「新社会兵庫」 1月23日号
“安倍9条改憲”は許さない 2018
「3000万署名」運動を全力で成功させよう
   働く者がしあわせになる「働き方改革」を
市民と野党の共闘をさらに進めよう
新社会党兵庫県本部
委員長 あわはら 富夫(神戸市会議員)
 新年のごあいさつを申し上げます。今年の支は『戌』です。『戌』の語源は「滅」で「ほろぶ」という意味だそうです。昨年は『酉』で「実る」ということですから、実りの季節を終えて、草木が枯れ始めるということのようです。季節感が干支でもありますから、秋から冬にかけての時期という意味で、「実り」の後の「収穫」の時期を表しています。そういう意味では『戌』は決して縁起の悪い言葉ではありません。『戌』という字は『戈(ほこ)』と『一』の漢字が合わさったもので「刈って収穫した農作物を一つにまとめる」という意味があるといわれます。
 さて、昨年10月に突然の総選挙が行われました。政権交代どころかまたもや自公政権が3分の2以上の議席を維持し、「憲法9条改正」が日程に上ってきました。希望の党の出現で野党が分断され、有権者の信頼を得ることができなかったことが原因です。
 そして今回、あらためて民意を反映しない小選挙区制度の問題点が明らかになりました。衆議院選挙・小選挙区の絶対得票率は自民党が25%。ところが議席占有率を見ると、実に75%です。これは明らかに民意と議席数の大きな乖離です。事実、比例選挙では自民党の絶対得票率は18%で、国民の2割の支持にも到達しないのです。
 この選挙制度のもとで安倍自公政権を倒そうとすれば、「市民と野党の共闘」以外にありません。マスコミ報道によれば野党共闘が実現していれば、68の小選挙区で野党が勝利していたとの分析結果が出ています。今後は立憲野党の統一候補の一本化を図ることが不可欠です。今回は民進党の裏切り、崩壊が野党共闘をつぶしてしまったことが残念です。
 しかし、兵庫県下では新社会党として「市民と野党の共闘」の一翼を担った兵庫9区のきくち憲之候補や8区、7区、6区、3区で野党共闘が実現しました。これからがスタートです。今後、県会や神戸市議会選挙、参議院選挙では野党共闘、野党統一候補は絶対的な課題となります。安倍自公政権は日本維新の会や希望の党を加え、改憲へ具体的に着手するでしょう。今年の通常国会での改憲発議に強い意欲を見せており、来年の参議院選挙と同時か、秋には改憲国民投票を行おうという勢いです。
 したがって、新社会党は全国の市民団体や立憲野党との共闘を強め、3000万筆を集める「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」を成功させるために全力をあげます。 そして、今年行われる神河町議選、加古川市議選、高砂市議選等に候補者の擁立と当選をめざす決意です。
 今年の干支は『戌』、「一つにまとまる」年。「市民と野党の共闘」をさらに進め、来春の統一自治体選挙、そして参議院選挙での勝利の展望を切り開きましょう。

写真:「安倍9条改憲NO!全国統一署名」(3000万署名)に取り組む憲法を生かす会・ひょうごネットの木曜行動=17年12月21日、JR元町駅前
2018年・年頭に思う
平和憲法を守り抜く
憲法を生かす会・ひょうごネット 共同代表 嶋谷 数博
 俳人渡辺白泉が詠んだ句、〈戦争が廊下の奥に立ってゐた〉の状況が刻一刻と近づきつつある不安を年々強く感じるようになってきました。戦前を知る年長者からは「今は戦前のような怖さを感じる」との声を聞きます。日本が太平洋戦争に突入するその半年前に生まれた私には、鳴り響く空襲警報の不気味なサイレンとラジオから発せられるB29来襲の放送と父の背に負われて田んぼの中の道を逃げたことのみが戦争の記憶としてあり、恐怖や悲しみの感情のない無機質なものです。
 戦後73年、日本は曲がりなりにも戦争のない時代を続けてこられました。その主役を演じたのが、日本国憲法であったと信じます。国民ひとりひとりが主人公であり、基本的人権が尊ばれ、戦争をしないと誓った憲法の誕生を喜び受け入れ、守り続けてきました。
 しかし、平和憲法が誕生した数年後には日米安保条約が締結され、自衛隊が生まれ、90年代に入ると海外派兵が始まるなど、憲法9条をめぐる状況は次第に陰りを帯びてきますが、安倍首相の登場によって極度に悪化します。
 憲法は軽んじられ、ないがしろにされ、壊されていく。教育の憲法とも言うべき教育基本法が壊され、「国を愛する態度」の育成が教育の目標に掲げられ、続けて彼が悲願とする改憲への手続法の国民投票法が定められてしまいました。一旦政権を投げ出しはしたが再び政権を握るや、特定秘密保護法、集団的自衛権の行使容認、安全保障関連法(戦争法)、共謀罪法と強行採決を繰り返しながら、国民の耳と目と口を封じ、独裁者さながらの強権力をふりかざし、遂に自分の嫌いな憲法を変えてしまおうと暴走を始めました。
 今年中に改憲発議をし、早ければ国民投票までことを進め、2020年には「改正」された憲法を施行しようとしています。憲法を変える必要など国民は感じていないにもかかわらず、最も憲法を尊重し擁護しなければならない立場の首相が、先頭に立って改憲の旗を振るという「国難」に遭遇しています。自民党は憲法9条を、1、2項を残したまま新たに自衛隊を明記するか、戦力不保持を謳った2項を削除して自衛隊の目的・性格を明らかにしたものに変えるかを狙っています。いずれの案になろうとも、9条に自衛隊が書き込まれるということは、憲法違反の戦争法を正当化し、軍隊を有する普通の国になったことの宣言であり、攻撃的軍事大国への道を歩むことになり、防衛費は格段に上がり、米国に追随して戦争をする国になってしまいます。
 憲法をないがしろにし、政治を私物化する政権の存在こそが「国難」です。「二度と戦争はしない」と誓った平和憲法を守り抜き、諸国民の信義に応えましょう。


閉塞感の状況打破へ
姫路ユニオン
委員長 細川 雅弘
 全国的に見ても、どこの労働組合も担い手不足による指導部の高齢化や組織の縮小による財政難等の課題を抱えていると思います。姫路ユニオンも例外ではなく、指導部の世代交代を図るとともに組織と運動の両面で閉塞感が漂う現在の状況を変えていこうとして議論を重ね、昨年7月の定期大会から私が委員長を引き受けることになりました。
 姫路ユニオンの組織の現状は、組合員の脱退が加入を若干上回るといった微減傾向にあり、「少数精鋭」で電話相談や団体交渉、他ユニオンへの争議支援行動等を行っています。 労働相談は、年間を通じてコンスタントに電話がかかってきている状況で、労働相談への対応や団体交渉の運び方についてスキルを向上させるため、運営会議とは別に昨年8月から学習会を行っており、各自が興味のあるテーマを自由に選んでレポートを輪番でするようにしています。
 相談者の多くはインターネットHPを見てユニオンの活動を知り、電話をかけてきます。姫路では最近立て続けに、「突然、会社から解雇を通告された」という相談が舞い込んできていますが、「そんな時、どこに相談すれば良いか分からなかった」と異口同音に言われます。ユニオンの宣伝活動が、まだまだ不足していると痛感しています。
 最近では、弁護士や社労士といった専門職や行政も労働相談を受付けるようになり、ユニオンが扱う相談件数が減少傾向にあるようです。こうした現状を踏まえ、ひょうごユニオン全体で労働相談活動の強化・充実をめざして一昨年から検討を重ね、NPO法人「ひょうご働く人の相談室」を今年、設立しようと準備を進めています。姫路ユニオンもその準備会の中心を担い、法人設立後は資金面での援助や電話相談スタッフの派遣について検討しています。
 最後に、来年10月に開催されるコミュニティ・ユニオン全国交流集会を兵庫のパート・ユニオンネットワークとして兵庫県で受け入れることになり、姫路市内にて行う準備を進めています。読者の皆さんも関心を持っていただき、ぜひご参加くださいますようお願いします。


住まいは人権そのもの
『22歳が見た、聞いた、考えた「被災者のニーズ」と「居住の権利」 借上復興住宅問題』著者 関本(旧姓市川)英恵
 個人的に2017年を振り返ると、3月に『22歳が見た、聞いた、考えた「被災者のニーズ」と「居住の権利」借上復興住宅・問題』を出版してから年末まで、毎月どこかで講演やスピーチ等、お話する機会をいただいたことがうれしかったです。今までは弁護団や支援団体が主催のシンポジウムが多かったのですが、私の友達がイベントを企画してくれたり、大学の授業を担当させていただいたり、音楽イベントの前座で手作り紙芝居を披露させていただいたりと、借上復興住宅問題を知らない人に新しくアプローチすることができたのかなと思っています。
 私は借上復興住宅入居者ではないし、震災も経験していません。「震災を知らないくせに偉そうなこと言っている」と言われたこともありますが、当事者の小さな声を大きくしないといけないと感じています。プラス思考に考えると、「震災を知らない同世代が話しているということは、自分にも関係あるのかな」と、若い世代には受け入れやすい場合もあったかもしれません。また、借上復興住宅について初めて知ってもらうというなかでは「甘えだ」「税金の無駄遣いだ」といった “フツウの感覚“を聞くことが多く、それを理解したうえでお話するようになりました。
 “入居者のくらしを守る“ために少しでも出来ることがあるなら、2018年も借上復興住宅問題に関わりたいと思います。私には何の専門性もないけれど、“フツウの感覚”を大切に、関心0%の人に1%でも2%でも発信することなら出来るかもしれません。弁護団にはチラシ作成を任せてもらうことがあったのですが、“正しいと思うことをしていたらいつか伝わる”と信じるより、“どうしたら1%でも2%でも伝わるか“を考えたいです。2018年からはNPO等の世話人や理事を引き受けることになったのですが、借上復興住宅問題に限らず、新しいアイデアを話し合いたいと思っています。
 借上復興住宅の入居者には、かかりつけ医や近隣の親戚に頼りながら、何年もかけて築いてきたコミュニティに支えられて生活している人がいます。生きがいである部屋に住み続けたくて、歩行器を使えるように部屋を工夫し、必死で生きている人がいます。人が、その人らしく暮らすために住まいは欠かせないものであり、住まいは人権なのです。被災したくてした人は誰一人とおらず、被災者に健康で文化的な生活を保障することは国や自治体の責任です。
 2018年も「被災者追い出し裁判」の応援をお願いします。

市民と野党の共闘の輪をつなぐ
新社会党委員長
岡崎 ひろみ
 『新社会兵庫』の読者の皆さまに年頭のごあいさつを申し上げます。
 昨年4月、中央本部委員長に就任し、兵庫の皆さまからはとりわけ力強い励ましと応援をいただきました。課題の大きさを前にして自らの非力を思い知ることばかりですが、政党として厳しい年月を乗り越えながら運動に取り組んできた多くの党員仲間の努力を生かしたい思いで歩んでいます。本年も引き続きよろしくお願いします。
ひきつづき市民と野党の共闘の輪をつなぐ
 昨年の総選挙を受けて、改憲を公言している安倍政治を変えるため、2019年参議院選挙は改憲反対の議席を3分の1以上獲得するという命題がはっきりしています。新社会党は共闘を堅持し、共に総選挙をたたかった市民・各政党の皆さんに敬意を表し、引き続き共闘の輪をつなぐ一員としてさらに努力することをお約束しています。
 兵庫では、社民、共産両党と政策協定を結び、8区・9区の相互支援を中心とした共闘体制が組まれ、そこに立憲民主党に入ることを明言された水岡前参議院議員、緑の党、そして市民の皆さんが参加されました。新社会党の責任を少しでも果たすことができました。本当にお疲れ様でした。選挙結果は安倍自公政権が議席の3分の2以上を獲得しましたが、それは小選挙区制によるマジックの働き。一方、共に野党共闘をギリギリまで真摯に追求した経験を経て、悔しい思いも共有した市民と私たち野党は、そこに「本気」と勝てる「希望」を見出しています。
劣化し続ける国会、大企業
 嘘、ごまかしの国会答弁、記録の破棄。大企業は品質検査等の不正、隠ぺい。誰が見てもおかしい。小選挙区制導入から20年以上、国会は劣化しました。劣化し続ける国会で次々と「規制緩和」が決定され、利益最優先のためなら何でもOKの道が開かれました。「使い捨て労働者」が激増、人間性を否定せんばかりの働かせ方が蔓延しています。企業の社会的責任などという言葉自体も忘れ去られたようです。その結果が嘘、不正、隠ぺい、モラル喪失……。資本もまた劣化していると言わざるを得ません。
 金儲けだけが豊かさの基準なら、安倍政治が進める強いものだけがより強く、後は滴り落ちるはず?のおこぼれに如何に与るかに身を寄せるしかありません。9割の弱者間の競争は、弱者を、さらに弱い立場の者を叩き落しながら続きます。
人が人として生きることを求めた連帯を
 この社会全体の矛盾を最も凝縮して背負わされてきた沖縄、そして原発立地自治体。その先に見え隠れする戦争できる国、国民を監視し黙らせる装置。
 生活費のために自らの意思を封じ込めなければならないような社会と全力をあげて対峙することは、私たちひとりひとりの未来を作る道に他なりません。今こそ、人が人として生きることを力強く求め、未来に向けて発信していきましょう。それこそが連帯です。
 貧困・格差が広がっています。パート、アルバイト、派遣、一人親方……、様々な呼称の非正規労働者、ある日突然のリストラ、シングルマザー、国民年金だけの収入、病気、奨学金返済等々、私たちの周囲には貧困の中で必死に暮らす人が増えています。日本のモデルとされてきた労働や社会保障の仕組みの埒外におかれる人が如何に多いかを示す現実です。家族単位が中心の社会保障制度の仕組み、企業まかせの福利厚生等で日本は、男女、正規・非正規、さらに複合しての格差が非常に大きい特徴を持っていますが、女性ばかりでなく、男性たちも埒外に置かれることが普通になった今、貧困・格差の広がりは誰の目にも明らかになっています。
 幸せに生きるための制度のあり方を求め、古いモデルの殻を破る時が来ています。
新社会党の3つの組織的な課題
新社会党はこれらの実践のために、3つの組織的な課題にとりくみます。
 1つは各地に自治体議員を増やすことです。私たちが政党要件を再獲得するためには国政に議席を持つことは必須です。自治体議員と共に作る運動は周囲の人を巻き込み、地域、職場、社会の様々な課題に関心が広がります。地域自治を通した「豊かさ」の価値観を見直し、国政議席獲得を求める最大の力となります。
 2つ目は貧困・格差とたたかうために、古いモデルの殻を破り具体的に憲法を生かす作業です。中期政策の補強提案をぜひ検討してください。そこに女性や若者が参加する工夫をお願いします。
 3つ目は、改憲阻止です。9条を変え、戦争できる国づくりを進める政権を退陣に追い込むために諦めるわけにはいきません。5月を目標とする「3000万人署名運動」を通して対話と共闘を築き上げていきましょう。
 私は皆様と一緒にこの課題に全力で取り組みます。

新社会党震災アピール
まだ残る多くの復興課題
借り上げ復興住宅問題、震災アスベスト被害、被災者生活再建支援法の改善・・・・・
 阪神・淡路大震災から23年。未だに多くの課題が残されている。

 まず、借上げ復興住宅の問題。行政は入居者との契約を理由に20年での返還を迫り、神戸市はこれまで9世帯に対して明け渡しと損害賠償を求める訴訟を起こし、西宮市も7世帯を提訴した。そして昨年10月、神戸地裁は神戸市の79歳の女性に対し、住宅明け渡しを命じる不当判決を出した。入居者には何らの非もないのに、家賃滞納者と同じ扱いで提訴というのはあまりにも理不尽で冷たい対応だ。継続入居を求める居住者は多く、今後も提訴される世帯はさらに増えることが予想されるが、行政は提訴を取り下げ、あくまで話し合いでの解決をめざすべきだ。

 震災アスベストによる健康被害も深刻だ。これまで解体現場などで働いていた4人が労災認定されており、周辺住民への影響も十分考えられる。今は労働現場だけの発症例となっているが、潜伏期間が長いため、アスベスト関連疾患発症の時期を迎えるいま、住民も含めた健康被害が一層顕在化する可能性がある。神戸市はようやく今年1月から、環境省が進める「石綿ばく露者の健康管理に係わる試行調査」を、尼崎、西宮、芦屋、加古川市に続いて始めることになり、一定の前進が図られたが、今後も早期に発見できる検査体制が自治体や国に求められる。

 東日本大震災から間もなく7年を迎えるが、政府は震災の教訓を顧みず、原発の再稼働に向けて突き進んでいる。こうした流れの中、広島高裁が昨年12月、伊方原発の運転差し止めを求めた仮処分申請の即時抗告審で、今年9月30日まで運転差し止めの決定を行ったことは画期的だ。福島第一原発事故後、原発の運転を差し止める高裁の司法判断は初めてで、国はこの決定を真摯に受け止め、原発推進の姿勢を改めるべきである。

 阪神・淡路大震災の教訓や運動をもとにつくられた「被災者生活再建支援法」の改善も急がれる。同法の対象者は全壊・大規模半壊のみで、半壊以下世帯の救済は盛り込まれていない。さらに一定基準以下の小規模災害には適用されない。この間の大きな自然災害を経験した自治体からも改善の声があがっており、昨年、毎日新聞社が行った全都道府県と20政令市の首長へのアンケートでも8割超が見直すべきだと回答している。支給金額の見直しも含めて今後の大きな課題だ。

 安倍政権は憲法9条の改悪を目論み、日本を戦争できる国にしようとしているが、いま日本がすべきことは、戦争できる国づくりではなく、海外にも緊急展開できる大規模・総合的な消防・救助能力を持つ、非軍事の「災害救助隊」の創設である。

 新社会党は今後も被災者の立場に立った震災復興の検証を市民とともに進め、脱原発社会の実現、くらしや生活の再生をめざし、市民と手を携え全力で奮闘する決意だ。
      2018年1月17日
        新社会党兵庫県本部
 年末、ソウルで日本大使館前の水曜デモをのぞいてきた。去年亡くなったハルモニたち8人の遺影が飾られている寒空の集会には、中高校生も含む300を超す市民たちが参加していた▼ところでこの日、韓国外交部の作業部会が、15年末の「慰安婦」問題日韓合意に関する検証報告書を提出した。内容については触れられないが、文在寅政権の対応も含めた韓国への日本からの批判がすさまじい。官邸と外務省は、「最終的不可逆的合意」として10億円拠出した政府間合意は「1_も変更の余地はない」というのだから相当なものだ。マスコミも政府と歩調をそろえて韓国批判一色のようにみえる▼しかし、政府間の公式合意だから云々よりもほんとうに今われわれの社会が考えなくてはならないのは、旧日本軍がやったような犯罪は2度とくり返してはならない、歴史を鑑にするために日本は主体的に何をするべきなのかではないだろうか▼水曜集会で、子どもたちが「金で、ハルモニが負った傷は治せない」とアピールしているのを見ながら、残念ながら日本政府の対応はそんな気持ちにはまったく応えきれていない、むしろ逆に受け止められていることをひしひしと感じざるをえなかった。
職場での分会発足が急務だと痛感
 昨年8月15日付の本紙で紹介した、A病院に勤務していたKさんの不当解雇撤回闘争に関する続報である。6月27日に退職勧奨を受け、就業規則違反で同月30日付で解雇されたKさんの解雇撤回を求めて行った2度の団体交渉では、「組織に対する批判を就業中に同僚等に言いふらし、周囲の勤労意欲を引下げる等、誠実勤務とはおよそ言い難い態度であったため」とされた解雇の根拠に関する事実の存否が争点となった。
 ユニオンは、Kさんが「組織に対する批判を就業中に同僚等に言いふらした」事実は無いと主張し、病院側に対し「同僚等」からの証言を直接聞かせよ、と求めた。病院側が交渉の場に連れてきた同じ課の同僚2人からは、「組織の方針に反するような行動を取るよう指示を受けたことは無い」といった証言が得られ、事務長の誤認であったことが判明した。
 病院側が代理人として弁護士を同席させた第3回交渉でも、解雇の根拠とする事実を私たちはすべて否認し、法廷で争う姿勢を見せた。交渉後、弁護士を通じて金銭による和解を求められ、熟慮の結果、これに応じることとした。
 KさんがA病院を去ることとなり、11月25日に彼の送別会を姫路市内の居酒屋で行った。席上、Kさんから「一方的なかたちで解雇を通告され、姫路ユニオンに加入して団体交渉を重ねた結果、職場復帰を果たすことはできなかったが、納得がいく水準での解決を迎えることができた」旨の説明を行い、同僚たちは一様に驚くとともに病院のやり方に憤りを感じた。また、参加者からサプライズで心のこもった記念品が贈られ、Kさんが感極まって言葉を失うといった感動的な場面に私たちも立ち会うことができた。
 Kさんが去ったA病院では経営側が我が物顔で職場支配している、という話も聞いた。ユニオンの旗を立て、職場に分会を発足させることが急務だ。
細川雅弘(姫路ユニオン委員長)
心は沈むばかり
 新しい年を迎えて、少しは楽しいことを書きたいと思うのだが、なかなかそんな気持ちになれない。安倍総理は年頭の記者会見で、年内に憲法改正の国会発議をすると意欲を見せた。この国はいったいどうなってしまうのだろう。心は沈むばかりだ。
 インターネットを見ていると、さらに気が沈む記事を見つけてしまった。大晦日に放送されたテレビ番組、視聴率が17%を超えた「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の内容。酷すぎ! ひとつは、浜田雅功が海外では差別表現と認識されている顔面黒塗りの姿で登場したこと。差別する意図のあるなしにかかわらず、黒人差別の歴史を思うと、肌の色が黒いことを笑いのネタにしてはいけない。「日本では黒人差別などない」という人もいるようだが、それは通用しない。侮辱されたと感じる人が世界中に多くいる。痛みを感じる人がいることを想像できないのだろうか。
 もうひとつ、一昨年不倫騒動を起こしたタレントのベッキーが、その禊としてタイ式キックボクサーにお尻を蹴られることになった場面。「やだ、やだ」と逃げ回るベッキーに浜田雅功が「動いたら危ない」と抑え込み、ベッキーが半ば無理やりにタイ式キックボクサーの女性の強烈な回し蹴りを腰に受けることになった。蹴られた後、ベッキーは「痛い、痛い」と崩れるように倒れていった。それを周りにいる人たちがゲラゲラ笑って見ている。人が痛がって立ち上がれないのを笑って見ることができる神経って何だろう。その多くは男性芸人たちだった。女性への暴力を笑いにする。許せない。
 それだけではない。その後のベッキーの発言に、またまた心が沈んだ。「年末のバラエティー番組の代表格なので、そこに出演させてもらってうれしかったです。タレントとして本当にありがたかったなと思います」と感謝したという。テレビ業界でこれからも働き続けていくためにはそんな発言しかできなかったのかもしれない。しかし、しかし、である。たとえ暴力を受けた本人が納得していても、その場面を子どもも含めて多くの人が見ているのだ。伝わってくるのは、「女性が暴力を振るわれていても笑って見ていていいよ」というメッセージでしかない。ダウンタウンのもう一人、松本人志は安倍総理と会食をしたそうだ。強いものには忖度し、弱い者には暴力をしても笑いものにしても平気。そんな風潮が蔓延しているのを感じる。
 「すべて国民は、個人として尊重される」―。
 憲法第13条にはっきりと書かれている。力のある人もない人も、大人も子どもも、お金のある人もない人も、誰もが個人の尊厳を失わずに尊重される社会、憲法に書かれていることが実現できる社会。私が望むのはそんな社会。
(S)