「新社会兵庫」 6月26日号
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- 最近の政治家の言葉の軽さ、愚かしさはどうだろう。野田首相は「与党の責任があるから消費増税は実現させねばならない」と言う▼しかし、そもそも何故与党なのか。選挙に勝ったからであろうし、選挙に勝ったのは、消費増税反対の態度が国民に支持されたからであろう。消費増税反対で与党になった党が、それ故に増税に突っ走るという。この矛盾した論理をつなげるのは、裏切り、変節のみである▼与党であるが故にというフレーズは、何10年にわたる自民党の悪政をすべて免罪してしまう悪しき魔力をもつものであることに気づかないのであろうか▼消費増税推進の片棒を担ぐ安住財務相は「分厚い中間層」という空疎な謳い文句の定義を問われて、「中間層というのは年収200万円から1500万円の層」と答えて唖然とさせた。警官に犯人の年齢は、と問われて20代から60代の間」と答えるに等しい。恥ずかしかったのか、200万円以下1500万円以上は該当しないという意味だと言い訳し、さらに「普通の人が普通の努力をして普通の暮しができる層」、つまり中間層とは普通の人という無内容を披露して恥の上塗りをした▼無内容な言葉は、無内容な政治を雄弁に語っている。
- 漂流日本・民主主義の再生・活性化のためにA
今こそ「真の政治改革」を -
民主党への政権交代から早3年近いが、毎年のように首相交代や参議院での問責決議可決による閣僚の辞任、内閣改造が繰り返されている。また、民主党自体も野党時代から指摘されていたように基本政策を度外視し、「非自民」の名の下に結集した「選挙互助会」政党ゆえ、政権獲得後も政策がブレまくり、挙げ句、「国民の生活が第一」という最大のマニフェストのスローガンもかなぐり捨て自民党政治顔負けの悪政推進という状況である。その最たるものが、「税と社会保障の一体改革」という触れ込みで自民党も成し得なかった「消費税増税」へ邁進する野田政権である。
憲法で保障される生存権に立脚した社会保障制度構築でもなく、さらなる改悪を目論んでいる点ですでに「一体改革」論は破綻している。それでも野田首相は「政治生命をかける」と公言する。このようなことで国会が右往左往している。
本来、優先度の高い政策課題としてはさまざまな社会問題にも波及してきた震災復興政策や最高裁で「違憲状態」を指摘された衆議院選挙制度改革などであろう。全く国民の期待もしてない政策に政治生命をかけるといわれても迷惑な話である。
このような中央政界を「大阪維新の会」橋下代表は「決められない政治」、「リーダーシップがない」と厳しく批判し、自ら行う強権的な大阪市の市政運営を正当化している。「首相公選制」などに言及していることから究極にはそこに登りつめる野心もあるのだろう。
以上、現在の政治状況に触れてきたが、国・地方にも国民・住民の参加もなければ意思も反映されていない、まさに「別次元」ともいうべき状況である。これではますます政治不信が高まり、無関心層も拡大する。そして、「橋下維新」のような得体の知れないものへと現状不満層は吸収されていくのだろう。それはやがて合法的手段によって「独裁者」の地位を得た支配者による国の統治になるのかも知れない。その先例が差し詰め橋下大阪市政ではないか。
このような政治状況を招かないのはもちろんのこと、国政においても民意とあまりにも乖離した政治を善導するためにも、今まさに私たちが何をなすべきか、またどのような問題意識を認識し、それを多くの国民と共有していけるかが課題といわねばならない。その意味で民主政治の実施、それを保障する制度的仕組みを作らねばならないに尽きる。すなわち、「真の政治改革」の実現である。
政治の劣化が叫ばれて久しいが、そもそも根源には細川政権による「政治改革」による衆議院選挙における小選挙区制導入や政党助成法、これに伴う関連法制定がある。
当時、「政党・政策本位」、「金のかからない」政治・選挙が期待されると導入推進派は喧伝したが、結果は政策的に似通った二大政党が大衆受けする「マニフェスト(政権公約)」を掲げ、選挙で勝利して政権を獲得後、全く異なった政治を遂行する。小選挙区制導入によって「虚構の多数派」が形成される。巨大与党は選挙を避けようとする。そのため、解散より内閣総辞職が頻繁に行われ、与党内の「政権交代」となる。「憲政の常道」からすると逸脱しているといわざるをえない。それに加えて多くは比例代表で議員を選出するしかない中小政党の意見が二大政党の政策にはほとんど反映されていない。逆説的にいえば、反映する意思もないゆえに「比例定数」削減や「完全小選挙区制度」導入論がある。
民主政治復元には衆議院選挙制度改革は急務である。民意を忠実に反映する「完全比例代表制」あるいは準比例代表的なかつての「中選挙区制度」が望ましいと考える。それとともに政党助成金目当て(政党要件確保)のため政党の離合集散が繰り広げられていることへの対応である。「民主主義のコスト」として導入された政党助成金制度は廃止すべきである。
選挙制度に完全なものはないと指摘されるが、基本原則は少数派も含めて民意を議席に反映させる制度があるべき姿であろう。これは選出される議員の問題ではなく、有権者の参加という側面からして不可欠な要素である。加えて、立候補のための高額な「供託金」を大幅に下げる措置も必要である。
日本の政党助成金総額300億円超は他の先進諸国に比べてもあまりにも高い。供託金(比例代表600万円など)も同様である。国政に多くの国民が参加していくには大変な障壁があるというのが現行制度である。
「真の政治改革」なくして税制論議や国民負担論議はありえない。かかる事態を放置して「消費税」政局を展開する二大政党の責任は大きい。民意と乖離する政治の最たるものであり、政権政党としての資格も問われて然るべきと指摘したい。
鈴田渉(中央区で憲法を学ぶ会、元9条ネット九州代表)
- 介護の仕事を始めて
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登録ヘルパーとして働き出して1年を迎えました。2年前の秋にハローワークを通じ、職業訓練のヘルパー養成講座を受講し資格を取得しました。取得してしばらくは私に務まるのか不安でしたが、たまたま研修でお世話になった近くの訪問介護センターに登録しました。最初は学んだことと現場の仕事が想像以上に違い、自信を失って辞めようと思うことも何度かありました。
ヘルパーの仕事は利用者の方とのコミュニケーションが大切であることを学びましたが、限られた時間(1時間〜1時間半)に買い物や調理、掃除、洗濯等(要介護、要支援の区分によって異なりますが)、予定の仕事が終わる頃は時間が無くなり、ゆっくり話しをする余裕がないのが現状です。会話を重ねていく中で自然に利用者の方の想いやこれまでどのように生きて来られたか等、その方の人生が少しずつ見えてくることが信頼関係を作っていく道筋のような気がします。
週1度訪問している利用者の方は最初の頃はほとんど話されず、掃除をしている様子をじっと見ているだけでした。訪問を始めて1年近くなりますが、最近やっと、子供の頃、親元を離れ福祉施設で育ったことやお菓子工場で働いていたこと等を話されるようになりました。ある日、箪笥の引き出しから白いコック帽を被った写真を取り出し、ケーキ製造のデコレーション部門で賞を受けた時の記念写真であるとの説明をされました。それまで、自分は天涯孤独で楽しみはお酒を飲むことだけと言われていましたが、大切にしまっておられた写真を見せていただき少しだけその方の想いが見えたような気がしました
別の利用者の方は、お連れ合いを若いころに亡くされ、造船工場で働きながら4人のお子さんを育てられたそうです。造船工場で仕事の無理が重なってヘルニアを発症し、押し車を支えに何とか歩行が出来る状態です。とても話し好きで、仕事のことや職場の野球部に長い間所属して活躍されたことを話される時は、うれしそうで生き生きとした表情になります。
利用者と支援する側の思いのすれ違いで、やむを得ず訪問を断念したことも何度かありました。
その度に落ち込むこともありましたが「今日はヘルパーさんが来る日や」と楽しみにされている利用者の方も居られることを想い、もう少し続けて行こうかと思っています。
これまで何度も生活援助の時間短縮がされていますが、今年の4月からさらに時間が短縮されました。利用者もヘルパーにとっても負担だけが増え、支援内容の低下は必至です。
安心して介護が受けられ、働きやすい環境を実現させるためにも、介護は保険ではなく社会保障制度でなければと改めて思います。
(尼崎・T)
- 老いてますます元気な熟年者
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昨年10月から取り組んできた「敬老パスアンケート調査」も6月の取り組みで一段落。約570人分集まったが70歳代の方が多く、そのほとんどの方が「敬老パスの無料化」を望んでいることが判った。また、利用目的では「通院」と「買い物」が多く、外出する回数が減ったとの声もあった。今後は、あわはら富夫、小林るみ子両神戸市議らと分析方法や神戸市への要求、さらには市民にどのように報告していくのかなどを相談しながら進めていく。
月1回行なっている「サンドイッチマン・デモ」のビラでの報告も考えているが、そのデモが7月で96回を数える。8月は真夏ということで毎年行なっていないが、デモは私たち熟年者ユニオンの運動の基軸となっている。今年中には100回となる。今では商店街の皆さんにも受け入れられるまでになっている。毎回20人程が参加しているが、60〜70歳代の声が元気一杯、商店街に響く。
どこからこのようなエネルギーが生まれるのか? それは参加された一人ひとりが今の社会や政治に対して矛盾を体で感じ、怒りを燃やし続けているからだと言える。「熟年者ユニオン、シュプレヒコール」…「オォー」の掛け声から始まるデモ。「敬老パスを無料に戻せ」「関電は大飯原発の再稼働はやめろ」「琵琶湖の水を守ろう」「消費税10%引き上げは許せない」「平和憲法を子どもや孫に残そう」「若者に仕事をよこせ」!看板を背負いながら、新調されたノボリと腕章が行き交う人達へのアピール力になっている。
また、1月に結成された高齢者団体連絡会の西はりま熟年者の会や東播高齢者の会へも声をかけ、前回は西はりまからの参加者もあり運動の拡がりも生まれている。
7月20日(金)は午後2時に花時計前集合(雨天時はセンター街東入口)。今回は大飯原発再稼働の停止を訴えて、再度、関西電力神戸営業所前を通る。消費税問題や原発問題を考えると、高齢者だけのデモに終わらせたくない。ぜひご参加を。
横林 賢二(熟年者ユニオン事務局長)
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