「新社会兵庫」 11月13日号
- 「嘘っぱち」とは、「『嘘』を強めた語。まったくの嘘」と辞書にある。だから、この場合は「嘘っぱち」の方がふさわしい。安倍首相が所信表明演説で述べた「沖縄の皆さんの心に寄り添い……」。―これほどの嘘っぱちはないだろう。まったく心にもないことを国権の最高機関の場で平然と述べた6日後には国交省は辺野古の埋め立て承認撤回の効力停止を決め、その2日後には民意などは問答無用とばかり、「言葉」とは真逆の工事再開という蛮行に出た▼さらに加え、この人の修辞学は嘘っぱちと強弁から成り立っているのではなかろうかと思ってしまうような言辞が飛び出した。同じ所信表明で首相が国会に対して改憲の議論を呼びかけたことは憲法96条や99条に違反していないかと質されたことに対し、「99条は憲法改正について検討し、主張することを禁止する趣旨のものではない」、「国会議員の中から指名された私が、国会に対して議論を呼び掛けることは禁じられておらず、三権分立の趣旨に反するものではない」と、呆れるような強弁をした。根拠のない解釈に立つ見解だ▼嘘と強弁をかけあわせた安倍首相の改憲への暴走は止みそうにないが、根拠と説得力がない分、脆さが垣間見えないか。
- 初めての分会が5項目の要求提起
- 姫路ユニオンに初めて分会が誕生し、労働条件の改善に関する5項目の要求書を9月5日に提出した。要求内容は分会組合員が相談し合った上で、@基本給の全員一律3万円引上げ、A人事評価基準・評価プロセスの明確化、B賞与に対する説明会の開催、C超過勤務手当の適正な支給、D組合掲示板の設置の5点に絞り込み、事業所からの回答を待った。
10月2日に行われた第1回交渉には使用者側2名に加えて弁護士の出席があった。ユニオンから要求内容の趣旨説明を行った後で示された回答は、「経営事項である」「法人の業績」「施設管理権」等々の理由により要求には応じかねる、とのゼロ回答でしかなかった。予想されたことではあったが、これでは団体交渉にならないと、再検討を求めて交渉を終えた。
この事業所というのは姫路市郊外にあるA病院で、本欄での登場は3度目となる“常連“である。
要求項目の4番目にある「超過勤務手当の適正な支給」については明らかに労働基準法と異なる取り扱いとなっていて、A病院では「平日1時間まで」「土曜日は17時まで」の超過勤務は認められない扱いとなっている。この点について団体交渉で厳しく追及したところ、弁護士も法違反であることを認めざるを得ず、過去2年間の手当差額を遡及支給させることとした。
この点も含めて団交で求めた内容を文章化し、弁護士事務所にFAXして、現在、第2回交渉に向けた準備を進めている。
A病院では労働関係法を遵守しないかたちでの人事管理や、組合員に対する低レベルの嫌がらせが続いているが、他の多くの職員もこのような病院のやり方には嫌気がさしていると聞いている。
最初は少しの成果でも構わない。ユニオンの取り組みで得られた成果を他の職員にも波及させ、組織拡大につなげていけることを願っている。
細川雅弘(姫路ユニオン委員長)
- ブラボー!ダルビッシュ有
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ジャーナリスト安田純平さんが解放された。ツイッターでダルビッシュが「旅行じゃない」と安田さんをめぐる自己責任論に反論した。「一人の命が助かったのだから、自分は本当に良かったなぁと思います」と安田さんの解放を喜ぶとともに、「自己責任なんて身の回りに溢れているわけで、あなたが文句をいう時もそれは無力さからくる自己責任でしょう。皆、無力さと常に対峙しながら生きるわけで。人類助け合って生きればいいと思います」との考えを示した。閉塞感の強い日本は息苦しい。彼の自然体の言葉はそこへピンで穴をあけたような気がする。ホッとしてうれしかった。
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誰でも、何事も本当のことを言うことの方が気持ちがいいに決まっている。今、日本では本当のことを言うことがとんでもなく難しくなっている。
財務省で誠実に一生懸命働いてきた職員が、意に反して文章を改ざんしてしまったことに心を痛めて自死された。多分亡くなられる間際まで悔しくて仕方がなかったと思う。彼は本当のことを言いたかったのだと思う。「こんなことはしたくない!」と。その時の彼の苦しくて、口惜しい心情を想像するだけで涙が出てくる。
しかし、麻生大臣は改ざんの責任を取らずにいまだに辞めない。「それは職員が勝手にやったことだ」とのたまう。自分の保身のためには人の命を屁とも思っていない。普通の人間には信じられないことだ。そのことを国会もマスコミも追及しきれていない。彼の死を無駄にしないためにも麻生大臣は絶対に辞めさせなければならない。
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昨晩、ニュースで「ハロウィーン」とやらで渋谷で若者たちが騒動を起こしていると報道していた。今朝のワイドショーで「若者たちもうっぷんが溜まっているのでしょう。地方から来ている人も多いです」と。なんのうっぷんかは言わない。若者のしたいこと、言いたいことが本当にこれなのか。60代以上の世代は学校でも職場でも言いたいことが言える雰囲気がまだあった。仲間もいた。仕事だけに追われる毎日だとなかなか本音が言えないのでは。まして仕事もなければ。それにしても大人たちにこれだけ好き勝手する人が横行していたら、真面目にやることがアホらしくなってしまうのも無理もない気はする。
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安田さんへのバッシングの中、ダルビッシュは「ジャーナリストが現地に行くことで助かる人たちが増えるし、場合によっては他国の介入で戦争が終わる可能性もあるわけです。ただ場所によってはジャーナリストも拘束、殺害されるリスクがあるわけで今回はそのリスクに当たってしまっただけの話。非難はできない」と説明。「逆に4回も捕まっていて5回目も行こうって思えるってすごいですよね。毎回死の危険に晒されているわけですよ。でも行くってことは誰かが行かないと歴史は繰り返されると理解しているからではないでしょうか?」と述べている。
彼は以前にこんなことも言っている。「弱い者ほど相手を許すことができない。許すということは強さの証だ」。ダルビッシュ、ブラボー!
(新原三恵子)
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