「新社会兵庫」12月10日号
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就任以来一度も首脳会談が開かれていない異常な日韓関係だと一部マスコミが騒いでいる▼朴槿恵大統領は、国内での大統領選への不正介入を追及され、全教組、公務員組合などへの強硬な労働運動弾圧を仕掛けている▼これらを隠蔽する意図が働いているのか、外、とくに日本との間での歴史認識問題など、その姿勢にはなかなか硬いものがある。習近平との会談では、ハルピン駅の安重根の碑の再建に協力を要請したと伝えられており、最近その工事が始まったのではないかという報道も目にした。日本政府は「なぜ、テロリストの像を?」と韓国政府に抗議をしているようだが、とやかく言わないほうがよい▼韓国は憲法前文で「三・一運動により建立された大韓民国臨時政府の法統……を継承」と謳う国なのだ。韓国から外交権を奪い取り、日本の保護国にした伊藤博文をハルピン駅頭で狙撃した安重根、独立運動に身を投じ上海で爆弾を投げつけて白川大将の生命と重光葵の片足を吹っ飛ばした尹奉吉たちが、「義士」として尊敬されるのは決して故なきことではない▼韓国政府にこれらのことで抗議して関係をぎくしゃくさせるよりは、過去をきちんと反省することの方が先だとは、誰でもが思う。

- TPP参加へひた走る政権/譲歩を隠し公約も反故に
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年内合意をめざして進められているTPP参加交渉だが、何が交渉されているのか、その大半はベールに包まれていて知るよしもない。ここでは時系列で参加交渉の内実を追ってみた。主権者はまさに「蚊帳の外」に置かれている。
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(1)今年2月22日、日米共同声明で安倍首相は、「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」と評価。帰国後、自公両党に米側との確認事項を説明し、政府に一任を取り付けたうえで、TPPへの交渉参加に関し「なるべく早い時期に決断したい」とした。
2月25日の自民党役員会では「聖域なき関税撤廃を前提とする限り交渉に応じないことは国民との約束だ。オバマ大統領も異存はなかった」と誇らしげに報告した。そのうえで役員会の一任を取り付け、「農家や農村の実態を熟知している。自民党の意見は十分聞いて判断する」と述べている。
(2)3月15日、TPP参加を表明。首相就任から3カ月での決断である。ここで問題なのは、「TPP参加条件である日米事前協議を4月12日に合意した」ものの、その内容に注視しなければならない。@自動車、保険、牛肉などアメリカの要求するTPP参加の「入場料」にとどまらず、Aアメリカ議会の90日承認手続きの間にさらなる追加的譲歩がなければ、日本の参加は認めないと脅かされていたのである。さらに、B日本が参加後もTPP本体とは別に、TPP交渉が終わるまで、残る「支払不足金」、つまり、食品添加物や農薬といった食の安全基準を緩和することなど、アメリカの要求に応じることを明文化し確約していたことが明らかになった。
(3)4月12日、日米事前協議の合意事項が日米で食い違う「合意文書」が存在することが明らかになった。
アメリカ発表の文書では、日本が大きく譲歩したことが強調されている。日本はTPP加盟国となるために、アメリカが要求した重要関心事項(利害が対立する)を解決するため、アメリカとの2国間交渉を行うことに合意するとの内容が含まれている。さらに、日本郵政による新規の医療、保険商品の留保に関する合意など、日本からの具体的な譲歩内容が含まれている。一方、TPP参加条件を要約した日本の文書には、これらの譲歩が明らかにされていない。
(4)10月6日、TPP交渉会合が開かれていたバリ島で、西川公也・自民党TPP対策委員長は、農産物の「重要5項目」について、細目では関税撤廃の対象になる品目があり得るとの発言を行った。この発言は、自民党の選挙公約を反古にする国民への背信行為である。さらに、自民党や衆参両院農林水産委員会の決議を踏みにじるものである。
(5)10月8日朝刊から突如として「聖域」5品目が重要5項目に変わった。細かい分類は「品目」とし、重要5項目586品目となる。政府の狙いは、各品目のうち1つの品目さえ守れば、5項目が守られたと主張するために変更したのではないか。これは総選挙前から描かれていた戦略であろう。
(6)安倍首相がTPP参加表明した今年3月15日前後から、「最終的にはひとつひとつ守るべきか協議する必要がある」として対応策を考えていた(10月8日朝刊)。コメなどの本体は死守するが、輸入量が小さく影響が限定的な加工品などを関税撤廃の対象にする「からくり」が考えられていたのである。
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政府は国も国民の暮らしも破壊しかねないTPP参加をめざしてひた走っている。しかもそのほとんどが秘密裏に進められていることが分かる。特定秘密保護法と連動したものである。
11月21日には国家戦略特区法が衆院で可決された。その目的は「国際競争力を高め成長の起爆剤にする」としており、特区を実験場とし、TPP加盟に向けた地ならしにとの思惑が透けて見える。主な内容は、公的医療制度の規制緩和、大都市での高層ビル規制の緩和、農業への企業参入、公的学校運営の民間委託など。労働分野は今回除外されたが、解雇制限の緩和や限定正社員制度などが織り込まれている。
たんに農業だけでなく全分野にわたる攻撃だ。「世界で一番企業がやりやすい国づくり」をめざしたもので、主権者たる労働者・市民に一方的に犠牲を強いるもので看過できない。
中井常男(兵庫県農業問題懇話会会長)
- 過ぎゆく年月、今を大切に
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睦月、「一年の計は元旦にあり」。正月早々、老健入所中の姑を外泊させるために迎えに行き、食事介助、オムツ交換、寝衣交換等、体力勝負。主婦業もあり大変で、正月気分ではないです。
如月、「心打たれる」。長女が二人目を出産。日常生活のなかで、あまり感動することがなかったが、出産時に娘婿が号泣し、その姿を見て私も感動、涙が出ました。女性は自分の命を削り命をつなげる大役をなし遂げています。
弥生、「可愛い子には旅をさせよ」。一人暮らしをしている次女、なかなか家に帰って来なく、久しぶりの再会。通天閣に登り記念撮影。
卯月、「蛙の子は蛙」。次女が看護専門学校へ入学。四国へ引越し。入学式に出席し、またまた感動する。生徒44人中、男性10人、苦労して勉強した結果合格です。夢を叶える第一歩。
皐月、「鬼の居ぬ間に洗濯」。夫が一泊二日の旅行。私はリフレッシュ休暇です。退職後365日、24時間、顔合わせの生活は疲れます。たまにはガス抜きしないと息切れします。
水無月、「楽あれば苦あり」。姑(95歳)が老健より特養に入所。認知症で全く何もわからない状態。歩行不可で車椅子の生活。家族のために良く働いてくれた姑です。
文月、「歳月、人を待たず」。60歳の還暦を迎えました。娘夫婦がお祝い会を開いてくれ、幸せな気分。年月はどんどん過ぎて行きます。今という時を大切に生きることです。そして、自分にご褒美をあげましょう!
葉月、「無病息災」。親戚、知人、身近な大切な人が次々と病気で亡くなり心が痛みます。自分の体を頭から足先まで見つめ、私は健康ですかと問いかけます。あちこちガタがきています。
長月、「一期一会」。10年ぶりに元職場の人と一泊二日の旅行。腰の曲がった人、茄子様の体型になっている人、スリッパで来た人、日に焼け真っ黒な人、姿形は変わり、みんな主婦全開しています。夕食と翌日のご飯の準備をしての参加、家に帰ったら食べた食器はそのままだろうなとのこと。我が家は家事は分担です。食事づくりが分担できたら最高なのにな!
神無月、「命の洗濯」。佐渡島に夫と旅行。人口6万人、農業、漁業の生活。若者は仕事がなく島から出て行きます。命の洗濯は夫から離れることなんだと学習しました。
霜月、「60の手習い」。60歳になり自立しないといけないと気付かされ、5つの習い事を始めました。社会勉強の始まりです。自分がどう生きるのか、生きていくのかと、頭と体と相談しながら、毎日コツコツと日々の生活を大切に送っていきたいです。
(岩本房子)
- 労働組合に対する信頼と期待の復活を
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11月8、9日の両日、コミュニティ・ユニオン全国ネットワークは全国一斉「ブラック企業に負けるな!働くひとの労働相談ホットライン」に取り組み、兵庫でも県下のすべての地域ユニオンで相談を受ける体制を整えた。神戸ワーカーズユニオンはNHKで報道されたこともあり18件の相談が寄せられ、ひょうごユニオンも関西の相談窓口として朝日と毎日新聞に掲載されたため6件の相談があった。さらに、武庫川ユニオンに3件の相談があったのだが、他のユニオンは残念ながら0件に終わった。
労働相談の窓口が増えており、どうすれば効果的に宣伝ができるかが重要で、これまでの相談事例を紹介しながらできるだけマスコミにアピールするように心がけている。また、ネット時代となったいまでも、各地でビラ配布に取り組んでおり、将来の相談につなげることや組合員の活動参加など、目的を持って行っている。
最近の労働相談で感じることは、労働組合に対する労働者の信頼や期待をどうすれば復活させられるのだろうかということである。
この間の相談の特徴で言えば、親が子の、妻が夫のことでの相談が増えていることだ。また、「自分の加入する労働組合に相談したけれども取り上げてくれない」というものや、監督署に過度の期待をする相談も多い。先日も、労働組合はあるが深刻な長時間労働で残業代も支払われず、過去にも労働者が監督署に駆け込み、是正指導を受けたことのある事業所の労働者からの相談があった。「もう一度監督署に入ってもらえないか。前回、監督署の指導で年休が使えるようになり、少しだが過去の残業代が支払われ、一時的に残業もなくなった」というのだ。しかも、「私のことがばれては困るので、内緒にできないか」とも。
ドラマの影響なのか、それとも印籠や桜吹雪に期待する日本人の気質なのか。いくら監督署が入っても根本的な改善にならないことは、本人が一番分かっている。だけど、今すぐ何とかしてくれないかと。そんな悲鳴に応える労働組合は、期待も信頼もされていない。労働組合の復権は深刻だ。
塚原久雄(ひょうごユニオン事務局長
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