「新社会兵庫」9月24日号
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2020年のオリンピック東京開催が決定した▼偉大なお祖父ちゃん≠ェ、首相として東京招致を成功させたのと同じように、首相として2度目の招致に成功したのであるから、安倍のボン、さぞや鼻高々であろう▼あまり報道されないが、東京決定は今回が2度目ではなく、3度目である。ベルリンに続く1940年のオリンピックは東京開催が決まっていた。地球を覆った第2次世界大戦の暗雲がそれを不可能にした。そんな前例を踏まえるならば、東京誘致をこころざすには、2度と戦争は起こさせないという決意が必要だった。誇らしげなオールジャパン≠ノはそれがあっただろうか▼今回の開催決定前に、大阪の落選があった。広島は長崎と組んで、オリンピックを文字どおり平和のイベントにすることをこころざして、立候補の動きをしたが、果たせなかった▼大阪のときには、東京を差しおいてという空気が、政・財界の中央になきにしもあらずであった。広島のときには、平和≠フイメージがいやだったのか、冷淡であった。政治の歪みを感じざるをえない▼安倍総理も最高の舞台でド派手な大見得を切ったものだ。世界の大向うよりも、足元の福島の人たちに納得してもらえるのか。

- 市民と共に歩む神戸市政へ
神戸市長選に臨む新社会党の態度
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新社会党兵庫県本部は、10月13日告示、27日投開票で行なわれる神戸市長選挙にあたり、「市民にあたたかい神戸をつくる会(あったか神戸の会)」共同代表のぬきなゆうな(貫名ユウナ)氏を支持してたたかうことを決定した。
公約とは程遠かった矢田神戸市政
神戸市はバブル崩壊後も、神戸空港に象徴されるように、起債主義、公共デベロッパー、都市間競争に示される開発行政を続けてきた。「創造的復興」という名の、「市民の生活復興」を後回しにした手法である。笹山市政を受け継いだ矢田市長は、「開発から福祉と環境へ」「高齢者、子どもの安心」という公約のもと、3期12年、市政運営を行った。
ところが、「創造的復興」の象徴であった神戸空港は開港したものの、需要予測との乖離は広がるばかりで管理収支は赤字。空港島の土地も売れず財源が枯渇し、起債償還の先送りが続いている。また、「創造的復興」の代表であった新長田南地区復興再開発事業も失敗に終わり、区分所有者たちの反乱で街づくりを全面見直しせざるをえない事態になっている。福祉施策も、敬老優待乗車制度の乗るたび負担制度≠ヨの変更、市営住宅家賃減免制度の見直し、保育所など公共施設の民営化、福祉パス制度からの生活保護世帯の除外、さらには震災復興借り上げ住宅からの住替え強要など、現状は「開発から福祉と環境へ」「高齢者、子どもの安心」の公約とは程遠いと言わねばならない。
一方、矢田市政を評価する声として「6000億円の市債の削減」「外郭団体の見直し」などが言われているが、6000億円のうち3000億円は震災復興基金で、実質は3000億円削減である。その陰には、正規職員の削減と非正規低賃金職員への移行、投資的経費の徹底切捨てによる市民サービスの低下、指定管理者制度拡大での「公」の責任放棄などの問題点がある。また、外郭団体の見直しや破綻処理で市民に500億円を超える多額の損失を与えており、その責任の所在や市民への謝罪など、説明責任が極めて不十分である。本来、地方自治は住民自治であり、市長は権力者でなく一市民であることを忘れている。
新社会党は市政をめぐっても共闘を重視
新社会党は震災後、被災者生活再建支援法制定運動や神戸空港反対運動、住民投票条例制定直接請求運動などで、共産党をはじめ、「あったか神戸の会」や「神戸再生フォーラム」などに結集している団体・市民と共同の取り組みを行ってきた。その運動を背景に、震災後3度にわたって神戸市長選挙も共闘してきた。前回は共産党が突如、公認候補を擁立したため共闘はできなかったが、震災後の運動を継続することを第一義に「神戸再生フォーラム」が応援した候補を、施策的な違いがありながらも勝手連として支援した。
市民と共に歩む神戸市政への転換を
次期神戸市政を担う市長は、憲法施行70年、非核神戸方式40年、阪神・淡路大震災20年という、国にとっても神戸市政にとっても歴史の大きな節目を迎える中で市政を担っていく市長になる。
いま、安倍政権は改憲への動きを露骨に強め、集団的自衛権の行使などで憲法9条の実質改悪を行おうとしている。また、生活保護費削減や「社会保障改革」による医療・福祉の改悪、消費税率アップなどとあわせ、まさに憲法9条や25条の諸原則を葬り去ろうとしている。福島原発事故の教訓やいまなお続く被害を無視し、原発再稼働・推進政策を強行しつつある。
一方、地方自治体をめぐる情勢は、国の三位一体改革や社会保障制度の全面見直しなどで、生活弱者へのしわ寄せが一層強まる状況にあり、「官から民へ」の流れの中で、本来「公」のやるべき仕事まで民営化されるという「自治体の民営化」が始まっている。
今回の神戸市長選挙は、こうした国の動きに抗し、徹底して生活弱者の立場にたち、「民間(企業)」でなく「市民」と共に歩む市政への転換が求められる。「官僚」でない、「企業家」でない、「市民」と共にある市長の誕生が求められている。また、安倍政権の改憲の動き、右翼的な維新の会の動きなども考えれば、護憲派結集が求められる情勢でもある。
これらを総合的に判断し、新社会党兵庫県本部は、今回の神戸市長選挙で、ぬきなゆうな氏を支持してたたかい、「市民と共に歩む市政」の実現に全力をあげる。
粟原富夫(新社会党兵庫県本部委員長、神戸市会議員)
- 国際水協力年
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今年2013年は、「国際水協力年」だ(ちなみに3月22日が「世界水の日」である)。
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水の問題は世界規模の問題にもかかわらず、栓をひねればいくらでも水の出てくる日本や他の先進国ではなかなか実感がない。それでもイタリアのサルディニア島にいった時には、夏だったか1日のうちに水の出ない時間帯が数時間あったのを覚えている。日本では水の重要性を身近に感じるのは震災などが起こった時だけではないだろうか。実際、人間は食料なしでも水だけで数週間生きることができるが、水がないと1週間くらいしか生きられない。
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地球上の水は少なくなってきており、国連開発計画でもここ数年、水の問題がとりあげられている。世界の半分の人口が水資源のほとんどないところに暮らしている。水へのアクセスは経済、子供の健康、そして教育などほとんどの「開発」の指標につながっている。サハラ以南のアフリカでは水だけではなく、こういった基本的な公益設備へのアクセスがあればGDPは5%も上がるといわれており、それはアフリカ大陸全体が受け取る海外援助を上回る額である。
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水を含めた環境問題で直接的な影響を受けているのは貧しい国々である。中でも環境問題と隣り合わせにくらしている農民、つまり貧しい人たち、またその中でも原住民、そして女性という順番に、水不足で困っているのは社会でも弱い立場にある人々という図式ができあがっている。先進国とちがって、開発途上国ではアクセスが簡単でないため水の消費も格段に少ない。そして気候変動、環境破壊の原因を作り出している我々先進国に住む人間はそれらの影響を肌で感じないという矛盾が生じている。
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また、女性と水の関係は切っても切れない関係があることに気づく。世界の多くの国で家事はいまだに女性の役割であり、飲み水はもちろん、トイレの水、洗濯、体を洗ったり食器を洗ったりする水は女性が確保しなければならないことが多い。貧しい国になると、女性の一日は水を確保するところから始まったりする。運がよければ共同で使われている井戸が村の中にあって、水はそこから汲めばいいが、遠くの池などに歩いて汲みにいかなければならない所も多い。気候変動でおこった異常気象で近くの水源が尽きてしまうと、もっと遠くの水源地を探して何時間も歩くところもある。女性が重い水を運びながら遠出をするということは身体的に負担がかかるだけでなく、その道の途中で襲われるなどという危険も伴うのだ。
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開発途上国に住むと、普通に水道水を飲めないので飲み水には自然に気を遣うことになる。今のところ、私はサモアの首都アピアで家では水道水を沸騰させて使っている。とりあえず沸騰させれば個人的には気にならないので飲み水を買うところまではいっていない。日本に住んでいる皆さんも「国際水の協力の年」を機会に水について考えてみてほしい。
(徳永 明=在サモア)
- 猛暑下の熱い攻防
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「文句があるなら会社に来んかい!」―電話口での社長の怒声。
某建設コンサルタント会社で働く男性が7月、業務上の負傷で労災申請を行おうとした際、会社側の執拗な労災隠しに遭い、ユニオンに加入。「組合加入通知と団体交渉申入れ書」を郵送して返ってきたのが冒頭の怒声だ。
2日後、解雇通知(「試用期間終了通知」)が本人に送られてきた。
ユニオンとして解雇撤回の抗議と、この件についての団体交渉申入れ書を会社に持参した際、それを放り投げ、「お前らとは話をしない!早く帰れ!」と手荒い仕打ちを受け、再度の申し入れの際には、棒を振り回し(同行したAさんは制止の際、腕に内出血するケガを負った)、挙句には警察を呼ぶという暴挙であった。
労災申請手続きの件で労基署に行き、会社を指導するよう要請。結果、会社を指導したにも関わらず、それを無視して社長は本人を威嚇する始末。しかし、団交の回答期限間際になって「団体交渉を受けます」と蚊の鳴くような声で連絡をしてきた。社長から電話を受けた時、信じられなかったが、社労士に説得されたようだ(労働組合法の重みを改めて痛感した)。
抗議行動の中止と、県労働委員会への不当労働行為の救済申し立てを取りやめ、団交に入ることとなった。
本人の負傷後の対応をめぐり、平行線の論議となったが、2回目の交渉の際、「県外の営業所で欠員が出た。戻る気があれば戻ってほしい」と社長が発言。いったい解雇通知は何だったのか?整合性も、論理の一貫性もなく、論点を整理しながらの交渉が続く。
9日現在、解決に向けて交渉中のため、報告はここまでとしたい。
今回、「団体交渉」、「解雇」、「労災」などを通じて中小の企業の、ユニオン(労働組合)に対する認識の一端を知ることができ、また、労基署の姿勢を知ることもできたが、労働運動総体が大きく後退している中で、会社=資本と闘うことの困難さを痛感している。より一層がんばりたい!
大野克美(ユニオンあしや執行委員)
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