「新社会兵庫」 10月9日号
コミュニティ・ユニオン全国交流集会in京都
 「無縁社会を生きる、 コミュニティ・ユニオンの希望!」をスローガンに掲げ、第24回コミュニティ・ユニオン全国交流集会in京都が9月15日〜16日、京都市内で開かれ、全国各地の地域ユニオンをはじめ、90を超える団体から550人が参加した。兵庫県からも、ひょうごユニオンに結集する県下の地域ユニオンなどから過去最高の68人が参加して全国の仲間との意見交換や経験交流、学習を深めた。

 初日の全体集会の冒頭、玉井実行委員長(きょうとユニオン)が「昨年の東日本大震災と原発事故後、私たちの生活や社会のあり方が大きく問い直されることとなった。職場・生活に密着して活動するユニオン運動も、その質と力量が試されている。各地での取り組みと運動課題を交流しよう」と呼びかけた。
 その後、福島県出身の講談師、神田香織さんが講談「福島原発震災―被災者のさけび―」を上演。1986年に「はだしのゲン」を講談にしたのを転機に、「理不尽につぶされる側に立とう」と腹を据えた神田香織さんの臨場感ある語り口に、会場は静かな怒りに包まれた。
 続く全国総会では、岡本事務局長(下町ユニオン)が議案を提案。この間、企業側がユニオンの行う抗議行動に対して損害賠償訴訟を相次いで起こしていること、解雇撤回や未払い賃金の団体交渉申し入れには、地位不存在や未払い賃金不存在の訴訟を起こし団交を拒否するケースが出ていることなどが報告され、全国ネットもさらに情報交換を密にしていくことを意思統一した。また、今年度はひょうごユニオンを含む4団体が新規加入し、9月には中国・四国ネットワークが結成されたことを踏まえ、引き続き各地にユニオンとそのネットワークを広げようと訴えた。
 特別闘争報告は、偽装請負との闘い(きょうとユニオン)、雇い止め裁判闘争(ユニオンヨコスカ)、スト禁止仮処分への反撃(ユニオンみえ)が紹介され、それぞれの闘いがユニオンにとって負けられない闘いであると確認し、全力で支援していくことを誓った。
 夕食懇親会では韓国やフィリピンなど海外からのゲストも紹介され、時間の許す限り酒も交えた交流が続いた。
 2日目は12の分科会に分かれて学習した後、再び全体会場で閉会集会が行なわれた。小野共同代表(大分ふれあいユニオン)によるまとめのあと、特別決議と集会宣言を採択。次回開催地の山形県のおきたまユニオンから来年10月19日〜20日、上山温泉への参加呼びかけがされた。最後は、フィリピン、韓国、日本の3か国それぞれのやり方での「団結がんばろう」で2日間の集会を終えた。

(H・T)
写真:コミュニティ・ユニオン全国交流集会には全国から550人が集まり、ユニオン運動の強化を誓った=9月15日、京都市
労働組合らが抗議の申し入れ
 自衛艦の神戸港入港が常態化している。今年2月の護衛艦「いせ」「さざなみ」に続き、海上自衛隊は9月24日〜26日、護衛艦「ひゅうが」を神戸港に入港させ、25日には一般公開を行った。
 入港に先立つ9月18日、平和憲法を守る兵庫県連絡会(自治労兵庫県本部など5事務局団体)は神戸市に対し、平和的な商業港であるべき神戸港への自衛隊艦船の入港を許可しないよう申し入れた。同連絡会は、「商業港である神戸港が軍事利用されることは商業機能の強化という本来の目的に反するものであり、地域住民にとって、軍事利用が日常化してくるのではないかとの不安を抱かせるもの」とし、自衛艦の入港が頻繁化していることについて、入港を恒常化させている神戸市の態度は許されないと抗議した。同時に、「領土問題」で日中の緊張関係が高まる中での自衛隊の一般公開は、多くの外国人市民が在住する神戸市として平和的な解決を進めていく上でも中止を申し入れるべきだと厳しく指摘した。
 また、神戸地区労も同連絡会とともに、神戸市に対し「神戸港への自衛艦の寄港に反対すること、一般公開は認めず、なし崩し利用を許さない」と申し入れた。
(M)
写真:ポートターミナルに接岸しようとする護衛艦「ひゅうが」=9月24日、神戸市
「固有の領土」の概念とは?
 以下は、9月2日に開かれた「憲法を生かす北区の会」の総会で浦部法穂さん(憲法学者、神戸大学名誉教授)が行った記念講演の要旨。今号と次号の2回にわたって紹介します。【見出し、文責は編集部】

 民主党政権の稚拙な外交
 尖閣諸島や「竹島」をめぐって緊迫する「領土問題」で、国民世論が中国、韓国との対立へ煽られているいまの空気が恐ろしい。
 1972年の日中国交回復の時、尖閣問題は日中間で棚上げが合意された。日本が実効支配している尖閣諸島問題を中国が棚上げしようというのは、日本が支配している現状を動かさないという意味になり、中国は領有権を主張しないということだ。だから日本もおとなしくして騒ぎ立てないでくれということだった。
 ところが2年前の「中国漁船衝突問題」の頃からギクシャクしだした。前原外相(当時)が「国内法に則って粛々とやる」「尖閣諸島に関しては領土問題は存在しない」とやってしまった。当然、中国は怒る。漁船問題で言えば、日中の漁業協定では、違法操業している船を見つけた場合、船はその国に引き渡す、となっている。が、当時の菅政権はこの問題を国内法で対処した。
 さらに追い討ちをかけたのが石原東京都知事だ。棚上げ論についても前原は「合意した事実はない」と言っている。棚上げは日本には有利なのに、まさに外交の素人。政権交代の大きな弊害だと言わねばならない。
 胡散臭い「固有の領土」という概念
 「領土問題」というのは、結局、どちらもそれぞれ自分にとって都合のいい事実だけを取り上げて「自分のものだ」と言い合っている、という性格のものだ。どちらにも言い分がある。だから、尖閣諸島や「竹島」や「北方領土」は「わが国固有の領土である」という日本の主張が正しいとするなら、それぞれについて「いや、うちの固有の領土だ」とする中国、韓国、ロシアの主張もまた正しい、ということになる。「領土問題」とはそういう性格のものだ。
 だいたい「固有の領土」という概念そのものが胡散臭い。歴史的にどこまで遡って「固有の領土」と言うのか、何を根拠に言うのか、その主体は何なのか、ということになる。しかし、歴史的に見るかぎり、領土は多かれ少なかれ、「誰かから奪った」という要素のつきまとったものだ。
 日本列島は日本固有の領土だと思いがちだが、北海道にしても先住民がいたところを本土の政権がいわば押さえつけた。沖縄は琉球王国という別の国だったのを日本が強制的に武力で併合した。それで領土にしたことをもって「固有の領土」というなら、力づくで奪い取ったものはすべて「固有の領土」となる。それだと、韓国・朝鮮も日本の領土だと言ってもおかしくはないはずだ。かつて奪ったものだから……。が、そうは言わない。
 つまり、「固有の領土」という概念自体が実は成り立たないものだ。国家の領土というのは多かれ少なかれ誰かから奪ったという要素を持っている。
 だから、「固有の領土だ」とずっと言い合っている限り、泥仕合になり、問題は解決しない。最後には武力でとなる。
 たいへん危険な強硬論の煽り立て
 いま、日本国内では尖閣諸島、「竹島」をめぐって「弱腰外交けしからん」「毅然と」という声があちこちから起こっているが、これを本気でやろうとしたら武力行使しかない。本当に戦争をする気があってそんなことを言っているのか、その覚悟があって言っているのか、となる。領土問題で強硬姿勢を煽り続ければ最後は戦争にいきつく。
 だが、「固有の領土」だと言い合わないで折り合いをつけるという経験も、歴史的には中ソ国境問題などにはある。
 領土問題ではいろんな要素を考えないといけないが、日本のメディアは一切疑問を挟まないで、世論、国民意識の操作がどんどん行なわれていることは大変危ない。このまま強硬論が煽り立てれば、日本でも「武力衝突辞さず」の沸騰した空気が広まる危険すらある。
 仮に尖閣諸島をめぐって中国と武力衝突ということになってもアメリカがついているから大丈夫、と考えていたら、それは大きな間違いだ。「尖閣諸島は日米安保の対象に含まれる」と米高官が言った、という報道がなされているが、その発言には何ら特別な意味はない。尖閣諸島が日本の「施政下」にあるかぎり日米安保条約の対象に含まれるというのは条約の規定上(日米安保条約第5条)、当然そうだというだけのことで、尖閣で中国と武力衝突という事態になったときに米軍が出動すると言ったわけではない。アメリカは領土問題については中立の立場だと再三表明している。
 一方、「竹島」についてはアメリカが日本側につく可能性はゼロだ。「竹島」は韓国が実効支配しているから「日本国の施政下」にある地域ではなく、したがって日米安保の対象外。逆に、韓国とアメリカとの間には韓米相互防衛条約が結ばれているから、仮にアメリカがどちらかにつくとしたら韓国側につくしかない。
 そこで、領土問題の考え方を提起しておく必要があるが、その際、日本の領土問題の出発点は何か。それは戦争での敗戦だ。(以下、次号)
写真:講演する浦部法穂さん=9月2日、神戸市北区
日韓労働者交流 神戸地区労や全港湾らが歓迎会
 韓国労働者の争議支援をきっかけに始まり、大阪と神戸の労働組合などが20年を超えて交流団を派遣し合って交流を続けている韓国民主労総全北本部から今年も男女7人のメンバーが訪日した。大阪での交流を経て9月19日に来神、その夜、歓迎会が神戸市勤労会館で開かれた。
 ひょうご地域労働運動連絡会の岡崎進代表による歓迎あいさつののち、なごやかに歓談が続くなか、韓国全州大・ビジョン大での清掃労働者の闘争を紹介するビデオを鑑賞。劣悪な労働条件の引き上げを求めて闘う韓国労働者の姿に共感するとともに、闘争風景をイメージビデオ風に記録し宣伝する手法について学ばされた。日本側からは、手品の披露と、「しあわせ運べるように」という震災で傷ついた人の心を癒す歌詞の解説と歌唱指導が行われた。訪日団からは、「くよくよしないで、貴方には一緒に闘う仲間がいる」という趣旨の歌とダンスが披露され、参加者全体が振り付けを教わって歌とダンスを楽しんだ。「労働者は孤立した状態に置かれているのではない。周りの仲間がいつも支えてくれている」ということを、日韓双方の取り組みを通じて感じることができた会となった。
 訪日団は翌日、全港湾神戸支部の職場を訪れ、港湾労働者との交流の場も持った。
(H)
写真:訪日団の仲間からは闘う仲間の連帯を謳った歌とダンスが披露された=9月19日、神戸市勤労会館
「慰安婦」問題は解決されていない
 I(アイ)女性会議ひょうごのメンバー7人で9月14日〜17日、ソウルを訪れた。まだまだ蒸し暑さが残る日本を飛び立ち、1時間20分ほどで着いた韓国は、もうすでに秋。今回の旅の目的は、「日本軍『慰安婦』問題を実際に現地で見聞きし、感じること、考えること」である。

 日本大使館前の少女像との出会い
 まず最初に会いに行ったのは、日本大使館前の少女の像。日本軍の「慰安婦」にされた少女。一人で静かに椅子に座り、背筋を伸ばし、目はしっかりと日本大使館を見つめている。影が映る歩道には、腰の曲がったおばあさんの姿がくっきりと浮かぶ。「慰安婦」にされた少女は、もう腰の曲がった老女になっているのである。そこに長い長い時間が流れたのだ。
 毎週水曜日には12時から、少女のいるその日本大使館前でデモが行われる。昨年12月には1千回を超えた。その時に作られた少女の像は、ずっと座り続けて日本大使館を見つめている。「私は、日本軍によって『慰安婦』にされたのです」と、ただただ座り続けて、ただただ見つめ続けて、訴えている。私たちは、この少女の声にならない叫びを受けとめ、行動に移さなければならない、そう強く思った少女との出会いだった。
 「戦争と女性の人権博物館」を見学
 2日目、「戦争と女性の人権博物館」では、日本語の音声ガイドを聞きながら見学した。観覧時間の水曜日の案内には、「水曜デモ後 午後3時〜6時」とされていた。まさに、「行動する博物館」である。そう広くはない展示室であるが、B1から2階、1階と進むにつれ、日本軍「慰安婦」被害者の歴史と深く向き合うようになっている。
 入口から入ると、壁に被害者の描いた絵が掲げられている。通路には砕石があり、軍靴の音がザッ、ザッ、ザッと聞こえてくる。怖い音だ。不安な思いで入る地下展示室。再現された暗くて狭い慰安所の部屋。流れる被害者の映像がずっしりと心に入ってくる。階段の壁のレンガに刻まれているのは被害者の叫び、苦痛の声のメッセージ。
 2階には、「慰安婦」制度があったことがはっきりと分かる証拠品の数々。実際に「慰安所」に通ったことが記されている軍人の日記も展示されている。亡くなる直前に教師をしている息子さんに渡された日記だそうだ。息子さんは、言葉にはしなかった父の意を汲み、提供されたのだ。
 トラックの荷台に乗せられて運ばれていく少女たちや「慰安所」として使われていた建物の写真、「慰安所」の料金表、割り当ての時間、一人ひとりに渡された「突撃一番」と書かれた避妊具など、実物を見ると、そこに流れていた時間が甦るようである。
 アニメーションを勉強している学生たちの手によるアニメも見られた。立体的な絵で、何も知らない少女が「慰安婦」にされる様子が映し出されている。言葉が分からなくても、絵と動きで非人道的な「慰安所」制度、少女の絶望、嘆きが伝わってくる。
 パネルを押すと「被害者」の声が聞けるようになっているコーナーもあった。残念ながらまだ日本語バージョンができていなくて聞けなかった。これから、さらに充実したものにしたいということであった。
 現在も戦時下で苦しんでいる世界の女性たちの事例や写真も展示されている。博物館では英語圏の若者たちも観覧していた。「日本軍性奴隷制」(日本軍「慰安婦」制度)は国連人権委員会にも取り上げられ、世界的に知られている問題なのだ。
 観覧の後は博物館のヤンさんからさらに詳しい説明を受け、短い時間ではあったが、交流ができた。戦後67年経っても「慰安婦」問題は解決されていない。戦後はまだ続いているのだ。
佐野みさ子(須磨区)
写真:ソウルの日本大使館前の少女像
インフォメーション

■再稼働撤回・原発ゼロへ! 1000人集会

  • 10月20日(土) 18:30
  • 伊丹市立文化会館いたみホール
    (阪急伊丹駅から北へ3分、JR伊丹駅から西へ8分)
  • 講師 鎌田 慧さん(ルポライター)
  • 報告 服部 良一さん(衆議院議員)
  • 参加費 1,000円
  • 主催 集会実行委員会 (090-3613-7069 北上)

■日米合同軍事演習反対! 10.27あいば野集会

  • 10月27日(土)
    14:00〜15:00 反対集会
    15:00〜16:00 デモ
  • 滋賀県高島市今津町 住吉公園
    (JR湖西線・近江今津駅から北へ3分)
  • 主催
    ・フォーラム平和関西ブロック
    ・2012あいば野に平和を!近畿ネットワーク
     (080-5713-8629 稲村)

■国際反戦デー 兵庫県集会

  • 10月30日(火) 18時30分〜
  • 兵庫県民会館・大ホール
  • 講演 「オスプレイとは何か」
    石川 巌さん(軍事レポーター、元朝日新聞社会部記者)
  • 参加費 500円
  • 主催 平和憲法を守る兵庫県連絡会 (078-392-0820)