「新社会兵庫」 9月12日号
- 今年は太陰暦に閏(うるう)月があったせいで、普通は30日ほどの太陽暦と太陰暦の開きが50日ほどになる。季語では秋に属する七夕の7月7日も、太陽暦ではついこの前の8月28日となり、澄みわたる星空に天の川という季節感もぴったりする▼笹の短冊の文字は秋天からの露で書かなければならないと教えられ、夜明け前の里芋の葉に結ぶ玉水を集めに行ったのも、懐かしい秋の思い出である▼50日の開きのため、9月の行事と思い込んでいた中秋の名月も10月4日になるらしい。秋の七草に数えられ、月見には欠かせないススキはすでに白い穂を見せはじめている。名月にススキを飾るのは、稲穂に見立てて月に感謝するためという説もあるらしい▼今年に限ってはススキにひと月近く待ちぼうけをしてもらわなければならない▼年によってさまざまであろうが、神戸の四季では秋がいい。海にしても、山にしても神戸の景色は澄みきった光と風の中でこそ映える。六甲の山肌に、光の濃淡が美しい模様を浮き立たせるのも秋である▼その神戸で10月に市長選挙がたたかわれる。非核神戸方式を生み出した市長選挙も秋空の下でたたかわれた。全候補に非核神戸方式の厳守を求めよう。意志表明を求めよう。
- 「働き方改革」 労働法制改悪阻止へ
目に見える大衆行動を
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■安倍「働き方改革」の背景と狙い
安倍政権は発足以来、アベノミクス、女性活躍、地方創生、1億総活躍などの「看板」を次々と上書きしてきた。選挙前には都合のよい数字を誇大広告し、選挙が終われば公約にもなかったことを「数の力」で強行した。「働き方改革」もその例外ではない。「働き方改革」の2本柱は、「同一労働同一賃金」と「残業時間の総量規制」だ。
この背景には、アベノミクスの失敗と労働力不足による女性・高齢者の労働参加を促す財界の意向が働いている。安倍首相が「非正規雇用の待遇改善」を最初に打ち出したのは昨年1月の通常国会。そして参院選直前の「ニッポン1億総活躍プラン」では、「長時間労働を撲滅する」「非正規という言葉をこの国から一掃する」と、畳むつもりもない大風呂敷を広げて見せた。非正規労働者と若者に期待感を持たせ、取り込むことを意識した発言である。狙いは的中した。
■羊頭狗肉の「同一労働同一賃金」
デフレ脱却のためには、GDPの6割を占める個人消費を立て直す賃上げが不可欠だ。安倍政権は4年連続の「官邸春闘」で経済の好循環を生み出そうとしてきたが、それも限界が露呈。そこで労働者の4割に膨らんだ非正規社員の処遇について言及したのである。
とはいえ、「世界で一番企業が活躍しやすい国」をめざす安倍政権が、本気で労働者のための「改革」を進めるだろうか? 働き方改革実現会議は安倍首相を含む閣僚と15人の有識者で構成されているが、そのうち労働側は連合会長のみ。肝心の非正規代表は1人も入っていない。そこでまとめられた「同一労働同一賃金」のガイドライン案は、当初の「欧州に遜色のない水準を目指す」とした姿勢はどこに消えたか?まさに羊頭狗肉そのものである。
結局のところ、政府・財界が描く日本型「同一労働同一賃金」は、非正規労働者の処遇をほんのわずか改善し、他方で、正規労働者の賃金水準を押し下げる「低位平準化」以外の何ものでもない。すでに普及している限定正社員制度はその布石である。
■抜け道だらけの「労働時間規制」政府案
安倍首相は施政方針演説で、電通の女性新入社員の過労自殺に触れ、「2度と悲劇を繰り返さないとの強い決意で長時間労働の是正に取り組む」と述べた。ところが、今年3月の「実行計画」に示された残業時間の上限は、単月100時間未満、2〜6ヵ月平均80時間、年間720時間(休日労働を含めると960時間)。終業と始業の間に連続した休息時間を確保するインターバル規制も先送り。これでは「政府自ら過労死を容認するに等しい」という声が上がるのも当然だ。
政府は、この過労死ラインの「残業上限時間の合法化」と残業代ゼロ=定額働かせ放題の「高度プロフェッショナル制度の新設」「裁量労働制の拡大」とをひとまとめにした法案づくりを進めており、今秋の臨時国会に労基法改悪案として再提出する方針である。
ちなみに、欧州連合はEU労働時間指令によって、1週の労働時間は残業を含めて48時間。勤務間インターバルは連続11時間以上の休息を義務づけている。
■労働法制改悪阻止の行動を広げよう!
あらためて指摘するまでもなく、働く者の尊厳と人権を守り、不当な低賃金差別や長時間労働を是正することは、労働組合の基本的任務である。いわんや世界の労働者が命がけで勝ち取ってきた「8時間労働制」が足元から突き崩されようとしているとき、「何もしない」「何もできない」では労働組合の名に値しないと言っても過言ではない。今、私たち労働者・労働組合に求められていることは、「言葉だけの反対」ではなく、目に見える労働法制改悪阻止の大衆行動を展開することだ。
困難な条件をあげればいくつもある。しかし盤石に見える「安倍1強」政治も、「森友・加計」疑惑や首相の傲慢な姿勢が国民の反発を招き、ほころび始めている。地殻変動は起きているのだ。先日、ピースフェスタで明石を訪れた伊藤千尋さんは、“15%の人が変われば状況は変えられる”という「15%理論」の熱いメッセージで講演を締めくくった。そもそも圧勝といわれた16年参院選の政権与党の絶対得票率だって25%、自民に限れば16〜17%だ。悲観していても状況は変わらない。希望を捨てず、あきらめず、いま私たちができることを確実に積み上げるなかで闘う労働組合の再生と労働者運動の展望を作りだそう。
岡崎 進(ひょうご地域労働運動連絡会事務局長)
- 労働時間規制への労組の決意は
- 今年の夏休み期間中、長距離トラックやバスの事故が相次いだ。いずれも事故直後、労働基準法違反の疑いで監督署が会社に立入調査に入ったと報道されたが、これは関越道や軽井沢で起きたバス事故の影響なのであろう。
こうした状況を受けて8月28日、政府は急きょ、自動車運送業での長時間労働の是正に向け、道路運送法などで定められた上限を超える運転をさせた事業者に対する行政処分強化などを盛り込んだ施策を取りまとめた。しかし、秋の臨時国会で争点となる「働き方改革関連法案」の労働時間規制については、自動車運送業などは5年間の経過措置を設けたままで、見直しを行う様子はない。労働時間の上限規制は、運送業や建設業も含めたすべての業種で同時に行われるべきである。
とはいうものの、一番肝心なのは当事者である。つまり、労働者・労働組合がこの労働時間の上限規制にどれだけ向き合おうとしているのかだ。大揺れの連合は、傘下産別などからの突き上げで何とか高度プロフェッショナル制度導入の反対を堅持したが、労働時間規制には消極的だ。それは組合員の反発があるからだ。ユニオンでもかなり厳しい業種の組合員もいる。しかし職場で、「なぜ残業しなければならないのか」「自分がいなくなったら仕事がどうなるか」について議論しなければ、この問題の解決はない。
昔は36協定締結が労働組合の賃金闘争を闘う上での武器であった。1ヵ月単位でも締結が可能なのだが、いまは圧倒的多くの組合は1年で締結している。これは労働組合が、労働条件は勝ち取るものだということを忘れているからだ。協定が締結されずに困るのは労働者ではない。まず、そのことを理解した上で、協定の上限を労働者・労働組合が決め、特別条項付きは結ばないと宣言すればよいのだ。
労働者の平均年収は1997年の467万円がピークである。特別条項がつくられた1998年から減少に転じ、2014年の415万円まで低下している。労働時間の上限規制に対する労働組合の賃上げ決意が問われているのだ。
塚原久雄(ひょうごユニオン事務局長)
- 巡回型訪問介護というもの
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先日、初孫が生まれました。ついに“じじ”“ばば”になりました。可愛くていつまで見ていても飽きないです。この子が大きくなっても平和で自分らしくイキイキ暮らせる世の中であるよう、“じじ”“ばば”は頑張らなくては、と思うのですが、この子が大きくなる頃、私たちの老後はどうなるのか、昨今の身近な介護現場を見ていると厳しい状況です。
私の所属するヘルパー事務所では最近、巡回型訪問介護の委託事業を始めました。正式名は「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」と言い、厚生労働省の説明では「利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、定期的な巡回や随時通報への対応など、利用者の心身の状況に応じて、24時間365日必要なサービスを必要なタイミングで柔軟に提供します。また、サービスの提供にあたっては、訪問介護員だけでなく看護師なども連携しているため、介護と看護の一体的なサービス提供を受けることもできます」となっています。
15年くらい前に私がデンマークへ行った時にはすでにナースとヘルパーが一緒に車で地域を巡回してきめ細かく対応されていたので、「ああ、日本もようやく始まったんだなあ」と思ったのですが、どうも本当の理由が別にあるようです。
私たちは巡回型事業を行っている事業所から、昼間の訪問だけ委託を受けて、その事業所の職員として訪問します。つまり、ある高齢者のオムツ交換が朝の6時、10時、16時、21時に必要だとすると10時と16時のオムツ交換業務を私たちの事業所のヘルパーが行い、早朝と夜間は委託元のヘルパーさんが訪問しています。
具体的な業務の様子は以下の通りです。15時半に1件目に安否確認のために訪問します。一人暮らしの方が多く、入り口の目立たない所にキーボックスがあり、暗証番号で開けて鍵を取り出し入室します。転倒していないか、変わったことがないか確認して5〜10分で、近くの2件目へ。次は車イスの方をベッドに移乗してオムツ交換。15分で終了。3件目はちょうどその頃、デイサービスから帰って来られた方のお宅へ。夕食の配食弁当を温め、お茶を入れて、ゴミを集めてまとめ玄関に出したりで20分くらい。手順書に沿って必要最低限の事だけを行い、ゆっくり会話する時間などはありません。また、訪問ヘルパーはカードを持ち、利用者宅にあるタブレットにかざすと訪問した時間が記録されます。利用者の様子もタブレットにその場で入力し、瞬時に事務所のパソコンに報告が飛ぶようになっています。一人で何件もこなせるようになっています。
一見、利用者のためのようですが、結局は介護職員不足、ヘルパーの高齢化が大きい理由のようなのです。
(菊地真千子)
きくち憲之の政策 (新社会党兵庫9区国政対策委員長) ◎時給1500円で生活底上げ!
◎こわすな憲法、守ろう平和と人権!
●主な政策
【憲法・平和】
@安保法制(=戦争法)の発動はさせず、廃止に。
A沖縄の民意を大切にし、基地をなくす。
B自衛隊を災害救助隊に再編。
C共謀罪の新設は許さない。
【労働】
@貧困を生む非正規雇用を正規雇用へ転換し、時給1500円で生活底上げ。
A労働法を改正し、長時間労働をなくす。
Bブラック企業やブラックバイトの根絶。労働者派遣法の抜本的改正。
【社会保障】
@暮らせる年金制度の確立を。
A安心の医療・介護制度の実現。
B保育士・介護士・看護師の処遇改善を。
C空き家を公営住宅として有効活用。
【教育・子育て】
@奨学金制度を改善し、無利子奨学金や給付型奨学金を拡充する。
A授業料の引き下げ・無償化を目指す。
B子どもの権利条約にある「生きる・育つ・守られる・参加する」権利の4つの柱を大切にする。
【公平・公正】
@消費増税は中止。
A所得税の累進課税強化と法人税率の引き上げで所得の再配分を。
Bタックスヘイブンへの対策を強め、富裕税を新たに創設。
- 【安全・安心】
@脱原発社会の実現に向けて自然再生エネルギーへの転換を図る。
A福島の原発事故被災者の完全救済と生活再建を。
B日本の主権を奪うTPPに反対し、食の安全・安心と地域社会を守る。
C地震・豪雨など自然災害被災者への公的支援制度を拡充する。
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