「新社会兵庫」 1月21日号
- 年明け早々に昨年末のことを持ち出すのも無粋な感じだが、どうにも腹立たしさが増すだけの年末であり、12月であった▼まずは、あの特定秘密保護法案の強行可決である。そこで見せた政権の傲慢さを基本路線に、その直後、過去に3度も廃案になった共謀罪がまたもや浮上していることが報道される。そして、「戦争する国」へ突き進む道筋の「安保戦略」「新防衛大綱」「中期防」の決定だ。26日、突如の、と言うより時機を見計らっていたのか、安倍首相の靖国参拝。28日、ついに中央政権、自民党の圧力と甘言の前に沖縄県知事が辺野古沿岸部の埋め立て申請を承認した▼もちろん、これで辺野古の新基地建設がうまく運ぶわけはない。何よりも沖縄の民意にまったく背くものだ。普天間基地の1日も早い閉鎖を実現する道は辺野古への移設ではない。承認への抗議と撤回を求める声、行動は日々高まっている。ノーム・チョムスキー氏やオリバー・ストーン氏ら欧米の著名な識者、文化人らが辺野古への移設中止を求める声明を発表した▼当面の焦点は、当地の名護市長選だ。新基地建設反対の姿勢を貫く稲嶺進現市長の勝利を何としてでも実現させたい。本紙が届く時にはきっと勝利の報が流れていよう。
2014年・年頭に思う
- 地域や社会運動に関わる
JPネットひょうご(地域労働運動と連帯するひょうご郵政労働者の会) 事務局長 高橋 亮
「JPネットひょうご」は兵庫県内在住・勤務の郵政関係労働者を中心とした個人参加型のネットワークです。
2007年の郵政民営化以降、業務量を無視したコスト削減や効率化が推し進められ、ここに来て注目されるようになった「自爆営業」がエスカレートするなど、職場の労働条件は低下の一途をたどっています。
また、民営化と同時期に部内の2大労組が組織統合、会社とのパートナーシップや組織内の「融和・融合」を優先したこともあり、現場段階における労働組合の存在感は低下、郵政省時代から長年にわたり職場の「体質改善」(活動家排除)を目的に進められてきた「人事交流」で、現場労組組織の弱体化や、労働者間のつながりが希薄にされていましたから、それらが重なり職場の状況は極めて厳しいものとなろうとしていました。
そもそも兵庫の地では不当処分に抗した「人事院公平委員会闘争」や現職労組支部長の支部外への強制配転撤回を求めたいわゆる「酒井裁判」などの闘いを通じ、労働者意識を持った活動家層が存在していましたが、孤立したり、展望を持てず労働運動から遠ざかっていくような局面でもありました。
そのような状況下、既存組織への単なる批判勢力や不満の受け皿ではなく、失われた職場労働者組織の再構築と労働運動の強化・発展に向け、職場や所属組合を超えた交流や情報交換、企業内に止まらず地域労働運動や社会運動からも幅広く吸収していくために「JPネットひょうご」が存在しています。
結成から3年半が経過し、300人弱の会となり、ニュース発行や交流会などで会員間の繋がりや実態交流を強めつつ、「ひょうご地域労働運動連絡会」を基軸に、地域での闘いや諸取り組み、様々な運動に多くの会員が触れながら、労働運動の原点や地域と労働組合の関係について実体験を通して学んできました。とりわけ、反原発の取り組みや各地の解雇撤回の闘いに多くの会員が関わりを持てたことや、昨秋の韓国労働者大会への参加と郵政労働者との交流(JPネット大阪と共同で)で、小さな一歩ですが国際交流にも踏み出せたことは大きな意義があります。
2013年は特定秘密保護法の成立など、この国にとって大きなターニングポイントとなった1年でしたが、微力ながら私たちも労働者・生活者として意思表示する行動に関わってきました。
2014年も引き続き私たち労働者にとって今後の生き方を左右する重要な1年になると思います。「JPネットひょうご」としても地域の皆さんと繋がりをより強め、1人でも多くの郵政労働者が地域や社会運動に関わること、また職場内や労組運動の民主化に向けた具体的な動きを強める1年にしていきたいと考えています。
- 今年は「楽勝」を合言葉に
全港湾関西地方神戸支部 姫路伊藤分会書記長 梅村 健
2009年に新しくつくった労働組合を排除するために会社を解散され、解雇になってから今年で丸5年を迎えてしまいました。この間、「姫路伊藤闘争」にご支援いただきまして本当にありがとうございます。
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昨年は激動の1年でした。6月に神戸地裁姫路支部で不当判決を言い渡されました。組合排除のための会社解散は無効だと、親会社伊藤興業とイトウメタルに対し地位確認請求をしたのですが、裁判所は、組合を排除するのが目的でも会社を続けるのも止めるのも経営者の自由だという判決を下しました。裁判所がこのような判決を下してしまうというのは自分たちだけじゃなく労働者全体に関わる非常に危険なことだと思います。労働組合がイヤなら会社を潰して別会社でやればいい、と裁判所がお墨付きを与えたからです。裁判所が経営者の見方をするならわれわれ労働者はどこに訴えれば良いのか、不信感と疑問と怒り、そして敗北感に潰されそうになった上半期でした。
それから2ヵ月後の8月、兵庫県労働委員会での全面勝利命令という対極の結果が出されました。労働委員会では、親会社伊藤興業及び新設のイトウメタルと私たちが働いていた伊藤運輸の実質的な一体性が認められ、労働組合嫌悪の会社解散は不当労働行為であるので直ちに原職相当職に復帰させなさいというものでした。使用者寄りの判断をすると有名な兵庫県労働委員会ですら私たちの訴えを認めるのに、なぜ裁判所はあんな判決をしたのか?と喜びと共に怒りが再燃しました。
この命令を受けて完全復活し、今までより強い心で立ち向かうと決意できました
法廷闘争は大阪高裁に控訴していて1月31日に2回目の期日を迎えます。また、会社側が労働委員会命令の再審査請求をしたことによって1月24日に中央労働委員会で1回目の期日を迎えます。地裁での悔しい思いをバネに勝利を確信的なモノにするために姫路での現地行動を積極的に取り組んで参りますので更なるご支援をよろしくお願いいたします!
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昨年10月から、この4年間分会を牽引してくれていた分会長から闘争専従≠引き継ぎました。いつも明るく、楽しく!―が分会の持ち味です。2014年は「楽勝」を合言葉に頑張っていきたいと思います!
「楽勝」とは楽しく勝つという意味です。 スマイルをメイクしながら勝利できるように今年も頑張ります!
- 若者たちに希望ある社会を
奨学金問題と学費を考える兵庫の会 新原三恵子
今年は、少しでも若者や子どもたちが希望の持てる社会になるように尽力したいと思っています。
私は、昨年から「奨学金問題」に取り組むことになりました。仲間たちと昨年6月に「奨学金問題と学費を考える兵庫の会」を立ち上げました。そのきっかけになったのは、私自身の息子や教え子たちが奨学金返済で大変な目にあっていることからでした。この問題を取り組むことによって、現在の奨学金制度(日本学生支援機構)そのものに大きな問題があることが分かりました。すでに本来の奨学金制度ではなく、高金利の「教育ローン」でした。
未来ある若者や子どもたちが希望を持てる社会を作らなければ、日本の未来はないと思います。今の政治は少子化で大変だと言いながら、若者や子どもたちを大切にしない政策ばかりです。貧困の格差はますます広がり続けています。人は生まれながらに平等であると憲法で保障されているにもかかわらず、現実はその反対です。その結果、奨学金問題もその一つです。大学や専門学校で学ぶために、多くの学生が多額の奨学金を借りざるを得ません。それにもかかわらず卒業後、正規社員として就職できない学生が40%近くもいます。返したくても返せない現実です。非正規社員、アルバイトなどによる不安定な生活です。まして高卒の就職はとてつもなく厳しく、非正規労働者の割合は大卒等に比べるとかなり高いのが現実です。そんな状態に対する改善策がないと、若者は将来に希望を持てないどころか、日々生活に追われるばかりです。楽しくないです。辛いです。
最近、つくづく物事は何事も順番だなと思います。またその順番は大切だなと思います。ただし、今はその順番がくずされています。若い時は、なりふり構わずやりたいことに挑戦していくことがしんどくても楽しいものです。そんなこともできずに、奨学金返済のために生活に追われるなんておかしなことです。出会いがあれば結婚して、子宝に恵まれたり、自分自身が老いてきたら、親の面倒もみようと。でもそんな順番が周到できるのも、元気に働けて安定した収入があってこそではないでしょうか。
私は2年前に高校現場を退職しました。1年目は、38年間働き続けてきて終了後、エアポケットに入ったような気分でした。これからの人生をどうしたものかと正直悶々としていました。しかし2年目に、この奨学金問題を貧困・格差問題として捉え、全国的な問題として取り組んでいこうという人達に出会い、私もやれることをやっていこうという気持ちになりました。そのきっかけは最初に書いた通りですが、これからの社会を担う若者たちをしっかり支援する体制を急いで作らないと、日本社会は崩壊してしまいます。
退職後、自分の時間ができました。でも今の社会情勢は、その時間を待っていたかのように、次々と問題提議をしてくれています。「12・8平和の集い」で講談師の神田香織さんが言っていました。「したたかに しなやかに しつこく」と。
- ボケるとも悪か事ばかりじゃなかかもしれん
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「ペコロスの母に会いに行く」という映画を観た。認知症の母と立派な髪無し族となった62歳息子の可笑しくも切ない物語だ。「ペコロス」は小玉ねぎのことで、息子の雄一さんがその容姿から、そう呼ばれていたそうだ。原作は、この岡野雄一さんが自分の体験を描いた4コマ漫画とそれにまつわるエピソードを、地元長崎の西日本新聞が単行本として出版した同名の書籍だ。
母みつえさんの役は89歳現役の赤木春恵さんで、「映画初主演世界最高齢」でギネスに載ったという。包容力ある温かな長崎弁で、怒った様子も、遠くを見つめる目も、とても自然で爽やかな涙を誘った。
みつえさんは息子雄一さんと孫のまさきの3人家族だったが、認知症の症状が進み、数々の哀しくも可笑しいトラブルを巻き起こす。タンスの引き出しいっぱいに使用済み下着が溢れ出てきたり、家中のコンセントを抜いて真っ暗にしてしまったり、駐車場で雄一さんの帰りを待っていて、雄一さんが車で轢きそうになったり……。仕事もあり、世話がしきれなくなった雄一さんはやむを得ず、母をグループホームへ入所させることを決意する。
「母親を捨てたのではないか……」と悩む彼だが、退職してからはたびたびホームを訪れて、みつえさんとの緩やかな時間を過ごすようになる。みつえさんは時々、不安から来る認知症の症状で悪態をついたりして「不穏」(専門用語?)になることがある。が、雄一さんがパッと帽子を脱いでツルツル頭を見せると、とたんに笑顔になり、「雄一、立派に禿げて!」とペチャペチャと頭を叩く。彼は「この時ばかりは禿げてて良かった」と言う。認知症の人それぞれにある特効薬を見つけれたらいいと思う。
認知症はもはや一部の人の問題ではない。昨年12月にロンドンで世界認知症サミットが開かれた。一昨年、データで今や認知症患者は世界に4400万人。日本の厚労省発表でも全国で460万人、軽度認知症400万人を含めると計860万人で65歳以上の4人に1人の割合だ。厚労省は対策5ヵ年計画「オレンジプラン」を策定し、認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らせることをめざしているそうだ。それにしては要支援を介護保険制度から外そうとしているのには合点がいかない。
かつての炭鉱の町、福岡県大牟田市は今や高齢化率31%。危機感をもった市は「安心して徘徊できる町」をめざし、市民千人が参加する大規模な「徘徊SOSネットワーク模擬訓練」や「認知症コーディネーター」の養成、こどもたちへ認知症への理解を促す絵本教室、公民館での「物忘れ予防・相談検診」などの取り組みを行っている。人に優しい町なら認知症は恐れることはない。夫で苦労したみつえさんに亡くなった御主人が謝りに現れる。みつえさんは言う。
「うちがボケたけん、父ちゃんが現れたとなら、ボケるとも悪か事ばかりじゃなかかもしれん」
(まちこ)
- 新たな場所で新たな前進の年にしたい
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武庫川ユニオンの年の瀬は例年、フェスタで締めくくっていたが、さまざまな要因で2013年は開催できなかった。1993年から開催し続けて21回目だったのだが、労働福祉会館の廃止に伴う会場問題が解決できなかったことも大きいが、力量低下も事実だ。
12月にあかし地域ユニオンの結成15周年を祝う集いに参加した。写される映像やあかし地域ユニオンのみなさんのお話しを聞きながら、武庫川ユニオンの歩みやひょうごユニオンの活動を思い出していた。
武庫川ユニオンも結成25年であったのだが、25周年事業を躊躇した。その最大の原因は労働福祉会館と労働センターの廃止を止められなかった敗北感から抜け出せていないことある。
昨年10月に武庫川ユニオンは阪神・出屋敷駅前のビルに事務所を移転した。事務所の狭さには苦労している。組合員や友好団体の人々が少しずつ顔を出してくれるようになってきた。新たな年を新たな運動の出発にできればと思う。
少し元気のない話をしてきたが、この間、日本郵便非正規ユニオンのスキル評価をめぐる裁判闘争、2012年1月から闘い続けている重里学園のワンマン理事長の不当労働行為との闘いなどを闘い続けて来た。2014年はすべて山場を迎える。また、尼崎の園田地域にある大和軽合金という鋳物会社では企業内の労働組合はあったが外国人は受け入れないということで、日本人とブラジル人で分会を結成し闘いを開始した。企業内労働組合の活性化にもつながっているようだ。こうした闘いをバラバラに闘うのではなく共に励まし合い、学び合いながら統一した闘いにしていくことが求められている。重里学園の闘いは団体交渉の様子だけでも喜劇となるだろうという意見も出始めている。フェスタの出し物の一つが決まりそうだ。
2014年は脱原発、特定秘密保護法廃止、沖縄辺野古基地反対、労働法制総破壊との闘いも重要となる。停滞していることは許されない。新たな場所で新たな前進の年としたい。
小西純一郎(武庫川ユニオン書記長)
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