「新社会兵庫」 3月12日号
- 奈良少年刑務所詩集『空が青いから白をえらんだのです』を露の新治さんにいただき手元に置いている▼更生のための社会性涵養プログラムの一つ、童話と詩の授業。その講師として参加した詩人の寮美千子さん編の受刑者の詩集である▼タイトルになっているのは、「くも」と題された一行の詩。A君が自分の書いたこの詩を朗読し「亡くなったお母さんが『つらいことがあったら、空を見て。そこにわたしがいるから』とぼくにいってくれた。小さかったぼくはお父さんから殴られるお母さんに何もできなくて……」と語りだすと、教室の仲間たちが次々に想いを語りだす。一行の詩がみんなに届き心を揺さぶったことを感じる瞬間▼受刑者の多くは育児放棄され、学校でも落ちこぼれ、福祉の網の目にもかからず、情緒が耕されないまま抑圧され不幸な犯罪になったケースもいくつもある。寮さんは授業で詩作、朗読、合評し合う誰一人否定的なことを言わず共感できることを見つけ発言する彼らに、これまでそのような「場」がなかったのだと思う▼社会性涵養プログラムは「人は変われる」と教えている。社会に戻った彼らの更生を支える差別のない生きるための保障は全ての人への保障でもある。
- 新たな出発をめざして
- はりまユニオンは、結成して18年目を迎え、播磨地域では一定の存在感を示すことができるようになってきた。
しかし、役員の高齢化と活動が限られた人によるところから、世代交代が急務の課題となっていた。そうした中、活動の中心的役割を務めていた書記長が一昨年暮れから体調を崩し、昨年8月に急に亡くなり、活動が停滞するようになった。そのため、昨年の定期大会が開催できず、4月に全組合員による集会を開催して、前年度の大会で決定した役員体制と活動方針を継続して活動を取り組むこととした。
現在、県下のユニオンの仲間に支援をいただき、態勢の立て直しを図っているところだ。
ここ数年、相談件数が減少してきたが、今年に入り、数件の相談があった。紹介すると、1件目は、F興業という運送会社に勤務している運転手で、会社社長の経営がずさんで赤字経営が続き、社員として自分たちの生活を守るため営業で努力して会社に貢献してきたが、社長は何も努力をしない。社員7人で労働組合をつくりたいと相談があった。新たに組合を結成するのは、組合規約や役員などを決めるのに時間がかかる。はりまユニオンに加入してもらい、分会として要求と団体交渉の申し入れを提出して会社と交渉することにした。相談に来たいきさつは、以前社員の1人が組合員で、現在退職して組合も脱退しているが、その人の会社との交渉内容を聞き覚えていたとのことだ。はりまユニオンとして初めての多人数の分会ができた。
もう1件は、新聞社からの紹介で、M食品会社の賃金未払いの相談だった。早速、組合員になってもらい、賃金の早急の支払いと労働条件の改善の要求を申し入れ団体交渉を求めている。
その他に、A運送会社の労災事故での労災補償と職場復帰後の労働条件の交渉も引き続き行っている。
はりまユニオンは3月10日に2年間の活動総括と運動方針を決める定期大会を開催して新たな出発をしたいと思っている。今後ともご支援をよろしくお願いいたします。
横山良介(はりまユニオン委員長)
- 朝鮮半島問題を学ぶ
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1月に私の関わる部落問題を主とする学習サークルで、「朝鮮半島問題学習会」として朝鮮学校無償化や徴用工問題などを取り上げた学習交流会を開催した。講師は、I女性会議の方にお願いした。
朝鮮学校高校無償化については、民族教育への偏見から来る排除と私は思っていた。しかしそれだけではなかった。朝鮮学校は各種学校扱いで、日本の高校卒業資格を得られないことも解ってびっくりした。
1910年の植民地化や第2次大戦などを背景に、最大百数十何万人と言われる朝鮮の人々が強制連行などによって連れて来られ、敗戦後も日本に残った(残らざるを得なかった)人々は、子ども達を育てる際、「言語・民族の文化を大切にした教育」と思い、全国に約600校(当時)を設立した。それが朝鮮学校だ。
時を経て2010年、全国の高校の授業料が無償となった。しかし、2013年2月、安倍政権の朝鮮敵視政策により、全国で唯一、「朝鮮学校」が無償化適用から除外された。その流れが兵庫県にも起き、補助金が大きくカットされた。加古川市はわずかな補助金も削除した。
日本と朝鮮半島の歴史においては、友好的な時期も多くあった。1590年代、豊臣秀吉の朝鮮出兵で半島全域が戦場になった。また、1910年の植民地化後は、土地を奪い、仕事も奪い、あげくの果てには創氏改名、朝鮮語禁止・日本語の使用を強要した。第2次大戦では、特攻隊に入れられ多くの朝鮮の青年が戦死した。そして、いま問題になっている旧日本軍性奴隷問題だ。20万人とも言われる10代の少女をだましての連行。日本軍が侵略した中国大陸やアジア各地に随行させた。ソウル市内にある「戦争と女性の人権博物館」には数多くの日本軍性奴隷に関する資料が残る。にもかかわらず、安倍をはじめとする日本の支配層は認めないどころか、「売春婦」呼ばわりだ。
徴用工など強制労働の実態例は、長崎県の端島炭抗(軍艦島)など全国各地にある。日本が戦争に突き進む中で、労働力不足を補うため朝鮮半島から連れて来て危険な現場に朝鮮人を配置。過酷な労働でたくさんの人たちを死亡させた。しかし、「軍艦島資料」では、そのことは一切書かず、「世界文化遺産認定」だと誇る。徴用工問題は、当時多くの企業や炭鉱であり、新日鉄住金の問題は氷山の一角だ。
今回の学習会では、元教員の参加者から「アベ政治が吹き荒れる前の10年ほどは、学校現場で教科書にも記載され、教える機会があったが、十分に説明できなかった。反省している」との意見も出た。このことも初めて知った。侵略行為や植民地政策を本当に質さず、真剣に「謝罪」もせず、偏見や差別を煽る加害者になっていたのでは、と改めて衝撃を受けた学習会だった。
(菅野順子)
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