユニオンが関電神戸支店と面談
 熟年者ユニオン(山村ちずえ会長)は1月28日、原発問題をめぐり関西電力神戸支店との面談を同支店で行ない、関西電力の原発問題への対応などを質した。
 同ユニオンは福島原発事故以降、毎月定例的に行なう「サンドイッチマン・デモ」を関電神戸支店前を通るコースにしたりしながら、関電に脱原発・再稼働停止などを申し入れ、面談も要求してきたが、関電側がこのほどユニオンの要請を受け入れ、面談が実現した。
 ユニオン側は事前に、@大飯原発の停止・廃炉A使用済み核燃料の処理問題B電気料金値上げ問題(原価問題)、C自然エネルギーの利用などに関する要求と質問を提出しており、これらに対する関電側の回答を聞いた後、質疑を行なった。
 関電側は、活断層かどうかで議論のある大飯原発の敷地内の断層は「活断層ではない」と回答。また、申請中の電気料金値上げに関して、料金の算定基準となる原価に、社員・家族の若狭湾旅行への補助金、OB役員・顧問の報酬、社員の地方議員の給与なども含まれていることも認めた。これに対し、ユニオン側はあらためて大飯原発の停止・廃炉や料金値上げ中止などを求め、「世界は、福島事故を原点にして自分のところの原発廃炉や建設中止を決めているのに、日本の現状を見て呆れているだろう。私たちの願いは原発をやめ、自然エネルギーに切りかえてほしいことに尽きる」と山村会長が対応した。
 同ユニオンは今後も面談を求めていく方針だ。
写真:関西電力神戸支店と原発問題で面談する熟年者ユニオンのメンバー=1月28日、神戸市
3.11には後藤政志さん(元原子力プラント設計者)講演会
 まもなく東日本大震災、福島第一原発事故から2年を迎えようとするなか、「さようなら原発・兵庫」(さようなら原発1000万人アクション兵庫県実行委員会)は2月14日に労組・地区代表者会議を開き、当面する脱原発運動の課題などについて協議し、活動方針を確認する(18時30分から神戸市勤労会館307号で)。
 当日は、前衆議院議員の服部良一さんから福島の現状とともに、安倍政権が民主党政権時代の「2030年代に原発ゼロ」の方針を転換、再び原発の維持・継続の道を歩もうとしている政治状況などについても報告してもらう。
 同実行委員会は3月11日には私学会館・大ホールで「公開学習会」を開き、「原発再稼働は安全か?〜原子力技術者からの指摘〜」と題して元原子力プラント設計者の後藤政志さんの講演を聴く。
1.17から3.11へ 神戸の教訓を東北に伝えよう
 阪神・淡路大震災から18年。危惧されていた震災アスベスト被害が早くも現実化し、拡大している。震災復旧時のがれき処理、ごみ収集、被災建物の解体などの作業に従事した人が、アスベストに起因する中皮腫を発症した事実がこの間、相次いで明らかにされてきた。
 こうしたなか、NPO法人ひょうご労働安全衛生センターと立命館大学アスベスト研究プロジェクトが主催する「震災とアスベスト―1・17から3・11へ」と題したシンポジウムが1月12日、神戸市勤労会館と宮城県石巻市労働会館の2会場で開かれ、インターネットで結んで2元中継された。2つの被災地をつなぐ目的は、「神戸の現実を将来の東北で起きる予言にしてはならない―」だ。神戸会場に200人、石巻会場には40人が参加した。
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 大震災直後のアスベストが飛散する復興作業現場を写したDVDの上映で始まったシンポジウムは3部で構成され、第1部は「阪神・淡路大震災におけるアスベスト飛散実態の検証」として、大震災の復旧作業での労働実態の調査を行なった立命館大学の南慎二郎研究員が基調報告を行った。
 さらに、当時の具体的な労働実態について、がれき処理や建物の解体などに関わった神戸土建、自治労、全港湾など4人の労働者からそれぞれの労働体験が語られた。その中で、中皮腫を発症した労働者は「アスベストがこれほど恐ろしいものだとは知らされていなかった。上司から具体的なアスベスト対策の指示もなかった」と語った。
 2部では「阪神・淡路の教訓から東日本大震災の課題を考える」と題したパネルディスカッションが行なわれ、両会場から医者、新聞記者、学者らが発言し、「国や自治体、住民は危険性を認識し、平時から対策を考える必要がある」と訴えた。
写真:4人の労働者が阪神・淡路大震災当時の現場の労働環境の実態を語った=1月12日、神戸市
神戸地区春闘が結成大会
 13春闘に向けた神戸地区春闘(国民春闘神戸地区共闘会議)結成大会が1月17日、神戸市勤労会館で開かれた。
 昨年秋の大会で選出された神戸地区労の新三役のもとでの初の地区春闘となる。結成大会では宇野克巳議長が呼びかけあいさつを行い、木村文貴子事務局長が方針案などの提案を行なった。
 提案された情勢では、労働組合組織率(推定)は17・9%(12年6月、厚労省調査)まで落ち込み、労働組合員数が1千万人を切ったことが明らかにされた。また、民間給与総額の年平均は97年の467万3千円をピークに下がり続け、10年では409万円で13%近くの減になっていることも報告された。
 こうしたなか、「労働者としてのものの見方≠ナ社会、職場、暮らしのあり方を見つめ直す」が神戸地区春闘のスローガンとして掲げられ、@賃金要求A労働時間短縮要求Bワーク・ルール確立C政策制度要求を要求項目にあげた。賃金要求では、@すべての労働者が最低限の生活ができる賃金水準づくりをめざすAひとりひとりの生活実態を大切に要求づくり、交渉に臨むB非正規労働者の処遇改善に向け、同一価値労働同一賃金を基本に均等待遇をめざす、としている。
 具体的な取り組みとしては、@「春闘グッズ」(ボールペン)の販売、A春闘討論集会(2月23日〜24日/ひょうご地域労働運動連絡会主催)、A兵庫たたかう仲間の集会(3月9日)、B春闘講演会(3月15日)への参加の取り組みなど、25項目にわたる活動方針を確認した。
 結成大会後は会場を移して新年旗開き。参加組合の自己紹介・活動報告などで交流を深め合った。
写真:社会的に運動を広げていく春闘にしよう」とあいさつする宇野克巳・神戸地区労議長=1月17日、神戸市勤労会館
震災石綿禍など新課題に直面
 阪神・淡路大震災から18年の1月17日、各地で早朝から追悼行事などが行なわれた。
 神戸市役所前では18回目を迎えた、兵庫県被災者連絡会などがつくる実行委員会主催の「1・17追悼・連帯・抗議の集い」が早朝から開かれた。午後からのステージ上では賛同団体などによる連帯のアピールが行なわれ、その後は毎回出演のおーまきちまきさんや趙博さんらによる歌や演奏が寒風の中、夕刻まで続いた。
 連帯アピールでは新社会党神戸市議団を代表した粟原富夫神戸市議(新社会党県本部委員長)が訴え。危惧される震災アスベスト被害の拡大の問題を取り上げ、がれき処理作業や解体作業の従事者だけでなく一般住民についても健診体制の強化など十分な対応・対策が必要であり、そのことに行政はもっと力を注ぐべきであることを訴えた。また、借り上げ復興住宅の問題にも触れ、自らが自治会長を務める港島公団住宅に住む当該居住者の心情なども紹介しながら、行政は、居住者の間に線引きをすることなく、希望する人全員に居住延長を認めるべきだと強く訴えた。
 新社会党兵庫県本部は、この日の早朝、三宮交通センタービル前で街頭宣伝行動に取り組み、「新社会党兵庫県本部・震災18年アピール」(前号に要旨を紹介)をチラシにして通行人らに配布する傍ら、粟原市議、小林るみ子神戸市議、原和美元神戸市議らがマイクリレーで震災復興をめぐる課題と要求を訴えた。
写真上:午前5時46分に黙とうする「1.17のつどい」=1月17日、神戸市・東遊園地
写真下:希望する人全員に居住延長を認めるべきだと強く訴えた
インフォメーション
脱原発・働くものの権利 立ち上がろう つながろう

■2013兵庫たたかう仲間の集会

  • 3月9日(土) 13時30分〜
  • 神戸中央港湾労働者福祉センター
  • 主催=集会実行委員会(ひょうごユニオン内)
「さようなら原発・兵庫」公開学習会

■3.11から2年 原発再稼働は安全か?
 〜原子力技術者からの指摘〜

  • 3月11日(月) 18時30分〜
  • 私学会館
  • 講師=後藤政志さん(元原子力プラント設計者)
  • 参加費=500円