「新社会兵庫」 6月27日号
- 1月から始まった通常国会。今回に限ったことではないが、終わってみればたいへんな国会だった。後半は2つの学園ゲートと共謀罪法案審議が並行して進んだ。野党からの質問に、饒舌ではあるが肝心なことは焦点をはぐらかし、答えない。首相は逆ギレするか、「それは印象操作だ」を一つ覚えのように繰り返す。審議は深まらない。最後は例にならって数をたのんだ採決強行かと思いきや、公明党の委員長に配慮。国会の「混乱」を都議選前の国民の目から隠すために委員会採決を省略して本会議に中間報告、そして採決という奇策に出た。政権による議会と民主主義の破壊は確実に、またいちだんと進行した▼先日、朴槿恵政権を引き摺り下ろした韓国の「ろうそく市民革命に学ぶ」報告を聞く機会があった。10数次にわたる何十万、何百万の継続したデモ、ソウルだけでなく全国至るところで行われた。東京でも、居ても立っても居られず国会前に詰めかけた市民たちの行動を知らないわけではないが、だったら自分はどうだったんだという振りも顧みながらもう少し韓国のような大衆行動が呼びかけられていいのではないかと強く思った次第である。日本のいま、そこは決定的に不足している。。
- 安倍「2020年9条改憲発言」
に見る安倍改憲戦略を読み解く
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安倍首相は今年の憲法記念日に際して、読売新聞や日本会議系改憲団体へ以下のようなメッセージを発した。@現行憲法9条1項(戦争放棄)2項(戦力不保持・交戦権否認)をそのまま維持し、新たに「自衛隊条項」を設ける。A日本維新の会が主張している教育無償化提案を歓迎する。B東京五輪が開催される2020年の施行を目指していく。
安倍首相はこれまでにも憲法について様々な発言をしてきているが、憲法施行70年の節目の年にこうしたことに言及した意味は重大だ。次期総選挙に勝利し、自民党総裁3選を確固たるものとして盤石の「安倍一強」体制を築き、「改憲の偉業を実現した宰相」として歴史に名を刻む、こうした野望を露骨に示したといえよう。
これに呼応するかのように、日本会議、経済界など改憲勢力は勢いづいている。その意味では改憲勢力は総結集して何が何でも改憲を実現させようと本気で目指してくるだろう。安倍政権は、反対・慎重の多数派の世論も全く意に介せず、秘密保護法、安保法制、共謀罪等の違憲立法を次から次へと成立させ「壊憲」の限りを尽くしている。もはや、「暴走政治」ではなく「暗黒政治」へと変質している。この容易ならざる政治状況の中、いかに改憲を阻んでいくのか、護憲派の力量も問われることとなろう。
安倍9条改憲発言は、自衛隊条項を追加し、「自衛隊の合違憲論争に終止符を打つ」ことを目的とし、その法的効果は現状維持で何ら変更されないという。果して、そう言えるのだろうか。私は懐疑的である。むしろ、自衛隊条項が「必要最小限度の自衛力の保持及び行使のために自衛隊を設置する」主旨の内容となれば、2項の「戦力」禁止規定と新たな「自衛力」条項の関係に整合性が保たれず新設条項が独り歩きする。すなわち、「自衛」目的のためならば自衛隊を際限なく活用できる。安保法制審議でも問題となった自衛の概念が明文改憲によって、政府が「自衛」すべき対象・目的・自衛のための装備・行動に関して「政策的判断」によって規定されることとなる。自民党政務調査会は今年3月、「弾道ミサイル防衛の迅速かつ抜本的な強化に関する提言」を政府に行っている。その中には「敵基地反撃能力の保有」(敵基地を叩くための巡航ミサイル保有等)の検討開始を求めている。
保岡自民党憲法改正推進本部長は、明文改憲を行っても政府解釈は1ミリも動かないとの見解を表明している。しかし、さきに述べたように大きく9条と自衛隊との関係は動いていくこととなる。現状維持と変わらないのであるならば、憲法学者の7割が「自衛隊は違憲の可能性がある」を是正するための改憲を行っても、結局相変わらずの状況で、そもそも改憲の必要性は全くない。改憲推進議員は「自衛隊員に名誉を与えるため改憲すべし」という。その延長線上に、さきの河野統合幕僚長の「一自衛官として憲法上、自衛隊が明記されることはありがたい」という憲法尊重擁護義務違反(99条)の問題発言がある。しかし、この程度のことで9条改憲などの提案理由に足りえない。
然らば、安倍9条改憲発言とは何か。背後に日本会議役員であり、日本政策研究センターの伊藤哲夫の存在がある。安倍首相のブレーンとして知られる人物で、そのシンクタンクの日本政策研究センター役員である。機関誌「明日への選択」等において「9条空文化」を目的とする自衛隊条項新設を提唱している。自民党の憲法政策の「自民党改憲草案」、「お試し改憲」におけるお試し項目例示(緊急事態条項・環境権等)、そして今回の安倍9条改憲のいずれもが日本会議系諸団体の主張と符合している。日本会議は安倍自民党をはじめ、維新やこころといった改憲政党・政治家を強力に支援している。その意味で安倍政権の反憲法的政策の背後には日本会議がある。改憲阻止のためには彼らの動向や主張についても注視していくことが必要であろう。
安倍9条改憲の危険性は、今回の提案が自民党改憲草案の9条全面改憲実現のための「過渡的改憲」ではないかということである。現行条文維持、自衛隊条項新設で複雑な解釈が想定される。それを解消するため(国民にはわかりやすい内容の条文化)の改憲実施といったシナリオである。まさに急がば回れである。自民党は2020年施行のため年内に党内を取りまとめ、来年の通常国会から憲法審査会審査(多数決による本会議上程)、発議というタイムスケジュールを描いているだろう。ちなみに今後の政治日程をみれば来年秋から自民総裁選、消費税引き上げ、衆院任期満了、再来年には天皇代替わり、統一地方選、参院選と続いていく。その意味で改憲阻止のためにはこうした政治日程や情勢を横目に見ながら改憲国民投票における多数派形成のための行動が求められる。そのために何が必要か、何をなすべきかを各人が考え、創意工夫していくことがまず肝要である。
鈴田 渉(大阪労働学校・アソシエ講師・憲法学)
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- 裁判で争う労働者のパワハラ・首切り
- 今年の年頭にこの欄で報告したパート労働者のパワハラ・首切りとの闘いのその後について。
1月、(株)共立メンテナンス東京本社との団交が平行線に終わり、裁判を構えることとなり、2月に神戸地裁尼崎支部に提訴した。
4月の第1回裁判には雨の中、短時間の裁判であるにもかかわらず、但馬をはじめとして、県下すべての地域ユニオンからの激励・傍聴行動が取り組まれ、勇気をもらうこととなった。さらに、大阪のユニオンの仲間の参加や、芦屋市内で配ったビラを読んで駆けつけてくれた会社員の姿もあり、たいへん感動したミニ報告集会であった。
この間、Kさんは「兵庫たたかう仲間の集会」やパートユニオンの総会、芦屋地労協の会議、メーデーなどにも参加してたたかいの報告を行い続けてきている。小さな町で点火した炎が広がりを持ち始めている。
何より、毎月のユニオンの会議が活性化しはじめ、これまで勤務の都合で出席が困難だった組合員の参加もあり、ときには会議の机上に差し入れのお菓子やパンなどが満ち溢れ、なごやかな雰囲気のなかで交流を深め合っている。
6月9日、第2回の裁判があったが、傍聴不可ということで、外で待機しての支援だったが、しばらくはそのような対応となる。
被告訴訟代理人からの準備書面を読むと、Kさんはまるで極悪人扱いだが、泣き泣き職場を去っていった、かつての同僚の法廷での証言や、Kさんのこれまでの詳細な「メモ」などが今後、裁判の焦点となってくる。
全国で泣き寝入りを強いられているパート労働者の権利拡大という視点からも負けられない裁判になってくる。
裁判所への往復の車内で「ワルシャワ労働歌」や「がんばろう」などの労働歌を聞きながら、高齢者どうしで話をするのも楽しいものだ。
大野克美(ユニオンあしや執行委員)
- 自分のための年休を
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平日の楽しみは仕事の後のランニング、風呂上がりの冷えたお酒に、寝る前の読書。休日にはドライブ、買い物、ひとりカラオケ、そして昼寝。残業しないで定時に帰って、自分のために年休を取ることは大切。今まで組合活動をしてきた中で実感した。
1日のうち、8時間は賃金を得るために、次の8時間は休息のために、残りの8時間は自分のための時間。自分の時間を取れなくなるとストレスが溜まり精神的に、休息できないと肉体的に体を壊す原因になっている気がする。
組合活動は役員がまわってきたことがきっかけだった。それまでは組合の行事に一度も参加したことがなかった。一人職場で仕事も特殊だったため、毎日の時間外労働や年休の取りづらさをおかしいことだとは思わなかった。時間外労働は低賃金の若者にとってはお金をもらえるからよかったが、同じ職場で3年、4年と同じように続けていると、だんだん仕事の疲れが溜まり取れなくなってきた。初めて参加した勉強会で「時間外労働をするのはおかしい。自分の仕事内容は変わっている」ことに気が付き、時間外労働は最低限に、取れるときには体を休めるために年休も取るようになった。
異動すると新たにおかしなことが出てきた。今の部署は繁忙期でなければ休みを取りにくい環境ではない。職場の人が家や子どもの用事以外で休まなさすぎて、「私がよく休みを取るので他の人が取りにくい状況」になっていると言われた。みんな私より年上だ。「いざという時」のために年休を残している人もいるようだが「家や子どもの用事なら休みやすい」という考えというか、環境ができてしまっている。「年休を取ることが悪いこと」と思っている人もいるように思う。だけど、それってみんなが年休を取りにくい状況にしてしまっていると気づいてほしい。「迷惑がかかる」ではなく「お互いさま」でいいのではないだろうか。人事評価制度が導入されて自分のことにしか頭が回らないようになっているかもしれないが、仕事は一人でしているものではないし、情報を共有することで仕事の効率が上がることもある。ストレスが溜まってギスギスすることがなくなると、余裕ができて人間関係もよくなると思う。
自分のための8時間に何をするかは自由だけど、自分を守るために勉強しないといけないと思う。組合の勉強会や交流会に出ることで、「自分の当たり前が実はおかしいことだった」と気づくきっかけにもなるのではないかと思う。
(M・S)
きくち憲之の政策 (新社会党兵庫9区国政対策委員長) ◎時給1500円で生活底上げ!
◎こわすな憲法、守ろう平和と人権!
●主な政策
【憲法・平和】
@安保法制(=戦争法)の発動はさせず、廃止に。
A沖縄の民意を大切にし、基地をなくす。
B自衛隊を災害救助隊に再編。
C共謀罪の新設は許さない。
【労働】
@貧困を生む非正規雇用を正規雇用へ転換し、時給1500円で生活底上げ。
A労働法を改正し、長時間労働をなくす。
Bブラック企業やブラックバイトの根絶。労働者派遣法の抜本的改正。
【社会保障】
@暮らせる年金制度の確立を。
A安心の医療・介護制度の実現。
B保育士・介護士・看護師の処遇改善を。
C空き家を公営住宅として有効活用。
【教育・子育て】
@奨学金制度を改善し、無利子奨学金や給付型奨学金を拡充する。
A授業料の引き下げ・無償化を目指す。
B子どもの権利条約にある「生きる・育つ・守られる・参加する」権利の4つの柱を大切にする。
【公平・公正】
@消費増税は中止。
A所得税の累進課税強化と法人税率の引き上げで所得の再配分を。
Bタックスヘイブンへの対策を強め、富裕税を新たに創設。
- 【安全・安心】
@脱原発社会の実現に向けて自然再生エネルギーへの転換を図る。
A福島の原発事故被災者の完全救済と生活再建を。
B日本の主権を奪うTPPに反対し、食の安全・安心と地域社会を守る。
C地震・豪雨など自然災害被災者への公的支援制度を拡充する。
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