「新社会兵庫」 12月25日号
沖縄・高江の闘争に連帯 12.8平和集会
 I(アイ)女性会議ひょうご、兵庫県職労らでつくる実行委員会が毎年、反戦の立場から「戦争を忘れてはならない」と、日米開戦日の12月8日前後に開く「12・8平和集会」が8日、神戸市教育会館で開かれ、約80人が参加した。今年の集会は「沖縄問題」、とりわけオスプレイ配備問題に焦点を当て、沖縄・東村高江でオスプレイの訓練飛行基地にもなるヘリパッド建設阻止のために続けられている座り込み闘争について、琉球大学准教授の阿部小涼さんを講師に呼んで現状報告と問題提起を受けた。

 阿部さんは、大学での講義のかたわら、休みの土、日曜日を使って高江の座り込み闘争にテント当番として参加、支援の訪問者たちに高江のたたかいの説明などを受け持っている。今回の講演も今年4月、兵庫のメンバーが交流のために高江を訪問した際に阿部さんに説明してもらったことがきっかけだった。
 自治労の仲間のデュオ「ハイサイボーイズ」による沖縄の歌で始まった集会で、阿部さんは、@高江の現状、A高江の闘争がさらされている権力側からの訴訟の問題点、B沖縄の反基地住民運動が育み投げかけるもの、の3点について講演した。
 工事は今年の夏から進められてしまっているが、意外にも、9月のオスプレイ配備に反対する沖縄県民大会では高江の問題は課題にはあげられていなかったことに触れ(東村としては反対していない)、各議会の議題になっていかないことが今一番の問題点だと報告。さらに、国からの「通行妨害禁止の仮処分」申立に始まる前代未聞のスラップ訴訟=i住民運動の弾圧と萎縮効果をねらって権力側から起こされる戦術的な裁判)の問題の重大さにも触れた。そして最後に、5年半近く続けられている「座り込みの現場から見るSACO合意」というテーマで沖縄の運動が持つ意義と考えるべき課題を提示した。もはや、「負担軽減」「地元の理解」などの軽いキャッチコピーにだまされることなく、制度的な民主主義の機能不全に対抗するもの、さらに、単なる「問題解決」ではない、沖縄≠探った。

写真上:住民らの座り込みが5年以上にわたって続く高江の闘争の報告を受けた集会=12月8日、神戸市
写真下:高江の座り込みテントの中で説明する阿部小涼さん=4月15日

【沖縄・高江のたたかい】高江は、沖縄県北部の東村の中の人口約160人の自然豊かな小さな集落。1996年のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)合意で、北部訓練場(現在「ジャングル戦闘訓練センター」)の北側半分の「返還」と引き換えに「返還区域」にあるヘリパッド(ヘリ着陸帯)を南側に移設することとなり、政府・沖縄防衛局は、高江集落をとり囲むように6つの新たなヘリパッドの建設を発表した(06年)。翌07年7月の工事強行の動きに対し、高江の住民らは訓練場の進入路前にテントを張り、工事用の重機の進入を阻止しようと24時間体制で座り込みを始めた。座り込みは今も毎日続いている。
服部良一さん再選ならず
 12月4日公示、16日投開票で行なわれた第46回衆議院総選挙で、新社会党が推薦、支援して闘った社民党の近畿比例区の選挙は、得票数13万3064票(得票率1・36%。前回は41万1092票、3・68%)で、議席の獲得には及ばず、前回当選の服部良一さん(前)の議席を維持することはできなかった。兵庫県での得票は4万1557票(1・59%。前回13万5987票、4・58%)だった。
 結果について新社会党兵庫県本部の鍋島浩一書記長は「全国でも自・公が3分の2以上の議席獲得、維新が大幅議席増で比例では近畿、兵庫県でも第1位となるなど、最悪の結果となり、改憲への懸念が強まった。だが、この結果にくじけることなく来年の参院選では護憲勢力を拡大するために改憲阻止、反原発、脱貧困を願う労働者・市民とともに共同の拡大へ総力をあげる」と語った。
写真:新社会党も加わった社民党の街頭演説=12月9日、神戸市
「制定をめざす会」が発足集会
 官製ワーキングプアをつくり出してはならないと、「尼崎市公契約条例の制定をめざす会」発足集会が1日、労働者、行政関係者、経営者、議員等約100人が参加して尼崎市立労働福祉会館で開かれた。
 集会は「めざす会」代表世話人の小野順子弁護士の司会で始まり、同じく代表世話人の在間秀和弁護士が、大阪の地下鉄の清掃労働者の賃金が生活保護基準を下回っていた問題に触れつつ、「関東では条例制定が進んでいるのに関西ではまだ制定がない。ぜひ尼崎市で条例制定を」とあいさつ。
 第1部の記念講演では勝島行正さん(神奈川自治体研究センター)が、「公契約条例の必要性」と題してや持続可能な街づくりへ公契約条例の必要性などを提起した。
 第2部のシンポジウムは、「めざす会」事務局長でもある吉村臨兵さん(福井県立大学教授)の司会で進められた。元東洋精機社長の渡邉申孝さんが、尼崎市の保育所の清掃の金額が著しく低下している問題を経営者としても問題だと取り上げた。労働者から元県立病院の医療事務をしていた西川雅之さんが、低賃金と入札に負けて失業に追い込まれた実態を報告。続いて、全国で初めて公契約条例を制定した野田市からは今村繁総務部長によって、制定後の継続雇用の問題や最低賃金の引き上げなど、実効性を高めるために契約業者や労働者に意見を聞きながら改正も着実に進めている状況が報告された。 質疑応答では加西市での公契約条例制定への取り組みなども出された。
 尼崎市では09年に僅差で市議会で否決されていることから、「めざす会」の結成を契機にあらためて条例制定をめざした運動の再開を誓い合った。
(尼崎市議会議員 つづき徳昭)
熟年者ユニオン 12.11
 熟年者ユニオン(山村ちずえ会長)は、2003年11月から始めてほぼ毎月1回、定例で行なってきたサンドイッチマンデモの100回目を11日、約30人が参加して行なった。今回は神戸市中央区の花時計を出発点に、「脱原発」などを掲げて関西電力神戸営業所前を通るコース。
 そのときどきの、熟年者の生活に関わる課題や要求についてのアピールを三宮センター街などを通りながら行なってきたサンドイッチマンデモは、今年9月からは大飯原発再稼働停止や関電との話し合いなどを求めて関電神戸営業所に出向き、毎回申し入れを行なっている。しかし、関電側からはまったく誠意ある回答はない。今回のデモでもこれまでとほぼ同じ内容の要求・要請の申し入れ書を応対に出てきた担当者に読み上げ、手渡した。
 デモ後の忘年会では、熟年者ユニオンのサンドイッチマンデモを誇り高く♂フった「街のサンドイッチマン」の替え歌も披露された。
写真:関西電力神戸営業所前への100回目のサンドイッチマンデモ=12月11日、神戸市中央区
神戸と石巻で中継
 阪神・淡路大震災からまもなく18年。当時の復旧作業に携わった人がいま相次いでアスベスト(石綿)に起因する癌、中皮腫を発症している。建物の倒壊、取り壊し、撤去、運搬等の作業で膨大な粉じんが飛散し、多くの人が石綿を吸ってしまったことは明らかだ。
 東日本大震災の被災地で阪神・淡路の教訓は生かされているのだろうか。きちんと石綿対策が取られているのだろうか。神戸でいま起きている現実を将来の東北で起こしてはならない。そんな思いから、NPOひょうご労働安全衛生センターと立命館アスベスト研究プロジェクトらは、2つの被災地をつなぐシンポジウムを企画。神戸と宮城県石巻市の2会場で同時刻に開催し、インターネット中継で震災石綿禍の課題について話し合う。  
震災とアスベスト―1・17から3・11へ
●2013年1月12日(土)13時〜16時(予定)
●神戸会場=神戸市勤労会館・大ホール ●石巻会場=石巻市労働会館
阪神・淡路大震災におけるアスベスト飛散実態の検証
◎基調報告「阪神・淡路大震災の復旧作業における労働実態」南慎二郎(立命館大学)◎パネルディスカッション(労働実態に迫る)◎基調講演「相次ぐ中皮腫発症を受けて 被災地の石綿禍を考える」寺園淳(国立環境研究所)
1・17の教訓から3・11被災地へ
阪神・淡路の教訓から東日本大震災の課題 パネルディスカッション(神戸と石巻の2元中継)
  • 神戸=石原一彦(立命館大学)、寺園淳(国立環境研究所)
  • 石巻=河北新報記者、外山尚紀(東京労働安全衛生センター)、矢内勝(石巻赤十字病院)他  コーディネーター 伊藤明子(弁護士)
    マスクプロジェクトからの提案
    正しい防じんマスクの装着方法
    ●主催=NPOひょうご労働安全衛生センター、立命館アスベスト研究プロジェクト
  • 統合進歩党とも初めて交流
     12月19日投票の韓国大統領選挙を前にした11月9〜12日、新社会党は例年のように「韓国労働運動に学ぶ旅」(第11回)に取り組んだ。宮川敏一労働運動委員長を団長に、全国から13人が参加した(今回は兵庫からは1人のみ)。ソウルを訪ね、短期間ではあったが、全国労働者大会への参加や闘争現場の激励訪問、また今回が初めてとなった統合進歩党との交流などいくつかのプログラムを実施した。
     昨年までの新社会党「学ぶ旅」は民主労働党との交流を一つの柱にしてきたが、同党は今年4月に行われた総選挙に向けて他のいくつかの党と合同し、現在は統合進歩党に姿を変えている。ただ、その統合進歩党が4月総選挙をめぐって一部グループ・党員が脱党、分裂の事態に見舞われ1年前の(旧民主労働党の)党勢よりは小さくなっているのが現状だ。しかも、従来は民主労総(民主労働組合総連盟)が民主労働党への排他的支持(1党支持)を決めてきたが総選挙後、民主労総は統合進歩党への排他的支持を破棄した。そうした状況下の訪問交流団であった。
     統合進歩党では、姜炳基(カン・ビョンギ)非常対策委員長、安東渉(アン・ドンソプ)事務総長など4人の党役員の参加を得て、短時間の交流を行った。統合進歩党は、総選挙後の脱党、分裂事態の中で現在は正規の指導部を構成しえていない。非常対策委員長は暫定的な最高責任者。交流は双方の参加者の紹介とそれぞれの活動を報告しあったあと、主に新社会党側からの質問に統合進歩党側が答えるかたちで進められた。
     今年5月に制定された統合進歩党綱領について、「旧民主労働党綱領に比べ簡略化もされ、字句としても社会主義≠ェないが、目標としての社会主義についてはどう考えるか」。また、「社会主義≠フ文言がないとしても、統合進歩党が労働者階級・労働運動を基盤にすることは変わりないと思うが、民主労総からの排他的支持破棄についてはどう考えているか、聞かせてほしい」などと新社会党側から質問がつづいた。
     これに対し、統合進歩党側からは姜炳基非対委員長が、「たしかに文言はないが、綱領が打ち出している路線はおのずから社会主義の方向を指向している」。また、安東渉事務総長からは「労働者を基盤にすることは当然。排他的支持破棄は民主労総一部幹部にあせりや利己心があったのではないか。もういちど労働者党員の現場組織をつくり直していくためにも、前代表の李正姫を立てた今回の大統領選挙を闘い抜きたい」との答えがあった。
     さて、全国労働者大会。今年の大会は、整理解雇中断・非正規職廃止・労組破壊中断・労働者参政権保障を掲げて行われた。全国から集まった3万人の労働者が東大門・全泰壹橋からソウル駅までをデモ行進したあと、駅前広場で本大会。集会には、非正規職の正規職化を求めて地上50bの高空籠城闘争を闘っている現代自動車蔚山非正規職支部の労働者からのメッセージも届き、大きな拍手に包まれた。集会の規模は昨年に比べると少し減った印象で、民主労総の現在の困難な位置を象徴しているのかとも思うが依然として非正規職労働者など現場のたたかいは続いている。それが韓国労働運動の印象だ。
     闘争現場への激励訪問は、ソウル市役所前でテントに泊り込み、争議以降も組合員・家族23人の犠牲者を出しながら解雇者の復職を訴え続けている双龍自動車、1870日を越えてなお路上籠城闘争を続け、これまた解雇者の復職をたたかっている学習誌才能教育支部。かたくなに労働者は自分が闘っていく以外に生きる道はないのだという信念、政治への期待も含めて誰か他人任せではだめだという韓国の運動の原点にあらためて触れた「韓国労働運動に学ぶ旅」だったように思う。
    門永秀次(垂水総支部)
    写真:全国労働者大会前夜祭で済州島カンジョン村の海軍基地反対を訴える済州島の人々=11月10日、ソウル市