「新社会兵庫」 3月8日号
 夏の参院選も目睫の間に迫った。ここにきてやっと民主、共産など野党5党間の選挙協力が少しだけ動く気配が出た。いままで国政の共闘には距離を置いてきた共産党が1人区での擁立見送り、選挙協力に一歩踏みだしたことは評価していい。まだ兵庫選挙区での選挙戦の隊形は不透明なところもあるが、本紙既報のように「連帯兵庫みなせん」も一定の期待を集めている。なんとしても安倍改憲の野望は挫かなければならない▼ところで先日、『月刊まなぶ』3月号で『この経済政策が民主主義を救う―安倍政権に勝てる対案』という出版広告が目に留まった。著者は立命館大学教授の松尾匡さん。彼は自著『新しい左翼入門』あとがきに自身が書いているように、かつて神戸大学大学院に在籍していたころ、新社会党のわれわれと少し“親しく”していたこともある▼その彼の主張、ギリシャやスペインなどいまヨーロッパの注目をよぶ運動のキーワードは「反緊縮」。安倍を迎え撃つ日本の対抗勢力が景気拡大策を掲げるのに躊躇していては勝てるはずがないと喝破し、日銀が国債買ってゼロから金をつくり福祉ももっとやれという。彼の論の当否は措いて、参院選前に一読もいいのではと思った。
希望はここに。つながれ野党!「連帯兵庫みなせん」が出発
■発足T 2月14日、神戸市立婦人会館で佐藤三郎 (護憲円卓会議ひょうご・世話人代表)、羽田尚子(安保関連法に反対するママと有志の会@兵庫・発起人)の呼びかけによる「野党共闘を求める市民・政党討論集会」(第2弾)&「連帯兵庫みなせん」設立集会を開催した。
 政党からは、民主党兵庫県総支部連合会、 日本共産党兵庫県委員会、社会民主党兵庫県連合、生活の党と山本太郎となかまたち大阪総支部、新社会党兵庫県本部、緑の党グリーンジャパン兵庫県本部の6党と市民、総数175人の参加があった。
 「あきらめない」「つながろう」「希望」を旗印に、世話人ママの作成した黄色ロゴマークを掲げ合った発足記念の写真には、どう工夫しても参加者の半数も入りきれなかったが、立ちはだかる多くの困難もみんなのパワーで乗り越えようとする気迫と明るさを伝えてくれる写真撮影をもって集会を終えることができた。

■発足U 「安保関連法の廃止をめざす市民選挙・連帯兵庫」(愛称=連帯兵庫みなせん)の発足集会に「野党6党&市民総勢175人」の参加は県内政治史上で初めての出来事であり、政党も市民もこの事実を大切にして、夏の国政選挙にどうしても繋げなければならないと、改めて身のひきしまる思いである。
 第2次安倍内閣発足4ヵ月後の2013年4月、「護憲派結集」をめざす円卓会議主催の政党・市民の最初の討論集会には社民、新社、緑の3党と市民は150人が参加、定員オーバーで20人余が立ったままで討論に加わるという熱のこもった集会だった。
 この会を主催した私たちには、「安倍の壊憲暴走を押さえる核となるべき護憲政党・市民の結集」が意識の中心にあった。集会には護憲共闘を願う社、共、緑等の各党を支持する市民活動リーダー層の多くが参加したのに対し、2・14集会では約半数はこの3年間の集会参加名簿に見当たらない初めての人たちであり、高校1年生からの申し込み、若いママ達、「あすわか」の女性弁護士、茨城・埼玉・奈良からの参加等は、新たな大きな「希望」と感じた。

■課題 「夏の参院選に負けてもあきらめない、秘密保護法・辺野古・非正規の闘いを続けるのだ!」「参院選で2/3議席を取られてもすぐにファシズムに支配されるわけではない、あせってはいけない!」「2000万人署名に全力で取り組めば、参院選勝利につながる」……そんな声が出されてきた。
 「次の参院選は日本の戦後体制の分岐点だ。今だからこそ一緒に取り組まないと!」。そんな声かけを、人生をかけて自ら選んだ課題に集中している昔からの知り合いにした際にも、この様な発言が多く返ってきた。これらの発言が誤りとは思えないし、共感することも多くある。だが言葉は、それが発せられた場面やその人の行動との関係によって持つ意味が異なってくる。
 「野党共闘なくしては参院選は敗北あるのみ。どう本格共闘を実現するか」、そんな討議の場が昨年の12・5集会以降だけでも11回あったが、時にそんな場でも出されてくる上記のような発言は、力量不足を承知で歩み始めた高齢者や経験の乏しい若い世話人たちにとっては、その精神的な重圧はかりしれないものがある。

■お願い 2月23日の第1回世話人会でこんな声が出た。「今日はさみしいねー」。この所、多くの会議に参加してくれている1、2歳児のこども達の姿がなかったからだ。錯綜するやり取りの中を幼児達が歩き回る、そんな会議で戦後日本の未来を左右する重い中身の論議が行われている。それは「新たな希望」の出現である。それは市民運動側の成果だとは言い難く、3年余のアベ暴走がファシズムへの扉を広げる氷結点まで4ヵ月に迫っていることを肌で感じる人たちが居たたまれず自ら立ち上がったものなのである。
 「連帯兵庫みなせん」は、世話人27人、代表世話人7人、賛同人108人(2月14日現在)の組織であり、全国的にみれば大きい方に入るかも知れないが、県下12の衆院小選挙区ごとの「みなせん」(みんなで選挙をやろう会)の結成、既存の「9条の会」や「憲法を生かす会」などの団体とのプラットホームづくり、野党政党間の接着材役等の大きな課題を担うにはまだまだ非力である。
 歴史をもつ既存の市民団体を支えてこられた経験豊かな方々が、最低この4ヵ月、共に知恵と労力と資金カンパのお力添えと会への賛同を寄せてくださるよう、とり急ぎ切におねがい致します。

佐藤三郎(連帯兵庫みなせん・代表世話人)
【連絡先】 078-733‐3560 minami2satou@kxa.biglobe.ne.jp
“粘りと頑張り”で勝利
 2014年10月、兵庫県下のパチンコの景品交換の業務を担っている親和福祉会の営業職と事務職の従業員が武庫川ユニオンに加入し、11人で親和福祉会社員分会を結成した。分会結成の経緯は、会社宛に2通の匿名投書があり、1通は「営業担当者がセクハラ行為を働いた」という内容で、もう1通は「役員の行為に社会的な問題がある」という告発だった。
 会社は2通の投書に対し、正反対の対応をしてきたことから従業員の怒りが爆発した。営業担当者には「匿名の投書ほど信憑性のあるものはない」と始末書の提出を求め、退職勧奨を行い、役員宛の投書については従業員の中の1、2人を容疑者として、犯人探しが行われたのである。
 もともと、役員が従業員を罵倒することが当たり前のような職場だったので、投書問題と合わせ社長をはじめ役員にパワハラ行為の謝罪を求めた。10月から団体交渉が開始されたが、会社はパワハラ行為を一切認めようとしなかった。また、春闘の交渉でも回答の根拠を一切示さない不誠実な交渉が続いた。
 ユニオンは兵庫県労働委員会へあっせん申請を行ない、一旦収束するかに見えたが、今度はあっせん案を盾に、不誠実交渉に終始するようになった。ユニオンは「労働委員会のあっせん案を理由とした不誠実交渉は団体交渉拒否の不当労働行為である」と救済申立てを行った。
 結局、2015年11月18日に兵庫県労働委員会で和解が成立し、12月には団体交渉でパワハラ防止の協定書を締結するに至った。この間、団体交渉は12回を超えた。団体交渉には組合員全員が参加し、同じ回答を繰り返す会社に対し、あきらめず、パワハラの責任を追及し続けた。正式な理由は不明だが、この過程で社長と常務が退職するという事態になり、結果として勝利の和解が成立した。本社の女子従業員による1日4回のお茶組み制度も「財政上の理由」ということで廃止になった。
 今回の勝利は、組合員たちがとにかく明るく、あきらめず、全員参加で闘い続けたことだ。要求が前進しなければどうしても内部の不団結が起こりがちだが、親和福祉会社員分会は、運動でそれを克服したことが大きな勝因であったといえる。
小西純一郎(労働組合武庫川ユニオン書記長)
子どもが主役の中学校給食を
 2015年11月から神戸市の中学校給食が全校で開始される予定であった。子どもたちが小学校5年生の時ぐらいにこの話を聞き、すごく喜んだのを覚えている。共働きのわが家は、小学校の時代も、夏休み中は学童保育を利用しており、毎日この時期は弁当をつくらなければならず、大変だった。中学校では、夏休みだけではなく毎日のことになるのが非常に憂鬱であった。
 私自身、大変な偏食家で給食は苦手であったが、親の立場になるとこれほどありがたい制度はない。栄養バランスを考えて、その年齢にあった量も考慮してくれている。1日の内で1食でもきっちりしたものを食べていると思うと、仕事で疲れて帰った時も、手抜き料理でもいいかとすごく楽な気持になれた時もあったりした。
 2014年に子どもたちが中学校に入学する前の学校説明会にも、事前に配布された用紙に「聞いておきたい事」の欄があり、双子ならではの特権で2枚の用紙を使い、一体いつから給食は始まるかを質問した。保護者向けの中学校生活の説明のほとんどの時間を、校長が給食について説明したのを鮮明に覚えている。
 しかし、この時点で疑問に思う事もあった。まず、給食と弁当どちらでも選べるということ。民間のデリバリー方式であるということ。給食と弁当のどちらがいいかと子どもに聞けば、弁当がいいというに決まってる。弁当には嫌いなものはほぼ入らないからである。果たして、これが給食と言えるのか?また、とりあえずは民間デリバリーにして給食制度を開始させ、民間に競争をさせてより良いものにということであったと思う。
 いろいろ思う所はあるものの、それでも心待ちにしていた。もうすぐ給食開始という時期に娘が給食のメニューが写真になったチラシを持って帰ってきた。それを見て、頼むから給食を頼まずに、弁当を入れてほしいと真剣に頼まれた。確かにデリバリー方式の弁当に毛が生えたような給食はお世辞にも美味しそうには見えなかった。それでも、1ヵ月は給食を試してみないかと話し合ってた矢先に、異物混入事件があり、東灘区と西区以外の中学校給食は休止となった。本当に腹が立ってくる。
 ここまで書いて気がついたが、中学校給食に対する親の期待が大きすぎ、肝心の子ども達が置き去りになっているのだ。そもそも、給食は子ども達のためにあるべきである。今回、仕切り直しになって会議が始まっていると聞くが、主役の子ども達のことをしっかり考えて議論をしてほしいものである。より条件を下げて、再開ということは同じ過ちをおかすことにつながる。きっちり理念を持って臨んでほしい。主役不在の制度では意味が無い。
(YS)