「新社会兵庫」 3月12日号
 NHK大河ドラマの視聴率がここ数年パッとしないらしい。理由のひとつに、視聴率競争にまき込まれ、俗に媚び奇を衒うあまり、真実という歴史の本当の面白さに背を向けた結果、しっぺ返しを受けたということがあろう▼ドラマであれば、人物の描き方、プロット展開の緊迫感や意外性など面白さに工夫を凝らすのは当然であるが、歴史の真実という土台を踏み外せば、面白さはクスグリとなり所詮は飽きられる▼「八重の桜」は会津が舞台のせいもあり、序盤から「ならぬものはならぬ」という藩校日新館の教えが幾度となく繰り返される。まさかこの言葉がドラマ全体の骨格となるわけではあるまいが▼私たちはかつて似たような言葉「ダメなものはダメ」と叫んだ。24年前のことであるが、消費税反対運動の燃え上がりの中で、土井たか子社会党委員長が発したものであったが、国民を鼓舞する言葉として燎原の火のごとき勢いを得た▼「ならぬものはならぬ」は、藩校の教えであるから当然上からの封建秩序を維持しようとするものである。「ダメなものはダメ」は、下からの国民の怒りを表している▼1枚の板を隔ててマイナスとプラスの違いがある。「ダメなものはダメ」という叫びを忘れまい。
漂流日本 暴走する安倍政権C
着実に進行する安倍「壊憲」構想
 昨年末発足した第2次安倍政権をめぐって、目下の最大の政策目標は「経済成長」と位置づけていることから、一応、安倍政権及び自民党としてはこの夏の参院選に勝利し、両院過半数の「安定政権」に至るまで悲願の「憲法改正」は封印して経済政策を着実に進める「安全運転」に努めていくと思うむきもある。マスコミの論調もこのようなものが多い。
 しかし、私はもう少し掘り下げて安倍政権を捉えていく必要があると思う。それは「憲法問題」は決して封印されていないということだ。その代表が、「集団的自衛権」の行使容認に向けた動きである。ちなみに集団的自衛権とは日本が直接武力攻撃を受けなくとも密接に関係する国(日本でいうならば安保条約を締結している米国となる)が攻撃を受けた場合、自国への攻撃と見なし共同で武力行使を行うというものであり、現在の政府解釈では憲法第9条で許容されている自衛の範囲を超えたものとして「違憲」と示している。ところが第1次安倍政権では、この政府解釈を見直すべく「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」を発足させ、「公海上の米艦船防護」や「米国に向かう弾道ミサイル迎撃」等(「4類型」)の集団的自衛権行使容認の提言を得た。その後、民主党への政権交代もあり、現状の政府解釈のままで維持されてきた。
 しかし、「尖閣問題」などを逆手にとって前述の安保法制懇を再開させ、4類型よりもさらに幅広く検討を指示した。この構成員たるや西元元統幕議長や柳井元駐米大使など安倍首相の考えに沿う「お友達」構成員ともいうべきもので、集団的自衛権行使容認ありきのものといわざるをえない。
 このような一連の動きをどうみていくのか。私は以下のように考える。9条改憲ができない政治状況で、唯一、実質的な「改憲」状況をつくり出すのが「政府による憲法解釈(解釈改憲)」である。したがって、実質的にはすでに安倍政権は「明文改憲」のための前段階として「解釈改憲」に着手しようとしている。参院選で自民党や「自主憲法制定」を唱える極右「日本維新の会」で改憲発議の議席を得たならば早速にも「発議」にむけた動きをみせることだろう。そうならずとも、「解釈改憲」を行っておけば、すなわち、さらなる「実質的な9条改悪」が実現し、「憲法と現実政治のかい離」論を持ち出し、改憲気運が高められて「明文改憲」に持ち込める。その意味では、いずれにしても現在進めようとしている「集団的自衛権」行使の容認を認めない世論形成が必要であろう。
 そのためには、今一度、憲法第9条の意味について再認識することが求められる。自民党は、自衛隊は「軍隊」である、これを各国同様「国防軍」にせよという。確かに兵員装備等は一般市民からみればその通りではある。しかし、厳密には違う。それは「防衛白書」に記されているように自衛隊は「専守防衛」、「必要最小限度の実力行使」しか憲法上許容されていないということである。つまり、「武力行使は侵害排除限定」、「他国を占領、攻撃壊滅できない」、換言すれば「自衛戦争はできない」、「他国領土にミサイルなど打てないし、そういった兵器保有も認められない」ということだ。その意味で「中途半端な軍隊」、「戦争のできない軍隊」といってもよい。
 自民党が求める「国防軍」と現在の「自衛隊」との差異は極めて重大な違いなのである。憲法第9条の制約があればこそ「戦争参加のできる普通の国」にはなれなかったと考える。
 解釈改憲によって「9条形骸化」を図ってきた歴代政権も内閣法制局を中心とする厳格な「政府解釈」と運用によって最後の一線を乗り越えることはできなかった。
 こういった歴史的経緯も全く無視して「9条敵視」「憲法改正」を声高に叫ぶ安倍首相なのである。国会では「第96条・改正要件」緩和の改正や国際法でも疑問視されている「敵基地攻撃能力は憲法上自衛の範囲内」など行政府の長たる首相として適当ではない発言を行っている。
 その意味では、安倍首相の悲願である「憲法改正」「9条全面改悪」は進行中と指摘できる。さきの衆院選では共産、社民両党など護憲勢力が極小化し、逆に自民党より改憲に積極的な「維新」など極めて深刻な政治情勢となった。今まさに私たちに問われているのは「平和国家」か、あるいは「軍隊をもつ普通の国」にするのかである。安倍政権の再登場は「漂流日本」から「暴走日本」の転換点と位置づけられるのでないか。
鈴田 渉(政治研究者)
身体の声を聞く
 若い頃、私の血圧は最高血圧値が100を切る、いわゆる低血圧症といわれる状態でした。しかし、職場の検診ではいつの間にか最高血圧値が150を下がることはなくなっていました。はじめは職場環境からくるストレスとは気がつかず、にわかには信じられませんでしたが、毎日緊張の連続で時間に追われる仕事、不規則な食事と睡眠、頭の中は不安でいっぱい。
 このような生活のために安定しない血圧に、内服薬での治療をはじめました。薬を飲みはじめると血圧値は低くなりましたが、この先ずっと薬に頼らなければいけないことに不安がありました。仕事を辞めて規則正しい生活ができるようになると、薬による副作用(動悸、低血圧を思わせるような数値)に悩む日が続きました。
 血圧値が安定しているのなら自然にまかせたいと、薬を中止して様子をみることにしました。でも、知らない間に血圧が高くなっていたのでは困るので、朝夕2回、血圧測定をして変化を見ながら再び血圧が上がらないように、食事に気を配り、ウォーキングなどの運動もはじめました。血圧測定も両腕での測定がより身体の状態を知ることができるとのアドバイスから、今では朝夕2回、両腕で計っています。
 自分の血圧に目を向けはじめると、身体のほかの所にも意識がいくようになりました。慢性的な肩こり、腰痛、人より異常に多くかく汗、頻繁にくり返すこむら返りなどです。 体温も計ってみました。体温は35度に届くか届かないかの値。これは大変と、低体温になった身体をせめて36度にしたいと思い、靴下の重ねばき、半身浴、湯温40度の10分間入浴、冷たい飲料水はやめる、などの工夫をしています。基礎体温を1度上昇させるのは根気がいることですが、体温を上げて免疫力を高めようと毎日努力をしています。
 現在、運動と食事によって血圧の薬は飲まずに過ごしています。
 自分の身体に目を向け、「よく眠れたか」「食事はおいしいか」「食欲はあるか」「気持はゆったりしているか」「イライラして他人に八つ当たりしていないか」など、気をつけています。
 皆さんも一度、血圧、体温、睡眠、排便について自分の身体の声を聞いてみませんか。
 本を1冊紹介しておきます。『病気にならない「冷えとり」健康法』(進藤義晴著、海竜社)
(M・I)
定年退職後はユニオン運動に関わりを
 「♪村の渡しの 船頭さんは ことし六十の おじいさん 年はとってもお船をこぐ時は 元気一ぱい ろがしなる…」
 皆さんご存知の童謡「船頭さん」の一節である。この歌は、戦時中の1941年に作られ、2番と3番は軍事色が強かったため、戦後は書き改められた。
 しかし、何といっても驚かされるのは、その当時、「六十歳のおじいさん」が、「元気いっぱい船をこぐ」ことが歌になるぐらい珍しかったということではないかと思う。  あれから70年、相対的に食事内容や医療技術等が進歩したせいか、60歳を「おじいさん」と呼ぶことに躊躇するほど、今の60歳は元気である。
 しかし、定年退職しても、年金制度が改悪されるなかで、再雇用や再任用で現役時代の2分の1や3分の1の賃金で働き続けざるを得ない仲間がいる反面、職場生産点から退いたら、労働運動ができないと活動から去っていく仲間や、「定年退職後、何をしたら良いかわからない」と言う仲間もいると聞く。
 去る2月16日〜17日、東京で新社会党第18回全国大会が開かれた。参院選を控え、熱気に溢れた発言が交わされた中で、「職場のしばりや時間の束縛から解放され、今から自分のしたいことがやれる時」「定年退職者は、活動の宝の山」「定年前に、定年後は何をするか、対策を話し合っている」等々の発言も目立った。
 2012年6月の統計では、日本の労働組合の組織率は、とうとう18%を切ったが、そのなかには「会社あっての労働組合」と公言してはばかからない労働組合も多くなってきているようである。
 逆に言えば、80%以上が未組織労働者であり、その多くは、使い捨ての雑巾のように扱われ、その中でユニオンの存在を知った何%かがユニオンに相談にやってくる。
 しかし、「80%以上」をカバーするにはまだまだユニオンのメンバーが足りない。定年退職を機に、ぜひユニオン運動に関わっていただきたいと思う。
森山容光(姫路ユニオン委員長)