「新社会兵庫」 2月10日号
 「家事場のパパヂカラ」―これは、平成26年度男女共同参画週間(6月23日〜29日)のキャッチフレーズだった。ちなみに、テーマは「男性が、企業人としても家庭人としても豊かな生活をおくるために、長時間労働を減らして、女性と共に家事・育児・介護・地域活動に関わりたくなるようなキャッチフレーズ」である。政府は、すべての女性が輝く社会づくりこそ、強く豊かな国へつながる潜在能力を活かす道だと大号令をかけている▼“パパヂカラ”は発揮されるようになったのか。現実は、男も女も、働く場を失いたくない一心で限界まで長時間労働を続けている。非正規=短時間労働とは言えなくなった働かせ方である。男女ともに、健康で、家庭生活と両立でき、地域に関わっていくためには、労働者は生身の人間であることを再確認することから始めねばならないようだ▼政府の「女性が輝く政策パッケージ」には、残念ながら労働時間を規制する方向は皆無である。反対に、際限なく働くことを余儀なくされる規制除外等の改悪法案が今国会に準備されている。身近な女性の活躍を地域ぐるみで応援する新年度のキャッチフレーズが募集中だが、「私は人間、ノー! 法改悪」と叫ぼうか。
危うい介護保険制度の見直し/問われる介護の理念と哲学
 2000年4月から施行された介護保険法により各自治体は3年ごとに介護サービス量や介護保険料を決めた介護保険事業計画を策定する。来年度からの3年間の第6期事業計画は、この3月議会で決まる。施行当時の介護保険財政は4兆円程度であったが、他の社会保障制度と同様に高齢化のために10兆円に届く財政規模となる。
 安倍政権は、社会保障制度改革プログラム法にもとづき昨年6月に成立させた「地域医療・介護総合確保推進法」で介護保険制度の見直しに乗り出した。団塊の世代が後期高齢者になる2025年には現在5,000円弱の全国平均介護保険料が8200円に跳ね上がるとしている。見直しの考え方では、「自助努力を喚起させる仕組み」「住民相互の助け合いの重要性」などが強調されている。見直しの趣旨は、介護の社会化という“公助”による高齢者の自立支援から“共助”という色合いの強い地域包括ケアシステムの構築という地域支援による介護に移行していくということだ。
 介護保険制度見直しの大きな問題のひとつは、高齢者を支える地域包括ケアシステムとは何かである。厚労省案では、医療と介護の連携、認知症対策、地域ケア会議、生活支援サービスなどが列挙されている。地域のNPО、協同組合、元気な高齢者が介護の必要な高齢者を支援する。要支援1、2の介護予防給付事業のうち訪問介護(ホームヘルパー)と通所介護(デイサービスセンター)が介護保険から自治体の地域支援事業に来年度から3年間で移行する。これらの介護報酬単価は自治体が独自に決定できる。来年度から特別養護老人ホームへの新規入所者を原則、要介護3以上に限定する―などだ。
 もうひとつの問題は、保険料や利用者負担などの費用負担である。高齢者の所得上位2割ぐらいの被保険者の利用料を1割から2割負担とする。また、低所得の施設利用者の食費・居住費の補足給付の要件として資産1,000万円未満とする。利用者負担については、所得だけではなく、資産をも対象にする新たな考え方が導入されていることには要注意だ。
 一方、止まらない介護職離れの現実も報道されている。介護職員の退職続きと採用難である。介護職員の平均賃金は約22万円。メンタル不調で神戸ワーカーズユニオンの労働相談に訪れた34歳男性の介護労働者の賃金は手取り14万円弱であり、基本給は最賃を割り込んでいる。相談者は「親元でしか暮らせないし、結婚なんて考えられない」と明るい未来が見通せない話しぶりである。全国的にも介護職員不足のために入居者を受け入れられないという介護の崩壊も始まっている。
 来年度政府予算案では厚生労働省は介護報酬単価を2〜3%引下げで計上している。財務省は、特養などが溜め込んだ内部留保を吐き出させるためと言うが、さらに介護職の離職を促していくことになる懸念は大きい。
 次に紹介するのは、介護サービスを活用している後期高齢者の利用者の声である。彼は介護保険制度の創設前から特養の施設長として制度に詳しい利用者でもある。「新たな地域包括ケアシステムで『助け合いを』と掛け声が強調されているが、助ける方も、助けられる方も、ともに高齢者であり、共倒れは目に見えている。近所の90歳過ぎの高齢者が、買物に行くからと目の不自由な妻にわざわざ電話をかけてくれる。こんな政策が何年持つことか。介護保険事業の透明性が足りない。利用者に届くような全体像が示されていない。介護保険の収支や不足する介護の社会資本も示されていない」と、介護保険事業の在り方の問題も指摘している。
 さらに、「介護保険とは、必要な人に必要な介護を行うことによって自立を支えるものだったはずである。要支援者の生活の質を保ちながら介護度が高まらないようにするのが理念だ。介護職の生活が保障される“職業”でなければならず、年収300万円は必要だと思う。ヘルパーという職業は、1対1で生身の人間と向き合う究極の仕事であり、人間の尊厳を守る仕事である。介護保険制度の見直しでは、この当たり前な『介護の哲学』が見失われているのではないか」と、本質的な介護の在り方に立ち戻る必要性を力説する。問われているのは理念と哲学である。
菊地憲之(新社会党兵庫県本部書記長)
あきらめない
 3年前、早期退職をし、病気の治療と孫の育児の手伝いをしながら、何か落ち着かない日々を過ごしてきた。仕事中心の生活が、体にも考え方にも染みついていたことに気付き驚いている。3年が経ち、ようやく今の生活を受け入れ、少し楽しむこともできるようになってきた。何よりも、もうあの分刻みの生活には耐えることはできないと実感している。朝食をゆっくりと食べ、新聞を隅々まで読み、突発的な用事のために休暇をとるための算段をする必要もなくなった。病気も良くなっていくと期待している。
 また、地域で活動されている人たちの輪に少しずつ参加させてもらい、今後の生活の仕方のヒントをたくさん教えてもらっている。いつも時間をお金で買っていたようなザル生活をしていた私には学ぶことばかりだ。教えてもらったことを実行し、身につけるにはまだ時間がかかりそうではあるが、大切にしたい。
 家でテレビを観ることが多くなったが、同じニュースの繰り返しが多く、それより今、本当に必要な報道があるのではないか、意図的に必要なニュースを知らせようとしていないのではないかと感じることが多い。また、観る側に無意識なうちに先入観や差別意識を持たせるねらいがあるようにも思う。
 昨年末の総選挙の結果をもって、政府は戦争できる国づくりを超スピードで進めている。その動きに追いついていけない焦りや無力感を味わってしまう。「私は何もできないんだろうか。どうしたらいいんだろう」とモヤモヤしている時に、『標的の村』の上映会や、集団的自衛権行使容認に反対する行動に誘ってもらい、参加し、自分の思いを伝えることができてうれしかった。
 また、月1回の女性の学習会では本の内容を全部理解することはできなくても現状の把握を私たちなりにすることはできている。会議の後でお互いの近況や思い、愚痴なども出し合い、一人で悩んだり、暗く考えたりすることが少なくなっていると思う。
 大きな力で押し切られようとしている現実の、その前ではほんのささいな抵抗であるかもしれないが、あきらめずに、やれることを疲れないでやり続けていきたいと思う。新しく知り合うことができた地域の人や、娘やその夫たちとも関わりを深めて一緒に行動できるように、自分が今できることをやり続けていきたいと思う。
 そして、最近とくに思うことは、何十年経っても変わらない仲間(先輩たち)が、身近にいてくれて本当によかったということである。一人ではすぐにあきらめてしまう私であるけど、仲間と一緒なら私なりのペースで頑張ってついていけると思うからだ。
(KY)
会社の差別的扱いに団体交渉で対応
 こんにちは、但馬ユニオンの組合員のAです。
 『新社会兵庫』での3回目の掲載の機会をいただきありがとうございます。前回の掲載では労働条件や職場のことが詳しく紹介されていますが、私は、但馬地方の某自動車教習所に勤務しております。労働条件が悪いことや、私を職場から排除しようとする会社側の動きに危険を感じてユニオンに加入しました。
 去年、但馬ユニオンと会社との初めての団体交渉が行なわれました。1回目は6月14日で(『新社会兵庫』9月9日号に岡田委員長の報告として掲載されています)、2回目は9月6日でした。
 ただ1回目の団体交渉以降、私は病気になってしまい、2回目の団体交渉は不参加で、現在は休職中です。
 私が今後、団体交渉で会社に求めることは、
○所長の人事権(職権)の乱用があったのではないのか。
○会社に公平な扱いをしてもらいたい。この2つです。
 私の思いとしては、仕事の失敗に対して業務を外すなどペナルティを課すことは理解できますが、なぜ私だけを目の敵のようにして外すのか。他の職員にも失敗あるのに、客観的に見ても異常なほど他の職員と違いがあります。
 期待していた団体交渉に、所長は1回目、2回目とも参加せず、公の場で話を聞くこともできない状態です。指導員である前に労働者であるわけですし、ここまで業務を外されると仕事のモチベーションにも影響します。
 団体交渉以降は、去年の冬の賞与が私にはなかったです。労働組合員だからなのか、休職中だったからなのか、理由は分かりませんが、私にだけ支給がなかったのは事実です。かなりショックでした。
 現在、私は但馬ユニオンで副委員長を任されています。より良い社会生活・会社員生活を得るため、会社と団体交渉を頑張りたいと思います。
 各ユニオンの皆様、ユニオン所属の教習所の皆様、『新社会兵庫』の読者の皆様のご協力をよろしくお願い致します。
A(但馬ユニオン)