「新社会兵庫」 6月13日号
- 元来が攻撃的な性格なのか、とにかく安倍首相は批判や異論を全く受け付けようとしない▼国会の質疑でも追及されたことにはまともな答弁をせず、時にははぐらかし、居直り、自説を長々と述べてはそれを繰り返す。そして、平然と嘘をつく。また時には、まるで子どもが”逆切れ“したかのように、攻撃的な反論や反批判を展開する。委員長から注意されても質問者や野党にヤジすらも飛ばす。最後は「問題ないこと」「それはあたらない」と追及を斬り捨てる。最近では、指摘された疑問点に答えることなく、「それは印象操作だ」の答弁が連発されている▼これだけ居丈高に、傲慢に振舞える強気の大きな背景が、なかなか下がらない高い内閣支持率であることは間違いない。党内でもはや独裁的な位置を確保しているため、自党内の異論・反論もほぼ封じきっており、突如の「2020年明文改憲」発言にも見られるようにますますその独裁的な暴走が止まらない▼だが、一方で彼の言動に焦りはないだろうか。そこに行き着いては困る森友、加計問題の疑惑の真相究明こそ政権が揺らぐ重大な危機であることを知っているからこその徹底した調査拒否であり、早期の幕引き狙いだ。許せない。
- 外国人労働者の労災事故問題
- 武庫川ユニオンではこの間、外国人労働者の労災事故問題に取り組んでいる。
滋賀県の建材会社に派遣されていたブラジル人労働者Aさんは、就労を始めて1週間後に事故に遭った。作業台に積まれた鉄板(幅15㎝長さ4m厚さ2㎜程度)100枚がバンドで結束されており、Aさんがそのバンドを切断した時、鉄板が落下して右足を直撃し、指を切断するという大事故であった。
約2年後の2015年3月に後遺障害8級と決定された。決定後、等級が低いのではないかと相談を受け、ひょうご労働安全衛生センターの協力を得て障害等級は7級が相当であると審査請求を行ったが棄却された。Aさんはとても働けるような状況ではなかった。武庫川ユニオンは、派遣元会社と派遣先会社に労災による逸失利益などの補償を求め団体交渉を申し入れた。
団体交渉は派遣元と派遣先が同席して実施された。ユニオンという共通の敵に対峙するという意味では両社は協力できても、労災事故の責任の所在を巡っては意見の対立が生じた。安全管理体制の確立は派遣元にも派遣先にもある。安全衛生教育や作業方法に関する指導の責任は双方に求められる。しかし、今回の事案に関しては安全教育は全くなされず、危険な現場に放り込まれていた。また、事故の原因の一つには作業台の不備があった。これは明らかに派遣先の責任だ。しかし、派遣先会社は仕事をもらうという弱い立場の派遣元会社にその責任を押し付けようとした。これは雇用責任においても同様だ。
製造現場では命に係わる事故が発生するという危機意識を持たねばならない。従って製造現場への派遣は認めるべきではないと思う。さらに製造業派遣は外国人労働者問題も加わる。政府統計でも労災の死傷者は減少していたが、2016年は11万7910件で前年比1・4%増加に転じた。派遣労働者の労災死傷者の56・3%は製造現場である。外国人労働者の労災事故も年々増加傾向にある。外国人労働者の場合は、日本人以上に労災隠しも多いので統計数字以上に労災事故は発生している。私たちはこれからも相談活動を強め、事実を把握し、一つひとつの権利擁護の闘いを広げ、問題の顕在化を進めて行きたい。
小西純一郎(武庫川ユニオン書記長)
- 居住空間と住いの整理
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実家の住居を離れて40年近くになる。親が老い、その家も年月の重みと共に居住者も整理できない物品が埃を被っている。10年前に父が逝き、2年前から母が介護施設に入所し、残された家は風通しにたまにしか行けず、日ごとに朽ちていく状態に愕然としている。後始末が肩にのしかかっているが、先送りしている現状である。
私と同い年の友人は30歳の頃に心臓の手術をされて自身の抱える体調ときちんと向き合いながら、懸案の自宅のリフォームを実現した。これ以上仕事を続けていたらじっくりと取りかかれないと定年を1年残し退職を決めた。築56年の古民家とはいえないが良質の木材を使って丁寧に建てられた家は、亡きお母さまの思いがこもった家の雰囲気を残し、小さな手直しではなく、彼女の夢の一歩として、元の柱や床板を生かした「集える隠れ空間のカフェ」へと大改装された。若い有能な設計士の方と出会い、彼女の意向を取り入れつつプロとしての提案をしてもらいながら相談し、予算を含めて納得のいくものにつなげていった。彼女は新聞社系列の文化センターの企画を担当していた関係で、講座の中で受講者と共に身に付けた知識やマクロビオテック(玄米を主食、野菜や漬物や乾物などを副食とすることを基本とした、食材や調理法のバランスを考える食事法)の食事とライセンスを取得したメディカルハーブ(「薬草」や「香草」を通した健康管理や病気の予防、治療を行うときに、人の体にもともと備わっている自然治癒力を利用)のお茶を提供する、大人のホッとできる場を準備している。町の住宅街に50坪くらいの庭の緑を生かした空間は、季節の植物や小さな菜園、樹齢40年を越える欅や木蓮がテラス越しから眺められる。遠出がしにくいけれどちょっと一息入れたい時や、気分転換になる穴場になることが期待できる。限定2組くらいの長居ができる静かな木の香りがする所。ご両親を見送り、一人の暮らしを穏やかに気持ちが豊かになれる暮らしと、他者とのつながる場所へと見事に住いを建て直した。順調に始動するまで、口コミで伝える小さな空間を心から応援したいと思っている。
政治や社会が権力者の意向に動く状況に心が沈みがちだが、日々の生活の場や暮らしが次世代へうまく引き継がれるか断ち切られるかは、こんな筈じゃなかったと後悔しない選択と、生活者一人ひとりの決断と実践していく行動力こそ問われていると感じている。
(あけびの会I・T)
きくち憲之の政策 (新社会党兵庫9区国政対策委員長) ◎時給1500円で生活底上げ!
◎こわすな憲法、守ろう平和と人権!
●主な政策
【憲法・平和】
①安保法制(=戦争法)の発動はさせず、廃止に。
②沖縄の民意を大切にし、基地をなくす。
③自衛隊を災害救助隊に再編。
④共謀罪の新設は許さない。
【労働】
①貧困を生む非正規雇用を正規雇用へ転換し、時給1500円で生活底上げ。
②労働法を改正し、長時間労働をなくす。
③ブラック企業やブラックバイトの根絶。労働者派遣法の抜本的改正。
【社会保障】
①暮らせる年金制度の確立を。
②安心の医療・介護制度の実現。
③保育士・介護士・看護師の処遇改善を。
④空き家を公営住宅として有効活用。
【教育・子育て】
①奨学金制度を改善し、無利子奨学金や給付型奨学金を拡充する。
②授業料の引き下げ・無償化を目指す。
③子どもの権利条約にある「生きる・育つ・守られる・参加する」権利の4つの柱を大切にする。
【公平・公正】
①消費増税は中止。
②所得税の累進課税強化と法人税率の引き上げで所得の再配分を。
③タックスヘイブンへの対策を強め、富裕税を新たに創設。
- 【安全・安心】
①脱原発社会の実現に向けて自然再生エネルギーへの転換を図る。
②福島の原発事故被災者の完全救済と生活再建を。
③日本の主権を奪うTPPに反対し、食の安全・安心と地域社会を守る。
④地震・豪雨など自然災害被災者への公的支援制度を拡充する。
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