「新社会兵庫」 12月27日号
- 広瀬隆さん講演会に250人 12.4
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I(アイ)女性会議兵庫県本部や兵庫県職労などでつくる実行委員会が太平洋戦争開戦の日に因んで毎年12月8日前後に開いている「平和のつどい」は12月4日、今年は脱原発≠テーマに、作家でジャーナリストの広瀬隆さんの講演会「福島原発事故の真相と放射能汚染の恐怖」として新長田勤労市民センターで開かれた。つどいには会場をいっぱいに埋める約250人が参加。福島第一原発事故とその後の対応をめぐる真相や放射能汚染の問題などについて、熱く語った広瀬さんの講演に学んだ。
広瀬さんは3時間余りにわたってプロジェクターを使い、画像や動画をふんだんに示しながら、まず福島第一原発の事故がどのようにして起こったかの真相について、そして、日本人が逃れることのできない地震という自然現象との関連で原発がいかに危険なものかについて、さらに、現在の最大の問題として食品の放射能汚染の問題について大量の汚染物が西日本にも流通しているという大変な事態の進行などを具体的に述べ、とくに「子どもを放射能から守らないといけない」と警鐘をならした。
事故原因について国と東京電力は相変わらず福島原発の事故は津波によって起こったと主張し続けているが、地震による配管の破断が発端だったことは明らかだ、と広瀬さんは指摘。頻発する最近の地震のエネルギーをみれば、ちょっとした地震でも日本の原発は地震で原理的には全部壊れてしまう。これまでたまたま地震の直撃を受けていないだけだ、とも。地震は必ず起こる自然現象で、原発が並ぶ若狭湾の下にも激しいひずみが生じており、ずれたプレートは元に戻ろうとしている。活断層が動いて原発を直撃するということを心しておかなくてはならないと警告。関西の水がめである琵琶湖を汚染させないために若狭湾の原発を止める運動をぜひ強めてほしいと訴えた。
そして、汚染食品の流通をなんとしても食い止めようと締めくくった。
写真上:会場をいっぱいに埋めた参加者は広瀬隆さんの講演に熱心に聞き入った=12月4日、神戸市長田区 写真下:3時間を熱く訴えた広瀬隆さん=12月4日
- 会員集会では福島避難者が報告9プラス25改憲阻止市民の会
「さようなら原発1000万人署名」の成功に向け、9プラス25改憲阻止市民の会(原和美・世話人代表)は12月5日〜11日の1週間(8日は雨のために中止)、神戸・三宮の神戸マルイ前で、連続の街頭署名行動に取り組んだ。毎日、午後1時から2時間の行動(10、11日は正午から)に延べ88人が参加して、1285筆の署名を集めた。9月5日〜11日に行なった第1次行動にひきつづくもの。
全時間帯、行動に参加した松枝佳宏事務局長は「面白いことに、日によって通行人の流れはずいぶん変わるが、原発問題への関心は決して落ちていない。子連れの若いカップルが結構署名をしてくれた」などと行動を振り返った。
最終日の11日には午前中に会員集会を開き、脱原発≠ネどを課題に3人から報告を受けた。服部良一衆議院議員(社民党・近畿比例区)からは国会報告として原子力協定をはじめ原発政策をめぐる攻防などが明らかにされた。また、福島県南相馬市から神戸に避難している水谷堯宣(みずがい・たかのぶ)さんが、福島原発の賠償問題などをめぐる東電、経産省とのやりとりなどを報告。「できれば故郷に帰りたいのだが」と、除染の成り行きなどへの心の揺れをも語った。さらに松枝事務局長が現情勢と運動課題などについて問題提起を行ない、今後、議論しながら運動指針を確立していこうと呼びかけた。
写真:最終日は「さようなら原発・兵庫」の統一行動と合同で行った=12月11日、神戸市中央区
- 「元教ひょうごネットワーク」が講演会
「憲法の改悪に反対する元教職員ひょうごネットワーク」は12月10日、「高校普通科の『学区統合』は何をもたらすか!」と題して、教育にも広がる弱肉強食の新自由主義政策≠考えようと、新長田勤労市民センターで講演会を開いた。
兵庫県では県立高校普通科の学区を現行の16学区から5学区に統合しようとする案が提示されており、11月28日に検討委員会の報告書として県教育長に提出されたばかりだ。
こうした学区統合に反対する立場から、「『学区統合』は改革ではなく『教育破壊』だ」とのテーマで吉田豊さん(JTU兵庫高等学校教職員組合・副委員長)が、これまでの取り組みをもとにさまざまな問題点とその本質を指摘。「地域に根ざした小さな学びの場をつくり、育て、守る」各地の運動と結びついて「すべての子に高校教育を保障するために」力を合わせていこうと訴えた。
また、県の学区統合の動きに対し、通学区・明石学区を拡大しないことを求める意見書を市議会で採択し(10年9月)、県教委に提出した明石市議会から永井俊作市議が「『明石地区総合選抜制度』の意義とその状況」と題して、明石市における総合選抜制度の歴史とその意義、さらにその中でも最近生まれてきた問題点などを報告した。
これらの講演からも、兵庫県が進めようとする学区統合は、身近に通える「地域の学校」を崩壊させるとともに、受験競争を激化させて学校間格差をさらに広げ、一握りのエリートをつくるための仕組みであることを再確認した。
写真:明石の総合選抜制度の意義などを話す永井俊作明石市議=12月10日、神戸市
- 武庫川ユニオンがレイバーフェスタ
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武庫川ユニオン(上山史代委員長)は12月11日、存廃問題で揺れる尼崎市立労働福祉会館で恒例のレイバーフェスタを開催し、120人が参加した。
武庫川ユニオンが「フェスタ」と銘打ち交流会を始めたのは1992年にさかのぼる。16回目までは「国際交流フェスタ」として南米のサルサ・パーティを主体に開催してきたが、組合員の交流の場としてのイベントに変え、名前も「レイバーフェスタ」として3回目となる。
今回は、働く者の文化を育てようと各分会からのステージ発表を目指した。ユニオン音楽隊(MKG3070)の合唱、一人組合員のふれあい分会による笑劇、尼崎市学校分会はマルモリダンスを行い、ダストマンサービス分会も歌を披露した。初めての試みとして、脱原発の映像の上映も取り入れた。
そして、もう一つのメインイベントとして今年は5人の組合員がめでたく結婚したこともあり、合同祝う会を開催した。当日参加できたのは3組だったが、手製のベールをかぶっての入場には大きな拍手が巻き起こった。武庫川ユニオンのイベントで結婚を祝う会を取り入れたのは2回目だが、組合員の喜びをみんなの喜びとできたことはユニオン運動の原点でもあると改めて知ることになった。
こんなイベントができるのも労働福祉会館という複合的な施設があるからだと全体で確認し、最後は「労働福祉会館の廃止に反対する歌」を合唱して終了した。
(小西)
写真:3組の「結婚を祝う会」も組み入れられたレイバーフェスタ=12月11日、尼崎市
- 伊藤誠東京大学名誉教授を講師に
新社会党兵庫県本部(粟原富夫委員長)は12月3日、5回目となる公開講座を私学会館で開催した。講師に伊藤誠さん(東京大学名誉教授)を招き、「世界経済の現状とTPPを考える」と題する講演に学んだ=写真。
伊藤さんは、サブプライム問題に端を発して世界恐慌に拡大・深化した金融恐慌のことから話を起こし、いま広がる国家債務危機の深化から新自由主義的緊急政策へと反転している世界経済の現局面を解説。また、その影響を受けつつ、大震災とTPP問題に揺れる日本経済の現況にも目を転じ、さらに、世界的に行き詰りをみせる資本主義に対して、新たな反資本主義の民衆運動の可能性についての問題意識も披瀝した。日本では反原発とTPP反対、反基地闘争などがその契機となる可能性があると指摘。その中での新社会党の任務にも期待感を表明し、新社会党を激励した。
なお、伊藤誠さんの講演要旨は『新社会兵庫』次号(12年1月24日号)から3回にわたって連載の予定。
- 「韓国労働運動に学ぶ旅」に参加して
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新社会党の「韓国労働運動に学ぶ旅」(今年が第10回)が11月11日から14日まで行なわれ、13日の韓国労働者大会への参加をはじめソウル市内のいくつかの闘争現場を訪問し、交流を重ねた。この旅に兵庫から5人が参加したが、その中の最年少者の元木さんに旅の感想を寄せてもらった。
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「韓国労働運動に学ぶ旅」に参加した。動機は簡単、海外に自腹なし(母が負担してくれた。ありがとう!母)で行けるからだ。と言っても、観光気分で参加したわけではない。「行くからには、きちんと学んで帰ろう」という心構えで韓国の地に足を踏み入れた。
団結を感じた前夜祭
旅を振り返ってみてとくに印象深かったのは、労働者大会の前夜祭だった。規模は本大会より小さいものの、歌あり踊りありで活気があった。参加者が舞台に上がって自由に発言できる企画が組み込まれており、労働者による激しい主張が繰り広げられた。僕たち一行は途中で帰ったが、できることなら閉会まで観ていたかった(徹夜で催されると聞いたが本当なのだろうか?)。
そこで僕が感じたのは、一致団結≠セった。顔も名前も知らない、国籍も違う人たちだったけど、共に拳を掲げて、1%の権力者への怒りを訴えた。会場にいた人すべてが仲間になり、心を一つにした。「一人ひとりの力は弱いけど、力を合わせれば勝てないものは無い」と思った。
不意に、蜜蜂の話を思い出した。体の小さい蜜蜂が、圧倒的に大きい天敵、スズメバチを倒す方法をご存じだろうか?蜜蜂はスズメバチに捕食されるので、スズメバチは脅威そのものである。自分たちの巣を襲われたらひとたまりもない。そこで、蜜蜂はある戦略を編み出した。それは熱殺と呼ばれるものである。スズメバチが蜜蜂の巣に近づくと、一斉に200〜300匹の蜜蜂が1匹のスズメバチを取り囲み、蜜球を形成する。そして、彼らは熱≠発散し、蜜球の中心に熱を集めて敵を蒸し殺してしまう……。数≠ニ団結力≠ニ熱≠ナ、1%の権力者に対抗する蜜蜂。僕たちと蜜蜂は、共通する部分がある。
韓国の熱い£間
そう、僕が目にした韓国人は皆、熱いのだ。命を賭して闘う情熱≠ェあった。全泰壱(チョン・テイル)烈士が放った炎は、瞬く間に労働運動として燃え広がり、人々の心を熱くさせた。ホットでスパイシーな韓国料理を毎日食べているからなのか?握手を交わした労働運動家の人々の掌は驚くほどに温かかったし、優しく、篤い人が多かった。
そして、若者が労働運動に、文字通り熱心≠セった。全国労働者大会でも前夜祭でも10代や20代であろう若者が多く見られた。明らかに日本と違う光景だろう。僕は「韓国に引っ越して働いた方が、将来の生活や労働環境に希望が持てるんじゃなかろうか」と感じた。
労働運動のモデル
「日本の労働運動は下火のままでいいのか?」。否、良くない。将来困るのは、僕ら若い世代じゃないか。僕たちが関心を持たなければ、日本の未来の労働環境は悪化の一途を辿るだろう。1%の権力者の利益が膨らみ、99%の労働者の生活や精神状態は苦しくなっていくだろう。そんな暗い未来、僕は御免だ。日本の若者に足りないものは労働運動のモデル≠轤オい。なるほど、確かにそうだ。学校でも習わないし、労働運動を見たことがない(と言うか、存在を知らない)若者が多い。実際、同世代の友人は労働組合や労働三権の内容、労働基準法、ストライキの意味を知らない。僕自身も両親の影響が無ければ労働運動に触れる機会は無かっただろう。
僕は、今回の旅で、そのモデル≠目の当たりにし、韓国の若者に労働運動に対する積極性≠学んだ。「僕たちもこんな風に活動すべきなんだ」と、新しい道が見えた(自分はまだまだ無知だから、もっと勉強する必要がある。それが、新たな道への第一歩になると思う)。そして、その道の先で仲間を見つけたい。なんなら自分で誰かを連れて来てもいい。
この旅を通して「未来を担う僕たち若い世代が力を合わせ、平和で平等な社会≠フ創造を目指し積極的に行動していこう」という意識が芽生えた。参加して心から「良かった」と思える旅だった。
元木大地(24歳)
写真:韓米FTA批准阻止」を最重要課題に掲げて開かれた韓国の全国労働者集会=11月13日、ソウル市
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