「新社会兵庫」8月13日号
 今回の参院選で、キーワードに仕立て上げられた「ねじれ」。この言葉に人はマイナスのイメージを抱くだろう。「ねじれ解消」に、多くは「改善」を予想するだろう▼政権与党はこのアヤにつけこんで「ねじれ」で攻勢をとったが、野党側は「ねじれ堅持」とは訴え難かった。「ねじれ」の本当の意味が国民の間で正しく議論されていない限り、宣伝戦略としては、野党側は端からハンディを背負わされる▼憲法、原発、消費税等、問題山積であったのに「ねじれ問題が焦点」という土俵を誰がしつらえたのか。自民党と気脈を通じたマスコミである▼かつて消費税反対が火を噴いた89年参院選では社会党が圧勝した。直後の首班指名では、衆院が自民党の海部、参院では社会党の土井とねじれた。しかし、「ねじれ」の言葉は乱舞しなかった▼権力とマスコミがタクトを振った今回の「ねじれ狂騒曲」に対して、国民の草の根の歌声は野にこだましなかった。歌を奪われていた▼私たちはカナリヤではないが、「山に棄て」られたり、「小薮に埋け」られたり、「柳の鞭」でぶたれたりしてはならない。連帯の気持で象牙の船をつくり、人間の誇りを取り戻す銀の櫂を用意し、月夜ならぬ太陽の下で唄を取り戻そう。
安倍政権の暴走に対決する大衆運動の真剣な構築を
 「自民圧勝」と民意の大きなズレ
 予測されたとおり(それ以外の予測はしようがなかった)、自民党の「圧勝」という結果に終わった参議院選挙は、昨年末の総選挙のリプレーを見るようであった。この半年余りの間に、政治的な力関係や諸条件にさしたる変化は生じていないのであるから、同じ結果が現れるのは当然であろう。あえて言えば、総選挙であからさまな不信をくらった民主党は立ち直るどころか混迷の度合いを強め、逆にその風を受けた自民党はアベノミクスの幻想を重ねようとしたのであるから、リプレーの色合いは濃さを増幅していたかもしれない。
 各党が獲得した議席はまったく予測されたとおりであったが、そこにどのような底流群が見えたであろうか。まず第一にいえることは、大衆の政治に対する関わりには積極的なものが読みとれないということである。
 従来行なわれた国政選挙の例でいえば、ある党の圧勝という政治現象が現れた時には、そこにはそれを演出した大衆の能動的、積極的な動きが感得できるのが常であった。
 自民党の圧勝ということが鮮明な特徴といわれている今回の選挙では、大衆の自民党への支持やアベノミクスに対する期待が、奔騰したであろうか。半年前の総選挙でも顕著であったが、今回の選挙においても票数等で見る限り、自民党に寄せられた支持は傾向的に減っている。自民党に与えられた議席数と投ぜられた票数の間にはズレという言葉では表しきれないギャップが現存している。今回でも自民党が獲得した議席数は54%であったにもかかわらず、比例区で見る自民党の得票率は35%であった。絶対得票率(有権者の何%が自民党に投票したのか)でいえば18%余であり、5人に1人にも足りないという状況である。
 ある新聞の試算によると、このギャップを前提として次の衆院選における自民党の獲得議席率は75%を超えるという。
 暴走運転が危惧される安倍政権という車にはケバケバしい外装にもかかわらず、実は国民の支持というガソリンは満タンにはなっていない(それだからこそ、という危険性を見逃すべきではない)のである。
 国民の政治に対する絶望につながりかねない不信と消極性は、今回選挙の投票率の低迷にもあらわれている。10に余る県で投票率は戦後最低を記録している。その中にあって糸数勝利を勝ち取った沖縄のみが、他の46都道府県のすべてが前回を下回ったなかで前回を上回る投票率を記録している。敬意に値することであるとともに、沖縄に顕示されている大衆闘争に学ぶべきであろう。
 今度こそ大衆闘争で対決する構えと戦略を
 われわれは、自民党の圧勝が詐欺まがいの虚構に満ちたものであることを看取するとともに、国民とくに労働者の政治意識の畑がいまや、かつてのように手をかけられ、鍬をいれられたものではなくなっていることに意を注がなければならない。かつて社会党・総評ブロックといわれた大衆闘争(選挙も含めて)の遺産を使い果たしたと考えなければならない。
 この間、断続的に続いた国政選挙も次回の総選挙まで(3年間?)ないだろうといわれている。従来、ともすると次の選挙で対決という構えで運動をすすめてきたわれわれは、今度こそ大衆闘争を組織して対決する構えをつくらなければならない。 圧勝と騒がれた安倍内閣も威丈高な姿勢の中に数え切れないほどの脆弱点を抱えている。人材問題しかり、危険なナショナリズムにもたれかかる外交、破綻のほどが知れない経済等々である。
 どのような大衆闘争の戦略を描くか、そのために必要な組織や理論をどう準備するのか、大衆との接点を死守しながら、討論を始めよう。
今村 稔(労働大学副学長)
筋トレ始めています
 わが家の中を片付けていたら、懐かしいものを見つけました。娘の幼稚園時代の詩です。

 《『おつきさま どうしてなの』
 ママとひろくんとおつかいからかえるとき、おつきさまをみつけました。どこまでもどこまでもわたしのあとをついてきます。わたしのおうちまでだまってついてきます。「どうしてなの。」ママにきくとママは「さあどうしてでしょうねえ。」といっただけです。わたしがすきだからかなあ。そうだ、さびしいからなんだわ。それから「わたしにはママがいるけど、おつきさまにはママはいないの。」とママにきくと、ママは「さあどうでしょうねえ。」というだけです。おつきさまはひとりぼっちなのかなあ。そうだ、おつきさまはおひさまがママなんだわ。わたしがおねんねするときは、おふとんのなかだけど、「おつきさまはどこでおねんねするの。」とママにきくと、「さあどこでしょうねえ。」というだけです。おつきさまはおねんねしないのかなあ。そうだ、くもののなかだわ……》

 子ども心の広がりは果てしないと感じたものです。この詩と共に、当時の想いを感じたままに詩にした私のものも見つかりました。すみません、ついでに目を通してください。

 《『雪が降れば思い出す』
 雪が降れば思い出す…兄にせがんだ雪だるま 幼き頃をなつかしむ
 雪が降れば思い出す…友と遊びし雪合戦 あの学び舎をなつかしむ
 雪が降れば思い出す…スキー列車で勇み立ち 乙女の頃をなつかしむ
 雪が降れば思い出す…純粋な心で六甲山へ 泣いたあの頃をなつかしむ
 雪が降れば思い出す…近所の子らの新池で スケート遊びをなつかしむ
 雪が降れば思い出す…雪山向かいの病院で 抱きし嬰児をなつかしむ
雪が降れば思い出す…吾子の手を取り散歩道 母の幸せ懐かしむ
 今年もまたまた雪が降る その子ももはや一年生 雪のように真白の希望はるかに祈る手に 母の心も定まりぬ》
― 暑気払いも込めて、極寒の雰囲気を味わっていただきました(すみません)。

 あれからもう40年。身も心も変化の一途をたどる今日この頃です。
 2年前に自転車で転んだことが原因なのか、『腰部脊柱管狭窄症』と診断され、ずれた背骨はもとには戻らないので、筋トレしかないと言われたんです。坐骨神経痛を起こしているので、しびれから痛みへと進んでいるのです。心臓は強いので90歳までは生きると主治医に保証してもらっているのに寝たきりになると気が狂ってしまうでしょう。筋トレを決断しました。痛みを耐えて。
 ちなみに私の筋トレのメニューを紹介します。
 チェストプレス(胸筋)、ショルダープレス(肩筋)、レッグプレス(太もも筋及びお尻筋)、カフレイズ(ふくらはぎ筋)、ラットプルダウン(背中上筋)、トライセプス(腕裏筋)、バイセフス(腕表筋)、レッグカール(太もも裏筋)、レッグエクステンション(太もも表筋)、バックエクステンション(背中下筋)と体幹をしっかりするためのものです。
 すでに3ヵ月は続けていますが、まだ改善された感じはありません。とにかく半年は続けるつもりでいます。筋力アップがはかれれば痛みもとれ、また楽しく歩ける日が来ることを夢みて……。

(純)
改めて津波の恐怖感じた被災地との交流
 熟年者ユニオンとして、5月18日から20日まで岩手県(釜石・大船渡・陸前高田)と宮城県(気仙沼・南三陸・石巻・松島)を訪問した。大船渡では、JR盛駅待合室で渕上・大船渡市会議員に復興支援物資の贈呈を行い、現地の女性も加わって、「しあわせ運べるように」の歌で交流した。
 熟年者ユニオンの一行は平均年齢72歳、最高年齢82歳の12人。「ここまで津波が来た」という標識を見ながら、三陸海岸の国道45号線沿いに釜石から松島まで元気一杯の訪問であった。
 釜石市の唐丹地区小白浜漁港では堤防が横倒しになった現場の解体が行なわれており、「想像を絶する被害の大きいことに腰を抜かすほどの驚きでした」(82歳)との声も聞かれた。
 今回は原発事故による放射能汚染についての話はなかったが、藤岡会員が簡易放射能測定器で往復の飛行機内や現地での放射能の計測を行なったところ、大船渡では最大値0・17マイクロシーベルトであった。機内1万メートルでは1・25であった。
 その後、『津波の恐怖・百聞は一見にしかず』の報告集も作成した。
 熟年者ユニオンでは、4月には敬老パスの問題で、熟年者ユニオンが神戸市内で集めたアンケート約650通の報告をもとに神戸市との面談も行なった。「今後、文章での要求など提出してもらえれば回答します」との市の答えに対し、現在、「質問及び要求」を粟原富夫神戸市会議員の協力を得ながらまとめている。 6月には関西電力神戸支店と第2回目の面談も行なった。毎月のサンドイッチマンデモで申し入れ書も手渡してきた。
 このような高齢者運動が、「少子高齢化」の中でますます重要な運動となる。参院選後、すでに年金改悪や原発再稼働などの動きがある。県下には「熟年者ユニオン」「西はりま熟年者の会」「明日を考える東播高齢者の会」があるが、兵庫県高齢者団体連絡会の強化が求められている。
横林賢二(熟年者ユニオン事務局長)