「新社会兵庫」 7月10日号
ひょうごユニオンが定期大会/ひき続き“2千人”めざす
 県内の7つの地域ユニオンなどでつくるひょうごユニオン(小西純一郎委員長)は6月30日、明石市内で第15回定期大会を開き、2011年度の活動を総括するとともに、引き続き2千人のユニオン建設をめざすことや社会的労働基準の向上をめざす公契約条例の制定運動の強化などを盛り込んだ2012年度の運動方針を決めた。

 冒頭のあいさつで、小西委員長は「15年前、県内各地にユニオンの拠点をつくりひょうごユニオンを結成、大きな一歩を踏み出した。しかし、いま労働者を取り巻く状況はあたかも労働組合が非合法だった時代のような状況だ。まだまだコミュニティ・ユニオンの力を大きくしないといけない」と訴えるとともに、6月29日夜、原発再稼働反対を訴えて首相官邸前に10数万の市民が押し寄せた最新の情勢に触れ、「かつてなかった経験だ。そこでは労働組合が主体的な役割を発揮していないが、その分、市民が起ち上がっている。社会を変える政治的な動きを真剣に考えていかなくてはならない」とも呼びかけた。
 その後、塚原久雄事務局長らから活動総括や運動方針の提案などが行なわれ、各地域ユニオンの代議員から活動を報告する14の発言が続いた。7つのすべての地域ユニオンから組織活動を含めた日常の組合活動について、その前進面や課題などが具体的に報告されたことが特徴的で、落ち着いた活動交流の場になった感があった。支部づくりをめざす区別交流会などの取り組み(神戸ワーカーズユニオン)、次世代の活動家づくりをめざした学習活動の強化(武庫川ユニオン)、相談や交渉能力を向上させるための「スキルアップ学習会」、新入組合員のための「フレッシュ学習会」などの企画(あかし地域ユニオン)などが紹介された。
 また、どの地域ユニオンも組合員は最高時から減少しており、ひょうごユニオン全体でも昨年から若干減少したことが明らかにされた(今年4月末で960人)。さらに、世代交代を果たすための次世代の幹部・活動家づくりが共通の課題であることが強調された。その他、各地域ユニオンの相互支援という観点からブロック専従の配置の検討も訴えられた。
 こうした質疑を経て、新年度の方針として以下8つの課題についての取り組みが確認された。@2千人のユニオンをめざす、A運営委員会の機能強化、指導体制の強化、B争議支援体制の強化、C業種別交流会、ユニオンづくりの展望、D社会的労働運動の推進、E共闘体制の強化、F憲法改悪反対・脱原発運動の強化、G国際連帯の強化だ。

写真:7つの地域ユニオンすべてから組織強化をめざす発言があった=6月30日、明石市
映画「チェルノブイリ・ハート」上映会 たんば
 今年1月の小出裕章講演会に続く取り組みとして、6月22日、23日の2日間、「チェルノブイリ・ハート」たんば上映会が篠山市と丹波市で開催された。小出講演会と同様、憲法たんばとひょうご丹波・憲法を生かす会が共催し、篠山市教育委員会、丹波市教育委員会などが後援した。
 上映会には地元からの参加に加えて、神戸や豊岡、加古川、大阪、滋賀など遠方から足を運んだ参加者もいて、2日間・計6回の上映会に280人の参加があった。
 「チェルノブイリ・ハート」の上映にあわせて、フリーライターの守田敏也さん(岩波ブックレット『内部被曝』の著者の一人)を招いてミニ講演会も行い、映画の解説や内部被曝などについて分かりやすく話してもらった。
 参加者からは、「放射能の恐ろしさを実感した。この映画は、日本中の人、いや世界中の人が観るべきだ」「日本の未来をまざまざと見せつけられた気持ち」「衝撃的な映像もあり、びっくりした。こんなことが起きていたなんて、知らなかった。すごく恐ろしいと思った」「チェルノブイリの現実を見て、あまりにも苛酷な運命の子ども達に衝撃を受けた。福島の子どもたち、日本の将来に不安を覚える。未来の子どもたちに原発は要らない」「子どもたちの顔を見るとつらくて、つい目をそむけてしまった。胸が苦しくて……」などの感想が寄せられている。
 同会では7月11日、13日に丹波市と篠山市で、鎌仲ひとみ監督最新作「内部被ばくを生き抜く」の上映会を予定している。
(K)
写真:2日間計6回の上映会に約280人が参加した=6月22日、篠山市
神戸市各区の「憲法を生かす会」ら
 震災がれき広域処理をめぐって、兵庫県はフェニックス神戸沖埋立処分場での焼却灰埋め立てを前提として、県内各市町に受け入れの要請をしている。神戸市は3月に国に対し、海面埋立基準の明確化などを求める申し入れを行なっているが、国からの回答はいまだに具体的な基準値が明らかにされていない。一方、関西広域連合は3月にフェニックスに対し、がれきの具体的な受け入れ・処分方法などを検討し、国の個別評価を前提に取り組むよう要請し、現在、国が個別評価を実施している。
 このような状況を受け、神戸市内の各地区「憲法を生かす会」などの8団体は6月21日、神戸市に対し、震災がれき広域処理を受け入れないよう申し入れた。その主な理由として、放射性セシウムで汚染された焼却灰をフェニックスに埋め立てて大阪湾に放射性セシウムが流れ出せば、食物連鎖で濃縮され体内被曝する危険性が指摘されていること、また、漁業への影響も、風評被害を含め、甚大なものになることなどをあげている。
 この申し入れには新社会党神戸市議団のあわはら富夫、小林るみ子両市議も同行した。
(N)
写真:あわはら富夫、小林るみ子両神戸市議も同行して市内の8団体が申し入れた=6月21日、神戸市役所
アジア労働者交流集会
 第28回アジア労働者交流集会in神戸が6月20日、神戸市勤労会館で開かれ、韓国からのゲスト、労働運動活動家のホ・ヨング(許栄九)さん(元民主労総副委員長、左派労働者会常任代表)が韓国の政治と労働運動の情勢や動きについて報告した(=写真)。左派労働者会からは副委員長、組織総務局長の2人の女性活動家も同行した。
 同会は今年4月下旬に新しく発足した労働者組織で、民主労総は右傾化したとして労働運動の建て直しと新自由主義と闘うナショナルセンターづくりをめざす、としている。また、民主労働党が国民参与党らと共に結成した「統合進歩党」を新自由主義勢力との連合と批判し、野党連帯は失敗だとして、政治では進歩左派政党づくりをめざしている。
 ホさんはそうした立場から韓国の労働者運動の課題を語った。
写真:アジア労働者交流集会
憲法を生かす会・垂水
 憲法を生かす会・垂水(中島秀男代表)は、ここ数年の恒例の年間行事となっているフィールドワークとして今年は6月23日〜25日、東日本大震災の被災地を訪ねた。その報告を会員の菅沼祥三さんに今号と次号の2回に分けてしてもらった。

「このままでは仮設で終えてしまうかも」
 今回のフィールドワークは、事務局が出発前に「不十分な企画」と心配していた。しかし実際は、各行き先で現地の被災・被害状況を見学し、被災者、被害者の生の話が聞けて、充実した、内容のあるフィールドワークができたと満足している。
 行程は以下の通り。
□23日 午前11時20分、仙台空港レンタカー営業所を出発⇒閖上(ゆりあげ)⇒松島⇒気仙沼、大鍋屋(旅館)
□24日 気仙沼漁港⇒南三陸町歌津、平成の森仮設住宅⇒南三陸町「防災対策庁舎」⇒閖上さいかい市場⇒「閖上の記憶」⇒田村市、あぶくま市民放射能測定所(大川原さん宅)
□25日 田村市⇒会津若松市、会津おだか会⇒田村市都路町⇒葛尾町⇒飯舘村⇒国見(原発に接近を試みたが、検問に阻止された)⇒空港レンタカー営業所午後4時着。
※総走行距離820km(時間のある人は地図で当たってみてください)。
 今回の大震災には防災設備に不十分な点があったかもしれないが、地震・津波による天災の被災者と、人間が制御できない無謀な欠陥設備、原発による人災の被害者、すなわち被災者と被害者がおられるのを実感した。
 今回の旅で復興を唯一印象付けたのは、気仙沼漁港での鰹の水揚げ風景であった。
 「閖上の記憶」(写真が展示してあり、語り部が話す場所である多目的プレハブ小屋)で語り部、菊地繁男さんの話を伺った。菊地さんは70歳、奥さん60歳。柴犬と暮らし、自宅は海に近い埋め立て地に建っていた。
 震災当日、地震後しばらくして道に水が少しずつ流れ出してきて、自宅の2階に上がって様子を窺っていたが、すぐに2階に水が押し寄せてきた。この間に自宅から約150m先の無線塔からの警報は聞こえなかった。カーテンレールに掴まって家もろとも3kmほど内陸側に流され、途中で大波に5回ほど襲われた。流木などで足を痛めたが、人家の屋根に乗り移り、夫婦共に助かったということだった。
 東北には「てんでんこ」の言い伝えがあるが、この時に子ども、孫が一緒ならどうであったか分らないとも語られた。
 現在の悩みは、先が見通せないこと。「換え地も決まらず、このままでは仮設で終えてしまうかもしれない」と、一部声を詰まらせて語ってくれた。
 閖上地区の被災面積は、気仙沼、南三陸町のそれより何倍も広かった。海岸方向にはこのたび設置したと思しき瓦礫処理のプラントから煙が出ていた。
(菅沼祥三)
写真:唯一復興を感じられた気仙沼漁港の水揚げ風景=6月24日、気仙沼市
石巻へ/7.20〜23 被災地メーデー実行委員会
 「神戸の思いを被災地・東北に伝えたい。つながりたい」と、被災地メーデー実行委員会(末廣英樹委員長)が、今年のメーデーのなかで取り組み始めたいのちのパレット<vロジェクトの一環として、パレットのオブジェを被災地の仮設住宅に設置し、交流するための東北訪問を7月20日〜23日に10数人で行う。この訪問では、現地の子どもたちと一緒にパレットのペンキ塗りをして集会所看板や案内板を作成・設置したり、たまご焼き(明石焼)の炊き出しなどを計画している。
 事前の準備として6月12日から14日、5人のメンバーが宮城県石巻市の仮設押切沼団地を訪問し、パレットの受け入れのための折衝を行なってきた。被災地メーデー実行委員会ではいま訪問団派遣のためのカンパを募っている。