「新社会兵庫」 6月28日号
各地で「6.11脱原発100万人アクション」
 東日本大震災から3カ月の11日、福島第一原発の事故を受け、「6・11脱原発100万人アクション」と題した行動が国内外で取り組まれ、兵庫県内でも集会・デモ、街頭宣伝行動、DVD上映会など、脱原発≠ノ向けたさまざまな訴えが行なわれた。

 「6・11脱原発100万人アクション」は、東京の市民団体がインターネットなどで呼びかけたことをきっかけに、全国約150カ所で集会やデモなどが催された。
 神戸では午後1時から三宮・東遊園地で、事故後に講演会や集会を開催してきた市民団体のグループ「さよなら原発神戸アクション」が呼びかけた集会が開かれた。集まった約500人のなかには学生や子ども連れの若い親たちの姿も目立った。集会では市民団体の代表や個人が歌や楽器の演奏なども交え、つぎつぎと「原発のない未来を一緒につくろう」などと脱原発≠フアピールを行なった。別の会場のイベントで講師を務める小出裕章さん(京都大学原子炉実験所)や中国電力・上関原発建設に反対している祝島の漁民たちの闘いや暮らしを描いた映画「祝の島」の監督、纐纈(はなぶさ)あやさんらも駆けつけ、連帯のあいさつを贈った。
 集会後、参加者たちは、ギターや太鼓など楽器も鳴らしながら、「さよなら原発」「脱原発」などと書いたカラフルなプラカード・横断幕を掲げ、三宮から元町一帯の繁華街をパレードした。
 一方、午後2時からは元町のこうべまちづくり会館で市民団体主催の市民学習会「原発の『安全神話』を考える」が開かれ、小出さんと纐纈(はなぶさ)さんが講演した。学習会には予定していた会場の定員の5倍の400人が集まり、入りきれない人は急きょ用意された別会場で、同時中継されるビデオで講演を聴いた。それでも立ち見の人でロビーまで人が溢れた。
 「原子力の専門家が原発に反対するわけ」と題した講演で、小出さんはあらためて原発の危険性を指摘。「人間が生きるという一番根本的な原則を守れば、原子力は即刻なくなるはず」と述べるとともに、グラフを使ってデータを示しながら「すべての原発が停止しても、水力と火力による発電だけで、日本の電力需要は十分に賄える」と解説し、脱原発≠ヨの問題提起を行なった。
 原発問題への市民の関心は高く、脱原発≠フうねりの広がりを感じさせる1日だった。

写真上:「脱原発」を掲げ神戸市内をパレード=6月11日、神戸市
写真中:神戸の東遊園地での集会には500人が参加=6月11日、神戸市
写真下:400人が参加した小出裕章さんの講演会=6月11日、神戸市
脱原発東はりま実行委員会
 「憲法を生かす加古川・稲美・播磨の会」は5月22日、総会と結成1周年記念講演会を開催したが、この総会直前、今年1月の「イラク・アフガン講演会」で入会した女性から「6・11脱原発100万人アクションが全国的に展開されるので私たちも何かしませんか」という問いかけがあった。20日間の短い期間で取組めるだろうかという不安もあったが、慌ただしく5月31日、「脱原発東はりま実行委員会」を結成、署名活動を取組むことにした。彼女の提起で、これまでの署名活動とは一味ちがう、歌や踊りのパフォーマンスも取り入れる企画にした。
11日当日、加古川ミニ市役所前で、ギターや太鼓、自前のプラカードを抱えた若い仲間や、高砂市、遠くは市川町、宍粟市からも駆けつけてくれた総勢30人という多くの参加者で署名・宣伝行動を行なった。原発への関心の高さと、にぎやかなパフォーマンスで、これまでにない署名数(147人分)が集まった。  行動後の反省会では「高校生ら若い人の方がよく署名してくれたのでびっくりした」との感想も出された。実行委員会は今後も行動を続けることを確認している。
(菅野)
 「脱原発東はりま実行委員会」連絡先=079‐421‐2853
写真:ギターや太鼓、踊りのパフォーマンスも取り入れ若者たちも参加した署名行動=6月11日、加古川市
DVD上映会/作家・広瀬隆さんの講演に学ぶ
 「6・11脱原発100万人アクション」の一環として11日、篠山市民センターでDVD上映会が実行委員会の主催で行なわれた。急な呼びかけにもかかわらず上映会には市民30人が参加した。上映されたDVDは、作家の広瀬隆さんが東京で行なった講演を記録したもの。1時間48分という長時間のDVDだが、参加者は最後まで熱心に観た。
 以下は、実行委員会に寄せられた感想の一部。「絶望的になった。しかし、どうすれば良いか分からない。怒りが増幅する」「放射能の内部被曝の危険性がよく分かったが、原発にかわりうるエネルギーについてもっと詳しく知りたかった」「知れば知るほど恐ろしい。未来ある子どもたちをぜひ守っていかないといけない」。
 篠山では、来年1月に小出裕章さん(京大原子炉実験所)を招いた講演会が予定されている。
(K)
写真:急な呼びかけにもかかわらず30人が参加した「脱原発」DVD上映会=6月11日、篠山市
ひょうご労働安全衛生センターが総会
 NPO法人「ひょうご労働安全衛生センター」(神田雅之理事長)は第6回通常総会を18日、神戸市勤労会館で開いた。
 総会は、労災と東日本大震災での犠牲者への黙とうから始まった。
 活動報告と活動方針・事業計画の提案のなかで、西山和宏事務局長は、今日の労災をめぐる状況について触れ、14日に厚労省から発表された2010年度のまとめでは精神疾患による労災申請が前年度より45人増の1181人で2年続けて過去最多だったことや、認定も同74人増の308人で過去最多だったことなどを紹介。新年度も引き続き「アスベスト」、「過労死」、「メンタルヘルス」の3つの重点課題に力を入れて取り組んでいくと提案した。
 方針提案後、4人から活動の報告が行なわれた。ひょうごユニオン・住友ゴム分会は、アスベスト被害をめぐって退職者の団体交渉権を認めさせるための裁判闘争を報告(神戸地裁、大阪高裁でともに勝訴し、最高裁に)。全港湾神戸支部は、東日本大震災のボランティア活動に参加して、現地ではアスベストへの認識、対策がたいへん不十分だと感じたとの感想を述べた。さらに、市役所窓口で起こった差別事件をめぐって市職員がPTSDを発症、地域の支えで公務災害認定を勝ち取ったことの報告や石綿肺がんをめぐる不支給決定の取り下げを求めて裁判に立ち上がった遺族らの報告が相次いだ。
 総会・第2部の記念講演では、「職場のいじめ・メンタルヘルス問題を考える」と題して千葉茂さん(いじめ・メンタルヘルス労働者支援センター)が講演した。
写真:裁判闘争をはじめとしたアスベスト被害への取り組みなどの活動報告が続いた総会=6月18日、神戸市勤労会館
労働組合ら4団体
 昨年夏に兵庫県内に11あるすべての労働基準監督署との「交渉」(意見交換の場)を持った労働組合などの労働団体が、「交渉」の中で明らかになった労働行政の現状や問題点のまとめをもとに、労働行政の改善のための要望を盛り込んだ申し入れ書を5月30日に兵庫労働局に提出していた。6月15日、その申し入れへの回答やそれにもとづく意見交換の場が兵庫労働局内で持たれた。
 申し入れたのは、ひょうご地域労働運動連絡会(岡崎進議長)、ひょうご労働法律センター(上原康夫代表)、ひょうご労働安全衛生センター(神田雅之理事長)、ひょうごユニオン(小西純一郎委員長)の4団体。申し入れ内容は、@監督行政全般A「労働基準法」関連B「労働契約法」関連C「労働者派遣法」関連D「改正パート労働法」関連E「高齢法」関連F「雇用保険」関連の7つの部門、23項目にわたる。15日は、労働局側からこれらの項目についての回答・見解が述べられ、それについての意見交換や再度の要望などが行なわれた。各労基署に配置されている「指導員」への教育の徹底、賃金・残業代不払いについての企業への指導強化や指導に従わない場合の制裁措置、また、争議中の労働者に対する基本手当「仮給付」についての対応などに意見交換が集中した。
写真:兵庫労働局で労働行政について意見交換=6月15日、神戸市
6.5神戸空襲を記録する会
 神戸空襲を記録する会(中田政子代表)は5日、第13回戦跡ウォークを東灘区で行い、空襲跡などを訪ねて空襲体験者の話に耳を傾けた。
 66年前のちょうど6月5日、神戸市東部などが米軍爆撃機による空襲を受け3453人が亡くなった。神戸では、この大空襲のほか、市西部を襲った3月17日の空襲や5月11日の空襲などで約8千人が亡くなり、神戸の街は焦土と化した。
 この日午後、JR住吉駅前に集まった約200人の参加者は、中田代表のあいさつを受けてウォークに出発。すぐ隣の本住吉神社を訪ね歴史資料館を見学した。この神社も空襲で焼失。境内で89歳の男性の体験談を聞いた。「米軍機から落とされる焼夷弾は火の雨のように降り、松の木の高さまで火の粉は上がった。倒れた人を助けに行けば、自分もやられてしまうので助けには行けなかった。戦争のために増産、増産で、病気でも工場は休めなかった」。
 一行は御影小学校(旧御影第一国民学校)も訪ね、当時、小学校5年生でこの場所で空襲に遭った76歳の女性の体験談を聞いた。焼夷弾から逃げ回った女性は学校の運動場にあった防空壕がいっぱいで入れず、別の防空壕に入ったところ、さっきの防空壕に焼夷弾が直撃して近所の4人家族が亡くなった光景などを伝え、「二度と戦争は起こしてはいけない」と締めくくった。
 ウォークは最後に、御影公会堂前の南の広場に立てられている野坂昭如作「火垂るの墓」のモニュメント前に到着。郷土史研究家の田辺眞人さん(園田学園女子大学名誉教授)が、小説「火垂るの墓」のストーリーを追いながら終戦当時の御影公会堂付近や三宮駅周辺の惨状などを解説した。
写真上:本住吉神社からウォークがスタート=6月5日、神戸市
写真下:御影公会堂を背に田辺眞人さんが解説=6月5日、神戸市
インフォメーション
講演会「福島原発と放射能汚染」
  • 講師:山内知也さん(神戸大学大学院教授)
  • とき:6月30日(木)18時30分
  • ところ:六甲道勤労市民センター
  • 連絡先:憲法を生かす会・灘
    TEL. 078-801-8448
原子力発電とエネルギー問題を考える
映画と講演の集い
  • 7月23日(土)13時30分&18時(2回)
  • 新長田勤労市民センター
  • 参加費:1,000円
  • 映画「ミツバチの羽音と地球の回転」
  • 講演「上関原発に反対する現地の人々」
    高島美登里さん(長島の自然を守る会)
  • 連絡先:憲法を生かす会・神戸西連絡会
    TEL 078-335-1181