「新社会兵庫」 6月12日号
-
- 4月の韓国の国会議員総選挙を前後して韓国進歩陣営は大混乱に陥っている。どの世論調査も進歩陣営、とくに統合進歩党に対する厳しい見方が広がっている▼統合進歩党の共同代表の一人であった李正姫、旧民主労働党の代表でいわば韓国政界のスターでもあった彼女が選挙を前に候補者を辞退せざるをえず、選挙後は、党内の比例代表候補を決めるネット投票の過程で主流派による不正があったと非主流派から批判の大合唱。マスコミも大騒ぎ、ついには検察が介入して党本部を捜索、過去の党員も含む20万人分の党員情報をサーバーごと押収していった▼党内には非主流派中心の革新非常対策委員会と主流派の党員非常対策委員会という2つの臨時機構が対立し合い、事実上分裂に近い状態だという。非常に残念な事態だ▼新自由主義の猛威に呻吟してきた韓国労働者たちがこの選挙をステップに12月大統領選挙で政権交代をめざす、そのための進歩政治大統合が、逆に労働者間の亀裂を深めてしまった。旧民主労働党が進歩大統合のために「新しい社会主義」の党綱領をしまいこみ、懸隔ある部分との統合につんのめって腰高になったところを、足をすくわれた。そんな気がして仕方がない。
- 議会制民主主義は甦るか 議会基本条例の意義と課題
-
できるだけ神戸市議会を傍聴するようにしている。どうも、議会に対する市民の評価はもうひとつのようだ。「議員数や給料が多すぎる」「何をやっているか分からない」「だれが議員になっても同じ」「自分には関係ない」など、「近くて遠い存在」になっているようだ。マスコミなどからは、「市議会など傍聴しても仕方がない」などとの酷評も耳にする。
市会議員選挙の投票率も低落の一途をたどっている。神戸市会議員選挙の投票率は、42・04%(2011年4月)にすぎない(07年は44・98%、03年は46・83%)。
積年の旧態依然たる議会運営に対して、市民から倦怠感すら感じられているのが現状ではないか。議員自身は「権威ある」もののつもりでいても、市民の目からは「自分には関係ない」というのが実情のようだ。
しかし、議会には、こうした形骸化に対して、どうもあまり危機感は共有されていないようだ。
特に、神戸市のように与党が圧倒的多数で、行政との間に緊張感が失われているところでは、「市議会など無くてよい」ということになってしまいがちだ。
行政・議会による二元代表制は、行政・議会・市民3者間の緊張関係が適切に維持されて、機能することが前提であり、現下の緊張関係の弛緩は、議会制民主主義の根幹を揺るがす由々しい事態である。特に危惧されるのは、昨今のヤケッパチな「議会不要論」あるいは「議員削減論」の台頭である。
こうした状況の中で、2000年4月、地方分権一括法が施行され、自治体議会の役割と責任が増大するにつれ、議会内部においても、いわば「外圧」に圧される形で、議会改革の必要性が認識されるようになった。「先進的」のつもりが、後方に取り残されかねない、という事態になっていたということだ(議会基本条例第1号は、2006年の北海道栗山町。兵庫県会は2012年3月。現在、全国で約270議会が議会基本条例を制定)。
神戸市議会でも、昨年7月、「改革検討会」が設置されて基本条例づくりに着手。本年5月、ようやく要綱案を得るに至った。目下、パブリックコメントが終わり、最終段階に入っている。
それでは、「改革検討会」がまとめた要綱は、「改革」の期待に添うものなのだろうか。延べ12回の討議を重ね、時には6時間に及んだ議論には労をねぎらいたい。しかし、私見では要綱には大きな欠落があると指摘せざるを得ない。@議会制民主主義がこのような状況に陥ってしまったことに対する真摯な反省、A基本条例作成にあたって、「市民」の視点の反映が希薄、であることである。
議会改革はなにも議員だけの課題にとどまらず、議員・市民双方が担うべき共通の課題であるはずだ。現在の議会をめぐる状況は、議会そのものの危機であると同時に、市民自身にとっても重大な危機状況だからである。
中には、一問一答方式の質疑や議員間の自由討論、ネット生中継の導入など、なぜこれまでに改善されなかったのか疑問なものもある。努力不足の一語に尽きよう。議会の会議等の公開を掲げながら、議会運営委員会が市民に非公開なままであったり、会派による質疑時間にあまりに格差があるなど、是正の不十分なものもある。
改革の目玉商品と目されていた議会報告会が、検討課題として先送りされたのも、消極性を感じさせる。何よりも、〈市民と議会との関係のあり方〉を忘れた改革なるものは、「仏造って魂入れず」だからである。
「政府や議会はその国民を超えることはできない」という。われわれも選挙でいったん選んだら、後はお任せの「選挙時だけの主権者」では済まなくなる。議会は〈最高意思決定機関〉なのだから、市民による「追跡と検証」が不可欠だ。お任せのツケは大きく市民自身に回ってくる。(5月24日記)
(参照 拙著『神戸市議会のあり方についての調査と提言』2011年)
中田 作成(新しい神戸をつくる市民の会・顧問)
- 「原発」と向き合う
-
某新聞に「76歳闘士、病床で訴え」という記事が掲載されていた。闘士とは、1976年に「原子力発電に反対する福井県民会議」を結成して以来、約40年間、反原発運動をリードしてきた小木曽美和子さんのことだ。「原発をなくすことは簡単じゃない。一人ひとりが原発と向き合い変わっていかなくちゃ」と今、病床から訴え続けている。また、「原発は命の問題。時間はかかると思うが、原発を地場産業にしてしまった地域の在り方を変えていかなくてはいけない」―とも。
原発が次々と立地され続けてきたこの半世紀。私たちは原発に反対し続けてきたものの、闘い続けることはできなかった。悔やんでも悔やみきれない。結果として、原発立地を許してきたことの、そして、このたびの惨状をもたらしたことの責任は大きい。それだけに私たち世代の一人ひとりがその責任の重さを受け止め、最後の力を振り絞って脱原発の運動に取り組まなければならないのではなかろうか。
今、神戸から100q圏にある福井原発群の一つ、大飯原発3、4号機の再稼働が強引に進められようとしている。福島原発事故の原因が未だ解明されておらず、さらに4号機が危ういとさえ言われている最中、安全≠ニいうお墨付きをもらい、科学に疎い政治家の判断で再稼働すると言う。しかし、いったん稼働を許してしまえば、これを突破口に日本全国の休・停止している50基すべての原発が一気に再稼働の道を走り出すことは必至だ。この国は、再び取り返しのつかない選択をしようとしている。
また一方で、震災がれきの広域処理も強引に進められようとしている。政府は「みんなの力でがれき処理、災害廃棄物の広域処理を進めよう(環境省広報)」と、精神論≠ナ、受け入れを受諾しない自治体、あるいは受け入れに反対する人を、まるで非国民′トばわりする風潮を作り出し、国内に無用の混乱、対立を招いてしまった。あくまでも責任を取らなければならないのは、各自治体に責任を押し付けようとしている国、そして、東京電力じゃないのか。
私たちは惑わされてはならない。「放射能は、拡散させず封じ込める」という原則に沿い、「震災がれきは広域処理させず地元処理をする」。そのために、国や全国の自治体は、被災地の努力に対して、人・資金・技術などで支援するというのが復興支援≠フ基本なのではないだろうか。もちろん原発労働者やがれき処理作業労働者を被曝させないことを前提にだ。
病床で、末期がんを宣告されながらも脱原発の闘いにいまなお挑み続けている小木曽美和子さん。執念≠ニも思える必死の訴えに、「兵庫・神戸も地元!」と、一人ひとりが原発と向き合い変わっていくことで応えなければと思う。
(神戸市会議員 小林るみ子)
- 野放しにされる労基法違反の就業規則
-
Y鉄工のAさんは、年間の勤務日数を計算して、週40時間をわずかにオーバーしていることに気づいた。わずかといっても、1年間に換算すると、7日分もの未払いが発生することになる。それと同時に、就業規則の中に労基法違反と思われる箇所がいくつかあることを見つけ、併せて姫路労基署に申告した。
Y鉄工とは現在、団交を重ねているところであるが、姫路労基署にも赴き、AさんやY鉄工への対応がどうであったのかの確認を行いつつ対策を進めているところである。
その中で、労基法違反の部分がある就業規則について疑問が湧いた。事業所から労基署に就業規則が提出されたならば、それが労基法に沿っているかどうかを審査し、審査にパスしたものを受付けるものだと思っていた。だから、労基法に違反した就業規則なんて存在しないと思っていた。
しかし、姫路労基署は、提出された就業規則は受付けるだけで中身は見ないという。いちいち見ている時間がない、ともいう。思わず「労基法違反でないかどうかを審査することが労基署の仕事ではないのか」と言ってしまった。
労基署が労基法違反を見落とすと、今回のように違反が独り歩きを始める。労基署が受付けたということは、事業所にとっては労基署のお墨付きを得たに等しく、Aさんのような人が現れるまでは労基法違反が白昼堂々と横行することになってしまう。
公務員職場の人減らし合理化が進んでいる。職場によっては、非正規職員の方が多くなっているところもある。そしていつしか、本来の仕事が遂行できるかどうかということより、人数を少なくすればするほど良いという風になってしまっている現実がある。3年前の佐用町の洪水災害では、被害が大きくなった原因の一つに町職員の減らし過ぎが挙げられていた。
労基署というところは、機能しなければしないほど事業所には喜ばれるであろうが、労働者は泣き寝入りを強いられる。
森山容光(姫路ユニオン委員長)
|