「新社会兵庫」 1月21日号
安倍政権打倒・改憲阻止へ 2019
   市民と野党の共闘の発展で
   まともな暮らしと民主主義の回復を
社会体制の変革が求められる時代
   阪神・淡路大震災25年。災害への抜本的対策を
新社会党兵庫県本部
委員長 あわはら 富夫(神戸市会議員)
 今年の1月17日で阪神・淡路大震災から25年を迎えました。震災当時は混乱の中、公的支援による生活再建の課題が私たちに提起されました。バブル崩壊で破綻した銀行に国が6千億円もの公的支援をするのに、震災被災者の生活再建には自助努力を迫る国への怒りが大きく広がりました。
 「人間の国へ」と訴えた故小田実さんらと一緒に、新社会党の栗原君子参議院議員の国会事務所を拠点に、市民が起案した被災者生活再建支援法を成立させるために、被災者とともに国会議員へのロビー活動を行いました。その結果、震災から3年後に被災者生活再建支援法が成立しました。しかし、当時の法律は、世帯要件や収入要件、さらには損壊の程度等で、被災者のほとんどが対象から除外され、住宅修繕や再建には支援金は使えず、引っ越し費用にしかなり得ないものでした。しかしその後、2度の中越での地震、鳥取や能登での地震、そして東日本大震災を契機に、今は上限300万円、住宅の修繕再建にも使えるようにもなり、激増する災害の被災者の生活再建の一助となる制度になりつつあります。
 しかし、被災者全体を救う制度にはほど遠く、全壊、大規模半壊の縛りを半壊はもちろん一部損壊にも適用範囲を広げなければなりませんし、上限を市民が起案した500万円まで引き上げることが求められています。阪神・淡路大震災から25年。被災者生活再建支援法を成立させることに貢献した新社会党兵庫県本部として、災害が激増する中、この法律をすべての被災者を救う制度に高めてゆきましょう。
 さて、今の世界の課題は、貧困・格差の拡大と異常気象による災害の多発です。わずか上位16人の富裕層の総資産が下位38億人の総資産と同じだというほど世界の貧困・格差が拡大しています。また、「今まで経験したことのない」「100年に一度」の豪雨や強風が毎年のように強調され、「異常が普通に」なりつつあります。この原因は、世界的な気候変動にあります。しかも、この気候変動は、地球温暖化と深く結びつき、人間の経済活動や社会構造と大きく関連しています。貧困・格差についてはあえて言及する必要がないと思いますが、いま世界を席巻している貧困・格差の拡大と異常気象の原因と言われる気候変動の根は同じです。強欲資本主義が作り出した産物であり、その是正は急務であり、社会体制そのものの変革が求められる時代に突入したということではないでしょうか。
 さて、日本国内では安倍政権の膿があちこちから吹き出し始めました。「桜を見る会」問題に象徴される政権の私物化と子どもでもわかる官僚の忖度、さらにはカジノに群がる政権の利権です。
 今年は子年、「政変の年」と言われます。衆議院選挙は必至で政治決戦の年です。市民と野党の共闘の重要な役割と位置を担っている新社会党の出番です

2020年・年頭に思う
問われる市民運動の存在価値
こわすな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGO 世話人 西 信夫
 戦前回帰と政治の私物化を進める安倍政権は、昨年8月23日に戦後最長に、11月20日には憲政史上最長政権になった。安保関連法強行採決、モリカケ疑惑、公文書改ざん、「桜を見る会」疑惑と次々に安倍政権による憲法無視・国政の私物化が明らかになり、その都度、国民の批判を浴びて政権支持率を不支持率が上回る世論調査結果を招いたが、短期間に息を吹き返し、支持率を回復するパターンを繰り返している。今回の「桜を見る会」疑惑も恐らく同じことになるだろう。
 12月21日〜23日に実施された朝日新聞の世論調査では、内閣支持率38%、不支持率42%と1年ぶりの支持・不支持率逆転であった。「桜を見る会」についての政府説明に「納得できない」が76%、「納得できる」が13%なのに、「国会で引き続き解明を求めますか」の問いには、「求める」が40%、「求めない」が50%であった。安倍政権のでたらめさを多くの国民は分かっているが、これ以上追及しても仕方ないという考えだろう。
 私たちは、毎週木曜日15時〜16時半に三宮のマルイ前でアピール活動に取り組み、その時々のホットな話題を取り上げ、道行く人にシール投票を呼びかけ、その結果を首相官邸に送っている。昨年12月12日には、「桜を見る会疑惑をウヤムヤにしていいですか?」を問い、「いいです」が2票、「よくないです」が125票、「わかりません」が7票の計134票と過去最多投票数だった。「よくないです」にシールを貼りながら、「安倍首相がよくないのは分かっているけど、他に代わりがないからねぇ」と話される方が少なからずあった。過去の民主党政権への失望が現在も尾を引いている。民主党政権には同情できる点もあるが、公約になかった消費税増税や、辺野古新基地をめぐる右往左往や、原発事故へのあいまいな対応や、内紛の連続に、私たちもガッカリさせられた。
 安倍政権に代わる新政権は、私たち市民が前面に出て、望ましい政治が行われるよう監視することが必要だ。それを担える人材は市民運動の中に大勢いる。政治を政党任せにするのでなく、市民もその一翼を担うことで、人々の不安感を取り除くことができる。安倍政権をここまで存続させた責任は野党だけではなく、私たち市民運動の側にもある。益川敏英さん(2008年ノーベル物理学賞受賞)は「安倍首相は今までで最悪の総理です」と断言する。過去に類を見ないひどい政治を進める安倍政権をこれ以上続けさせては、市民運動の存在価値が問われる。これ以上悪い社会にさせないために、今年は本当に正念場である。
(安保関連法廃止!市民の集い)

怒りと夢を回復させる
芦屋市議会議員 山口みさえ
  昨年4月の統一自治体選挙で、多くのみなさんの暖かいご支援で議員に復帰することができました。
 復帰して6か月が経過しましたが、一番感じることは、1999年に36歳で初当選してから4期16年間、議員として活動してきましたが、その間に怒りと夢が大きく後退していた自分に気づいたということです。前回の選挙で落選し、4年間の活動のなかで、あらためて留守家庭児童会指導員労組や部落解放同盟、自治労の仲間に支えられ、格差や差別をなくし、働くものが大切にされ、子どもや高齢者の生きる権利、学ぶ権利を公的に保障させるという新社会党の主張と、平和を守る闘いを広げることの大切さを再確認し、その先頭に立って運動ができる位置(議員)に復帰できたことに日々感謝しています。
 復帰してからは、指導員労組の民間委託反対の闘い、会計年度任用職員制度の確立、水道労への協約・協定破棄攻撃への抵抗、解放同盟の部落差別解消に向けた条例化づくり、障がい者団体の仲間への攻撃への抵抗(ヘルパー補助の削除)などを一緒に取り組んでいますが、どの攻撃も、行政が議会と結託して、これまでの経緯・経過を無視して一方的につぶしにかかってきているというものです。
 でも、抵抗の力は職場や地域に根づいています。ここをどうつなげ、拡げ、反撃するか、議員としての役割も大きいと感じています。私たちがめざす職場や社会をもっと仲間や大衆にわかりやすい言葉で声を上げ、今の扱われざまへの怒りを押し出したいと思います。 具体的には、今の政治のひどさを『みさえ通信』に載せ、市内に訴えまくりたいと思います。その『通信』も仲間に意見をもらいながら改良を加えています。SNSも娘の協力をもらいながら、インスタは毎日更新しつづけています。
 また、形にとらわれず、仲間と学習・交流をいっぱいやりたいと思っています。それを党に持ち込まないかぎり、新社会党の未来は開けないと思っています。まだ具体的にはスタートできていませんが、周りにいる仲間と始めたいと思っています。
世話役活動、市民相談と、超多忙で体力がなかなかついていきませんが、今年は体力をつけながら全力でがんばる決意です。

労働運動・国民春闘の再生を
国労近畿地方本部 執行副委員長  有田 修
 昨年11月29日、中曽根康弘元首相が死去した。氏は首相就任以来、国有企業民営化、規制緩和などの新自由主義政策を本格導入し、1985年に電電公社(現NTT)、専売公社(現日本たばこ産業)を民営化、重要な産業を自由化して大企業に売り渡してきた。総評と左派つぶし・国労解体を目的とした国鉄分割・民営化も1987年に強行された。労働戦線を切り裂き、現在の格差社会と貧困を作った生みの親だと言わざるをえない中曽根元首相を安らかになど眠らせるわけにいかないと思うのは私だけではないと思う。
 その国鉄の分割・民営化から33年目を迎えようとしている現在、全国各地でローカル線の切り捨てが始められ、災害で不通になっている線路の復旧が遅れ、JR7社の格差はますます拡大している。JR北海道は2016年11月、自社単独では維持困難な路線として10路線13線区を公表した。分割・民営化の矛盾は深まり、隠し切れないような状況になっている。
 私たち国労は、国と政府の責任で公共交通としての鉄道を再生する責任があることを強く訴えている。
 JR西日本では、少子化・労働力不足を理由に駅を中心とした「システム・機械化=要員削減・委託化の拡大」の施策が矢継ぎ早に実施されている。同時に2022年までに契約社員(1年契約、最長5年)を廃止する施策も強行し、「希望する契約社員の社員化」を訴えてきた国労要求とかけ離れた結果となっている。儲け優先の施策と言わざるを得ない。安全輸送と利用者への「安全とサービス」、安心して働ける労働条件を手に入れるためにも訴え続け、闘い続けることが重要だと思う。
 昨年10月に消費税が増税され、景気は依然として低迷している一方で、大企業では内部留保が上積みされ、労働者には還元されていない。2020春闘は、大幅賃上げと年金・医療・社会保障制度の向上と憲法改悪反対・平和を守る闘いを掲げ、それぞれの労組を超えて地域から闘うことが求められている。
 国労近畿地方本部では、職場を基礎にストライキで闘う準備を進めている。それぞれの職場や分会で「今の職場のままでいいのか。この社会で許されるのか」と討論し、ストライキ体制を固めている。この春闘時期に国労の姿勢を鮮明にして、国労組織を拡大することが重要だ。国労は、現役世代とシニア世代(退職・再雇用世代)がこれから逆転し、組織が激減する事態に直面している。若い世代からは「国労攻撃に命を懸けて闘って残した国労をこのままなくしていいのか」の声も出る。国労近畿の若い世代の学習会も始まり、次世代国労の成長も始まっている。今年も一人でも多くの「組合加入」を訴え続ける。
 日本の労働組合運動は、バブル崩壊以降、組合員の雇用と賃金を守ることに懸命で、非正規労働者の増大、福祉・社会保障の切り捨てを容認してきた。気がつけば、老後の生活もままならず、子どもたちは正規労働者の道を閉ざされ、貧困と格差に覆われ、ハラスメントが横行する社会になってしまった。
 切り裂かれた労働戦線と労働運動、国民春闘を再生(創造)することは、決して容易ではないにしても、労働運動に携わった人間としては考えざるをえない。

格差・貧困と向き合う「地域に根を張る党」を
新社会党中央執行委員長 岡ア宏美
 年末年始、マスメディアを通した評論の中でも新自由主義が社会にもたらしたものを問う内容が散見されました。世界中で、そして日本でも格差と貧困の増大が否応なく明らかとなり、今日、明日を生きることへの不安の増大がその「原因」に目を向けさせたのです。ニューヨークで革命歌「インターナショナル」が若者たちによって歌われているとの記事もありました。
 格差と貧困と向き合う世界の人々は、時に移民排斥運動など排外的な動きを作り出す流れもあるものの、資本主義に疑問を持ち、新たな流れを模索する声をあげ始めています。世界の富は上位資産家26人で150兆円を占め、それは資産下位38億人分と同じである(2019年オックスファム)現状に対し、「政治は、富む者から税を取り、社会に正義や公正さを取り戻す役割がある」ことを明確にしようとする声です。

 1980年代から自民党の徹底した「日本型福祉社会・家庭基盤の充実」策が40年の経過で様々な制度改悪を繰り返しました。それによって公的機関の民営化など小さな政府、民間活力・市場システム重視のための労働者雇用制度も含む規制緩和、家庭による福祉の充実、自助努力等が根深く浸透させられ、そこに小選挙区制の弊害が重なった諦めと無気力の蔓延を背景として安倍政権の長期化もあるのです。
 そして今、連鎖する貧困。中年シングルの息子や娘が老親を介護し、仕事との両立が困難になり離職すれば生活困窮者、老老介護、ヤングケアラ―、老いた親が中年期を迎えたひきこもりの子の生活を見る「8050問題」等々、家族に押し付けてきた福祉の限界が露わです。年末、あるシングルマザーが出産直後の乳児を家において2日間長時間のアルバイトに出勤し、死なせてしまったという事件が報道されました。「お金がなく、病院にも行けず、誰にも相談できなかった」―女性が生きている社会は今、私たちが生きている社会です。
 「政治は、富む者から応分の税を取り、社会に正義や公正さを取り戻す役割がある」と声をあげ、大きな潮流にしていきましょう。次代の人のためにも制度・政策が作り出した社会の閉塞は、人の手によって変える以外にありません。

 スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんから始まった「気候変動に対し何もしない大人たちへのメッセージ」は国境を越えて連帯する運動となり、世界各地で若者たちが「1日も早く温暖化対策の行動を!気候変動は今起きている」と立ち上がっています。若者は金儲けを優先する資本主義社会が作りだした先進国の犠牲にされる途上国の課題も明らかにしています。
 閉塞感の先にあるヘイト。その空気を最大限利用し軍事力拡大を図る政治があります。平和な社会は、市民の暮らしに希望があることと、戦争につながる「力」を持たないことの両方が基本だということを確認し、地に着いた平和を求める運動を強めることは一層大切な時代です。
 新年を迎え、変化を求める声や若い人たちの曇りない視点と運動に応えていく新社会党の活動を強める決意を新たにしています。
 昨年夏の参議院選挙ではロスト・ジェネレーション(就職氷河期)世代を中心に、自己責任論に社会が覆われ、安定した就職ができないのも、人間関係がうまく作れないのも、自分のせいだと思わされてきた「呪縛」を解く声があがりました。これまで政党・政治家がきちんと向き合いきれなかった声に、私たち新社会党は真摯に向き合っていかなければなりません。これまで先輩党員の後ろで活動してきた若い人たちが率直に意見を出してくれていることに勇気づけられます。
 「地域に根を張る党」として、一緒に考え、行動し、問題の解決への努力とともに未来を展望する活動です。党は地域に医療、介護をはじめとする「生きる」ことに関わる仕事や支援に携わる仲間たちを多く有しています。その活動を通して人々と共に社会を変える運動につなげていきます。人らしく幸せに生きる社会を共に描き求めましょう。
年頭寄稿
「安倍1強」を支える“緩衝帯”にヒビ割れ
社会主義協会前代表 今村 稔
「問題は変革することにある」
 年初ともなると、今年1年はどうなるかと見通したくなるのは人の常である。とは言っても、宝くじを買うのも、おみくじをひくのも、易者の前で掌をひろげるのも好きではない身にとって、頼るものは「科学的分析」以外にない。
 ここ数年間、年初にこのような類のコメントや駄文を求められることが重なっているが、結果として胸を張れたためしはない。残念ながら科学的分析の得点は芳しくない。カギ括弧が必要となる所以である。もちろん「科学」に罪があるわけではない。
 罪はむしろ、進行する事象や埋もれているであろう諸要因等の変化・発展を把握し分析することに能力の貧困を示したわれわれにあるわけである。その際、見落とすことができないことは、われわれの眼力が、「問題は(解釈するにとどまらず)変革することにある」というポジティブな認識に裏付けられていたかどうかということである。
 この躊躇が、「安倍政権が良いとは思わないが、倒そうという意欲はでてこない」という無関心層、消極層に鍬を打ち込まなければならないわれわれの力を弱いものにしてきたのではないか。この反省をしっかりもって新年に立ち向かいたいものである。
何が安倍政権を支えているか
 「倒れて当然の安倍内閣が、なぜ倒れないのか」「安倍の支持率はなぜ急落しないのか」。昨年を通じて最も多く出された疑問である。
 しかし、その支持率も年末からは緩慢ながら一時的と思えない下降傾向を見せ始めている。そもそもメディアの世論調査の安倍内閣支持率は、怪しげなものを含んでいる。「不支持」は支持しないという答えをそのまま数字にしているのに対して、「支持」は積極的なものに加えて、「不支持というほどではない」「他に支持するものがないから」という「消極的なもの」「消去法的なものを含ませている。
 つまり、安倍支持の数を正確に測定すれば、本当の支持(決して多くない)を包み込む緩衝帯とでもいうべきものを加算したものなのである。国民の大部分(といっても50%を切っているのだが)が緩衝帯の役割に甘んじているからこその「安倍一強」なのである。
なにか違うぞ
 2020年を迎えて安倍政権がどうなるか、わが国の政治がどうなるかを決める鍵は、国民の多数が依然として緩衝帯に甘んじるか、かつて50年前の1970年代に経験したように、多くの国民が自らの生活と未来の主人公になろうとする積極性を取り戻すかにある。当然、われわれの任務と課題は、仲間にそれを促すことである。
 ここ数年、われわれは森友、加計、桜を見る会等、わが国の政治に正義や公正というものが腐食していくさまを見せつけられたようであった。それに対する人々の怒りがマヒしていくかのようであった。  しかし、量から質への発展ということが言われる。眠らされ、削り取られたかのような、見えない量的に積もった国民の怒りが、質的に転化する可能性は否定できない。
 年末から年初にかけて起こっている事態―カジノ疑惑、関電の腐敗やゴーン逃亡にみられるごとく経済界に君臨してきた連中の底知れぬ腐敗とヤミ世界は、緩衝帯に片足をとられている人々にも、従来の惰性を越える衝撃を与えている。
 さらに最近顕著なことは、国民をつなぎとめる役割を果たしていた政権や官僚に対する信頼の後退である。大学入試にかかわる疑問符、カジノ疑惑に垣間見える政権周辺の呆れるほどの幼稚さ、説明責任よりも沈黙という官邸の態度等々。  緩衝帯にヒビが現れ、機能不全に陥り、崩壊が始まることも予想しえない選択肢ではない。
 しかし、これらの現象は自然発生的、自動的に起こることではない。
 安倍政権の行き詰まりは、その過程が新しい勢力の成長、国民の政治的力の成長と高まりになってこそ意味がある。力となる。
 ただちに広範な、深い議論を起こそう。行動を準備しよう。
新社会党・震災25年アピール
阪神・淡路大震災から25年――。
     今こそ非軍事の災害救助隊を
 阪神・淡路大震災から節目となる25年を迎えた。だが、まだ多くの課題が山積し続けている。
 借上げ復興住宅の問題で、行政は入居者との契約を理由に20年での返還を迫り、神戸市は12世帯に明け渡しと損害賠償を求める訴訟を起こし、西宮市も7世帯を提訴している。入居者には何らの非もなかったにもかかわらず、家賃滞納者と同じ扱いを行い、提訴を行うというのはあまりにも理不尽で、冷たい対応だ。神戸市長は「退去の是非については、話し合いの余地はない」としているが、神戸市や西宮市は提訴を取り下げ、あくまで話し合いでの決着をめざすべきである。
 震災アスベストによる健康被害も深刻だ。震災後に解体現場などで働いていた6人がアスベストによる悪性中皮腫で亡くなっている。そこで働いていた労働者はもちろんのこと、周辺住民への影響も十分考えられる。アスベストによる悪性中皮腫や肺がんは暴露後、早い人で10年、30年後からは急増し40年後にピークになると言われている。アスベスト関連疾患発症の時期を迎える今、住民も含めた健康被害が一層顕著化するおそれがある。今後も早期に健康被害を発見できる検診体制が自治体や国に求められる。
 東日本大震災からもまもなく9年を迎える中、政府は震災の教訓を顧みず、原発の再稼働に向け突き進んでいる。
 また、昨年も台風19号、21号の大雨による大規模自然災害が相次いだ。阪神・淡路大震災の教訓や運動をもとにつくられた「被災者生活再建支援法」は、対象者は全壊・大規模半壊のみで、半壊以下世帯の救済は盛り込まれていない。さらに一定基準以下の小規模災害には適用されず、支給金額のことも含め今後の大きな課題として残されている。国は昨年の台風19号、21号の被害状況を受け、「一部損壊」を災害救助法に基づく応急修理制度の対象に加えたが、生活再建には程遠い金額である。従って、この間の大きな自然災害を経験した自治体は独自の支援策を上乗せして生活再建を行っている現状である。
 この間、安倍首相は憲法9条に自衛隊を明記するなどの改憲を自らの手で実現すると明言し、いま緊張が高まる中東へ、国民的な議論もないまま「調査・研究」の名目で、戦争法成立後、初めての自衛隊派遣を強行しようとしている。日本が海外で、いつでもどこでも戦争できる国にしようとする地ならしと言わねばならない。
 いま日本がやるべきことは、「戦争できる国づくり」ではなく、海外にも緊急展開できる大規模で、総合的な消防・救助能力を持つ非軍事の「災害救助隊」の創設だ。
 新社会党は今後も被災者の立場に立った震災復興の検証を市民とともに進め、脱原発社会の実現、くらしや生活の再生をめざし、多くの皆さんと手を携えて全力で奮闘する決意である。
  2020年1月17日 新社会党兵庫県本部
 元旦、恒例の初歩きは約2万5千歩のコースだった。今年は家を出るのがやや遅くなって、いつも初日の出を拝するところに着いたときはすでに陽は昇っていたが、穏やかな正月だった▼そんな年末年始にとんでもないこと、出来。ひとつはカルロス・ゴーンのレバノン逃亡。数十億円かけて周到に準備した逃亡劇であったことは間違いないようだが、世界の富の82%を所有する1%に属する人間だからこそ可能だった「犯罪」だと思えば何とも腹立たしい。もうひとつはトランプが指示したイラン革命防衛隊部隊のソレイマニ司令官の殺害。国際法も道理もあったものか、傍若無人の振る舞いのアメリカには反吐が出る▼ゴーンの事件も、こちらのほうも、今後の展開は不明であり、大いに懸念されるところであるが、翻って安倍政権はというと、昨年の「桜を見る会」疑惑、公文書クライシス、議会軽視・無視からIR疑獄と、もう政権末期のような様相を呈し始めている。内政も外交も、口にすることと実際との乖離は何とも甚だしい▼あまりスカッとした正月ではなかったが、オリンピック・パラリンピックには乗せられず、予想される選挙も含め、まともな社会をめざす運動にまい進する1年か。
物販を通じて組織と財政づくり
 但馬ユニオンの年間活動方針のひとつに「物資販売」がある。夏はメロンとソーメン、冬はリンゴとカニや酒の販売である。但馬ユニオンとして討議資料を作り、物販の目的を、「たんに物を売ることだけが目的ではなく、“仲間と結びつき、ユニオンの支持と支援を広げ、組織と財政力を強化すること”が目的である。そこに取り組む意味がある」と訴えてきた。
 また、但馬ユニオンのもうひとつの特徴は、新社会党を支援する「ぴぃぷる」の物販の取り組みを組合員に要請していることだ。ぴぃぷるからの還元金でリンゴなどの品物の送料を賄っている。
 昨年末のりんごの物販では、但馬ユニオンの扱いが71箱、但馬地区全体では132箱だった。12月10日に車2台で神戸まで取りに行き、私の場合は篠山、朝来、養父、関宮、日高、城崎を2日間で配達し、約400キロを走った。但馬地区は3地域(南但馬、豊岡、西但馬)を10人ほどで配達する。
 これまでの取り組みを通しての教訓は、@まだ組合員の中では「自分が買うか、買わないか」の域を克服できていないということだ。それが結果として、組合員1人0箱〜15箱と、今回も格差が出てきた。しかし、考えようによっては、まだ広げる要素があるということだと前向きに考えている。A今回初めて新規の開拓があった。私鉄総連の全但バス労組の委員長が個人として協力していただいたことだ。物販の要請も粘りと闘いを知ってもらうことなどが重要だと改めて認識した。B但馬ユニオンの扱い71箱中、約半数が全逓OBとJP労組の組合員である。郵政労働運動に感謝である。しかも、この取り組みの最終日にJP労組の組合員が但馬ユニオンに2重加盟してくれることになった。但馬ユニオンのニュースで闘いを知り、応援する気持ちになってくれていたようだ。これでしんどさもなくなった。
岡田一雄(但馬ユニオン副委員長)
悲喜こもごものお正月
 2020年の我が家の幕開けは、埼玉に住む息子一家が来て、普段は会えない2才と9ヶ月の孫2人と賑やかに過ごせて良い正月だった。息子の妻は今は専業主婦だが、息子は今どきの育メンでお風呂に入れるのはもちろん、ミルクをやったり、オムツを替えたり、当たり前のようによくしていた。驚いたのは、人見知りの始まった9ヶ月の孫が私の顔を見ると泣くのに、じいじ(夫)には懐き、泣かずに抱かれていたことだ。ちょっと妬ける。夫は自分の子育ての時は共働きなのに毎晩帰りが遅く、お風呂も私1人で裸で走り回って2人の子を入れていた。昔、大変やったんやで!
 90才の認知症の母も普段はあまり表情が無いが、ひ孫を見ると笑顔も出た。
 「孫一家来て嬉し、帰って嬉し」で1月4日に一家が帰り、布団を干したり、荷物を送ったり、後片付けもほぼ済んで、ちょっとゆっくりしようかと思った翌日の日曜の朝、母のオムツを替えようとしたら鮮血混じりの便でびっくり!母は以前から通っていた近所の内科医に今は往診してもらっているが、特に今まで問題がなく、医師と24時間契約をしているわけでもなく、訪問看護も来てもらってなかったので、慌てた。新聞の「当直医」欄で「急病診療所」を探してあちこち電話をしてみたが、その返答は「今日は外科のドクターがいないので無理です」とか「内科で診れますが、インフルエンザの患者さんで溢れてて2時間待ちです」とかいうものだった。ああ、日本の休日医療は貧困だ!とても90才の母を連れては行けない。思い余って休みの主治医に電話してみると外出中で、なかなか連絡が取れずヤキモキした。ようやく「下血が1回だけなら様子をみましょう。軽い食事をしてもよい」と指示をもらい、ホッとひと息。遅めの朝食後ひと眠り、昼食も遅めに摂り、また昼寝。ところがまた夕方、3回も下血。仕方なく車で1時間かかる遠くの病院にも聞いてみたが、同様に2時間待ちとのことで、「寝かせて明日朝まで待とう。夜中、急変したら救急車を呼ぶしかない」と腹を括った。
 幸い無事、朝を迎えたがやはり下血が続き、以前、母が胃潰瘍で入院したことのある病院へ夫と2人がかりで車に乗せて連れて行った。ところが、「うちは今、消化器外科が無いので検査できないし他所へ行かれた方がいい」と体よく断られた。「昨日も電話しているのにその時、言ってくれ!」と腹が立ったが、また母を乗せて別の病院に向かった。そこは親切に丁寧に診て下さり、検査も本人に負担の少ないCTで、ドクターも「あまり長い入院だと弱ってしまうので」と高齢者のこともよく理解して下さっており、翌日にはリハビリの理学療法士も手配して下さっていた。絶食と止血剤の点滴で下血もほぼ止まって回復に向かっており、一安心だ。
 悲喜こもごも、バタバタで医療の現実に身をつまされた正月だった。
(M・K)