「新社会兵庫」 04月24日号
- 世界に広がる「♯Me too」。ノーベル文学賞を審査するスウェーデン・アカデミーをも揺るがしている。しかし、日本ではなかなか広がりを見せていない。問題が無いのではない。声を上げればもっと苦しい目に合わされてしまうセカンド・レイプをも覚悟しなければならない。自業自得だと被害者である本人に責任を擦り付けられる▼実名でレイプ被害を訴え闘っている詩織さんは、容疑者を準強姦容疑で逮捕寸前まで追い詰めたが、警視庁上層部からストップがかけられた。これは、容疑者がアベ友で、総理を絶賛する本が出版された時期に当たる、と巷間指摘されている。許せない思いを会見で明らかにしたとたん、激しい攻撃にさらされ今はロンドンで暮らす▼その詩織さんが、「We too」ならどうかと呼びかける。性暴力、セクハラ、パワハラ、どんな暴力も絶対に許してはいけない。Me tooできなかった人も一緒にWe tooしてくれたらうれしいと語っている▼明治維新150年は天皇を頂点とする富国強兵社会形成の歴史。強い男の対極に女は位置づけられた。支配のための差別が今も社会にはびこる。いじめられる方にも原因があるという言説を許さない「We too」を。
- 澱んだ支持基盤打ち破り
安倍内閣打倒のうねりを
国民を引き付ける能力を失った安倍政権
「背水の陣」というのがある。背後に川を背負い、自ら退路を断つ布陣である。 物量、兵員のみならず、戦意においても圧倒的に敵側に対して優位にある場合には、優勢をいやが上にも誇示し、敵の怖気を誘うことのできる陣形である。将帥の統率力、兵の勇猛さが無条件の前提であるが、これが真逆になれば、愚劣この上ない戦陣である。乏しい統率力を過信した結果、混乱状態をつくりだした首相といい、忖度を忠誠と誤解した馬廻役の大臣、官僚連といい、戦況をまったく理解できずに右往左往する兵卒といい、現在の安倍政権は、背水の陣を最も愚劣な戦況に暗転させている。
安倍首相が「私や妻が関わっていれば、首相はもちろん衆議院議員も辞める」「17年1月20日までは加計学園の獣医学部の件は知らなかった」と国会で大見得を切ったのは、愚かにも水際ぎりぎりに布陣したのに等しかった。100人中99人が信ずるはずのない嘘がなお通用すると錯覚した安倍の振舞いは、裸の王様がわが身をこの上なく安易に標的として攻撃方にさらすに他ならなかった。
馬廻役たる大臣、官僚連はこの混乱の中に投げ込まれ、「殿を護れ」とばかりに絶望的な悪戦苦闘を重ねている。「首相の嘘はさらに大きな嘘で守るにほかはない」と、公文書の隠蔽、改ざん、虚偽発言、さらには先方に虚偽報告を唆す等を試みているが、事態は一線を越えており、収まるどころか輪をかけて悪化している。
国民大衆と政権とわれわれ
数カ月前には、モリ・カケ問題なにするものぞと勢い込んで、改憲攻勢を軌道に乗せ、「働き方改革」で労働者に対する資本の横暴を強めようと目論んでいた安倍政権ではあった。長らく「安倍一強」と言われてきたが、現在の国会の力関係をつくり出したのは昨17年の総選挙であった。
その時すでに財務省の公文書改ざんや隠ぺいは手掛けられていたが、表に出てはいなかった。その時、それらが暴露されていたならば、選挙への影響はいかがであったかという思いは残るが……。
「安倍一強」と言われるものを支えた実体は何であったであろうか。世論調査では常態となっていたが、「安倍支持」の柱は「他に代わるものがないから」であった。積極的な支持ではないが不支持ではないという意外としぶとい、澱んだような「支持層」であったと考えられる。
この層にいま、“動き”というのが言い過ぎなならば“兆し”と言ってもいいものが見え始めたのではないか。「他がないから」という気分で繋ぎ留められていた消極的な信頼感にヒビが走り始めたのではないか。それも「首相案件」という権力の不正まるだしの言葉が飛び交う状況に嫌悪感を伴って。
いま、われわれが集中しなければならないことは、安倍政権の醜悪さを余すところなく明らかにし、国民の中になお残る幻想が消え去るようにつとめ、安倍政権打倒のうねりを高めることである。
安倍内閣を倒しても、それに代わる自公政権を阻止できるのか、という疑問が出されるであろう。いま最も大切なことは、国民大衆が安倍内閣打倒という「成功体験による力」を持つことである。その力を1年後の統一自治体選挙、それにつづく参議院選挙へと高めること、なによりも政治を自らの手に取り戻そうとする大衆の元気をつくり出すことである。
今村 稔(熟年者ユニオン相談役)
- 矛盾噴出の前兆?労働相談激増
- ユニオンあしやでは、毎月の労働相談日を設定し、その前段に呼びかけビラを駅頭で配布しているが、先日、ビラを受け取った人から、ユニオンに加入したい旨の電話があった。聞けば、73歳で、ブラック職場で働いていて、80歳まで働き続けたいとのこと(加入されたが、対応はこれから検討の予定)。
また、派遣労働者の加入も初めてあった。以前からユニオンの存在は知っておられたとのこと。これらの“朗報”はこつこつと地道にビラを配り続けてきたことの成果と言える。
15年ほど前にユニオンに加入され、その後、多忙(ダブルワーク)のため連絡が途切れていたが、子どもも成長し、時間的に少し余裕ができたから、ということで例会に復帰されたパートの組合員も存在する。
これらのように地域の労働相談の拠点として、ユニオンは、小さいながらも認知されつつある。
その復帰された方が、「こんなことは許されるのですか?」と言って、定例会議で社長の所感を記した資料を紹介した。曰く、「禁煙や体重減少に応じてボーナスを支給するといったゆとりを持った取り組みを行う」という内容だ。また、社長はこうも言う。「従業員が健康でなければ良い仕事ができない」と。残業を強いている張本人のこの問題発言に対して、会議は熱いものとなった。
歴史は古いながらも、組合員は少ないユニオンだが、原則を忠実に実践していく中から、将来、大きく開花するだろう、と甘い考えでいる。まずは土台づくりをコツコツと……。
と、言っている間にもまた、新たな労働相談が2件飛び込んできた。市内に最近出来た大リゾートホテルの従業員を送迎するバス運転手から、休憩も取れないダイヤ運行の改善を求める相談とパワハラ・退職強要についての相談だ。その過程で、例会の傍聴を希望する労働者も事務所を訪れたりしている(後日加入予定)。
ユニオンの出番到来だ!やるぞー!
大野克美(ユニオンあしや副委員長)
- 組合活動の原点とは
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私は地方公務員として町役場に勤務する傍ら、有給休暇や勤務終了後の時間を使って労働組合の活動をしています。今は、自身が勤める自治体の組合(単組)だけではなく自治労兵庫県本部青年部の役員として、県内のみならず全国各地の取り組みにも参加しています。
町役場で初めて配属された部署では単組の役員に挟まれて仕事をしていたので自然と組合活動に参加するようになりました。何年かして、先輩から「青年部長をするか、地域ブロックに代表で出てもらえないか」と話がありました。青年部長は荷が重たいなと躊躇していると、同じ年の仲間がその役を担ってくれ、私は地域ブロックに出ることになりました。
荷が下りてホッとしていましたが、初めて出席した地域ブロックの会議で「誰かブロックを代表して県本部に出てほしい」と話がありました。しかし、その場の誰もが手をあげなかったため、くじ引きで決めることになり、結果、見事に大当たり。それから7年……。現在に至ります。
いま、公務員バッシング等によって自治体労働者が労働条件の改善を求めることが情勢的に難しくなっていることに加え、どの自治体においても実態を無視した人員削減が行われ、ひとりひとりの業務量が増大し目の前の業務を何とかこなしている状態では「自分の事で精一杯」「人の事までかまっていられない」……、これが職場の現状です。
私が町役場に就職した時、仕事は組織でするものだと教わりました。現在は、個人個人で仕事をしているように思えます。また、パソコンやタブレット端末、スマホなどのOA化が進み、分からないことはネットで調べ、連絡事項は掲示板にアップ、業務に必要な書類はメールで一斉送信するなど何でもパソコンで済んでしまうので、職場内の希薄化は深刻です。「そういえば今日丸1日、何もしゃべらなかった」―こう言った青年もいました。時代が変わったと思えばそうなのかもしれませんが、見えない不安が押し寄せて来る気がしてやみません。
「組合って何のために存在しているのか」とよく聞かれます。毎回ズバッと明確に答えることができませんが、自分たちが安心してより良い仕事をするための基盤づくりが組合活動ではないかと考えています。私の持論ですが、組合活動に正解とか間違いなど全く無いと思っています。敢えて言うなら、その時集まった仲間とともに考え出したことが正解に向かう第1歩だと思います。「職場でより良い仕事」をするために「今、何が必要なのか」―これを考え抜いて行動することが組合活動の原点ではないかと思います。そして、その繰り返しが今後の私たちの未来を変えていくと信じています。
組合活動は活発にすればするほど労力が必要になり時間も要します。そうなると仕事や家庭などとのバランスが崩れ、両立も難しくなります。正直に言うと組合活動はキツイです。辞めたいと思ったことは何度もあります。だからこそ1人ではなくみんなで取り組むのだと思います。
私に残された任期はあと少しですが、何とか若い世代へ盛大にバトンタッチできるよう全力で走り抜けたいと思います。
(Y・36歳)
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