「新社会兵庫」 10月08日号
 日中の残暑はまだ厳しいが、朝夕は涼しくなり、食欲の秋を迎えた。朝はご飯と味噌汁が基本。酷暑の中、野菜作りに精をだしているご近所さんからいただいた冬瓜を味噌汁の具にする。味を主張しない冬瓜にはミョウガをたっぷり入れる。これは田舎の庭からもらってきた和のハーブ。動物性たんぱくは、義姉からの中元で銚子のイワシの缶詰。デザートは神戸市西区産の幸水梨。収穫作業を手伝っている友人からで、選果外だが味は良し。朝からご馳走だ▼しかし、世界を見れば、のんきに朝ごはんの話ばかりしている場合ではない。9人に1人が十分に食べることができていない。日本でも2千万人が貧困ライン以下である▼10月は、「世界食糧デー」月間である。国連は、最も重要な基本的人権である「食料への権利」を現実のものにし、世界に拡がる飢餓、栄養不良、極度の貧困の解決をめざしている▼日本の食糧自給率は38%で、6割は海外に頼っている(2015年)。にもかかわらず、捨てられている食料は2842万d、まだ食べられるはずのものが646万d、その内家庭からは289万dも廃棄されているという。食を考える月間だけでなく、日頃から冷蔵庫は整理したいものだ。
関生支部への刑事弾圧
労働組合つぶしを許さない 支援拡大へ兵庫集会を計画
労働組合への未曽有の大弾圧
  2018年7月以降、全日本建設運輸連隊労働組合関西地区生コン支部(以下、全日建関ナマ支部)に対する権力の異常な弾圧が続いている。逮捕者された組合員はのべ85人、事業者8人、起訴された組合員はのべ69人、事業者5人、その他、組合員や元組合員、事業者に対する膨大な任意出頭や家宅捜査が行われ、まだ進行中だ。武建一委員長をはじめ主要な役員は1年を超える長期拘留が続いている。
業界のコンプライアンス活動を中心課題に
  全日建関生支部は、1990年代以降、重大な交通事故につながる過積載や、ビル、トンネルの事故に直結する欠陥生コン(シャブコン)の追放など、コンプライアンス活動などを組合活動の大きな課題として産業別の運動に取り組んできた労働組合である。 生コン業者の協同組合化と労働者の労働条件の向上に取り組む 生コン業界は大手ゼネコンとセメントメーカーの力が強く、中小の生コン業者の経営は圧迫され、労働者には劣悪な労働条件を強いていた。こうした状況のなかで、関西地区では関生支部の取り組みによって、中小企業の協同組合への加入を通して大手ゼネコン・セメントメーカーに対し、輸送運賃の引き上げを通して日々雇用労働者の正社員化や労働条件の引き上げをめざしてきていた。
憲法28条を無視し、当たり前の労働運動を「威力業務妨害」、「恐喝未遂」罪に
  一連の全日建関生支部に対する弾圧(逮捕、起訴、長期拘留)は、労働組合の正当なストライキ権行使、従業員への平和的な協力要請、組合活動のABCであるビラ配布活動や抗議行動など、労働組合として当たり前の活動を「威力業務妨害」罪、「恐喝未遂」罪として弾圧しているのだ。
弾圧は滋賀県警、大阪府警、京都府警、和歌山県警に拡大している。
 滋賀県警は、生コンクリート業者らの協同組合に対して「関生と手を切れ」と言い、組合員に対しては「関生労組を辞めたら釈放してやる」などと、戦前の特高警察も驚くような手法で労働組合つぶしの国家的な不当労働行為を行っている。
 歴史的にみれば、労働者は無権利状態のなかで命を懸けた闘いによって団結権、団体行動権を獲得してきた。わが国においても、非合法下の闘いを経て、戦後、憲法28条で団結権、団体交渉権、団体行動権が認められた。そして、労働組合法第1条で刑事免責が定められ、第8条で損害賠償請求など民事免責が認められ、労働組合の活動が保障されたのである。労働者は闘い取った団結権、団体交渉権、団体行動権を駆使し、奴隷状態から人として当たり前に生きる権利を獲得してきたのだ。
「共謀罪」の先取り
 また、今回の一連の弾圧は、労働組合をあたかも犯罪者集団と同一視するかのような弾圧であり、しかもスマートフォンのデータを押収して共謀を問題として逮捕するなど、共謀罪の捜査手法を確立することが意識されているとも指摘されている。
まともな市民運動に対する挑戦でもある
 今回の全日建関生支部に対する弾圧は、闘う労働運動の根絶やしを狙うものだ。さらに、労働運動つぶしに止まらず、沖縄・辺野古新基地建設反対をはじめ米軍・自衛隊基地に反対する運動や、脱原発運動、そして安倍政治に対する一切の抵抗を許さない民主主義の全否定の一環だと捉える必要もあると言わねばならない。
兵庫でも反撃を開始しよう
 こうした当り前の労働組合、当たり前の労働組合運動をつぶし、民主主義を破壊しようとする攻撃に反撃する運動が全国的に広がろうとしている。支配者は常に働く者を分断しようとしてくるが、労働者の権利、平和と民主主義を守るには、働く者が団結と連帯を取る戻す以外に道はない。
 兵庫県においても弾圧が集中する全日建関生支部を支援し、連帯する運動づくりの取り組みをしていくため、10月23日に神戸市で「労働組合つぶしを許さない兵庫集会」を開催することになった(開催要項は別記)。ぜひ趣旨に賛同をいただき、兵庫県集会に多数の参加をいただきますよう呼びかけます。
小西純一郎(ひょうごユニオン事務局長)
スタッフセミナーで学ぶ
 あかし地域ユニオンも学ぶことに力を入れ、働く者の考え方を高めようと努力しているが、その大きな柱にスタッフセミナーがある。今回は、明石地労協と共に開催しているスタッフセミナーについて紹介したい。
 @スタッフセミナーの大きな目的は、交渉担当者の養成とレベルアップにある。相談者への適切な助言や疑問への回答が十分にできるように学ぶとともに、企業との団体交渉において相談者(組合員)の利益を守るための知識や必要な情報を理解することは絶対に必要である。
 Aしたがって、ここ数年のテーマを振り返ってみると「知っておきたい雇用保険の基礎知識」「知っておきたい健康保険の基礎知識」「退職時社会保険の手続きトラブル」があり、今年は「働き方改革関連法施行に対応するために」が大きなテーマとなって、「同一労働同一賃金」「労働時間の認定範囲」などの学習を強めてきた。
 Bスタッフセミナーは、毎年2月を始まりとして、ほぼ3カ月に1回開催しており、今年も2、5、9月に開催してきた。参加者は役員が中心とならざるを得ないが毎回15人前後の参加で学習している。
 C毎回、講師に来ていただいて学習を続けているが、ここ数年は特定社会保険労務士の有田成子先生に安い講師料でお願いしている。いつもていねいな資料で説明を受け、疑問や質問にも答えてもらい、なかには理解できないこともあるが、参加者全員で意見交換しながら続けている。
 D今後もスタッフセミナーを柱に学習を続けて行くが、役員中心の学習だけでなく、多くの組合員が気軽に参加できる学習交流会のような取り組みができないか、ユニオンの現状では大変難しいが検討して行きたい。
金平 博(あかし地域ユニオン委員長)
母のこと
 前回、「着物が着られる粋な女をめざしたい」とナマイキなことを書いた。それで茶道をしている友人に着付けを教えてもらうことにしたので、母と私の和箪笥を整理した。母は和裁も洋裁もできる専業主婦だったので、京都の呉服屋に頼まれて80歳前半までは着物も縫っていた。それで私の嫁ぐ時に留め袖やら付け下げやらを持たせてくれていた。が、和服やお洒落にまったく興味の無かった私は実家の和箪笥にしつけも付けたまま置き去りにしていた。
 母の着物は出してみると襟がシミになっているのもあったが、いろいろ種類もあり、「そう言えば学校の入学式や参観日には羽織も着て来ていたなあ」とか「結納の時には着せてもらったなあ」とか思い出された。今、思えば若い頃に母に教えてもらっておけば良かったのだが、母がこんなに何もかも忘れてしまうとか、自分が着物を着たいと思うようになるとか考えもしないのだから仕方がない。時の流れというのは残酷なものだ。
 それに、小さな古い手帳に母が鉛筆で丁寧な字で料理のレシピを書いた物を見たことがある。但馬の田舎から神戸に嫁いで来た時に姑に教わったようで、垂水特産のイカナゴの炊き方や、当時はハイカラなポテトサラダ等が書いてあった。確か祖父が、庭の手入れで出入りしていた異人館のインド人(?)のコックさんに教えてもらったとか言っていた。もちろんマヨネーズも手作りで、子どもの頃に食べたサラダはじゃがいもが大きめでゴロゴロ入っていたのが懐かしい。
 今、韓国映画で「お料理帖―息子に遺す記憶のレシピ」という認知症の母とその家族を描いた作品が東京で封切りされていて、早く神戸に来ないか待ちわびているのだが、観れば泣いてしまいそうだ。
 私たちは共働きだったので家事は大いに母に頼っていた。子どもの弁当等は私が作っていたが、夕食は長い間母が作っていた。時々鍋を焦がすことがあり、「使い方を覚えられるうちに」とわりと早めにIHに替えたのだが、設置して次の日に魚を直接置いて焦がしてしまい、仕事から帰宅した私がため息と共に磨いたことがある。それからはメインは私が作り、母は汁物や添え物やらを何年かはIHも使いこなして料理していた。が、そのうち味や料理がおかしくなり、カレーの中から前夜の鍋の白菜が出てきて驚いた。認知症の症状が出始めたのだ。
 それ以前に介護認定は受けて手すりを付けてもらったり、半日のリハビリ目的のデイケアに通ったりしていたのだが、現在通っているデイサービスに変えた。今は歩行も困難で、言葉もほとんど出なくなってしまったが、デイでお風呂にも入れてもらい、みなさんの歌を聞いたり、小さな花を活けたりしている。穏やかに笑顔で過ごせるのが一番だ。
(M・K)