「新社会兵庫」 8月29日号
- お盆前の8月12日、ふと目にとまった新聞の記事。安倍首相が地元山口入りし、亡くなった元自治相のお別れの会に参列したというだけの記事だが、追悼の辞で首相は「祖父岸信介の城代家老として辣腕……、父晋太郎の右腕として……」と故人を偲んだと伝えている。まるで故人は岸・安倍家の「家臣」ではないか。「家老」は人の能力を比喩する言葉として、目くじらを立てるほどのことはないのかもしれない。故人も存外そういう評価を気に入っていた?▼しかし、これは安倍の「殿様」感覚である。祖父、父によってエリートコースを歩むキャリアを積まされ、「世襲」で当然のように議員になる。普通の人からすると鼻白む「人間」が出来上がっているのだろう、と思う。政治にかかわって「三代世襲」は、民主主義の世ではありえない。安倍に限らず議員の世襲の多さは、日本社会が歴史の進歩とは逆に退嬰の道を辿っている証左ではないか▼だが、「三代世襲」と言えば、世界的には安倍よりもはるかに有名な人物がいる。彼の人の場合は資本主義の腐敗が背景とは言えないが、キャラクターは案外似ているのかもしれない。いずれにしても政治家の「世襲」は、否定するのが普通の感覚だ。
- 「憲法を生かす1万人意見広告運動」を成功させよう
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今年の5月3日、安倍首相は、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」が開催した集会に寄せたビデオメッセージで、「東京五輪が開かれる2020年に新しい憲法を施行」「9条に自衛隊の明記を」と改憲項目にまで踏み込んだ発言で明文改憲への執念を示した。改憲の具体的な目標時期に言及したのは初めてで、さらに、6月24日に神戸での「正論」懇話会で行った講演で、秋の臨時国会が終了する前に、自民党の改憲原案を決めると述べた。
しかしその後、東京都議選で自民党が歴史的惨敗をし、森友・加計学園問題などで内閣支持率が軒並み急降下。頼みの「内閣改造」でも支持率は下げ止まりか、若干上昇した程度に留まっている。安倍首相は8月3日の内閣改造後の記者会見で改憲は「スケジュールありきでない。私の考えは申し上げたので、あとは党主導で進めて欲しい」と、一見、軌道修正したように見える。しかし、来年の通常国会に改憲発議をめざすというシナリオを完全に取り下げ、撤回したわけでもない。今は猫を被った状態で、いつ化けの皮が剥がれるか知れない。
自民党憲法改正推進本部は、これまで(イ)参院の「合区」解消、(ロ)「自衛隊」の明記、(ハ)緊急事態条項、(ニ)教育無償化の4テーマに絞り、この6月から全体会合で議論し、8月1日で議論をひと通り終えた。秋の臨時国会に改憲案を提出するという安倍首相の方針に沿い、保岡推進本部長は8月1日に、今後これまで議論してきた4テーマの論点整理を行い、8月29日にも全体会合を開き、改憲原案の素案を党内に提示する予定だ。しかし、4テーマのうち、賛成が大多数を占めたのは参院の合区解消のための改憲のみで、他の3テーマは温度差が大きい。とりわけ「自衛隊」の明記では、「国防軍の創設を明記した2012年の自民党改憲草案と整合性がとれない」、教育無償化では「法改正で可能、財源に問題がある」など慎重論が相次いだ。今後の自民党内のとりまとめがどうなるか不透明だが、高村副総裁は「自民党の改正案は、目標として秋の臨時国会で出せればいい。目標を立てた以上はやめることはない」(8月4日、産経新聞)と述べ、改憲に積極的だ。
一方で、安倍首相が5月3日にビデオメッセージを寄せた「美しい日本の憲法をつくる国民の会」(事務局は日本会議)は、着々と改憲国民投票の実施とその勝利に向け運動を進めている。3年前から「改憲賛同署名」に取り組み、5月3日の集会では約923万人の署名が集まり、目標の1千万人に近づいているという報告があったという。注意しなければならないのは、この署名が憲法改正を問う国民投票を念頭に置いていることだ。賛同者のリストはそのまま、国民投票で改憲に賛成を呼びかける資料として利用するための署名集めでもある。また、日本会議は全国各地で「憲法おしゃべりカフェ」を開いている。国民投票で勝つには地域における女性支持者の獲得が不可欠という目的で、個人宅や集会場で、「気軽に」お茶でも飲みながら憲法改正が必要だという認識を浸透させていくという「草の根」作戦だ。今、このような憲法改正の発議、国民投票を想定した行動も視野に入れた運動が必要だ。「日本会議」政策委員で国士舘大特任教授の百地章氏は、7月20日の時事通信社のインタビユーで「支持率に関係なく(改憲議論を)きちんと進めるべき」とし、衆参で3分の2を占める「現在の状況をフル活用して発議するには、この1、2年しか考えられない」として「目標に向け粛々と改憲草案の作成に取り組むべきだ。内閣の支持率低下を理由に改憲を躊躇すれば、反対派の『思う壺』であり、逡巡してはならない」(8月9日、産経新聞)と述べている。
このような情勢の下、「戦争をさせない、9条壊すな!総がかり行動兵庫県実行委員会」は、憲法公布から71年となる2017年11月3日、神戸新聞に1万人を目標とした意見広告を掲載する「憲法を活かす1万人意見広告運動・兵庫」を取り組むことを呼びかけ、8月から運動の展開が始まっている。取り組み期間は9月末まで。「憲法を生かす会・ひょうごネット」も独自の目標を立てて取り組みを進めている。ぜひこの意見広告運動を成功させ、安倍改憲戦略の息の根を止めよう。
中村伸夫(憲法を生かす会・ひょうごネット事務局)
- 一つの闘いから新たな仲間と闘い
- 但馬ユニオンは現在、学校法人弘徳学園(以下、法人)に対し、Sさん、Iさんの不当な降職処分の撤回とパワハラをめぐり、団体交渉と裁判闘争を闘っている。そうした闘いの過程で新たな仲間と闘いが組織された。
8月9日、但馬地域地場産業振興センターでAさんの雇用継続を求め、法人と3回目の団体交渉を持った。
Aさんは2012年3月30日、助教として法人と雇用契約を結び、毎年更新してきたが、16年12月に次年度の雇用の打ち切りを通知された。しかし、法人は15年11月初旬に長谷川学長がAさんに「講師への昇格も含め、理事長と話をしている。昇格の条件は大学の卒業だ。どこの大学でも構わないから卒業を目指してほしい。卒業した後に講師へ昇格する」と話している。また、16年11月9日、学長から「今回の件(講師昇格の件)で理事長に話をするに当たり、今後の見通しについて簡単に書面でまとめてもらいたい」旨の話があり、その日のうちにまとめた文書を学長に提出している。ところが、16年12月19日、学科長より「来年度の雇用継続はありません」と伝えられたのである。
ユニオンはこうした経過からして、講師への昇格(雇用継続)は長谷川学長(法人)がAさんに約束したものであり、その約束を履行すべきであると法人に要求してきた。3月17日と21日の交渉の結果、覚書を交わすと同時に、理事長への要望書を提出して1年の雇用継続を認めさせた。ただ問題は、覚書の2項で「助教としての任用の更新は行わない」とする箇所があったが、苦渋の選択としてそれを受け入れざるを得ないという経過があったことだ。
こうした経過を踏まえて8月9日の団交となった。ユニオンは長谷川学長(法人)に対し、Aさんとの約束を履行することを再度求めてきたが、明確な回答は出されなかった。しかし、これまでの回答のように「協議しましたが選考されませんでした」というような結論だけの回答から、今後は「具体的にここがこうだからという客観的なものを示していきたい」旨の発言と、2018年度の教員昇任・採用を決定する会議でAさんの件を報告すること等を確認するとともに、その結論が出れば団体交渉を求めていくことを法人に通知して終わった。
岡田一雄(但馬ユニオン委員長)
- 最近の政治に思うこと
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2009年の民主党による政権交代はもうはるか昔のことのように感じます。2012年に自民党にまた政権交代されるまで、鳩山、菅、野田と3人の総理が1年ごとに変わり、「決められない政治」、すなわち政権担当能力のなさを国民に露呈してしまいました。不幸なことに、東日本大震災による福島原発事故も民主党を追い詰めたと思われます。
さて、自民党に政権交代してから、ずっと安倍総理時代が続いています。「安倍1強」時代と言われていましたが、先日の東京都議選では小池知事率いる「都民ファーストの会」に惨敗し、内閣支持率も3割を切りました。東京都議選の敗因は国政にあったことは間違いありません。稲田(前)防衛大臣の選挙応援や、日報問題、豊田議員の秘書への暴言、森友学園への不当な国有地の払い下げ疑惑、加計学園が「総理のご意向」により恣意的に獣医学部の開設が行われつつある問題など、選挙期間中に多くの問題がマスコミを騒がせました。
通常国会終了後に閉会中審査を行っても、予想通り与党関係者からは誠実な回答は得られませんでした。このような状況によって内閣支持率は下落していたわけですが、8月3日に内閣改造が行われ、支持率は若干回復したようです。
野党第一党の民進党は野田幹事長に続き、蓮舫代表が突然辞任し、9月に代表選が行われます。しかしながら、このタイミングで離党する有力な議員もおり、ますます民進党の存在価値を下げています。「政治信条の違う者の寄せ集め」の民進党には先が見えません。本当に近い将来、解党するかもしれません。
最近存在感を増してきている野党は共産党です。「確かな野党」というキャッチフレーズがまだ記憶に残っています。
安倍総理の悲願は「日本国憲法の改正」のようです。なぜ改正が必要なのか、国民に全く説明がされていません。「自衛隊は現在の憲法では違憲で、実質のところ軍隊だから、憲法を改正して正当化したい。そして日本軍も海外へどんどん派兵していきたい」というのが本音なのではないでしょうか?それなら、そうとはっきり言うのが政治家の、特に総理の責任なのではないでしょうか?「美しい国にしたい」とか「家族の結びつきを強化したい」とかよく分からないような説明でごまかさないで、しっかり説明してほしいです。
「日本国憲法は平和憲法だ。第9条があったからこそ、日本は平和を維持できているのだ」と護憲勢力は言います。残念ながら、私にはピンときません。「昔の社会党が強かったときは、自衛隊をPKOで海外に行かすような法案は国会で通さなかった。今は護憲勢力が弱いから、このような事態になっているのだ」が正解なのでしょうか?
池上彰さんにそこらへんのことを解説してほしいです。
(T・K/41歳)
きくち憲之の政策 (新社会党兵庫9区国政対策委員長) ◎時給1500円で生活底上げ!
◎こわすな憲法、守ろう平和と人権!
●主な政策
【憲法・平和】
@安保法制(=戦争法)の発動はさせず、廃止に。
A沖縄の民意を大切にし、基地をなくす。
B自衛隊を災害救助隊に再編。
C共謀罪の新設は許さない。
【労働】
@貧困を生む非正規雇用を正規雇用へ転換し、時給1500円で生活底上げ。
A労働法を改正し、長時間労働をなくす。
Bブラック企業やブラックバイトの根絶。労働者派遣法の抜本的改正。
【社会保障】
@暮らせる年金制度の確立を。
A安心の医療・介護制度の実現。
B保育士・介護士・看護師の処遇改善を。
C空き家を公営住宅として有効活用。
【教育・子育て】
@奨学金制度を改善し、無利子奨学金や給付型奨学金を拡充する。
A授業料の引き下げ・無償化を目指す。
B子どもの権利条約にある「生きる・育つ・守られる・参加する」権利の4つの柱を大切にする。
【公平・公正】
@消費増税は中止。
A所得税の累進課税強化と法人税率の引き上げで所得の再配分を。
Bタックスヘイブンへの対策を強め、富裕税を新たに創設。
- 【安全・安心】
@脱原発社会の実現に向けて自然再生エネルギーへの転換を図る。
A福島の原発事故被災者の完全救済と生活再建を。
B日本の主権を奪うTPPに反対し、食の安全・安心と地域社会を守る。
C地震・豪雨など自然災害被災者への公的支援制度を拡充する。
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