「新社会兵庫」 12月13日号
居住継続求める署名開始
 阪神・淡路大震災で県や神戸市などの自治体が被災者向けに借り上げた公営住宅(借り上げ復興住宅)が2015年度から順次返還期限(20年)を迎えることを理由に入居者が退去を迫られている問題について、24の市民団体でつくる「被災地と被災者を考える懇談会」は、「高齢化した入居者に転居を迫るのは酷で、無理なことだ。転居によってこれまでせっかく築いたコミュニティも失ってしまう」などとして、入居の継続を求める署名運動を取り組み始めた。
 「懇談会」のメンバーらは11月10日、県庁で記者会見を開き署名運動の取り組みを発表、16日昼に三宮の神戸マルイ前で街頭署名行動を行った。今後、対象住宅で説明会も持ちながら戸別にも署名集めに回り、入居者自身と支援者の2種類の署名合わせて1万人を目標に署名を集め、来年1月17日に首相、兵庫県知事、当該市の各市長に提出することを目指している。
 県と神戸、尼崎、伊丹、宝塚、西宮の各市は、阪神・淡路大震災後、都市再生機構(UR)や民間業者などから住宅を借り上げ、公営住宅として被災者に提供してきた。今年の9月時点で県営の2076戸、神戸市営の3376戸などに入居している。借り上げ契約は最長20年で、15年度から契約期限を迎えるため、一昨年夏ごろから県や神戸市から入居者宛に「調査・通知」等が頻繁に送られてくるようになり、「明け渡し・転居」が問題化、入居者は不安を募らせてきた。
 中央区のあわはら富夫神戸市議が自治会長を務めるポートアイランドのUR団地には385戸の県の借り上げ住宅があるが、11月26日、あわはら市議らが呼びかけ、「懇談会」として署名の進め方と県との話し合いの現状などについて居住者説明会を開いた。説明会には約50人の居住者が集まったが、ほとんどが70歳以上の高齢者。ヘルパー同伴の人もいた。また、当日までに「寝たきりで参加できないから、家まで署名を取りに来てほしい」「車椅子で行くつもりだが、集会所には車椅子で入れるか」「耳が悪いので話を聞けない。署名だけ持っていくが、それでもいいか」など多数の問い合わせが入った。これらに対応したあわはら市議は、「電話を受けたり、家を訪問するたびに、私は情けなさ≠ナ涙が溢れ、転居を強要する県の姿勢に怒りを感じた。県はこの現状を実際に見にこようともしていない」と述べている。転居そのものが無理だとしか言えないのが率直な現状だ。
 入居時に居住期限のことは明確に説明されていないことが多く、ポートアイランドのURでも3分の2の人たちが知らなかったという。
 署名に関する連絡先は、
兵庫県被災者連絡会(河村宗治郎さん)TEL 078‐651‐0259
写真:居住の継続を求めて街頭での署名活動を始めた「被災地と被災者を考える懇談会」のメンバー=11月16日、三宮・マルイ前
ひょうご地域労働運動連絡会
 県内の7つの地区労(地域共闘)やひょうごユニオン、有志単組などでつくる「ひょうご地域労働運動連絡会」は11月19日、神戸市勤労会館で第8回総会を開いた。
 総会の冒頭、岡崎進議長(明石地労協人権・平和センター議長)があいさつしたのち、総会議案を黒崎隆雄事務局長(神戸地区労事務局長)が提案。その後、地域の闘いを支える地区労という視点から尼崎、明石、宍粟の3つの地区労から活動報告が行なわれた。尼崎地区労は尼崎労働福祉会館・労働センターの廃止反対闘争の現状、明石地労協は東亜外業の解雇撤回闘争でまずは地位保全の仮処分で勝利したことなどを報告。さらに、いま争議中の関西ソフラン化工労組、全港湾姫路伊藤分会などからも闘争の現状報告と決意表明が行なわれ、ひょうごユニオン住友ゴム分会が最高裁でアスベスト被害をめぐる退職者の団体交渉権を認めさせる判決を勝ち取ったことも報告された。
 記念講演では西谷敏さん(大阪市立大学名誉教授)が「労働組合の意義と可能性―いま、私たちが考えたいこと」と題して、現代的貧困を分析しながら人権としてのディーセント・ワークの確立をめざして労働組合の今後の展望と課題を探る講演を行なった。
 総会は、運動の継承、若い世代の運動づくりなども意識した今年度の活動方針を採択。最後に青木昭憲副議長(神戸地区労議長)が「労働組合の機能が現場の労働者に見えなくなってきて久しいが、地区労や地域労働運動が労働組合の原点を地域の労働者に知らせなければならないし、相互支援の組織にならねばならない」と締めくくった。
写真:記念講演は西谷敏さん(大阪市大名誉教授)が行い今後の労働組合の課題と展望が提起された=11月19日、神戸市勤労会館
第8回平和と憲法を考える東播磨のつどい
 今年で8回目を迎えた「平和と憲法を考える東播磨のつどい」(「有事法制に反対するネットワーク東播磨」を中心にした実行委員会主催)は11月13日、県加古川総合庁舎内の東播磨生活創造センター「かこむ」で開かれた。この集いは例年、広島・長崎の原爆パネル展示、加古川地域の戦争遺品展示、沖縄戦のパネル展示などをしながら、討論会や講演会を行なってきたが、今年は東日本大震災のことがあり、放射能と震災と憲法≠テーマに開催された。
 集いの第1部(午前)は、神戸大学大学院海事科学研究科の山内知也教授による「見えない放射能を可視化する学者の警鐘」と題する講演。山内さんはスライドを使いながら、現地や東京での調査にもとづいて放射能汚染の深刻さと国・自治体の無策ぶりを指摘し、「子どもを放射能から守ろう」と訴えた。
 第2部(午後)では浦部法穂・元神戸大学副学長が「震災と憲法」のタイトルで講演した。浦部さんは、原発事故にも触れながら、国による被災者支援がきわめておざなりにされていることを指摘。憲法に貫かれている「個人の尊重」という基本的理念を説きながら、被災者が自立できるまで公的支援をする必要があるなどと訴えた。
(F)
写真:第8回平和と憲法を考える東播磨のつどい
第2回ピースセミナー開催
 憲法公布日のある11月を憲法月間と位置付け、ひょうご憲法集会実行委員会と平和友好祭兵庫県実行委員会は第2回ピース・セミナーを15日と22日に開催した。昨年は大学教授を講師陣に憲法や日米安保の基礎を学んだが、今年は運動実践の場から提起を受け、会場との相互討論で認識を深めた。
 「憲法と人権」をテーマとした第T講義(15日)は、部落解放同盟兵庫県連合会の橋本貴美男書記長が講演。部落問題に取り組むAさんを差出人にして、Aさんを誹謗中傷する差別はがきが出回っている事件等を紹介し、「人権侵害を犯罪として扱っていない日本では、これらの事件で被害届すら出すことができない」と救済法の必要性などを訴えた。
 第U講義(22日)は、「平和運動と労働者」と題し、全港湾神戸支部の青木昭憲副委員長が講演した=写真。青木さんは、戦争が近代化するほど、民間人が犠牲者になり殺戮性が増していると説明。そうした経験と反省から生まれた憲法(基本的人権の尊重)が危機に瀕しているとして、「憲法審査会が始動しはじめたが、改憲の狙いは公益の下に人権を置くことだ」とした。さらに「権利を守るにはたたかいが必要であり、労働運動には責任と力がある」とまとめた。
 会場からは、戦争のとらえ方は「構造的な暴力」であって、「先進諸国の進出下で後進国の労働者の権利や命が奪われている『暴力』にも、労働運動は目をはせるべき」などの意見が出された。
(A)
第27回アジア労働者交流集会in神戸
 第27回アジア労働者交流集会in神戸が11月29日、神戸市勤労会館で開かれた=写真。今回は韓国から2人のゲストを迎え、韓国の米軍基地反対闘争を中心とした報告を受けて交流した。
 昨年の集会に引き続く参加のユン・チョルスさん(群山米軍基地わが土地取り戻し市民の会・事務局長)は、米国退役軍人による、韓国基地内の枯葉剤の埋め立てや散布の証言問題、米軍基地内から外部水路への油流出事故問題、さらに基地内のアスベスト埋め立て問題など、最近の基地被害・環境破壊問題などを報告し、真相究明よりは隠蔽しようとする韓米両政府の姿勢を批判した。
 もう一人のハ・ウンギさん(群山飛行場被害住民対策協議会・事務局長)は、自動車整備のふつうの労働者がなぜ反基地闘争の活動家になっていったかの経緯も述べながら、米軍飛行場の騒音被害問題の取り組みを報告した。
 日本側からは、11月13日の韓国労働者大会に親子で参加した菊地真千子さんが感想を交えてその報告を行なった。
新社会党西日本大衆運動交流会
 新社会党の第3回西日本大衆運動交流会が11月26、27日の両日、65人が参加して佐賀県唐津市で開催され、脱原発のたたかいを中心に交流した。
 玄海原発の視察のあと、元熊本大学助教の神谷杖治さんが「福島から見える原発の本質」と題して講演し、「すべての原発は試験機≠サのもの。壊しては直しの繰り返し。いつ事故が起きても不思議ではない」とし、脱原発運動の強化を訴えた。
 交流会では玄海原発の運転差止訴訟を準備中の地元弁護士からの訴えがあったほか、愛媛からも伊方原発訴訟への協力要請、鹿児島・川内原発の現地リポート、山口・上関からは「町長選には負けたが、反対派は確実に増えている」との長島の自然を守る会の報告などがつづいた。
 その中で注目されたのが、原発労働に携わったというAさん(熊本)の発言だった。Aさんは何も知らされず川内原発に送られ配菅の仕事に従事した。線量計の警告音がうるさくスイッチを切って仕事したことも。玄海原発の排水口近くには魚がたくさん集まっていて、網ですくっていたら警備員に「汚染されているから獲るな」と言われたことや、東北では「原発があるから雪に閉ざされる冬場も出稼ぎに行かずにすむし、子どもも成人したら働くことができる」という孫請労働者の話を紹介。「危険だと感じながらも賃金がいいから、積極的に原発に行くようになる。貧しい所に原発労働が集中し、底辺の労働者が危険な労働を担っている。差別労働そのものだ」などと話した。
(N)
写真:九州、中国、四国の脱原発闘争を持ち寄り交流しあった新社会党の大衆運動交流会=11月26日、佐賀県唐津市
1月26日、篠山市で
 「ひょうご丹波・憲法を生かす会」と「憲法たんば」は来年1月26日、篠山市民センターで京都大学原子炉実験所助教・小出裕章さんを講師に招き、「原発のウソと真実」と題する講演会を開催する。
 「ひょうご丹波・憲法を生かす会」は、この講演会に向けた事前学習として、8月から「脱原発連続学習会」を篠山市内で月1回行ってきた。また、11月21日には丹波市内で「祝の島(ほおりのしま)」上映会を行い、参加者に講演会の参加を呼びかけた。
 すでに募集定員の半数を超える事前申込みがあり、関心の高さを実感している。
(K)
 「小出裕章さん講演会〜原発のウソと真実」の開催要項は次のとおり。
▼日時=12年1月26日(木)午後6時半〜
▼場所=篠山市民センター・多目的ホール(篠山市黒岡)
▼講師=小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教)
▼参加費=500円(資料代)
▼募集定員=250人(参加には事前申込みが必要)
▼主催=ひょうご丹波・憲法を生かす会、憲法たんば(平和憲法を守る丹波地区連絡会)
▼後援=篠山市、篠山市教育委員会、神戸新聞社、丹波新聞社
▼問い合わせ=0795‐73‐3869