「新社会兵庫」 2月23日号
- どこまで国民をなめとんか!―こう叫ばずにはいられないほど、自民党議員の不祥事、失態がつづく。若手議員だけではない。首相に最も近い閣僚の1人が賄賂疑惑で辞任、放射線量の目標数値を「何の科学的根拠もない」と放言しては撤回・謝罪に追い込まれた環境相、「歯舞群島」を読めなかった北方担当大臣。そして、政治的公平性をめぐる放送局の電波停止について繰り返し言及する総務相。これはまさにメディアを自らの統制下に置くと言わんばかりの政治的姿勢だ。もちろん、いずれもが大臣失格である▼とにかく違う、感覚がおかしい。そう感じるしかない失態ぶりだ。彼らの感覚を狂わしているものがあるとすれば、それは権力の座にある者の驕り、高ぶりではなかろうか。“一強多弱”の今の国会の構造がそういう感覚や意識を醸成しているのではなかろうか▼だが、それはまさに彼らのリーダーたる安倍首相そのものの政治姿勢ではないか。国会議員の憲法尊重擁護義務を定めた憲法99条などはおかまいなしに、明文改憲、9条改憲の意欲をあからさまに公言し、改憲の気運を煽っている▼比例での絶対得票率がたった17%の、いわば虚構の上に立つ強権・独裁政治を許してはならない。
- 「緊急事態条項」は必要ない 必要なのは立憲主義の回復
-
多くの世論が反対する中、安倍政権は昨年9月、安保関連法(戦争法)を強行成立させた。成立後、安倍首相は「成立はしたものの、まだ法案について国民に理解していただくよう努めなければならない」旨を語った。理解が深まっていないものを成立させるという本末転倒なことを行った政府・与党、これに同調した政党に憲法について云々する資格はないということをまず指摘したい。
新年早々から始まった通常国会でにわかに浮上してきたのが「緊急事態条項」規定の改憲問題である。自民党はこれを契機として、夏の参院選で改憲問題の争点化を図ろうとしている。大規模災害等の緊急事態に対して憲法が沈黙していることを問題視し、こうした是正ならば国民の理解が得やすく、改憲可能と踏んで、それを突破口に、9条を含む全面改憲(自民党憲法改正草案)を実現させたい戦略なのだろう。「緊急事態条項」がたいへん危険な規定であり、いわゆる「お試し改憲」の類ではないことを以下指摘する。
そもそも、「緊急規定」とは何かといえば、憲法の効力を一定期間停止してしまうというものである。自民党改憲草案によれば、武力攻撃、内乱等社会秩序の混乱、大規模な自然災害等において、特に必要があるときは「宣言」を発し、政府の出す命令(政令)に法律と同じ効力(人権制約、政府の命令に従わなければ刑罰を科すことも可能)を付与できるとする。これらについては事前または事後に国会承認を受けるとしている。
一見、もっともらしく規定しているが、相当な問題がある。まず、「緊急事態」の定義が大規模災害のみならず、「社会秩序の混乱」という極めて抽象的な状況でも発動しうることである。また、「憲法停止」を災害地域のみならず国内全土にまで広げられる、さらにその効果が、「移動や居住等の自由」等一部の人権制約だけでなく、すべての人権、国の統治機構全般にまで及ぶ無制限な内容に読めるということである。国会の承認可否権がある以上、「独裁」などありえないというが、そもそも「議院内閣制(議会多数派により政府を構成)」の下、政府決定に反対の意思を示すことができるのかという本質的な問題がある。その意味では国会承認も全く意味のないものである。
それでは世界各国で「緊急事態条項」はどのように扱われているのか。「緊急事態」とは@「戦争(防衛)事態」、A「自然災害等の国内混乱状態」におおよそ区別している。また、発動される地域についても「全土または一部」と明確な国もある(ドイツ、ロシア等)。
人権制約についても移転、居住、財産権を対象としたものが多いが、本質的には必要最小限度の制約という考え方から、憲法に明記する方式(ドイツ、韓国等)や制限できない人権条項列挙方式(ロシア、ポーランド等)がある。このように発動の定義や厳格な制約要件を指定するというものが各国憲法の潮流である。
戦前、明治憲法下では「緊急勅令」によって悪名高い治安維持法の最高刑を死刑にした経験を持つ。「緊急権」を逆手に取って国政が歪められた(軍部独走・独裁)というのが史実である。
日本国憲法が審議された制憲議会において、なぜ緊急事態条項がないのかといった議論もあったが、当時の金森憲法担当大臣は以下のような答弁をした。「緊急勅令及び財政上の緊急処分は行政当局者に取りましては実に調法なものであります。しかしながら、調法という裏面におきましては国民の意思をある期間有力に無視し得る制度であるということが言えるのであります。だから便利を尊ぶか、あるいは民主政治の根本の原則を尊重するか、そういう分かれ目になる……」と述べ、その必要性を退けた。
では、現行憲法では大規模災害等に対応できないのか。この点について、津野修元内閣法制局長官が次のように答弁している。「いわゆる国家緊急権が設けられなかった理由が答弁として残されているわけでありますが、ただ、日本国憲法のもとにおきましては、例えば、大規模な災害や経済上の混乱などの非常な事態に対応すべく、公共の福祉の観点から、合理的な範囲内で国民の権利を制限し、国民に義務を課す法律を制定することは可能であり、これまでにも、災害対策基本法、国民生活安定緊急措置法などの多くの立法がなされているところでございます」。このように既存の災害救助法制などの充実をもって十分に対応可能であると明言している。
立憲主義を破壊し、違憲立法を乱発する政権・与党に憲法について語る資格はない。権力者の甘言に惑わされてはならない。
鈴田 渉 (全国憲法研究会会員)
- 過重労働が常態化の運輸業界
-
京都に本社がある中堅の運輸会社で働いていたドライバーのAさんから相談があった。Aさんは、1年契約の契約社員として、神戸支店で14年間働いてきた。毎日夜9時から翌朝までの勤務シフトが組まれ、昼夜逆転した生活のためだんだんと体調不調となった。
昼間眠れないため、病院で睡眠薬を処方してもらっていたそうである。有給休暇も認めてもらえず、そのため38日分を保有していた。上司に業務の軽減を求めたが聞いてもらえず、薬袋を見せても一緒だった、という。
ある日、上司のひどい仕打ちに遭い、衝撃的に退職願いを出し、その後、ユニオンに相談に来たのであった。
ユニオンは、直ちに退職願いの取り下げと、暫くの間有給休暇を利用して休むことを通知し、サービス残業分の未払い賃金について支払うことなどを要求書として提出した。
ユニオンは「過重労働による体調不調の状態で提出した退職願いであり、無効である」と主張したが、会社は「受理した退職願いはすでに決済済みで取り下げは認められない」と主張し、交渉は平行線となった。
本人とも協議した結果、長期化することは避けたいという意向のため、やむを得ず退職条件について協議することにした。その結果、未消化分の有給休暇の買い上げと、過去2年間分の未払い賃金を会社が支払うことで合意し、解決した。
最近、バスやトラック運転手の過労運転が問題になっているが、この会社もご多聞に漏れず、サービス残業やカラ点呼が当たり前になっていた。
Aさんは「このままでは事故を起こしかねない」と退職を選択したが、大惨事を引き起こしてもおかしくない労働実態である。過酷な労働を1年契約の非正規という雇用形態で行わせていることからも、労働者を使い捨てにする企業体質が浮き彫りになる。こうした雇用の劣化への歯止めと、業界全体の体質改善が喫緊の課題だと考える。
西山和宏(あかし地域ユニオン委員長)
- 青年との関わり方
- 青年との関係を作るために何ができるかと模索しているなか、ある講演会で青年との関わり方について講演されていたことを思い出した。内容は、青年と関わり組織していくためには、青年が話をする事をとことん聞いて共感することができるか?青年と同じ目線で話ができるか?ということだった。話をするなかで、アドバイスはしても、過去の実績の話や自分の考えを押しつけたり、「〜でなければならない」といった話はタブーだということだった。ただでさえ年配者とは話しにくいのにこういうことを言われると余計に話したくなくなる。年配者の方々は、そんな話をしているつもりはないだろうが、青年との信頼関係を築くためには同じ目線で話をすることができるかどうかが大事だということだった。
その話を聞いて、私は昔ある人に言われたことを思い出した。労働組合の役員をしていた時に、「一つの事だけを見聞きして行動するのではなく、人の話をしっかり聞いて広い視野で物ごとを見て話をしないと組合員どころか、自分の近くには誰も寄って来ないよ」ということだった。また、「『学習と交流』も大事だがひとつ間違えば押しつけになる。人を組織しようと思えば、自分も言いたいことはあるだろうが、相手の言い分も聞いて話をすること。けっして自分の主張のみで終わらないようにしないと人は組織できないよ」ということを聞いたのを思い出した。
必ずしも聞くことだけで人を組織することはできないし、青年のみならず人を作り組織するということは難しいことだ。相手の目線に立って話をし、信頼関係を作り組織していく。時間も動力もかかるが、このことが組織の拡大になると信じて私は活動していきたいと思っている。
安全保障関連法(戦争法)が成立し、次の選挙では「憲法改正」が争点になる。
今なお世界中で紛争やテロが頻発して起こり、尊い命や生活していくすべさえ奪われている。戦争や争いから生まれるものは悲しみと憎しみと復讐心である。どれだけの人の命が犠牲になり、どれだけの物が破壊され傷つけられればこの世界は満足するのだろうか?
「憲法改正」に反対し、戦争法を廃止させよう。その行動の一環として、新社会党兵庫県本部の青年委員会で昨秋から街頭行動を始めた。「戦争法廃止にむけて自分たちも何かできることはないか?」という委員会での議論がきっかけだった。シールズのようにはいかないが、「戦争をしない、戦争をさせない」ことを道行く人たちに自分の言葉で伝え、アピールしていこうということになり、それぞれが訴える内容は自分で考えてマイクを握っている。少ないメンバーだが、いろいろな方に手助けをしていただきながら、月に1回、それも夜7時からという設定で戦争法廃止に向けて取り組みをしている。今後も継続して取り組みを行なっていくので、青年党員、青年党友の皆さんの参加をよろしくお願いします。戦争法廃案の取り組みを一緒に強めよう。
(TI・40歳)
|