「新社会兵庫」 4月26日号
- 県会は議席回復ならず/統一自治体選前半戦
4月1日告示、10日投開票で行なわれた第17回統一自治体選挙・前半戦。新社会党兵庫県本部は、県議選で灘区(定数2)に公認の井上力候補を、神戸市議選では灘区(定数6)に小林るみ子と中央区(定数5)にあわはら富夫の2人の公認候補を立てて闘った。県会での新社会党の議席回復をめざした井上力さんは大善戦したがもう一歩のところで議席には届かず次点に。神戸市会は、 小林るみ子さんが3選、あわはら富夫さんが7選を果たし、ともに議席を守った。また、新社会党が推薦した神戸市議選・西区(定数11)の高田勝之さん(社民党公認・新)は次点に終わった。投票率は県議選41・43%、神戸市議選42・04%でいずれも過去最低だった。
東日本大震災がもたらした未曾有の被害、福島第一原発の事故による放射能汚染の拡大という状況で「とても選挙どころではない」という雰囲気がある中での選挙となった。その分、選挙戦は盛り上がりを欠き、投票率も過去最低となったが、大震災によって震災復興支援や原子力政策のあり方が問われるとともに、震災問題を自分たちのまちづくりや暮らしにどのように教訓化し、生かしていくのかが問われる選挙ともなった。
こうしたなか、「希望と安心の県政を」と、いち早く原発の危険性を訴え、エネルギー政策・県の防災計画の見直しや若者の雇用を主張した井上力県会候補は8459票で(前回を得票数・率でやや下回った)、当選ラインには1452票差(前回は2037票差)と迫りながら、あと一歩及ばなかった 。
神戸市議選では小林るみ子さんは「いのち・人間が大事」と、阪神大震災の経験から被災者生活再建支援法の拡充や震災解雇問題への対応なども訴え、4178票を獲得。得票率で約1%減となったが、順位を6位から5位に上げた。また、「とことん市民の味方」を強調、「市政、議会を変えよう」と訴えたあわはら富夫さんは4206票で、前回から1115票を減らす厳しい戦いとなったが、激戦を勝ち抜き、神戸市会での新社会党の2議席を維持した。
初めての自治体選挙となったみんなの党が、選挙前の2議席から8議席へと大きく議席を伸ばしたことが注目される。
- 支援共闘が第3波支援集会 4.18
会社都合による一方的な工場閉鎖・全員解雇に対して全員の雇用保障を求めて闘っている関西ソフラン化工労組(宮田泰司委員長)を支援する集会「玉突き解雇撤回、全員の雇用保障を!関西ソフラン闘争勝利 第3波決起集会」が、関西ソフラン争議支援共闘会議の呼びかけで18日、同労組事務所前の広場で開かれた。組合員やその家族、県下各地の支援者ら約70人が集まった。
関西ソフラン化工労組の争議をめぐっては、会社は3月15日付で全組合員に対し「3月18日をもって解雇する」との通知を内容証明郵便で郵送。これを受け取った組合側は翌17日、組合員全員で解雇通知を突き返すとともに、不当解雇の撤回を求めて内海社長に抗議を行なった。しかし、内海社長は「身の危険を感じている」と警察に通報し、10人を超える警官が押し寄せたところで会社から逃げ出してしまうという一幕もあった。
解雇とされた3月18日以降、同労組は組合事務所を闘争拠点にして闘争を継続していくために、組合員らが交代で事務所を占拠・管理する態勢をとっている。一方、当面の生活をつなぐため、雇用保険の仮給付を受けることを前提にハローワークでの手続きを終え、「組合員が集まる努力」「議論する場」を大切にしながら、今後、就職活動にも取り組んでいくことを確認した。
また、不当労働行為 救済の申し立てをしている大阪府労働委員会では、4月7日の第3回調査期日に公益委員から和解協議の打診が行なわれた。和解をめぐって、組合は「雇用ゼロの和解はありえない」との立場を伝えたのに対し、会社側は「あくまでも金銭解決による和解」(関西ソフラン)、「当社は関係ない」(親会社である東洋ゴム)との主張を行なったが、「雇用抜き、東洋ゴム抜きでの和解はない」とする労働側委員の働きかけもあって、ようやく東洋ゴムも「和解協議の席に着く」との回答をするに至った。この結果、5月11日に予定されていた第4回調査期日は和解期日に切り替えられることとなった。
雨中の支援集会では、こうした経過が報告されるとともに、見通しとしては依然厳しい雇用の保障を求めてさらに闘争態勢の強化と行動を強めていく決意がそれぞれの立場から述べられた。
写真:雨の中を激励にかけつけた支援者ら約70人が集まって開かれた第3波支援集会=4月18日、稲美町・関西ソフラン化工労組事務所前
- 粟原富夫新社会党県本部委員長に聞く
-
―選挙はお疲れさまでした。新社会党は、県議選、神戸市議選で現状維持という結果でした。
粟原 県会での新社会党の議席の回復をめざした灘区の井上力さんが大善戦、前回よりも差をつめながらもう一歩のところで議席に届かず残念です。
―粟原委員長自身の選挙も予想外に厳しい結果でしたね。
粟原 辛うじて滑り込んだという感じですね。実は、準備段階からこれほど力を入れてやったことがないと言えるほど選挙戦はがんばったつもりでした。事前のあいさつ回りはもちろん、選挙戦本番になってからも選挙車からの訴え以上に、とにかく歩いて、路地もこまめに回りながら、直に有権者に訴えることを心がけました。電話によるお願いもずいぶん行いました。反応は上々でした。しかし、この結果です。票数を減らしてしまいました。自分で言うのも変ですが、逆に、こうした必死のがんばりがなければ、支持をつないで勝利に結びつけることが難しかったかもしれません。
―大きな組織や「風」に頼れない陣営はとくに厳しいですね。
粟原 最近、政令都市の選挙にも国政選挙の動向が色濃く持ち込まれてくる傾向が強まっています。国会に議席を持たない故に存在感を示すことが厳しい新社会党にとっては、選挙での困難がいっそう増しているのは事実です。今回の市議選では、2大政党政治にあきたらない層の受け皿がみんなの党になってしまいました。
―東日本大震災の影響はどうでしたか。
粟原 たしかに自粛という空気が流れ、市民にも「こんな時に選挙なんて」という思いや雰囲気があるのを感じながらの選挙でした。そのため選挙戦は終始盛り上がりに欠け、中央区では35・93%と最低投票率を更新しました。また、大震災以前の、政権交代にかけた期待がつぎつぎと裏切られていくことからくる政権与党、そして政治そのものへの市民の不信感の広がりも土台にあります。護憲政党は残念ながら、今のままではそれらを吸収できる対象にはなりえません。
―そうした不満は、大阪や名古屋などであらわれた地域政党の躍進を生みだしていますが……。
粟原 神戸の場合は大阪や名古屋のような地域政党の動きがなかった分、みんなの党に流れたと言えます。議会批判が市民にうけるように、確かに議会の改革が求められています。そして、首長と議会の関係も地方自治にとって焦点となってきています。議員、議会が住民の要望に応えきれていない現実があるからです。ただ私は、この選挙の中でも主張してきたように、自治体は2元代表制を否定するのではなく、その中での議会と議員の役割をしっかり定めることが必要だと思っています。
―今後、議会で何を取り組んでいきますか。
粟原 震災復興支援の取り組みはもちろんですが、「これでいいのか神戸市政と議会」との強い思いで「議会基本条例の制定」を今期の大きな課題として取り組んでいきたいと思っています。
写真上:出発式で選挙戦に臨む決意を述べるあわはら富夫さん 写真下:街頭でそろって訴える井上力さんと小林るみ子さん
- 「たて・よこのコミュニケーション」テーマに
阪神・淡路大震災から始まった被災地メーデー。今年のテーマは「たて・よこのコミュニケーション」。「たて」は、親子、先輩・後輩、世代間。過去・現在・未来を結ぶもの。「よこ」は、同僚、仲間、地域、そしてインターネット…。「無縁社会」が言われる現在、「たて」・「よこ」を紡ぐコミュニケーションが問われている、と訴える。
東日本大震災の被災地・被災者にもつながるメッセージ≠届ける。
写真上:昨年の被災地メーデー
|