「新社会兵庫」 7月25日号
- 思い切りをつけて、空き家になった実家の整理を始めた。とは言っても父母が使ってきたものが全てそのまま。一つ一つ点検しながらでは前に進まないと覚悟を決めて知り合いの業者にお願いした。それでも一応残すべきもの、処分して後悔することがないよう家の中をザックリ見直した▼父母が元気な頃、盆・暮れに孫たちが来ても泊っていけるようにと用意した10組もの布団も20年近く押入れから取り出されたことがない。出来ることは何でも自分でしていた父は、廃材や大工道具類、散歩のついでに採集してきた海藻を洗い乾燥させ、何時でも孫に寒天を作っていたが、束になった海藻が保管されていた。母の引き出しには沢山の端切れや毛糸があった▼思いが詰まった品々も当時の私には重荷に感じることもあったが主達が精一杯生きた後、残された「モノ」は行き場がない。名品であれば「モノ」自体が生き続けるのであろうが庶民の暮らしにはそれは無い▼断捨離、終活がいわれる。大量生産と消費を豊かさの指標とした世代が高齢期を迎え、これからの生き方を考える機会にあるからだろう。幸せの物差し、社会の中で人として幸せに生きる物差しを「これだけは残す」と次世代に伝えたい。
- 安倍内閣の早期退陣へ 世論を力にする大衆運動を
- 先の都議選での自民党の歴史的な大惨敗を境に潮目が変わりつつあるようだ。明らかに「安倍1強体制」に陰りが見えてきた。何よりも、これまで「安倍1強体制」の大きな拠り所となってきた高い支持率が音を立てて崩れている。民意が「安倍政治NO!」を強く表し始めたのだ。都議選後、内閣支持率はどんな世論調査でも急落し、ほとんどが30%台で軒並み支持と不支持とが逆転している。最新の世論調査では支持率が30%を切る数字も出てきている。7月15、16日実施のANNの世論調査では29・2%だった。
「何でもあり」だったような暴走政治に、当然のこととはいえ、ほころびが見え始めた。首相の口先だけの反省では済まされず、あれだけ拒否をしていた閉会中審査、前川前文科事務次官の参考人招致に結局は応じた。さらにこれからの予算委員会の集中審議への首相自身の出席の態度表明も、安倍内閣が追い詰められていることの証しであり、深刻な危機感に基づく方針転換であることは間違いない。
改憲と「戦争する国」づくりへとひた走ってきた安倍政治に一刻も早く終止符を打つためにも、追い詰められた安倍政権にさらに追い打ちをかけ、内閣打倒へと進む運動の構築がいま問われている。
安倍首相は8月上旬にも内閣改造を行い、国民の目先を変えようという魂胆だが、そんな姑息な政治手法ではまったく通じないということを突きつけていかねばならない。改憲阻止、共謀罪廃止、森友・加計学園問題の全容解明、辺野古新基地建設中止、原発再稼働阻止と、安倍政権がこれまで民意を無視して強権的に推進してきた諸問題への取り組みを改めてテコにして、“安倍離れ”を起こしている世論を、実際に安倍退陣に追い込んでいく力へと高めていかなくてはならない。
そのための第1の課題は、当然これらの運動課題による大衆運動のこれまで以上の組織化である。規模の大小を問わず、スタンディングアピールのように自主的にだれでもやれる活動を多くの人々がさまざまなところで展開することは可能である。その広がりと大きな集結を生み出すことである。安倍首相にとっては「負けられない“この人たち”」による運動を広げよう。
第2の、さらに大きな課題は、安倍政治に変わる、目に見える受け皿づくりである。都議選では、自民党・安倍離れは都民ファーストという受け皿へと流れた。その中身はともかく、安倍政治に変わる受け皿がはっきり見えていれば政治の流れを変えることは可能なのだ。国政の次元では次期総選挙に向けた具体的な野党共闘の姿を早期に示すことであり、市民と野党による「安倍ヤメロ!」の共同行動を大胆に展開することである。
たしかに今の政治状況のなかで国会解散はないだろうし、さまざまな政治日程を考えると総選挙の時期は来年の夏以降かもしれない。それまでに一部に政界再編の動きも起こってくるだろう。総選挙までは遠くても、第1の課題と第2の課題は一体不可分のものである。同時に進めていくことで力を増していくことができる。
さらに、安倍首相が執念をもって構えている「2020年改憲」問題に真剣に備えていくことも求められている。まずは、改憲発議から改憲国民投票へと進む道を阻まなければならない。その道を進めばとんでもない結果が待っていると安倍政権が恐れるような政治的気運をつくり出していくことだ。
もちろん、安倍首相の口から明確に打ち出された改憲スケジュールが、都議選の大敗北によって公明党や自民党内から起きてくる反発でその通りには進まないかもしれない。だが、安倍首相自身は、このスケジュールを予定通り進めると断言しており、自民党憲法改正推進本部もそれを否定していない。私たちは改憲阻止へ、国民投票をも意識してもうひと回り、ふた回り大きく運動を担う人をつくっていかなくてはならない。兵庫では8月から「憲法を活かす1万人意見広告運動・兵庫」が「戦争をさせない、9条を壊すな!5・3総がかり行動兵庫県実行委員会」の呼びかけで取り組まれる。1万人の目標の実現へ積極的に取り組み、成功させていこう。
上野 恵司(憲法を生かす会・ひょうごネット事務局)
- まったくデタラメな労基署の指導
- AさんはN社に1年雇用の嘱託職員として雇用され、高砂市のポンプ場の運転管理業務を受託しているI社に派遣(違法派遣)され、長年働いてきた。
勤務は1年単位の変形労働時間制で、1人勤務。1勤務は朝9時から翌朝の9時までの24時間の連続勤務で、休憩は6時間となっているが、実際は取れなかった。
今年5月1日の契約更新時期を迎え、N社はAさんの契約更新を拒否してきた。そこで、Aさんはユニオンに加入し、雇用継続と違法な1年単位の変形労働時間制の是正、さらにそのことから発生する過去の未払い残業代の支払いを求めて団体交渉を申し入れた。
あわせて神戸東労働基準監督署にも申告した。監督官からは、「1人勤務の監視労働では休憩時間を与えたことにならない。1年単位の変形労働時間制の是正と1勤務を10時間(1年単位の変形労働時間制の1日の労働時間のmax)として賃金単価を再計算し、2年間遡って100分の125の残業代を支払うように会社を指導した」と返事が来た。
しかし数日後に、「先の指導は間違っていた。実態として1勤務24時間で賃金を得ていたのだから、1勤務24時間で賃金時間単価を再計算し、10時間以上の勤務時間について100分の25の残業代を払うように指導をし直した」と言ってきた。監督官に「違法を認めるような指導はありえない」と抗議をしたが、監督官は撤回しなかった。
ユニオンからN社に対し、1年単位の変形労働時間制が無効になった以上、1日の労働時間は労基法に定める8時間になるので、賃金の時間単価を8時間で再計算し、1勤務8時間以上は100分の125の残業代を払え、と要求して交渉を続けている。N社は和解をしたいと言っているが、労働基準監督署から指導があった以上、指導を無視した和解はできないと言っている。監督官のデタラメな指導が交渉の大きな障害となっている。
横山良介(はりまユニオン委員長)
- 「手話は言語である」
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宍粟市の山崎に住む姉(ろう者)が手術入院した。その保証人として電話連絡をとりやすく(姉の家族は全員ろう者)、少し手話ができる私が病院にとっても、姉にとっても適任だったようだ。もちろん、検診や医師の話などの大切な場面は通訳者に依頼するが、入院生活のほとんどは「手話」のない生活である。今回お世話になった通訳者は以前から姉家族のことをよく理解してくれて、通訳場面以外でもずいぶん助けられた。それでも姉が抱く病気への不安と入院生活での不安(医師や看護師とのコミュニケーション)はかなり強かった。私もできる限り病院に泊まったり、通ったりしようと思った。
入院し、不安は的中した。マスクをしたまま話しかける看護師が多かったので、私はお願いした。「出来ればマスクをはずして、相手の目を見て、口話や身振りで伝えてください。文章は簡単に」と。相手に何とかして伝えようとする気持ちが大切である。やがて少しずつマスクをはずして姉に話しかけようとする看護師、簡単な手話を覚えて使おうとしてくれる看護師も出てきたが、その看護師たちが毎日のようにコロコロ替わることが姉にとっては辛かったようだ。せめて2〜3人の看護師が中心に当たってくれていたらお互いに慣れてコミュニケーションも少しはスムーズになっただろうと思う。
私がいない時は筆談の方法もとってくれていたが、姉は文章の理解が難しかったようだ。一般的に年配のろう者は文章が苦手である。何故なら、その当時の聾学校では手話は禁止で、健聴者に近づくために無理やり「あ、い、う、」と唱えさせられ、文法などの国語は教えてもらえなかったからだ(大きな差別である)。そのため姉は自分の症状を伝えることも薬の効能や自分の病因などを尋ねることも諦めて、不安だけが膨らんでいったようだ。
私が顔を見せると自分の病状の辛さや看護師への不満を思い切りぶつけてくる。私は疲れ切った心身を笑顔で隠し、励ましたり、看護師にお願いしに行ったりした。
姉の入院をきっかけにうれしい動きがある。手話を勉強中の人、関心のある人がいて、病院の職員による手話の勉強会について通訳者に相談があったらしい。ぜひ実現してほしい。
「手話は言語である」と認められたのは、2011年の「改正障害者基本法」においてである。言語の代わりに手話があるのではなく、ろう者にとっては手話そのものが言語なのである。そして2013年に鳥取で手話言語条例がスタートし、神戸でも2015年に施行され、少しずつ手話の広がりが期待できそうだ。
そして今、「一人ぼっちの聴覚障害者をなくそう」をテーマに、長田区神楽町での聴覚障害者総合福祉センター建設に向けての募金活動が始まっている。皆さんにも募金の協力をお願いしたい。
(塩浜)
きくち憲之の政策 (新社会党兵庫9区国政対策委員長) ◎時給1500円で生活底上げ!
◎こわすな憲法、守ろう平和と人権!
●主な政策
【憲法・平和】
@安保法制(=戦争法)の発動はさせず、廃止に。
A沖縄の民意を大切にし、基地をなくす。
B自衛隊を災害救助隊に再編。
C共謀罪の新設は許さない。
【労働】
@貧困を生む非正規雇用を正規雇用へ転換し、時給1500円で生活底上げ。
A労働法を改正し、長時間労働をなくす。
Bブラック企業やブラックバイトの根絶。労働者派遣法の抜本的改正。
【社会保障】
@暮らせる年金制度の確立を。
A安心の医療・介護制度の実現。
B保育士・介護士・看護師の処遇改善を。
C空き家を公営住宅として有効活用。
【教育・子育て】
@奨学金制度を改善し、無利子奨学金や給付型奨学金を拡充する。
A授業料の引き下げ・無償化を目指す。
B子どもの権利条約にある「生きる・育つ・守られる・参加する」権利の4つの柱を大切にする。
【公平・公正】
@消費増税は中止。
A所得税の累進課税強化と法人税率の引き上げで所得の再配分を。
Bタックスヘイブンへの対策を強め、富裕税を新たに創設。
- 【安全・安心】
@脱原発社会の実現に向けて自然再生エネルギーへの転換を図る。
A福島の原発事故被災者の完全救済と生活再建を。
B日本の主権を奪うTPPに反対し、食の安全・安心と地域社会を守る。
C地震・豪雨など自然災害被災者への公的支援制度を拡充する。
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