「新社会兵庫」 11月11日号
- この時期、年1回の健康診査を受けるが、「検査」「診査」という言葉に触発され、8年前が思い出されて、苦笑を禁じえない▼8年前、第1次安倍内閣発足直後、閣僚連中に政治資金その他の疑惑が次々と露顕した。この人物を大臣にして大丈夫か、スキャンダルにまみれていないか等々、事前調査が「身体検査」と言われ、手抜かりが責められた。揶揄もからめて「身体検査」は流行語となった▼今次は「身体検査」は行われたのかどうか、異常が出るわ出るわで3分の1を超える閣僚の名があがる。早期隔離か、2人が辞任に追い込まれた▼保守政治という「政活習慣病」に全員がとっぷりつかっている体質的な問題である。国会両院の数にアグラをかいた肥満体、相撲でいえば腰高・脇甘の体型では、自身もそうなっている安倍医師の検査などではどうにもなるまい。疑惑は今後も陸続きで、安倍政権の体力は衰え気味となろう▼姫様の恥はこのジィの責任でございます、という国家老がいて、切腹のつもりで選挙で選ばれた町長職を辞任するという一幕があっては疑惑の様も何百年もさかのぼった封建時代レベルである▼身体検査をするのは国民である。疑惑は許さないという国民の眼差しの矢をつがえよう。
- 宝塚市議会が“死に体”になった日
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そのことを知ったのは9月25日、市役所の食堂だった。民主党の女性市議から「9月24日に2008年3月の『意見書』見直し決議案が出た」と聞かされて心臓が凍った。すぐに、「朝鮮問題を考える宝塚市民の会」の仲間に連絡して対応を話し合い、作ったのが「宝塚市議会議員の皆様にお願い」文である。I女性会議をはじめ165の団体が賛同してくださり、みんなで議員一人一人にお願いに行き、市民派の議員の理解は得られた。しかし、自民党、公明党、宝政会(在特系)の壁が厚く、最後の手段として、私たちは「さらなる真相解明を」という決議案を10月7日に提案。10月8日の議会最終日、総務常任委員会で2つの決議案を4時間近く審議し、本会議で14対11で私たちの案は否決されたのだ。
「宝塚市は政府に提出した従軍慰安婦謝罪意見書を早く撤回しない限り、これからは反日の汚名を宝塚市議会は永遠に刻むことになる」という在特会の攻撃に屈した公明党は、「あの時は良かれと思って賛成した。なのに、結果は悪いほうになってしまった」と言う。
元民主党の決議提案議員は、「『あの意見書を出した宝塚』と日本中で言われ、韓国やアメリカにも注目されている。吉田証言が朝日新聞の誤報道と明らかになった以上、意見書の根拠は失われたから見直すべきだ」と言う。
6年前に全会一致で採択したこの意見書に賛成した8人の議員は、「こうなるとは思わなかった」と吉田証言とマスコミのせいにして問題から逃げている。
一度みんなで決めたことを取り消すにはそれなりの理由が必要だし、まず市民に謝るべきではないか……。私は宝塚市議会に“ウソも方便”“馬の耳に念仏”のおばけを見てしまった。
議会の傍聴席は宝塚市議会の行く末を案じる市民がいっぱいだし、在特会なんて一人もいない。そして、全国から届いた賛同のメールにも日本人の良心が埋まっていた。それに奈良では「ヘイトスピーチに反対しその根絶のための法を求める意見書」が10月7日に可決した。おお、光が見えるぞ!幸いなことに審議の中で彼らのムチャクチャな論理が明らかになってきたのでこれを武器にして闘い続けよう。
この2週間、苦しみ続けた仲間たち、そして10月8日、12時間傍聴し続けた約40人の仲間たちとともに、悔し涙をバネにして歩み続けよう。
戦後70年、日本の民主主義、日本人の人権意識が問われている。私は「宝塚市議会の民主主義」を、「日本人の良心」を、取り戻すことができると信じている。
とりあえず、11月の「第18回たからづか民族まつり」、12月の「第6回神戸朝鮮高校吹奏楽のつどい」の成功をめざして、レッツゴー!
(宝塚・手束)
- 現代によみがえる「女工哀史」C饅頭製菓
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8月の末に尼崎に寄せられた相談に正直、耳を疑った。相談者が働く千鳥饅頭製菓は尼崎市の金楽寺に工場がある和菓子の老舗だ。店舗は阪神間を中心に多数ある。お土産によく利用されて、武庫川ユニオン事務所にも時々届けられる。
相談で最も驚かされたのは、トイレの制限だった。Nさんは、午前中に2回以上トイレに行っていると注意された。そこで水分補給を控えた。結果、職場で倒れ、熱中症と診断された。Nさんは昨年の12月から一方的に時間給が5円引き下げられた。トイレの回数が理由と思われる。そしてNさんにトイレに行くように助言したYさんはボーナスが半分にカットされた。
就業規則は見せてもらえず、職場では有給休暇はないといわれている。NさんもYさんも昨年、家庭の事情で休暇届を提出して休んだが、賃金補償はなされていない。制服は入社時に支給されるが、Yさんは17年になるが支給は1回だけで以降は買わされる。帽子、手袋、タオルなど仕事で使用する物もすべて自前だ。雇用保険にすら加入していない。
ユニオンに加入し職場で仲間を増やすことをめざしたが、結局2人で分会結成に踏み切らざるを得なかった。彼女たちにとって、ユニオンに加入することは東京スカイツリーから飛び降りるかのような決意が必要であったようだ。ところが、加入通知後、職場は一変した。無給で行われてきた朝礼は勤務時間内となり、過去分の未払い賃金が組合員以外に支払われた。トイレは行くことの制限はなくなり、上司は優しく対応するようになった。
第1回団体交渉は10月15日に開催された。会社の対応は決して十分とはいえないが、本人の同意抜きに賃金を引き下げたこと、雇用保険に未加入者がいること、会社が制服や帽子、タオルなどを支給していないことは認めるしかなかった。
問題点は山積みだが、2人のユニオン加入で職場が激変したことは事実のようだ。男子社員が「変形労働時間制について聞いてくれ」とか、「就業規則を見やすくするようにいったらどうか」と言ってきているらしい。自分で闘え、と思いつつ、この変化をさらなる組織化につなげていければと話し合っている。
小西純一郎(武庫川ユニオン書記長)
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