「新社会兵庫」 6月11日号
- 平成から令和への改元という騒ぎにつないだ日米首脳会談という仰々しい政治ショーにはウンザリした▼ゴルフ、相撲観戦、即位後初という箔をつけた天皇訪問、銀座の居酒屋……は、首脳交流として意味ある足跡を残したのだろうか。「さすが安倍さん、やることが違う」というウケや「感動」を狙ったのであろうが、感動の“か”の字も残っていない。外国では会談の分析もされないで、苦笑だけが広がっている▼従来、大物政治家の言動は眉唾と受け取られるとしても、飾りとしての何%かの理想は感じられていた。ところが理想など全く必要ないとするトランプが現れた。一方、わが国では森友、加計疑惑で国民の大多数が、首相の嘘を見抜いているのに、疑惑があれば首相も議員も辞めると公言しながら辞職しない権力がいる▼こんな2人の政治ショーが腐敗臭をまき散らさないはずはない。政治腐敗の加速と可視化は必至である。腐敗菌がわが身にとりついているのに、わが身の生存とは無関係と思い込む能天気はやめよう▼わが身に残る肺活量いっぱいに怒りを吸い込み、脳を刺激・活性化させ、政治の劣化と闘う精気を吐き出そう。鈍りかけているかもしれない神経を再び研ぎ澄まそう。
- 神戸市教育委員会に一石を投じたいじめ自死問題
- 2016年10月6日、神戸市垂水区の女子中学生が自ら命を絶った。2013年に成立した『いじめ防止対策推進法』では、背景にいじめがあったのではないかとされる場合、それは“重大事態”として位置づけられ、『第3者委員会』が設置されることになっている。この場合も設置された。しかし、「他の生徒に影響するから」と、神戸市はそれを公表しなかった。
『第3者委員会』は教育委員会附属機関の横すべり
あわはら富夫議員と私は、『第3者委員会』のあり方について、議会で再三問い質してきた。神戸市の場合、『第3者委員会』は教育委員会の附属機関『いじめ問題審議委員会』が、1年という任期で横すべりに設置されたものだ。「そもそも公平性・中立性に欠けるのではないか」と主張すると、当時の教育長が「心外です!」と、怒りを露わにしたことがあった。
一方、直後から「娘がなぜ死を選んだのか知りたい」と、娘の死を受け入れられなかった母親のFさんの闘いが始まった。『第3者委員会』や教育委員会は、遺族に寄り添うと言いつつ、Fさんを踏みにじる行為を何度も繰り返してきた。そして、提出された『第3者委員会』による最終報告書は案の定、「いじめはあったが、自死の原因であるとは断定できない」というものであった。
子どもの命を軽んじている教育委員会
Fさんは納得がいかず、市長に『再調査委員会』の設置を求めた。前後して、“隠ぺいメモ”事件が発覚した。そのメモは、自死直後、周囲の生徒が勇気をもって発言し、それがメモとして残されていた貴重な資料だった。組織的な隠ぺいが疑われたが、元校長と首席指導主事の2人が“トカゲの尻尾”で切り捨てられた。
いじめ問題の本質が“隠ぺいメモ”問題にすり替えられようとしていた頃、神戸市は『組織風土改革のための有識者会議』を設置し、いじめ自死問題をはじめ、教員の不祥事等々、ありとあらゆる問題をごちゃまぜにした有識者の話し合いの場を設置した。さらに、『神戸市いじめ防止等のための基本的な方針の改定案』が出された。私たちは、「『再調査委員会』の最終報告書が出されてからでも良いのではないか。そうすべきではないか」と主張したが、「適宜修正していけば良い」と、神戸市は無責任な答弁に終始した。事を荒立てないように荒立てないように、という教育委員会のこのような隠ぺい体質は、結果として生徒の命を軽んじることになる。口さきだけの反省はもううんざりだ。
今年4月、『再調査委員会』による最終報告書が提出された。「いじめとの関連性を認める」という内容で、教育委員会は頭を下げて謝罪した。「同じ事件でも、調査する人によってこんなにも内容が異なるのはなぜか」と、Fさんは素朴な疑問を投げかけた。
これからも問い続ける『第3者委員会』や教育委員会のあり方
4月末、Fさんのご実家を訪ねた。Fさんの母親は、今でも孫が「ただいま」と言って帰ってくると思っている。Fさんは今なお、娘さんが自死した場所を訪ねることができないでいる。しかし、「このたび納得のいく最終報告書が出され、ようやく娘の死を受け入れ、向き合えるようになった」と語る。同時に、「自省、後悔が続く」とも。いじめ自死問題は一区切りついたものの、娘さんは帰ってこない。Fさんの自問自答はこれからも続くだろう。しかし、Fさんの2年半にわたるつらい苦しい闘いは、教育委員会のあり方に大きな一石を投じたのではないかと思う。
今また、市立高校生徒の転落事故が明るみに出た。昨今、児童・生徒が次々と命を絶つ、絶とうとすることを憂う。その背景にいじめがあるとすれば、『第??者委員会』や教育委員会のあり方をこれからも問い続けていかなければならない。「隠して、隠して、終息させていく」―このような学校や教育委員会の体質ではいじめはなくならない。
ひとりひとりの児童・生徒の命を大切にする、“愛“のある教育行政、神戸市政をこれからも求め続けていきたい。
小林るみ子(神戸市会議員)
- 賃下げ提案と闘うA交通分会の春闘
- あかし地域ユニオンは、今年2月に結成20周年を迎えた。克服すべき課題はいくつもあるが、元気に活動を続けている。
この間、労働組合としては当然であるが、春闘期の賃金引き上げを求めていくつかの分会で交渉し、少額ではあるが賃金引き上げの回答を得ている。しかし、非正規労働者の賃金引き上げは厳しく、時給を引き上げることはできていない。このような状況の中で、11名の組合員で組織するある分会(A交通)では今年になって賃金引き下げの提案があり、今も交渉を続けているのでその報告をしたい。
A交通は、バス事業とタクシー事業を運営する会社で、東播磨地区の広い地域で事業を展開している。今年2月、会社より「タクシー乗務員の賃金支払い方法を変更したい」との説明を受けた。その内容は、経営が厳しく会社の存続のために「タクシー乗務員の年休手当支給時に、年休取得日数に応じた基本給を控除する。4月25日支給時の給与から実施したい」というものである。これは、有給休暇1日当たり約7千円の減額となり、到底認めることのできない提案である。
ユニオンは全組合員にこの内容を報告するとともに、すぐに交渉を申し入れ、詳細な説明と労使協議を尽くすことを申し入れた。当初、会社は「労使協議が整わなくても実施したい」との強い態度をとっていたが、ユニオンが「労使合意のない実施は認められず、会社が一方的に実施するのであれば、あらゆる手段を使って抵抗する」との決意を伝えると、会社も引き続き交渉するとの態度を示してきた。
提案から6回の団交を積み重ねているが、組合員の不満は大きく3つある。1つは、増収のための営業活動をしていないこと。2つは、増収のための乗務員の提案に耳を傾けないこと。3つは、将来の見通しを示さないことなどである。
難しい交渉が続いているが、組合員の雇用を守り、生活の安定のためにも、引き続き全力を上げる決意である。
金平 博(あかし地域ユニオン委員長)
- ジェンダー指数・世界110位
-
I女性会議ひょうごは、女性差別撤廃条約実現アクション(女性の権利を国際基準にするための「選択議定書」批准を目的にした共同行動。批准国109ヵ国)に参加し、日本も早く批准するように国会への請願署名に取り組んでいる。すでに多くの方から署名が集まっている。
「国家が成長し、発展していくためには、国民全体の知識や能力をいかすことが必要である。そのためには、性別に関わらず一人ひとりの個人が、自分の才能をもっとも生かせる場所で伸ばして行く機会を得られるようにすることが重要な要素である」―。素晴らしい感動的なことば。これはジェンダー指数第3位のスウェーデンの政策基幹「機会均等」の理念だ。日本にも同じ理念の「憲法14条」(法の下の平等)があるが、110位と先進国最低どころか世界最低レベルだ。
1997年に共働き世帯が片働き世帯数を上回り、その後も共働き世帯の増加が続いている。それにもかかわらずアベ政権は保育所を増やさず、保育労働者の待遇改善を進めず、私たちの税金で武器ばかり爆買いをしている。その結果、待機児童は減らず、現場は人手不足だ。
私は高校の体育教師として1974年〜2012年まで働いていたが、1979年に第一子を出産した時には、1976年施行の育児休業制度ができていた。おかげで勤め続けることができた。その頃の女性体育教師の先輩達はほとんどの方が独身だった。宿泊を伴う仕事が多く、日常的にも部活動で帰りが遅く、休日出勤も多いということから、よほど条件に恵まれていなかったら結婚、出産しても勤め続けられなかったからではないだろうか。厳しい環境の中、先輩たちの地道な組合運動によって獲得した育休制度で、私たちの年代以降は出産後も働き続けることができるようになった。先輩達に感謝の念で一杯だ。その後、育休は年数が伸び、看護・介護休暇も改善されてきた。労働条件と制度の改善は、働き続けられるための基本だ。
私が働いている間、「女だからさせない、やれない」という仕事はなかった。公務員は賃金に男女差別がない。そのことは経済的な自立を助け、精神的にはやりがい感があった。しかし、子どもの保育所のお迎えのために、仕事が一杯ある中を他の人より早く帰ることは毎日大変だった。学校で仕切れない仕事は家に持ち帰って夜なべ。自己犠牲で成り立っていることが多かった。教育現場は民間に比べれば一歩早く制度が制定され、女性が働きやすい職場になっているはずなのだが……。ところが、実態は改善されるどころか悪化し続け、現在はブラック職場の筆頭になっている。その結果、教育現場は男女に関係なくみんな心身共に疲弊しきっている。女性に優しくない職場は男性にも優しくない。ということは、ジェンダー指数110位という日本の現状は、男女、労働者、みんなの問題なのではないだろうか。
それにしても職場環境が45年前より悪くなっているなんて、日本は何をやっているのやら。(怒)
(新原三恵子)
|