「新社会兵庫」 6月23日号
- 最近は「産業」という言葉に「雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る」といわんばかりの臭いが漂う▼文科省は「産業」の要請により、大学の編成を見直すという。理工系などを強化し、社会科学・人文系に対しては「産業」に役立っているかどうかを見定めて、学部の存続も含めて予算配分などを考慮するという▼近頃目立つ政権の勇み足の言い損ないだろうが、産業を国益とまで言っている。産業の利潤を生み出すのはもっぱら理系だということなのだろうか▼社会のあり方、人間の思考能力、判断力などを研究・養成する社会科学・人文系は一段下ということだろうか▼利潤を生み出す、限りなくロボットに近い人間こそが必要なのであって、思考力、批判力、判断力は必要ないということか▼ところがどっこい、自分たちの通したい法案のために憲法を合わせたという大臣が現われた。憲法が土台の立憲主義が理解できないようでは、社会科学のランクを落とすわけにはいかない▼わが神戸が目指す医療産業都市構想はどうか。医療を産業として、真の人間精神から乖離させていないか。ポーアイの突鼻で、先端医療騒ぎが起こっているのに、市民病院を移動させた神戸市の加担はないのか?
- 辺野古新基地建設阻止
「オール沖縄」から「オールジャパン」へ-
国内世論は新基地建設反対
辺野古では新基地建設に向けた政府の横暴が続いている。しかし、現地での反対闘争には全国からも多くの人が駆けつけ、非暴力の抵抗も続いている。
こうしたなかで世論は大きく動き出している。今年4月21日付の朝日新聞が報じた世論調査結果は、@「辺野古をめぐる政権対応」評価せず:55%、評価する25%、A「翁長知事の対応」評価する:54%、評価せず28%、B「辺野古移設を唯一の解決策と説明する政権の姿勢」納得せず:53%、納得する29%、C「普天間の移設先」:県内27%、本土15%、国外45%だった。また、琉球新報社と沖縄テレビ放送が5月末に合同で実施した県内電話世論調査では、米軍普天間基地の県内移設に反対する意見が計83・0%に達した。
辺野古新基地は普天間の移設ではない
私たちは辺野古の基地建設を普天間の移設ではなく新基地建設だと訴えている。
その理由は、@滑走路は、普天間基地では1本だが、新基地では1800メートルのが2本となっている、A新基地には300メートル近い岸壁が建設され、4万トンを超える強襲揚陸艦が接岸できる軍港機能を持ち、空と海からの海兵隊の一大出撃拠点として建設が計画されている、B新基地には普天間基地にはない広大な弾薬搭載エリアが建設されていることなどである。そして、新基地はキャンプシュワブや辺野古弾薬庫と一体運用され、その面積は普天間基地の約5倍となるとともに、キャンプハンセン、高江など北部訓練場、伊江島飛行場などとも連動して、耐用年数が200年ともいわれる巨大基地を中心とした米軍の軍事エリアが形成されることになる。
戦後70年を経た現在もなお、国土面積のわずか0・6%に過ぎない沖縄に在日米軍専用施設面積の約74%に及ぶ広大な面積の米軍基地が存在しているにも関わらず、辺野古新基地建設により更なる沖縄の「植民地化」が進んでいくことは明白である。
改めて、辺野古の基地建設は普天間の移設などではなく新たな巨大基地建設であることを訴え、政府の横暴を止めなければならない。
「オール沖縄」から「オールジャパン」へ
5月17日、「戦後70年 止めよう辺野古新基地建設! 沖縄県民大会」が那覇市で開かれ、3万5千人が参加した。
この県民大会で翁長知事が行ったあいさつは、まさに沖縄県民の思いを語ったものであった。「基地の危険性の除去がこの問題の原点だと言っていますが、沖縄から言わせると、さらなる原点は普天間基地が戦後米軍に強制接収されたことにあります。自ら土地を奪っておきながら、普天間飛行場が老朽化したから、世界一危険だから、辺野古が唯一の解決策だ、沖縄が負担しろ、嫌なら沖縄が代替案を出せ。こんなことが許されるでしょうか。私はこのことを『日本の政治の堕落だ』と言っているわけであります」と政府の姿勢を厳しく糺した。
あいさつの最後には、「ウチナーンチュ、ウシエティナイビランドー(沖縄の人をないがしろにしてはいけない)」と声を張り上げ拳を突き上げ、会場全体がスタンディングオベーションで翁長知事と思いを共有した模様は、まさに「オール沖縄」の姿であった。
5月24日には「国会包囲ヒューマンチェーン」が行われ、国会議事堂を沖縄・辺野古の海を象徴する青い服などを身に付けた1万5千人もの人々で包囲した。沖縄の参加者からは、「沖縄はこれ以上の基地と差別を許さない。オール沖縄の闘いからオールジャパンの闘いへと広げてもらいたい」と力強い訴えがあった。
平和に生きる権利を求めたたかう
新基地建設反対の運動は、沖縄を沖縄人に返す運動であり、まさに「沖縄を沖縄に返せ」と全国から発信していかなければならない。
政府は、いまだに大浦湾では民意を無視して海底掘削(ボーリング)作業を強行し続けている。辺野古現地では、全国からの支援も含め連日座り込みが続いている。たたかいの現地には、学ぶべきことが多くあり、一人でも多くの人が触れてほしい。
新規基地建設反対を目的とした辺野古基金には、発足から2カ月経たない6月3日に3億円を超えるカンパが集まったことが発表された。基金活用の第1弾は「ヘリ基地反対協議会」を支援することが決定されている。
沖縄・辺野古のたたかいは、全国闘争へと変わりつつある。安倍政権が進める戦争法制へのたたかいと合わせ、平和と人権を守るたたかいを力強く進めていかなければならない。
森 哲二(平和運動研究会)
- 若者に伝えたい
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気持ちは若者の41歳。日本がますます危ない雰囲気になってきたのに、自分の身の回りの人はほとんどが無関心。そこが一番焦っているところで、無関心な人に何とか現状を理解してもらうために、フェースブックなどでもわかりやすく訴えるようにしています。「若者に読んで欲しいコーナー」のつもりで書きました。
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そもそも ”憲法“ っていったい何? 「私たち国民が守らなければいけない法律みたいなものじゃないの」―これが、一番してはいけない恐ろしい誤解です。憲法とは私たち国民の行動や権利を制限するものではなく、国家権力者から国民の権利(命、財産、人権など)を守るために、国家権力を制限するものです。
そして、なんと言ってもその国民から命、財産、人権を奪い取ってしまう最たるものが戦争です。
そんな戦争ができないようにブレーキをかけているのが日本国憲法であり、憲法9条です。先の大戦で日本人は戦争だけは悲惨だからやめておこうと反省しました。その反省が日本国憲法前文に書かれています。そのお蔭で現在まで70年もの長い間、なんとか平和に暮らすことができました。
にもかかわらず、いま、この国の総理大臣は「憲法9条があるから戦争ができない。憲法を変えるのはハードルが高くて難しいから、勝手に解釈だけ変えて戦争ができるようにしよう」と本気で考え、実際に政治を動かしています。具体的には、日本が集団的自衛権を行使できるようにして、日本国内でなくても世界のあらゆる所で自衛隊が武力を行使できるようにしようとしていることです。しかも、その戦いは日本国民を守るための戦いではありません。アメリカの起こす侵略戦争に日本が一緒に参加させられてしまいます。
アメリカがどのように戦争を始めたか、歴史を振り返ってみます。2003年、アメリカは、イラクは大量破壊兵器を持っている大変危険な国だとして、国連の反対を押し切ってまでイラクへの攻撃を開始しました。客観的には侵略としか見えませんが、アメリカの理屈では、先制的自衛権があるから問題がない、となります。イラクの大量破壊兵器で攻撃をされる前に先に攻撃を始めたという言い分です。アメリカはイラクを破壊し尽くしましたが、結局、大量破壊兵器は見つかりませんでした。イラクはそんな兵器は最初から持っていなかったのです。こんな無茶苦茶なアメリカ本位の理屈で民間人を含む多くの人たちが命を落としました。
アメリカが、悪の国だと名指しする国と戦えば、集団的自衛権の行使で自衛隊が公にその国の人たちを殺すことになります。本来ならば日本の敵ではなかった人たちです。もちろん、反対に日本人がその国の兵によって殺されることもあるでしょう。もし、そんなインチキな自衛権を行使して他の国の人々を殺戮してしまうことになれば、憎しみは憎しみを呼び、報復には報復を、と取り返しがつかなくなってしまうことは容易に想像できます。私たち日本国民もテロの恐怖に怯えながら暮らすことになるでしょう。
このようなことを私たちは望んでいません。私たちは今もう一度、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、何としてもこの国の暴走を止めなければならないのです。
(S)
- 久しぶりの労働相談
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今年に入って相談が極端に少ない。そのことを4月21日発行の「はりまユニオンニュース」に書いた。すると、4月28日昼前、「昨日、クビだと言われた」と相談の電話があった。愚痴も言ってみるものだと思った。
解雇問題なので早速、その日の夕方に面談をした。
相談者は、従業員10人程の運送会社で30年働いている。賃金は固定給と歩合給。配車係が彼を嫌い、不利益な配車をしてくるので歩合給が少なくなる。何回となく社長に言ったが、改善されない。ついに怒りが爆発し、社長に「お前になんぼ言っても改善されへんやないか」など乱暴な物言いで抗議をした。
すると社長は、「気に入らんかったら辞めてもらったらええやないか」と言い、社長に暴言を吐いたと「解雇」された。
困ったことであるが、従業員が少し不満を言うとすぐ「クビだ」とか、「気に入らんかったら辞めたらええ」と言う社長が非常に多い。
労働者の方も頭にきて、「辞めたる」と仕事に行かなくなることが多い。
しかし、腹が立つし、生活が困る。そこで労基署やらあちこち相談に行って、どうにもならずユニオンに来る人が多い。そうなると互いに感情がこじれてしまっていて職場に戻るのは難しくなる。
今回の相談者も「生活があるので辞めたくない」のだけど、「社長に腹が立つ」ということだった。
昨日の今日の話なので、乱暴な言葉を使ったことだけ「言い過ぎた」と謝罪したら、解雇は取消になる可能性が高い。取消されなくても、言い方が悪かったことを謝っておいた方が、今後、有利に運べる。労働条件や配車の不満は職場に戻って生活の心配をせずにじっくりやればいい、とアドバイスした。
結果、本人が謝り、社長は分かったと「解雇通知書」を破り捨てた。
そして、彼はユニオンに加入して、じっくり職場の改善を進めていくことになった。塩谷 明(はりまユニオン書記長)
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