「新社会兵庫」 12月27日号
 今年もあと数日を残すだけになった。後回しにしてきた大掃除はこのままでは年始の仕事になりそうだ。せめて水回りやベランダの網戸くらいは分担して掃除しなければ年末に来襲する孫に季節を覚えさせることもできない▼子どもの頃、一間暮らしの私の家でも父の御用納めを待って家族総出で大掃除した。餅の用意は、正月の食事の段取りはと、メモを片手に相談していた。季節は空や樹々等自然の姿からと同時に、その季節の様々な行事からも感じていたと思う。正月三が日はほとんどの企業・商店が休みで、何をするでもなく、のんびりと過ごした。表に出れば「今年もよろしく」と挨拶の声がそこここにあった。今は大晦日も正月も休みなく営業するところが大半になり、昨日の続きで働く人が多くいる▼豊かに生きることの意味を意識して考えることもないままに目の前の生活に一所懸命だが、「明日も食べていける」保障、心身の健康の前提である休息・休暇の保障は誰にとっても必須であろう。政府による働き方改革が叫ばれた年の暮れ、最賃以下で働く中小零細企業労働者が5%超の統計がでた。平和と信頼の下でのみ人は人らしく豊かに生きられる。来年はその連帯の年にしたい
南スーダンPKO自衛隊派遣
  海外での武力行使の道 自衛隊は即時撤退を
 政府は11月15日の閣議で、南スーダン国連平和維持活動(PKO)に参加する陸上自衛隊に、安全保障関連法=戦争法に基づく「駆け付け警護」や「宿営地の防衛」などが可能な新任務を付与する実施計画の変更を決定した。そして、新任務を担う部隊は11月20日から順次現地へ派遣され、12月12日から新任務遂行が可能になり、戦争法がPKOの現場で運用段階に入り、ついに自衛隊が海外で「殺し、殺される」道へ踏み込む一歩になった。
 現在、自衛隊が参加している唯一のPKOは南スーダンで、2013年以降、キール大統領とマシャル前副大統領が激しく対立、軍事衝突が起こり内戦状態に。260万人が住む場所を追われている。昨年8月に両派が和平協定を結ぶも、今年7月以降は内戦状態に逆戻りし、協定は事実上破綻状態だ。7月の戦闘では300人以上が死亡したとされ、国連施設にも約180発の流れ弾が飛んできたとされ、避難民やPKO部隊の隊員にも死傷者が出た。
 こうした中、11月11日、国連の事務総長特別顧問は、南スーダンで「民族間の暴力が激化し、集団殺害になる危険性がある」と警告し、「政治的な争いとして始まったものが民族紛争に変容した」と指摘した。また、日本政府が11月15日に公表した「基本的な考え方」では、現地の治安情勢については「極めて厳しい」、「首都ジュバも楽観視できない」と指摘するとともに、「政府としても南スーダン全土に『退避勧告』を出している。最も厳しいレベル4の措置である」と報告している。
 このように、すでに南スーダンにおいてはPKO5原則を満たしているとは到底言えず、また、現地で活動するNGO(非政府組織)からも「駆け付け警護」がかえってNGOを危険にさらすことになることが指摘されている。国際協力に関わるNGO77団体が参加する「NGO非戦ネット」は11月14日、「南スーダンにおける自衛隊への新任務付与を見合わせ、武力によらない平和貢献を求める」との声明を公表した。その中で、「NGOがPKOの役割として認識しているのは、国連施設や空港、物資輸送ルートなどの安全確保、或いはNGOが情勢悪化に伴い退避をする場合の支援であり、PKO部隊による『襲撃されたNGOの救出』といった非現実的な作戦を期待しているわけではない」とし、「襲撃や戦闘が起きている現場で自衛隊による駆け付け警護が行われた場合、自衛隊が交戦主体になり、救出されるNGOもそれと一体化していると見られる危険性がある。そうなっては人道支援を行う上で不可欠な中立性が担保できず、将来も含めかえって身の危険が高まる」としている。さらに、「日本は南スーダンの独立以前から南スーダンに民生支援を行っており、現地の住民の日本に対する信頼は高い。しかし一度武力介入を行えばこの信頼と親近感は一気に敵対感情に変容する危険がある」としている。
 11月19日の「こわすな憲法!いのちとくらし!市民デモHYOGO」の集会でも、冠木(かぶき)克彦さん(弁護士、違憲訴訟の会)は、「イラク派兵では丸腰にもかかわらず、精神的な緊張から64人の自衛官が自殺した。今回の南スーダンPKOではさらに緊迫した情勢の中での任務だ。しかも戦争のための任務遂行型の武器も持っていく。戦死した場合の弔意金も6千万円から9千万円に引き上げられた」と、今回の新任務PKO派遣の危険性を訴えた。 仮に、自衛隊が任務の遂行に失敗すれば、非難の矛先は自衛隊に向けられ、陸自幹部は「隊員にかかる精神的負担は相当強いはずだ」(12月13日神戸新聞)と懸念しているという。
 戦後日本は、平和憲法のもと、武器によって殺したり、殺されたりする事態を免れてきたが、今回の派遣によって、海外での武力行使への道をひらくことになった。日本のやるべき国際貢献は、武力行使を前提とした自衛隊派遣ではなく、国際的な非政府組織(NGO)への援助と派遣などを通じ、インフラの回復や人道援助等を行うことなど多岐にわたる。日本はこれまで、平和国家として国際的な信用・信頼を得てきたはずだ。新たな任務を付与された自衛隊の南スーダン派遣は、平和国家日本の歴史を根底から崩すものであり、政府は11月の閣議決定を撤回し、自衛隊は即時南スーダンから撤退すべきだ。
中村伸夫(憲法を生かす会・ひょうごネット事務局)
尼崎市で「公共調達基本条例」制定
 日常的に労働相談を受け、一人一人の権利を擁護し、職場に労働運動をつくり出すことをめざす地域ユニオンの活動のもう一つの柱に、労働相談を通して働く者に突き付けられている課題を明らかにし、その課題を政策要求として国や自治体に法制度や条例を求めていくという活動がある。
 武庫川ユニオンには1995年頃から家庭ゴミの収集労働者や資源ゴミの分別作業に従事する労働者が加入してきた。自治体職員と同じような仕事に就いているのに、その賃金が余りにも劣悪なことを知り、改善を求めてきた。
 さらに、武庫川ユニオンは2002年から「リビングウェイジ条例」の制定をめざす運動を開始。その後、06年秋頃から尼崎市役所の住民票入力業務を担う労働者たちの入札問題や偽装請負の問題、斎場労働者の入札による雇用不安などが表面化した。
 自治体関連労働者のこうした問題の解決をめざすことを目的として07年3月、「リンビングウェイジ条例の制定をめざす会」をユニオン、地区労、全建総連、自治労、全労、市民派議員などで結成。08年には「公契約条例の制定をめざす議員の会」が結成され、全国で初めて公契約条例案が議会に上程された。結局、この条例案は09年、僅差で否決されたが、一時的な中断をへて14年から市議会議員が事務局を担い、学者、弁護士らが代表を担う「尼崎公契約条例の制定をめざす会」が活動を再開、同年10月に2日間にわたるシンポジウムが開催されるなど機運が盛り上がった。
 こうした経過を経て、今年の9月市議会で尼崎市の提案による「公共調達基本条例」が成立した。賃金条項がないなど不十分さはあるが、「市内事業者の受注機会の拡大」「社会的課題の解決」「労働者の適正な労働環境の整備」などを掲げ、業務委託労働者や下請け労働者の労働条件向上に結び付く端緒は開いたと思う。この運動では都築徳昭市議の存在は大きかった。
 今後、運動で条例を実効あるものにする努力や賃金条項など条例自体の充実も求められている。
小西純一郎(武庫川ユニオン書記長)
職場に戻って・・・
 私が市役所に入庁したのは14年前。それまで労働組合のことなどひとつも知らず、役所に労働組合があることすら知りませんでした。
 入庁して数日して、組合役員に呼ばれました。いろいろ組合加入の説明を受けましたがひとつもわからず、とりあえずみんな入っているということで、役所の親睦会のようなものだろうと思って加入しました。
 組合には青年部もあり、飲み会やスポーツ交流会などで他の課の人と知り合いになるなど交流を深めましたが、「やっぱり親睦の場なんだ」という感覚は抜けませんでした。  しかしその後、組合のいろいろな行事に参加し、学習も積む中で、徐々に組合は単なる親睦会ではないのだという感覚になってきました。
 とくに大きな転機となったのは自治労兵庫県本部青年部の役員になったことでした。兵庫県本部青年部の下部組織で役員をしていて、県本部青年部役員と知り合いになっていたこともあり、前任者から声を掛けられました。先に述べたように、いろいろな人と知り合いになれる、交流の輪が広がるという感覚だけで役員を引き受けました。
 入ってみると、親睦だけではいけないということがわかりました。今までも組合主催の学習会等は動員で参加していましたが、今度は、自分が講師として出向く番になったのです。資料を作成したり、講演のためにいろいろ勉強しました。多くの人との出会いや組合活動の先輩からのアドバイスも受けました。そのおかげもあり、組合としての知識を深めるのはもちろん、そもそも組合とは何かを知ることができたと思います。
 さらに、県本部の役員はいろいろな組合に出かけるので自分の単組以外の状況を知ることができます。それまでは自分の単組・職場が当たり前だと思っていましたが、比較することで、これって当たり前じゃないのではと思うようになりました。
 県本部では役員を5年間、うち1年半は専従も経験させてもらいました。専従に出る前の職場は忙しく、さらには上司との関係が最悪で、はっきり言ってその職場から逃げたかったというのが本音でした。しかし、専従をさせてもらったおかげで、組合とは、その忙しく、働きにくい職場を何とかするためのものだと知りました。帰った時には県本部で得た知識を活かして職場を変えていきたいと思うようになりました。
 職場に戻って1年。専従に出る前よりもさらに業務量は増加しています。嫌だった上司もまだいます。1年半前より働きにくくなったと思います。戻った当初は職場を変えよう、残業しないようにしようと思っていましたが、日々、次から次へと業務が与えられ、時間内では処理が追いつかず、毎日残業せざるを得ない状況に追い込まれています。行く前はそれが当たり前だと思っていましたが、おかしいことだと気づいてしまった分、改善できない自分に苛立つ毎日ですが、少なくともこれが普通の状態ではないという感覚だけは持ち続けたいと思います。
 今、私は単組で役員をしています。この状況を直接当局に訴え、改善していくことができる立場にいます。この状態がおかしいと思う仲間も増えてきました。そんな声を集め、事実を積み上げ、当局にぶつけ、一歩ずつでも改善していくよう、まだまだ非力ですが、頑張っていきたいと思います。
(F・36歳)

きくち憲之の政策
   (新社会党兵庫9区国政対策委員長)


 ◎時給1500円で生活底上げ!
 ◎こわすな憲法、守ろう平和と人権!

●主な政策
  • 【憲法・平和】
    @安保法制(=戦争法)の発動はさせず、廃止に。
    A沖縄の民意を大切にし、基地をなくす。
    B自衛隊を災害救助隊に再編。 C共謀罪の新設は許さない。
  • 【労働】
    @貧困を生む非正規雇用を正規雇用へ転換し、時給1500円で生活底上げ。
    A労働法を改正し、長時間労働をなくす。
    Bブラック企業やブラックバイトの根絶。労働者派遣法の抜本的改正。
  • 【社会保障】
    @暮らせる年金制度の確立を。
    A安心の医療・介護制度の実現。
    B保育士・介護士・看護師の処遇改善を。
    C空き家を公営住宅として有効活用。
  • 【教育・子育て】
    @奨学金制度を改善し、無利子奨学金や給付型奨学金を拡充する。
    A授業料の引き下げ・無償化を目指す。
    B子どもの権利条約にある「生きる・育つ・守られる・参加する」権利の4つの柱を大切にする。
  • 【公平・公正】
    @消費増税は中止。
    A所得税の累進課税強化と法人税率の引き上げで所得の再配分を。
    Bタックスヘイブンへの対策を強め、富裕税を新たに創設。
  • 【安全・安心】
    @脱原発社会の実現に向けて自然再生エネルギーへの転換を図る。
    A福島の原発事故被災者の完全救済と生活再建を。
    B日本の主権を奪うTPPに反対し、食の安全・安心と地域社会を守る。
    C地震・豪雨など自然災害被災者への公的支援制度を拡充する。