「新社会兵庫」 11月22日号
 長かったアメリカの大統領選挙もおおかたの予想を裏切るトランプの勝利で落ち着いたと思ったら、さすが日本とは違う。「トランプは私たちの大統領ではない」という大規模なデモが起こっている▼さて、そのアメリカの選挙制度、詳細は知らないが日本とはずいぶん違う。大統領選挙人を州ごとに選ぶいわば間接選挙、選挙人の勝者総取り方式、告示のない選挙運動の開始、候補者の集会では有名歌手も参加し歌う……。日本の選挙では見られない光景だ▼「自由」は必ずしも庶民の味方をしないが、ひと言でいうとアメリカのそれは「自由」で、日本は「規制」か。「選挙始め!」という公示や告示がなければ選挙運動を始めてはいけないのが日本だ。「始め!」の合図を聞くまえは「事前運動」で選挙法違反。戸別訪問はダメ、ビラの枚数はこれだけ……。要するに規制だらけが日本の選挙制度である。しかもその選挙に参加するには他国と比べてべらぼうに高い「供託」という金を積まなければならない▼このガンジガラメの選挙制度をとっぱらって99%のための社会をつくっていくうえで、当面する選挙を勝ち抜くこととそのための「力」をつくっていくことは、絶対に必要なことである。
学習を行動の力に、運動に
 熟年者ユニオンは、学習を具体的な行動の力に、運動に、という議論をしながら9月には、神戸市が2015年9月に発表した「三宮周辺地区の再整備基本構想」の内容と問題点を、10月には、年金問題の学習会を開催してきた。
 三宮周辺地区の再整備は、2020年度に工事開始予定。中央区役所をどこに移転するのか、勤労会館がどうなるのか、具体的な内容が示されず、サンパルも含めて高層ビルにし、地下1、2階の新たなバスターミナルの建設だけが明らかになっている。この問題点について、熟年者ユニオンは、@バスターミナルはJR神戸駅周辺の再整備も検討すべきだ、A勤労会館や区役所はまだ使えるし、ビルの手入れをすれば半永久的に利用できる。安易に廃棄すべきではない、と指摘している。同基本構想のパンフレットは、神戸市住宅都市局計画部都心三宮再整備課に置いてある。市役所に行った時はぜひ手にして見てもらいたい。熟年者ユニオンとしては、もっと市民にこの問題を知ってもらいたいと、毎月のサンドイッチマンデモの宣伝で広げている。
 年金問題では、安倍政権の介護・医療も含めた福祉切り捨てに怒りを示す必要がある。高齢者は苦しい生活を強いられているが、年金問題をはじめ福祉切り捨ては今の若い人の問題でもある。学習会では、実態として、@非正規労働者が増え、その人たちの年収は200万円前後で、年金の掛け金も払えない状況。結果、若い人の20%しか年金に加入していない、A10年の掛け金での支給額は不明。暮らしていけない額であることなどの問題点が話された。「法人税減税、消費税増税と実質賃金の低下などの関係を若い人にも分かるような取り組みが必要だ」との声もあり、今後も具体的な内容の学習会を継続することを確認した。やはり若い人の賃金が増え、年金制度のしくみを変えなければいけない。そのために学習会で学んだことはビラにして訴えることを予定している。
横林賢二(熟年者ユニオン事務局長)
重大な女性の貧困問題
 1999年、男女平等を推し進めるための法律「男女共同参画社会基本法」が施行された。男女が互いに人権を尊重しつつ、能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現のためにつくられた。家庭生活だけでなく、議会への参画やその他の活動においての基本的平等を理念とする。また、それに準じた責務を政府や地方自治体に求めている。
 神戸市はどうだろうか。この計画の達成度や進捗状況を把握するために使われる項目が、市の審議会における女性委員の登用率や管理的地位にある職員に占める女性職員の割合などである。ちなみに、前者は35%の目標値に対して現状は31・4%。後者は15%の目標値に対して現状は12・1%。目標値が低い上に達成度が伸び悩んでいるが、それなりに可視化されている。その一方で、向き合おうとしていない現実があることを忘れてはならない。
女性の貧困の象徴が母子世帯
 母子世帯は、この25年間で約1・5倍、124万世帯に増加した(2011年度全国母子世帯等調査)。就業率は80・6%。そのうち、雇用形態は正規社員43・0%、非正規社員57・0%。母子世帯の平均年間就労収入は約181万円。ダブルワーク、トリプルワークで懸命に働いてもなお貧困。「食べること、生きていくことで精一杯で子どもの教育まではとてもとても」と、女性の貧困が子どもの貧困につながる。これが母子世帯の実態だ。もちろんそうではない母子世帯も存在する。
現実を直視していない男女共同参画計画
 9月、決算特別委員会の市民参画推進局審査において、「神戸市の男女共同参画計画の重点項目に、長年、ワーク・ライフ・バランスとDV対策の2項目が掲げられてきているが、今ほどに女性の貧困問題をもう一つの重点項目として掲げ、取り組む時期(とき)はないのではないか」と質疑した。女性を取り巻く厳しい現実に向き合っているとは到底思えない神戸市第4次男女共同参画計画。(民主党政権の折の)第3次男女共同参画計画に比べてもぐんと後退しているように思える。
 神戸市においても、女性の貧困問題に真正面から取り組むことが今、求められている。しかし、第5次男女共同参画計画は5年先。刻々と情勢が悪化していく中でそこまで到底待てない。(非正規)雇用や社会保障の問題等々、女性の貧困につながる具体的な課題に取り組んでいく。
「一億総活躍社会」「女性が輝く社会」……安倍政権の掲げている耳触りの良いキャッチフレーズ。いったいどこの世界の話だっ!
小林るみ子(神戸市会議員)
野党共闘で安倍政治を止めよう
きくち憲之(新社会党兵庫9区国政対策委員長)が訴え
JR明石駅前で永井俊作明石市議(左)と並んで政策を訴えるきくち憲之
 来る衆議院選挙で兵庫9区からの立候補の決意を表明し、いま協議中の野党共闘、野党と市民の共闘の枠組みの中で野党統一候補として闘うことを目指す、きくち憲之さん(新社会党兵庫県本部書記長、兵庫9区国政対策委員長)は連日、朝の駅頭や昼間の街頭宣伝の中で、「みんなの声を聞く力!」をキャッチコピーに、自らの政策を精力的に訴えている。
 新しく作成されたチラシには以下の政策が掲載されている。
 ◎時給1500円で生活底上げ!
 ◎こわすな憲法、守ろう平和と人権!
●主な政策
  • 【憲法・平和】
    @安保法制(=戦争法)の発動はさせず、廃止に。
    A沖縄の民意を大切にし、基地をなくす。
    B自衛隊を災害救助隊に再編。
  • 【労働】
    @貧困を生む非正規雇用を正規雇用へ転換し、時給1500円で生活底上げ。
    A労働法を改正し、長時間労働をなくす。
    Bブラック企業やブラックバイトの根絶。労働者派遣法の抜本的改正。
  • 【社会保障】
    @暮らせる年金制度の確立を。
    A安心の医療・介護制度の実現。
    B保育士・介護士・看護師の処遇改善を。
    C空き家を公営住宅として有効活用。
  • 【教育・子育て】
    @奨学金制度を改善し、無利子奨学金や給付型奨学金を拡充する。
    A授業料の引き下げ・無償化を目指す。
    B子どもの権利条約にある「生きる・育つ・守られる・参加する」権利の4つの柱を大切にする。
  • 【公平・公正】
    @消費増税は中止。
    A所得税の累進課税強化と法人税率の引き上げで所得の再配分を。
    Bタックスヘイブンへの対策を強め、富裕税を新たに創設。
  • 【安全・安心】
    @脱原発社会の実現に向けて自然再生エネルギーへの転換を図る。
    A福島の原発事故被災者の完全救済と生活再建を。
    B日本の主権を奪うTPPに反対し、食の安全・安心と地域社会を守る。
    C地震・豪雨など自然災害被災者への公的支援制度を拡充する。