「新社会兵庫」 4月12日号
 「保育所落ちた、日本死ね」―ブログのつぶやきが、日本中を駆け巡った。問われた安倍首相は、匿名である以上、実際本当に起こっているか確認しようがないと、例の薄笑いで答え、安倍政権の子育て支援策がやはり当事者の立場に立つものではないと思わせた▼3年前の参議院選挙では育休延長を目指し、「3年間抱っこし放題」がうち出された。原則無休の育休でしのぎ、子どもを産み増やすことを第一義とし、戦力として復帰する女性には管理職登用を企業にお願いするというものだ▼現在、「すべての女性が輝く社会づくり」とかで、ドボジョ、トラガール、リコチャレ等の言葉が躍り、自衛隊幹部に女性を登用したと胸を張る。昨年、安保法を強行採決し、反対する意見をすべて無視し数の力で政策を推し進める政権だが、女性の役割は出産・育児、国の都合によって「活躍」させる政策は、何やら銃後の活躍を扇動された時代に重なるようだ▼子どもは保育所という異年齢の子どもの集団の中で、自分を見つけ、友達を見つけ育つ場を得る。母子だけが向き合う世界とは違うものだ。子等が成長するための場として位置付ければ家庭の条件に関わらず入所できる。人としての権利の入口でもある。
「戦争法廃止2000万署名」をとことん頑張り抜こう
 憲法を生かす会・垂水の取り組みから
 憲法を生かす会・垂水が「2000万署名」依頼の親書を発送したのは3月10日、ちょうど国会中継で安倍が「戦争法などというレッテル貼りはやめていただきたい。国際的に高く評価され積極的に世界の平和に貢献するものである」とかなんとか得意げにしゃべっているときだった。昨年7月から9月まで空前の盛り上がりを見せた戦争法反対の運動も、今年に入ってからは忘れていた寒波が急にやってきたのに合わせるように、日に日に風は冷たくなった。2千万なんてハナから無理!と考えている人や、署名なんか力になるんかと思っている人もいる中で、この運動にねじを巻きなおそうと決意したのは、あの安倍の顔が浮かんで「あきらめてたまるか」「反対の意思を可視化する手立てなんだ」と考えたからだ。
 数は大事。でも数よりもっと大事なのはそこに込められた人の思いではないか。集めてくれる人を増やそう、今まで署名を頼んだ人たちのもうひと回り外側に広げてみようと思った。親書は今までの「生かす会」の名簿に加えて新聞読者や知人、友人、親戚にも送った(150通ほど)。この時、手元に集約できていた署名数が310筆だった。その後、神戸ワーカーズユニオン垂水支部でこの署名にユニオンとして取り組むことを決定し、組合員全員に協力依頼の通達文書を送った(100通ほど)。さらに垂水区内で運動する他の団体に呼びかけ、「2000万署名を進める垂水の会」が結成され、統一行動や講演会・パレードなども取り組まれた。この結果、4月1日現在で1075筆を数えている。増えた765筆の内訳は街頭行動11回で378筆、郵送で返ってきたもの24人215筆、個人が集めたもの14人121筆、その他、喫茶店や習い事教室などで51筆などだ。あと1か月、どこまで増やせるかもうひと頑張りしたい。
門永三枝子(憲法を生かす会・垂水)


 憲法を生かす北区の会の取り組みから
 戦争法(安保関連法)の強行採決以降、憲法を生かす北区の会は、「戦争法は廃止できます」と街を行く人たちに訴えてきた。
 ずっとハンドマイクを持ち続けたのは原義弘さん(元新社会党神戸市協議会議長)だ。マイクの話をじっと聞いていたひとりの中年の女性が「私、この『2000万人署名』の運動、今日初めて知ったよ。応援するよ。このチラシ持って帰って家の人にも見せるよ。ほんとに安倍さんはいかないよ。参院選で安倍さんをやっつけなくちゃね。それにしても新聞やテレビはこの『2000万人署名』のこと、言ってくれたらいいのにね」と話してくれた。ときどき、こんな場面があるので、街頭署名にも元気がでる。
 昨秋から神戸市北区のターミナル、商業施設等の前で延べ17回の街頭署名を継続してきた。現在1100筆(4月1日現在)の署名を集約している。目標とした3千筆には及ばないが、街頭署名行動を通して、前述のおばさんの話にもあるように「戦争法は廃止できるのです」「戦争法の廃止を求めましょう」と訴える運動が身近なところにあることを多くの人たちに伝えることができていると実感している。参院選に向けての力、「憲法改正」をさせない力になると思う。
 しかし、一方では「お前ら、何してるんや。あれは戦争をしないための法律や」と捨てゼリフを言い放ちながら立ち去る男性もいる。この人たちに対してねばり強く、日本を「アメリカ軍とともに戦争する国」にしないように訴え続けていこうと思っている。
山ア貢(すすむ)(憲法を生かす北区の会・代表)
根拠のない違法な懲戒処分
 2月に相談に来た女性は、婦人雑貨卸をしている会社で働いているが、1月に振り込まれた賃金が1万5千円少なくなっていたという。女性は労働基準監督署に相談に行ったところ、担当した職員が社長に電話し、労働者と合意なしに賃下げしたことは法違反だと説明した。社長は「1万5千円ぐらいなら勝手に引いても問題はないと考えていた」と返答し、賃下げはすぐに撤回されたが、2月上旬に「懲戒処分通知書」を手渡され、そこには「降格処分で2万円減給する」と記載されていた。女性は納得できず、ユニオンに加入し、交渉することになった。
 降格処分の理由は、「上司と言い争いになったこと」、「1年半にわたり、土曜出勤に仕事をさぼっていたこと」。ただ、この問題は昨年9月に厳重注意を受け、その後は改善されていた。職務に専念していなかったことは事実だが、土曜日は自由出勤という認識があり、仕事も少なく、上司に仕事がないことを報告すると、好きなことをしていればいいと言われ、1年半も誰からも注意されたことはなかったという。これはたしかに処分の対象になる可能性はあるが、問題は手続きにある。
 懲戒処分を行う場合、就業規則などで懲戒処分規程を定めておく必要があり、就業規則は周知されていないといけないが、この会社では周知されていなかった。これでは懲戒処分はできない。
 交渉での社長の回答は、「他の社員からは、女性の賃金をもっと下げろと言われたが、1万5千円で勘弁してやった」「法違反を指摘されたから1万5千円は撤回した」「社労士に相談したら懲戒処分通知書を書いてくれ、金額は社内で決めて書いた」である。何とも大雑把な処分の決め方である。
 「降格」の内容も質問したが、格になるような役職や等級もないと社長は回答した。これでは降格の意味が理解できず、2万円の根拠もない。
 相談した弁護士からは「負ける可能性の方が大きい」と言われたが、それでも第三者に意見を聞いてもらい白黒をつけたいと言う。社長としての資質や品格を持って冷静な対応をしてもらいたい。
木村文貴子(神戸ワーカーズユニオン書記長)
至福のとき
 3年前からやり始めた週2回ペースでの筋トレ。上腕、胸、腹、背、臀、太腿、ふくらはぎ、脚の筋肉を鍛えてきたお蔭で「腰部脊柱管狭窄症」から来ている坐骨神経痛がなくなり、歩くのも、集団行動もできる自信もついたので、思い切って参加したのです。「童謡コーラス歌仲間で行く 音楽の街 ウィーン・ザルツブルグ7日間」の旅に。
 歌うことが好きで何カ月もかけて練習もし、ウィーンの建築についても、宮殿についても、美術館についても、世界遺産についても、それなりに学習しました。
 最大の目的は、オーストリア人の前でドイツ語で歌うことです。もう朝からわくわくです。その日、朝6時半から、朝の弱い私はストレスでしたが、ホテルのすぐ横を流れるドナウ川の川面を黄金に輝かせる日の出に遭遇したのです。なんと幸せなことか!まさに「早起きは3文の得」を味わわせてもらいました。
 日は2月13日、女帝マリア・テレジアの父、カール6世が、ペスト鎮静を祈願してバロック建築の巨匠とその息子に建てさせた、ウィーンでも有名なカールス教会がコンサートの会場なのです。カールス教会は入り口の両サイドに大きな円柱が立ち、この教会を捧げた聖人カール・ボロメウスがペストを鎮める物語が刻まれているそうです。
 夕方7時半から本番です。教会なので暖房はなく、寒さを堪えて、メンバー総勢60人余りが静まり返ったドーム内へと靴音を響かせながら入ると、楕円形の天井に描かれた素晴らしいフレスコ画が目に飛び込む。天井だけでなく、四方の壁面にも同じような女神、天使たちの絵、そして巨大なパイプオルガン。じっくり鑑賞したいのを抑えて、太陽の光が差し込むようなイメージに女神がいる正面をバックに階段を上がる。いよいよ本番スタート。指揮者を見る。楽譜を開く。一つ深呼吸をする。お客様はなんと300人。若き指導員が手分けして片言のドイツ語で呼び込みをしてきたのです。オープニング曲は、われわれの歌仲間でウェルナー作曲の「野ばら」、そしてジルヘル作曲の「ローレライ」をドイツ語で歌いました。先生たちもドイツ語曲、イタリア語曲、日本語曲を5、6曲、そして再び私たちが日本の歌も入れて5曲歌いました。ピアノ伴奏とともに歌声が教会のドーム内に響き渡り、「私は今、ウィーンの教会内で歌っているんだぁ」という実感に浸り、胸が熱くなり、夢の世界にいる心地良いものでした。生きていて良かった、の一瞬でした。
 巷では「戦争法反対」の運動が忙しい時に、ごめんなさい。これから頑張ります。まずは5・3集会へ。
(純)