「新社会兵庫」 2月26日号
- 七不思議というのが世間にある。安倍内閣の支持率が40%前後を維持しているのもそれに入るのだろうか▼発表される数字と庶民の実感と離れ過ぎているのは、「安倍治世」の特徴であろうか。支持率40%というのと、モリ・カケ疑惑について「安倍首相は信頼できない、70%」というのが「平気」で併存している▼白と黒が併存する謎解きの鍵は、安倍支持の中味が「他の政権より良さそう」というのに片寄っている、というところにある。安倍政権のあそこがいい、ここがいいというのではない。どこもここも似たり寄ったりだろうが、安倍がやっているのだから、というのだろう▼アベノミクスのお蔭と胸を張りたがる首相も内心では、安倍支持は民主党内閣への失望の影絵であることを知っているのだろう。民主党政権はひどかったという印象が、安倍政権にとって生命線であると感じているのだろう▼だからこそ安倍政権批判に対して、民主党政権の時はどうだったかと切り返し、まともに答えないということが常態化している▼「悪夢の民主党政権」のフレーズを強調している。しかし私たちは悪夢の政権を過去から沢山知っている。悪夢以上の表現を誰か教えて欲しい。すぐ安倍首相に奉りたい。
- 「前借り制度」に縛られる派遣労働者
- 2週間ほどで、最近では珍しく派遣労働者からの相談が3件あった。1件は、留学生が派遣労働で事故に遭ったケース。2件目は、労働契約書に記載している賃金が支払われないケース。3件目が雇い止め(解雇)されたケースだ。3件目の相談者Aさんはユニオンに加入し、交渉することになった。
Aさんは、昨年4月から派遣元企業と契約し、3ヵ月はスポット派遣を繰り返し、8月から長期現場に派遣された。労働者派遣法が2012年に改正され、日雇い派遣は禁止となった。労働者は、派遣元企業と31日以上の労働契約を結び派遣されることになる。
最近は、何でもスマホで操作する。派遣元企業のアプリをダウンロードし、派遣の就業条件明示書や労働日、給与明細もアプリに送られてくる仕組みになっている。
雇い止めも問題だが、派遣労働の酷さを紹介したい。
派遣元企業では「前借り制度」がある会社が多い。Aさんと雇用契約を締結した派遣元企業にもそれがある。月の所定労働日にあわせて前借りできる金額がアプリで通知される。その限度額までは借りることができるが、一度前借りをしてしまうと、毎月前借りしなければ生活できなくなる。Aさんも月の限度額まで借りているため、雇い止めになってしまうと、振り込まれた賃金は2万円程度で、すぐに生活できなくなった。
その前借り制度は、派遣元企業が運用しているのではなく、大手銀行が子会社を作り、派遣会社と提携してお金を貸しているのだ。派遣元企業は、賃金から前借り分と手数料を控除し、前借り企業に返済する。手数料も決して安くない。10万円借りて手数料は450円だった。
前借りが続くと、それが辞められなくなる。貧困状態が続く。Aさんは派遣労働から抜け出し、生活できるようにするため努力している。
貧困の派遣労働者から、大手銀行は手数料を稼いでいる。桁違いの裕福な銀行が、必死に生きようとしている労働者から嘲笑うかのようにお金を巻き上げる。これが「正常」だというなら、この社会は「異常」だと思う。
木村文貴子(神戸ワーカーズユニオン書記長)
- “横のつながり”の大切さ
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私は新社会党兵庫県本部で働いています。事務所にいると、たまに市民の方からの問い合わせや要望などの電話があります。
先日、ある高齢の方から相談の電話があったのですが、その内容は、私にとって社会勉強をさせてくれるものでした。なぜここに問い合わせてくれたのかは聞き忘れましたが、相談は次の通りでした。「夫が亡くなった直後に、若い男が家に来て、寂しいだろうからみんなで食事できるところに行こうと言われ、連れていかれた所が老人ホームだった。入る気がないので腹が立ち、1日で帰ってきた。あくる日、その男が弁護士を名乗る男と一緒に来た。後見人をつけた方がいいといわれ、弁護士だということで信用し契約してしまった。通帳と印鑑を渡したので、毎月1度、その弁護士が生活費を持ってくるが、少なすぎて生活できない。不本意で、契約を解除したいのに、その弁護士事務所と警察に訴えても取り合ってもらえない。近所の知人にもお金を借りており、返せなくて涙が出そうだ」と言います。
話が完全に呑み込めない部分もありましたが、いろいろと問い返す私に迷いなく受け答えし、話の中の登場人物も実在の人ばかりと分かり、助けを求めて党所属議員に相談することにしました。
A市議に聞いてみると、実際にこのような相談はとても多い、認知症をわずらわれているケースかもしれないので、この場合はとりあえず話を聞いてあげることが有効で、当該地域の党支部に相談するとよい、とアドバイスをいただきました。
地元S市支部のKさんに電話したところ、地元の保健所、福祉担当課へとさっそく伝えていただきました。その結果、Kさんを通して地元保健所の方から「地域のケアマネとつながり、事情がすぐに分かりました。ご本人さんの記憶も低下しているので、忘れている部分もあるかもしれない。もし次に電話があったら、市の西部地域包括支援センターを教えてあげたら、そこが何でも相談に乗ってくれると伝えてください」と即、対応していただきました。相談を受けてから2時間弱のことでした。孤独で不安でいただろう相談者の方を思うと、当事者でなくても、誰かとつながったと、とてもホッとしました。
党を宣伝するわけではありませんが、数々の相談に乗ってこられた“市民派”市議、地域とつながり活動する仲間の本領を見た気がしました。
家族や地域共同体など、社会のあり方が変化した現代で、他人事ではない問題です。このような横のつながりはこれからもっと求められてくると思いました。
(岡崎彩子)
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