「新社会兵庫」 10月23日号
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- 基地と原発は弱者と差別構造の上に成り立つもの、とはよく指摘されてきたことである。それらの維持、さらなる定着・強化を図ろうとする権力側の手段が欺瞞と傲慢に貫かれた強硬策だろう▼原発の再稼働、建設再開をめぐってもそうだが、沖縄へのオスプレイ強行配備はその典型だ。米政府の一方的な報告を鵜呑みにした「安全宣言」。10万1千人の県民大会での意思表示をはじめとする「配備絶対反対」の沖縄県民の総意をまったく無視した強行配備。そして、運行に関する「日米合意」も反故にする訓練飛行の実態。あの不気味な機影が上空を飛行する現地の人々の不安や恐怖はいかほどだろうか。画像を見るだけでもおぞましい▼配備撤回に向けた沖縄の人々の非暴力・直接行動はつづく。長期の闘いを、政治的立場を越えて覚悟しながら全国的にも呼びかけている。オスプレイの配備は完了したわけではない。今後の増強、新展開も十分に考えられる。全国に低空飛行訓練コースが設定されている全国的課題だ。安全面だけではなく、民意を愚弄するかのように無視する権力の姿勢を許してはならない。この国の愚挙に抗う全国の行動こそ沖縄の人々のいのちをかけた闘いへの真の連帯だろう。
- 自然と暮らす 4月−9月
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退職を期に36年間住み慣れた播磨臨海工業地帯の煙突が見える町から、夫の実家である山と森の町に越してきた。近景、遠景合わせて360度山に囲まれ、家のどの窓からも山や杉、桧、さまざまな樹木が見える。この半年間の自然の中の暮らしを日記風にまとめてみた。
4月―山にも川辺にもいろんな所に点々と「私、ここにいるわ」と桜たちが自己主張する。桜には毛虫がつき易く、前の職場では年に何度か消毒が欠かせなかったが、自然の中でもこうして立派に花を咲かせられるんだ、と何か感動。
5月―山の新緑が実に美しい。どんな腕利きの職人もこんな見事な絨毯は織れやしない。それにしても、この地の動物も植物もみんな威張っている。朝露で濡れた地面を歩くカタツムリはツノもヤリも出し切ってノッシノッシ。満開のさつきを独り占めしているクマバチは「俺様の木だい、誰にも蜜は吸わせないぜ、ブンブンブン」。5月の終り、JR播但線は線路をはさんで東側に小麦の黄金色、西側に早苗が植えられた緑色の中を進んで行った。
6月―「ねえねえ、こんな夜中までギャーギャーうるさいのは一体だあれ」「スンマセン、カエルの家族よ、どうにも習性なもんで」。用水路では赤腹のイモリにモリアオガエルの卵。谷川には蛍が飛ぶ。
7月―晴天なのに一塊の雲がやってきて俄雨を降らせる。急にあたりが暗くなってバケツをひっくり返したような雨が降る。洗濯物を入れたり出したり、新米住民は黒雲に翻弄されっぱなしだ。
8月―夏野菜を狙って庭の塀を伝い歩く3頭の猿を目撃。思わず仏壇の鉦を拝借し「カンカンカン」と打ち鳴らし、「こらあ!畑に行っちゃダメ!」と縁側から大声をあげる。ボスらしい猿が「キーキーうるさいやっちゃな。今日のところは帰ったるわ」とでもいうような一瞥をくれて去っていった。ホッ。
9月―秋はやっぱり虫の音、その辺に100匹ほどの鈴虫もいるようだ。畔には鮮やかな彼岸花。昔、ねじ花の愛好家から大切に育てた一鉢をもらったが枯らしてしまった。なんだ、そのねじ花が庭のリュウノヒゲの間に30株ほど自生して桃色の花をつけている。
自然はすごい!毎日、毎時間、必然の中を違う顔で違う声を聞かせてくれる。優しいだけでなく、暴風雨には山も木々も唸り声をあげて枝葉や幹を震わせ、涙は土石流となる。いつもは穏やかな市川も叫び声をあげ濁流となって岩をも押し流す。自然の中に身を置いているといろんな事がちっぽけに思えてくる。無条件の包容力、福島の原発事故は多くの人々からそうした自然を奪っているのだ。
(F)
- コミュニティ・ユニオン全国交流集会に参加
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去る9月15、16日に京都で開催された第24回コミュニティ・ユニオン全国交流集会に参加した。全国33都道府県から550人が結集し、熱気にあふれた集会となった。最後は「47都道府県参加」を目指してさらにがんばろうと締めくくられた。
集会では、虐げられた人の立場にたって活動されているという神田香織さんの迫力ある講談「福島原発震災―被災者の叫び―」が披露され、また、韓国やフィリピンの労組の紹介もあり、ユニオン運動の発展や国際的な交流の実態を感じることができた。
しかし、ただひとつ残念だったのは、来賓あいさつを含め最初から最後まで、新社会党の「し」も出てこなかったことである。既存の労働運動が低迷するなか、ユニオン運動が期待されているし、新社会党の仲間もがんばっていると思っていたのに、まだまだ努力が足りないらしい。
分科会では、私は第7分科会「つぶされない組織化」を選んだ。札幌地域労組の鈴木さんがご自分の20年の体験をもとに、映像なども交えながら具体的に問題提起をされた。
その中で次のような話が印象に残った。
千歳周辺の会社には、自衛隊のOBが多い。会社が問題を起こし、労働組合を結成しようとする時、彼らが一番熱心に結成に加わってくれるという。自衛隊の中では法律は忠実に守られているので、会社の法違反は心から許せないと感じるらしい、ということであった。
姫路ユニオンにおけるY鉄工の賃金未払いの問題は、社長が法律を知らないために話にならなかったところへ会社側の社労士が現れ、少なくとも法律に基づいた交渉ができると期待したが、この社労士は法律を無視して会社の代弁者に徹したため交渉は決裂し、裁判闘争に入ることとなった。
また、「警備ひゃく」の仮眠時間の賃金未払いをめぐる裁判は、10月11日に結審。12月7日に判決が出る。
自衛隊のOBでなくても、儲けのために法を無視して労働者を苦しめる会社は許せない。
森山容光(姫路ユニオン委員長)
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