「新社会兵庫」 12月11日号
兵庫・西宮市で開催 11.24〜25
 新社会党は11月24、25日の両日、第4回西日本ブロック大衆運動交流会を兵庫県西宮市内で開いた。同交流会は09年に山口県岩国市で開催したのを皮切りに愛媛県八幡浜市(10年)、佐賀県唐津市(11年)で、岩国の反基地闘争や上関原発建設、伊方原発、玄海原発をめぐる反原発闘争などを中心に現地の運動に学ぶとともに、各地で党員が関わる大衆運動(主に平和運動)の交流を行なってきた。

 近畿ブロックでの開催となった今年の交流会には1日目の全体集会に約80人が参加。松枝佳宏中央本部委員長のあいさつなどののち、フリージャーナリストの西谷文和さんの講演と、福島原発事故の責任追及を東電と国に迫る訴訟を準備中の原発被災者相双原告団団長の國分富夫さんの特別報告が行なわれた。
 「戦争・原発・ハシズム―その根源的矛盾を問う」と題した西谷さんの講演では、イラク、アフガン、シリアなど戦場での取材経験をもとに、戦争がもたらす悲惨な現実を映像で示しながら、すべて権力者のウソから始っており、原発、ハシズムにも共通するものだと提起された。
 國分さんは、被災者の実情を報告しながら、いま準備中の損害賠償訴訟の意義と裁判闘争への支援を訴えた。「1年8カ月が過ぎた今も先が見えない。生活再建の話はまったくなく、国と東電は除染のことしか言わない。しかし、除染も一向に進まず、あの広大な土地を除染できるはずがない。若い人は仕事がなく、危険と分かっていても除染作業に行っている。だが、労賃はもう決して高くない。1日1万円ほど。避難者は外に出なくなった。孤独死が増え、精神的不安から50歳代の認知症も増えている。子どもたちには不登校が非常に多い。何よりも生活再建が最優先されるべきだ。生活再建としても裁判闘争をやっていく」。
 会場を移動した2日目は、九州、中国、四国、近畿の各ブロックから参加した府県本部代表による活動報告が相次いで行なわれた。多くはこの1年取り組んできた脱原発闘争の報告に集中した。
 このうち、計画が中止されたかのような報道がされている上関原発建設をめぐる状況について、中国電力が公有水面埋立免許の失効(10月5日が期限)をのがれようとその延長を申請しており、山口県知事は免許の更新は認めないとしながらも、「適正に審査する」として受理し、現在も審査中だとして不許可処分を出していないなどの状況が報告され、現地では総選挙後の新政権いかんでは計画中止の撤回も十分に考えられると厳しく受け止め、構えを緩めていないということが山口県本部から伝えられた。
 交流会は最後に岩中伸司副委員長がまとめを行い、いっそうの成果を持ち寄っての来年の再会を誓って散会した。

写真:福島の現状についての特別報告も行われた西日本ブロックの大衆運動交流会=11月24日、西宮市
 平和・人権・環境を大切にし、保守・改憲勢力と対峙して闘い続ける人々が集おうと9月8日に大阪市内で開催されたシンポジウム「1%の世を、人々の世に。新しい政治の力を築こう!」での議論や確認を踏まえ、近畿における市民・労働者の新しい協力・共同をめざす政治勢力の結集を強めようと、11月20日、「『共生連帯』・近畿」の設立総会が大阪PLP会館で持たれた。
 ンポジウム後、呼びかけ人会議などで発足への具体化が進められ、@改憲阻止、平和と民主主義、人権尊重A脱原発、自然エネルギーへの転換C脱貧困・格差D安保破棄、オスプレイ配備撤回E消費増税反対F被災地・被災者主体の復旧・復興G反TPPH日朝国交正常化、東アジアに平和を、を趣旨とする9つの課題で一致する人々の結集を呼びかけ、その課題の実現をめざす。当面は総選挙での社民党支援に集中し、選挙後に本格的な呼びかけを始める。
 総会では共同代表や運営委員、事務局なども選出した。共同代表は次の8氏(敬称略)。浦部法穂(神戸大学名誉教授)、在間秀和(弁護士)、武建一(全日建連帯関西地区生コン支部委員長)、仲尾宏(京都造形大学客員教授)、丹羽雅雄(弁護士)、服部良一(前衆議院議員)、原和美(9プラス25市民の会世話人代表)、山元一英(全港湾大阪支部委員長)。
 連絡先は、大阪=社民党大阪府連内(06‐6351‐7074)、京都=社会労働センターきずな(075‐691‐5175)、兵庫=9プラス25改憲阻止市民の会(078‐335‐1182)。
写真:「共生連帯」近畿の設立総会=11月20日、大阪
ひょうご憲法集会実行委が開催
 今年で3回目を迎えた、ひょうご憲法集会実行委が主催する「ピースセミナー」が11月16日と28日の両日、神戸市勤労会館で行なわれた。
 第1講義は「領土問題と憲法」をテーマに浦部法穂さん(神戸大学名誉教授)が講演。まず、最近の領土問題について、対処の仕方によっては憲法9条も吹き飛んで武力衝突という事態に発展する可能性を現実的にはらんでいると厳しい見方を提示。さらに、この問題を奇貨として改憲勢力が一気に改憲に突き進む可能性も大きいこと、マスコミの報道も含めて「ナショナリズム」を煽る格好の材料になることに警戒を促した。その上で、領土問題の考え方として「固有の領土」という概念・主張そのものに疑問を呈し、今日の日本の領土問題の議論の出発点は「戦後」でなければならず、領土問題は「棚上げ」で実利を取ることこそ最も現実的な解決法だと強調した。
 第2講座は「メディアの役割と現状」というテーマで神戸新聞記者の中部剛さんが講演。メディアのなかの新聞について、今日の報道姿勢・傾向の背景となる厳しい経営状況や新聞そのものをめぐる環境の変化などを追い、会場からの質問への応答で新聞界の実情を率直に、より深く伝えた。

写真上:領土問題について講義する浦部法穂さん=11月16日、神戸市勤労会館
写真下:マスコミ問題を話す中部剛さん=11月28日、神戸市勤労会館
明石市議会
 明石駅前再開発事業の是非を住民投票で決めようと直接請求した住民投票条例案は、11月22日に開かれた明石市の臨時市議会で否決された。賛成は、永井俊作市議が所属する市民クラブ3、共産党3、次世代明石のうち2の8人。反対は19人、退場が2人だった。
 同事業は明石駅前南側の約2.2ヘクタールに6階建ての商業・公共施設棟と34階建ての住宅棟を建設しようとするもので、総事業費は255億円(うち、市の負担は約97億円)。
 この計画をめぐり、その是非は住民投票で決めようと、「市民みんなで決める住民投票を実現する会」(略称「再開発・住民投票の会」)が立ち上げられ、8月下旬からの直接請求のための署名集めで法定数(約4800人)を上回る2万1097筆(有効署名数は2万196)を集めて条例制定の請求を行なった。
 一昨年から施行された明石市の自治基本条例では常設型住民投票条例の制定が明記されているが、それをも否定した格好だ。
第29回アジア労働者交流集会in神戸
 第29回アジア労働者交流集会in神戸が11月26日、神戸市勤労会館で開かれ、韓国・済州海軍基地建設と闘うキム・ジョンイル(金鍾一)さんが現場からの闘争報告を行なった。主催したのは、神戸学生青年センター、兵庫社会労働センター、自立労連神戸支部でつくる実行委員会。
 キムさんは「平和と統一を開く人々」(ピョントンサ)の現場チーム長。基地建設予定地の済州・カンジョン村に2年近く滞在して住民たちと共に反対闘争を展開している。
 キムさんは建設されようとしている海軍基地について、「結論から言えば、実際には米軍が中国を包囲・封鎖するための前線基地として使うものであり、韓米日3国の軍事同盟強化の流れの中に位置づけられている」とまず総括的に述べた。
 そして、基地建設がいかに強引に進められてきているかを、韓国政府がいう民軍複合港の信ぴょう性、世論調査による住民の意思、自然環境保全の問題など、さまざまな角度から検証してその不当性を明らかにした。
 また、闘争はすでに5年6カ月にわたり、とくに昨年2月から闘争が激化していると述べ、住民による陸上、水上での体を張った抵抗や月1回のデモ、この2年間毎日続けている夜8時からのロウソク集会など、闘争の実情なども紹介した。
 最後に、支援・連帯は世界的にも広がっており、日本でもぜひ広報活動を広げてほしいこと、カンジョン村を訪問して行事に参加してほしいことなどを訴えた。
写真:基地建設は米軍のためのものであり韓米日軍事同盟強化の一環だと訴えるキムさん=11月26日、神戸市勤労会館
全国スピーキングツアー 神戸集会 11.24
 「反戦イラク帰還兵」である2人のアメリカ人青年が来日して全国ツアーで訴える「アーロン&アッシュ全国スピーキングツアー」の一環の神戸集会が11月24日、神戸市勤労会館で開かれ、約60人が参加した。
 2人の青年は、平穏な日常生活からいかにして人を戦場へ追いやるのかを語ってくれた。
 キーワードは「非人間化」。水や食料をねだって飛びついてくるイラクの子どもたちを一切無視して、轢き殺して、トラックを進める。イラクの人々を『ハジ』(イスラム教では巡礼をした尊敬される人)と呼び、物のように認識させ、銃を向けた時に引き金を引くのをためらわないようにさせる。「第2次大戦中、アメリカ人が日本人を『ジャップ』と呼び、日本人がアメリカ人、イギリス人を『鬼畜米英』と呼んだように」とアッシュさんは付け加えた。
 また、米軍兵士も「非人間化」されている。母子家庭に育ったアーロンさんは経済的理由で州兵に志願した。南米からの移民やプエルトリコ人(アメリカ社会の弱者)が多かった彼の部隊は州で最初にイラクへ派遣された。防弾チョッキもなく、トラックは1953年製で朝鮮戦争時のものだった。劣化ウラン弾や白燐弾の被害は隠され、帰還兵の中にはガンや筋硬化症に苦しむ者もいる。軍や政府は検診すら実施していない。
 「自国の兵士を守ることができないのに、イラクに平和が築けるのか」には戦前の日本の姿が重なった。「アメリカ社会での弱者が兵士となって、イラクの貧しい人々の命や生活を破壊している」―戦争の実態に気付いた2人は「これらを解決するのは、戦争をしないこと以外にない」と力強く言う。彼らが、そのよりどころにしているのが日本国憲法9条だと聞き、憲法を守っていく意義をあらためて感じた。
(半澤恵子)
写真:「反対運動の拠りどころは日本国憲法9条だ」と述べる2人の反戦イラク帰還兵=11月24日、神戸市勤労会館