「新社会兵庫」 09月11日号
 かの御仁、よほど仰々しい演出がお好きなのだろう。西郷(せご)どん人気を、さらには薩長同盟や「明治150年」までをも意識してか、安倍首相は鹿児島県で桜島を背景に党総裁選の出馬表明を行った。カメラ目線にわざとらしい仕種など、見ている方が恥ずかしくなった▼しかも、この光景をNHKが生中継し、その直後には“安倍さんヨイショ”のサービス解説付き緊急特番を組んでいたことにも呆れてしまった。改めて“安倍1強体制”の毒素の広がりを見る思いで暗然となる▼総裁選で安倍首相が狙うのはただただ圧勝による3選。でなければ、その先には安倍改憲の実現は見えてこないと踏んでのことなのだろう、政策論議などはお構いなし。対抗馬の石破陣営への直接、間接の圧力も尋常ではない。石破氏が掲げたキャッチフレーズ「正直、公正」が首相への個人攻撃だと党内でやり玉にあがり、抑え込まれようとした▼が、これこそ笑いものだ。もしこの言葉が個人攻撃にあたるというのなら、まさに安倍首相は「正直、公正」とは逆の位置にいることをきわめて“正直に”告白していることにならないか▼自民党の劣化は総裁選にも深刻に現れている。こんな総裁選を見せられる国民はなんと不幸だろう。
辺野古新基地建設阻止へ 沖縄県知事選挙の圧倒的勝利を
 翁長雄志(おながたけし)知事の急逝に伴う沖縄県知事選が9月13日告示、30日投票で行われる。
 翁長氏の遺志を受け継ぎ、自由党幹事長の玉城(たまき)デニー衆議院議員(58歳)が、オール沖縄(辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議)の支援を受けて立候補することを8月29日に表明した。前日には自由党はもちろんのこと、立憲、国民、共産、社民、無所属の会が支持を表明。新社会党も全力で玉城氏を支援する。
 これにより、安倍政権の全面支援のもとにすでに出馬を表明している佐喜真淳(さきまあつし)・前宜野湾市長(54歳)=自民、公明、維新推薦=との事実上の一騎打ちという選挙構図となる。
 立候補の表明にあたり、玉城氏は会見で「翁長知事の遺志を引き継ぎ、辺野古新基地建設阻止を貫徹する」と基地建設阻止への決意を明確に述べた。一方、佐喜真氏は8月14日の立候補表明時には「対立や分断から無縁な沖縄を取り戻す」とし、辺野古新基地問題についてはいまのところ態度を鮮明にしていない。名護市長選挙での基地容認派の勝利の“教訓”からか、知事選でも争点隠しをはかる様相だ。政府・防衛省が8月17日から行うとしていた土砂投入を台風を理由に延期したことも、政権側のこの戦略と無関係ではあるまい。  だが、今回の知事選の争点は明確だ。「あらゆる方法を駆使し、新基地は造らせない」との公約を貫き、まさに命を削りながら沖縄の自治と民意のために政府と対峙し続け、8月8日に志半ばで逝った翁長氏の遺志を、沖縄県民がどう受け止めるのかがまずは問われる。辺野古新基地建設の是非について改めて沖縄県民の民意を示す選挙であり、新基地建設を許さない立場からは何としても勝ち抜かなくてはならない選挙である。
 そして、基地建設をめぐっては、緊迫した状況や凝縮されたような局面が強く知事選にも反映され、影響を与えよう。ひとつは、埋め立て承認の撤回をめぐる攻防である。翁長氏は亡くなる直前の7月27日、基地建設工事を止める最後の手段として、ついに埋め立て承認の撤回に向けて手続きを開始することを宣言した。その遺志はしっかりと引き継がれ、沖縄県は8月29日、いよいよ埋め立て承認の撤回を発表した。これによって工事の根拠は失われ、工事は中止となったが、当然、政権側は法的措置で対抗策を講じよう。が、知事選を前に県民感情を無視はできす、いま動向を窺いながらその時期を見極めようとしている。
 だが許せないのは、一方で政府は、埋め立て承認の撤回によって工事が中断した場合の損害額として1日当たり約2千万円と見積もり、撤回をめぐる訴訟で国が勝利すれば、累計で数億円を損害賠償として請求することも検討したとして沖縄県を恫喝してきた事実だ。
 ふたつは、名護や宜野湾の市議選を含め26の市町村で9月9日に投票が行われる沖縄の統一地方選の結果が、両予定候補をも巻き込みながら、知事選の前哨戦として、小さくはない影響を知事選に与えるということだろう。
 さらに20日の自民党総裁選の結果も、安倍政権によって強烈に推進されている南西諸島への自衛隊の配備、軍事増強の問題などとの関連からも知事選とは無縁でない。
 こうした観点からは、沖縄知事選の意義は、沖縄だけにとどまらない大きな争点と課題を浮かび上がらせる。それは今後の日本の進路にもかかわる重要な課題である。
 辺野古新基地建設をめぐって安倍政権が見せてきた姿勢は、「沖縄県民に寄り添って」という心のこもらぬ薄っぺらな言葉とは逆に、民意や自治をことごとく蹂躙してきた強権・強圧的なものであった。今回の選挙を通して、こうした政権の横暴をさらに跳ね返し、民意と地方自治の回復・再確立への前進の力を広げうるかという、日本の民主主義にかかわる課題も併せ持つ。
 本土でも全国の総力をあげて玉城氏の勝利へ支援を強めよう。改めて、国土の0・6%にすぎない沖縄に在日米軍専用施設面積の70%が集中している事実に、そして、過重な負担を強いられた県民は日常的に軍用機の騒音や危険にさらされ、米軍絡みの事件・事故に脅かされているという事実に向き合いたい。
 選挙に関していますぐにできる事としてまずは支援カンパを送ろう。新社会党も玉城氏必勝へ緊急カンパを募っている。
 郵便振替口座 00170―2―554306(沖縄カンパと明記してください)   
上野恵司(新社会党兵庫県本部副委員長)
ユニオン20年の歴史を引き継ぐ
 昨年12月に開いたユニオンあしやの第20回定期大会で委員長になってから9カ月が経った。
 ユニオンあしやも、県下のユニオンの仲間や芦屋の働く仲間に支えられ20年の歴史を重ねてくることができた。それへの感謝の気持ちと闘う決意を固めるために年内に20周年を記念する取り組みを組合員と相談して実施したいと思っている。
 ユニオンあしやは、毎月1回の定例会を柱に、執行委員会の開催(定例会の前段に開催)や、電話労働相談(毎月1回、土曜日15時から18時)に向けて、ターミナルでの呼びかけビラ配布を少ない組合員だが頑張って取り組んでいる。
 課題はいくつかあるが、今は、私自身が執行委員会のメンバーにおんぶにだっこの状態なので、まずは私自身がユニオン運動をさらに学習し、当面する組合員の雇用の確保に取り組むことだと思っている。
 ユニオンあしやは、2つの分会と1人で頑張っている組合員で組織されている。H分会は来年4月に組織改編により雇用主体が変わり、4月以降の労働条件等を雇用主側(理事会)と交渉する必要がある。また、大手私鉄資本による人材派遣会社で5年目の契約更新が予定されている組合員や、3年の派遣期間を経て正規社員化を求めている派遣労働者の問題など、いずれも厳しい取り組みになると思うが、当該組合員とユニオンや地域の仲間の力で闘いを進めていきたいと思う。
 私は民間の職場で数年働き、地元の市役所に中途採用され40年働いてきた。そして、先輩の誘いで労働組合(運動)に入り、組合役員を職場(水道)の仲間に支えられながらやらせてもらった。その中で学んだことは、仲間を信頼し、当局(資本)との闘いを職場の実態から取り組むことだった。先輩や仲間たちとの闘いで学んだことをこれから地域ユニオン運動に活かせるようがんばっていこうと決意している。
小畑広士(ユニオンあしや委員長)
大浦湾の自然を守れ
 7月初め、仲間たち6人で辺野古新基地の反対座り込みに参加した。昨年に続き2回目の行動だった。折からの台風接近で座り込みは中止となったが、大浦湾をグラスボートで回った。大浦湾には世界最大級の青サンゴが生育していることや護岸工事による自然破壊などの影響を聞かせてもらいながら、美ら海をガラス越しに覗いた。穏やかなこの大浦湾に住む生き物たちは、山から流れる2つの川を行き来する魚たちが上層部を広く泳いでいることで他の生き物や青サンゴ(高さ13m・幅30m・長さ50m)が生育できるのだ。この大きさに育つまで、数千年という歳月を要したと考えられていると言われていた。地元では「縄文アオサンゴ」とも呼ばれ、世界では稀にしかいないとのこと。
 安倍政権は、このような貴重な海に巨大な米軍基地を作ろうとしているのだ。県民の声を全く聞こうとせず、護岸工事も続いている。抗議船のボートが入らないように海上にフロート(大きな強化プラスチックのボール)で柵も作っている。外観を損なうだけでなく、大浦湾に住む魚や海ガメやサンゴや貝など何十年も生きつづけている生き物の住む海の貴重な自然を壊し、堰き止めることでの影響が出てきているとのことだ。山と川、海の繋がりの環境により生まれ育っていることを知る。
 私は、グラスボートで目にしたアオサンゴ群落とスズメダイの住む世界的にも稀で、恵まれた自然豊かなこの大浦湾を護りたいとの思いを強くした。孫達が身近で観ることのできる穏やかで美しい日本の貴重な海、大浦湾を一人一人が声を上げことで護ることができる。
 次に訪れた「貝と言葉のミユージアム」は、日本中の渚からやってきた約1300種のゆりあげ貝(打ち上げ貝)の資料室。貝遊びの貝から始まり、大浦湾の優しい砂底にある無数の種類の貝。波に打ち上げられる小さなカイコガイ。その一つ一つがキラキラと輝いて、薄く一本の線が透けて中に見える貝など。琉球産の貝は九州を経て瀬戸内海、日本海を通る「貝の道」を通って北海道までもたらされる。自然との共存によって私たち人間が生かされていることを考えさせられ、貴重な沖縄の海を次世代に繋ぎたいと思った。人間の身勝手な自然破壊から自然を護ること。「自然の破壊を許さない。声を上げ、広げたい」と、希望と勇気が湧いた「貝と言葉のミュージアム」だった。
 最後に、抗議船カヌー隊の出発地である瀬だけ浜の海岸にも立ち寄り、ゆりあげ貝を今までと違った気持ちで拾った。帰宅してから孫と貝遊びをして改めて自然の大切さを語りたいと、新たな決意ができた辺野古行きだった。 
(菅野 順子)