- 各地で「6.11脱原発100万人アクション」
東日本大震災から3カ月の11日、福島第一原発の事故を受け、「6・11脱原発100万人アクション」と題した行動が国内外で取り組まれ、兵庫県内でも集会・デモ、街頭宣伝行動、DVD上映会など、脱原発≠ノ向けたさまざまな訴えが行なわれた。
「6・11脱原発100万人アクション」は、東京の市民団体がインターネットなどで呼びかけたことをきっかけに、全国約150カ所で集会やデモなどが催された。
神戸では午後1時から三宮・東遊園地で、事故後に講演会や集会を開催してきた市民団体のグループ「さよなら原発神戸アクション」が呼びかけた集会が開かれた。集まった約500人のなかには学生や子ども連れの若い親たちの姿も目立った。集会では市民団体の代表や個人が歌や楽器の演奏なども交え、つぎつぎと「原発のない未来を一緒につくろう」などと脱原発≠フアピールを行なった。別の会場のイベントで講師を務める小出裕章さん(京都大学原子炉実験所)や中国電力・上関原発建設に反対している祝島の漁民たちの闘いや暮らしを描いた映画「祝の島」の監督、纐纈(はなぶさ)あやさんらも駆けつけ、連帯のあいさつを贈った。
集会後、参加者たちは、ギターや太鼓など楽器も鳴らしながら、「さよなら原発」「脱原発」などと書いたカラフルなプラカード・横断幕を掲げ、三宮から元町一帯の繁華街をパレードした。
一方、午後2時からは元町のこうべまちづくり会館で市民団体主催の市民学習会「原発の『安全神話』を考える」が開かれ、小出さんと纐纈(はなぶさ)さんが講演した。学習会には予定していた会場の定員の5倍の400人が集まり、入りきれない人は急きょ用意された別会場で、同時中継されるビデオで講演を聴いた。それでも立ち見の人でロビーまで人が溢れた。
「原子力の専門家が原発に反対するわけ」と題した講演で、小出さんはあらためて原発の危険性を指摘。「人間が生きるという一番根本的な原則を守れば、原子力は即刻なくなるはず」と述べるとともに、グラフを使ってデータを示しながら「すべての原発が停止しても、水力と火力による発電だけで、日本の電力需要は十分に賄える」と解説し、脱原発≠ヨの問題提起を行なった。
原発問題への市民の関心は高く、脱原発≠フうねりの広がりを感じさせる1日だった。写真上:「脱原発」を掲げ神戸市内をパレード=6月11日、神戸市
写真中:神戸の東遊園地での集会には500人が参加=6月11日、神戸市
写真下:400人が参加した小出裕章さんの講演会=6月11日、神戸市









「憲法を生かす加古川・稲美・播磨の会」は5月22日、総会と結成1周年記念講演会を開催したが、この総会直前、今年1月の「イラク・アフガン講演会」で入会した女性から「6・11脱原発100万人アクションが全国的に展開されるので私たちも何かしませんか」という問いかけがあった。20日間の短い期間で取組めるだろうかという不安もあったが、慌ただしく5月31日、「脱原発東はりま実行委員会」を結成、署名活動を取組むことにした。彼女の提起で、これまでの署名活動とは一味ちがう、歌や踊りのパフォーマンスも取り入れる企画にした。
「6・11脱原発100万人アクション」の一環として11日、篠山市民センターでDVD上映会が実行委員会の主催で行なわれた。急な呼びかけにもかかわらず上映会には市民30人が参加した。上映されたDVDは、作家の広瀬隆さんが東京で行なった講演を記録したもの。1時間48分という長時間のDVDだが、参加者は最後まで熱心に観た。
「憲法を生かす会・兵庫」の第17回学習会を4日、兵庫勤労市民センターで開いた。
NPO法人「ひょうご労働安全衛生センター」(神田雅之理事長)は第6回通常総会を18日、神戸市勤労会館で開いた。
昨年夏に兵庫県内に11あるすべての労働基準監督署との「交渉」(意見交換の場)を持った労働組合などの労働団体が、「交渉」の中で明らかになった労働行政の現状や問題点のまとめをもとに、労働行政の改善のための要望を盛り込んだ申し入れ書を5月30日に兵庫労働局に提出していた。6月15日、その申し入れへの回答やそれにもとづく意見交換の場が兵庫労働局内で持たれた。
神戸空襲を記録する会(中田政子代表)は5日、第13回戦跡ウォークを東灘区で行い、空襲跡などを訪ねて空襲体験者の話に耳を傾けた。
この日午後、JR住吉駅前に集まった約200人の参加者は、中田代表のあいさつを受けてウォークに出発。すぐ隣の本住吉神社を訪ね歴史資料館を見学した。この神社も空襲で焼失。境内で89歳の男性の体験談を聞いた。「米軍機から落とされる焼夷弾は火の雨のように降り、松の木の高さまで火の粉は上がった。倒れた人を助けに行けば、自分もやられてしまうので助けには行けなかった。戦争のために増産、増産で、病気でも工場は休めなかった」。