「新社会兵庫」 7月10日号
 大飯原発3、4号機の再稼働を2日後に控えた6月29日夜、首相官邸前には再稼働反対を訴える10数万の市民が押し寄せ、一帯を埋め尽くした▼「再稼働決定」以降、毎週金曜夜、ツイッターなどによる呼びかけに応えた集まりが、22日は4万5千人に達し、1週間後には10万人を超えた。労働組合などの組織動員とは関係なく、市民一人一人が自分の思いを持って集まってくるところにこれまでと違ったものが見られる。「ウォール街を占拠せよ」―米国のあの運動を彷彿とさせるような盛り上がり方だ▼人々を行動に駆り立てるものは、何よりも野田政権への怒りだろう。国民の命と安全を無視する政権に黙っていられない、子どもを守るためにも何かしないといけない。子ども連れの若い参加者の姿が象徴的だ▼いつしか付けられた名は「紫陽花革命」。季節を指すだけでなく、「小さな花が集まった紫陽花」のイメージが、「一人一人は小さくても、問題意識を持った大勢の人の集まりになれば国の方向性をも変えられる」という行動趣旨と重なるからだ、ということらしい▼「国民を馬鹿にするな」と野田政権を倒す運動に発展する可能性すらはらんでいよう。さあ、「組織体」はどうする。
オスプレイの配備を許すな
日本の安全を脅かす全国課題
 米政府は6月29 日、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)への配備を日本政府に正式通告した。7月末に米軍岩国基地(山口県岩国市)に機体を分解した状態で搬入し、試験飛行を実施、飛行の安全性を確認した上で8月に普天間に配備して10月初旬から本格運用するという方針だ。ただ、岩国基地での試験飛行は、この間のモロッコ(今年4月、2人死亡)とフロリダ州(同6月、5人負傷)でのオスプレイ墜落事故を受け、その事故調査結果が出るまでは見合わせることを日米政府は合意したとしている。
 今回の墜落事故後、一時は手続きを保留すると言ってみた日本政府だが、直後に米政府から「機に問題はない」との「説明」を受けるとただちに容認へと態度を変更してしまった。そして6月29日、正式通告を受けるや、受け入れに強く反対している受け入れ自治体の意向もまったく無視し、配備の延期さえ求めることなく、ただ容認の既定方針のまま、米軍の「使い走り」よろしく森本敏防衛相が6月30日と7月1日、沖縄県と山口県に説明に出向いたのだった。
 だが、6月30日は沖縄県にとってどんな日だったのか。53年前の1959年6月30日、米軍のF100戦闘機が宮森小学校(当時・石川市)に墜落。パイロットは墜落直前に脱出して助かり、児童ら17人(後に後遺症で1人)が死亡、210人が負傷したのだ。29日にはその宮森小学校で追悼集会が開かれたばかりだった。「よりによって米政府は、追悼集会のあったその日に……普天間飛行場への配備を通告した」「よりによって森本防衛相は墜落事故のあった30日に来県し……受け入れを要請した」「おぞましい話である」(沖縄タイムス/7月1日)。
 沖縄の怒りは当然、さらに大きく燃え上がろう。仲井真知事は「安全性に疑問があるものは拒否するしかない」と改めて受け入れ拒否を表明。会談後には記者団に対し、米国が配備を強行し、事故などが起きた場合は「(県内の米軍の)全基地即時閉鎖という動きに行かざるを得なくなる」と述べるなど、強い反発を示した。
 開発段階から何度も墜落事故を繰り返し(3度の事故で30人が死亡)、実戦配備されてからも事故が絶えない(アフガンでの作戦中の墜落事故で4人死亡や今回)オスプレイの安全性はだれもが疑問視するものであり、欠陥機というほかない。
 そのオスプレイの配備をめぐって、沖縄ではすでに県内すべての41市町村議会で反対決議・意見書が可決されており、6月17日には宜野湾市主催のオスプレイ配備反対市民大会が開かれ、5200人が参加した。この動きは、県議会の呼びかけによる超党派の県民大会へと発展していく動きにあり、島ぐるみの反対闘争へと大きく展開していくだろう。
 しかし、オスプレイ配備は沖縄だけの問題にとどまらない。6月13日、防衛省が関係自治体に提出した米軍の「環境審査報告」によると、オスプレイは沖縄と本土に設定した低空飛行ルートでの訓練を想定していることが明らかになった。普天間基地に配備されるオスプレイ部隊(計24機)は、沖縄のほか、米軍岩国基地と米海兵隊キャンプ富士(静岡県御殿場市)に2〜6機からなる分遣隊を派遣し、その際、すでにある6つの低空飛行ルートで訓練を行なうというものだ。両基地への配備期間は月平均2、3日、場合によって2週間の派遣もあるとしている。使用する低空飛行ルートにはカラー名が名づけられており、東北は「ピンク」と「グリーン」、北信越は「ブルー」、近畿・四国は「オレンジ」、九州は「イエロー」、沖縄・奄美は「パープル」という6本である。
 米軍関係者でさえ「世界一危険な空港」という普天間飛行場に、この危険な輸送機の配備を押し付けようとしている日米政府。改めて米軍基地をめぐる沖縄の構造的差別が浮かびあがる。
 しかし、オスプレイ配備はけっして沖縄だけの問題ではなく、まさに日本国民すべての命と安全にかかわる全国的な課題である。反対闘争を強め、何としてもオスプレイの配備を阻止しよう。
野上 司(平和運動研究会)
少しだけ笑顔にした私道
 自宅前に10世帯で共有する私道がある。土でできているその私道は、雨の日は水溜りができ、でこぼこで歩きにくく、風が強いときは砂埃が舞う。このたび、そんな状況に以前から不満を持っていた数世帯が「アスファルトにしませんか」と切り出した。
 共有地のため、みんなで合意しなければ工事ができない。10世帯が集まり話し合いを重ねた。「土がいい」という反対意見もあったが、最終的にはみんなが舗装に同意し、きれいなアスファルトが完成した。
 あとは工事にかかった費用を集めるのだが、それぞれの私道の持分面積で割ることになった。しかし、それには納得ができなかった。私道の持分面積は、10世帯がバラバラだが、実際は共同使用している。「ここからここまでは私の土地だ」なんてことは誰も言わない。付け加えれば、私道の持分が多い世帯は、相応の固定資産税を負担してきているのだ。「私道を舗装するから、持分が多い人は多く負担してください」というのは公平性がないのではないか。私は舗装費用の全額を10世帯で割ろうと提案したが、主張は通らなかった。10世帯で平等に割ったらみんな納得いくはずなのに……。今回はしょうがないかと諦めた。
 この私道のことでは、色々知らないことばかりで、大変勉強になった。自分の家の前に自分の私道があるとは限らないということ。もめないようにわざと私道をバラバラにしていることを初めて知った。
 今回の私道のやりとりで、よかったなと思うことがある。それは普段、あいさつ程度の関係だったNさんと親しくなったことだ。立ち話をする中で、色んな共通点があることを知った。Nさんの家によく遊びに来る友だちが、私の古くからの知り合いだったということ。また、Nさんの職場が私の父と同じで、「そういえば、似ているわ」と言われたこと。近所に住んでいるのに、まったく何も知らなかったこの事実に、私もNさんもビックリした。この私道の件が一段落したら、飲みに行こうと約束をしている。
 今回の私道の問題というのは色々あって大変だったが、この機会にご近所さんとの関係が深まってよかった。
 きれいに舗装されたその私道は、みんなを少しだけ笑顔にした。
(S・A)
パワハラ被害でユニオン立ち上げに参加
 6月30日のひょうごユニオンの定期大会での発言です。
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 私は但馬ユニオンの組合員のAです。私が組合員になったのは2010年3月26日です。なぜ組合員になったかと言いますと、私は但馬地方の某教習所に勤めており、上司が業務を利用してパワハラをしてきたり、閑職に追いやられたり、内部告発の犯人扱いにされたりと、イジメや嫌がらせを受けています(細かく書き出すとキリがないので大まかに書きました)。
 私のなかで雇用不安が増大し、インターネットで何か打つ手はないかと調べているときに、姫路ユニオンのホームページを見て、一人から入れて、活動的な組織の労働組合があることを知りました。相談して但馬ユニオンの立ち上げがあると聞き、組合員になることを決意しました。
 上司、会社はパワハラなどを否定していますが、現代社会でセクハラと同じくらいパワハラの知名度も上がり、ニュース等で取り上げられることも多くなり、会社も社員の立場を意識しないと大きな不利益になるときもあります。
 私は現在、但馬ユニオンの力をお借りしての行動(団体交渉など)はまだしておりません。なぜかと言いますと、但馬ユニオンに属していない職場の仲間がいるからです。私が立ち上がれば少なからず仲間に対しても何かしらの影響が出る可能性があるからです。私は職場の仲間に精神面で助けていただいていることも多く、その関係にキズが入ることを恐れてもいます。上司からの退職勧奨も過去に1度あり、それ以上の退職勧奨を受け続けると精神面の負担が大きくなり、このような状態になれば、仲間も大切ですが、私の立場も守らなければなりません。
 パワハラに関しては、立証が難しいと言われる場合も多いですが、日々、会社のなかで起きた内容をメモし、1カ月ごとにまとめて但馬ユニオンの定例会議で報告しています。報告のなかで立証できそうな部分を活かし、将来の行動(団体交渉など)に活かそうと思います。
 私は仕事で失敗もしますし、完璧な人間ではありませんが、現在の立場に追いやられるようなことはしていません。必要があれば闘わなければならないと常に意識しております。
A(但馬ユニオン)