「新社会兵庫」 3月13日号
-
- 3・11東日本大震災と東電福島原発事故から1年。原発事故の方は落ち着くどころか、底なし沼の態である。原発推進政策を推し進めた国家の失態がますます明らかである▼そこに今回の民間事故調の報告である。事故直後の、情報の精確な掌握と的確な対応という国家機能の第一歩が、目を覆いたくなる惨状であったという。このため被害と犠牲が過大になったのは疑う余地がない▼その時期、国民の耳に入れられた情報やコメントは「健康への被害は考えられない」「チェルノブイリやスリーマイルに比べれば軽微である」「原因は想定外であった」というものであった。事態掌握能力を喪失しながら「大したことはない」という願望と「不可抗力」という言い訳を繰り返していたわけである▼敗北で混乱の最中にある軍司令部が「損害は軽微」「すでに反撃が開始されている」と繰り返した大本営発表に酷似している▼災害1周年は、学校の卒業式の時期とも重なった。ただでさえ胸がいっぱいになる卒業式である。避難の地から参加した学童も、遺影で参加した生徒もいたであろう。国家は自らへの畏敬を求めるために、起立して「君が代」を斉唱せよと強制するのか。反省できないのが国家なのか。
- 住民無視の新長田駅前再開発事業
検証と情報公開と対話が必要だ -
「海の神戸空港」、「陸の新長田駅前再開発」と言われたように神戸市の震災復興事業の目玉である2つの事業のうち、「陸の新長田駅前再開発事業」はどうなっているだろうか。
まだ建物の建っていないいくつかの街区は、特定建築者制度として民間に土地を売るだけで神戸市の手を離れ、それ以外はほぼ表面的には完成している。
今年1月16日、神戸地裁に「アスタくにづか」の再開発ビルの店舗所有者52人が3億円の管理費の過払い返還を求めて提訴した。相手は、神戸市も出資する管理会社「新長田まちづくり会社」である。
この裁判には前段があって、同じ「アスタくにづか」6番館北棟で去年の8月、「防災センター」の負担割合が住宅と店舗とで1対9は不当であるとして裁判を起こし、全管理費の割合を1対1・5にすることで和解が成立した。
その結果、坪あたり2500円であった管理費が「まちづくり会社」を離れ、自主管理にしたら595円になり当初の約23%に下がった。
そのことが新聞に大きくとりあげられ、6番館北棟以外の商店主が立ち上がったという訳である。原告は7棟の全店舗の半数を超えている。
しかし、この裁判はたんに管理費の過払い請求に止まるものではない。神戸市の行なってきた震災復興事業そのものを根本から問い直すものとなってきている。
おりしも阪神・淡路大震災17年目の今年1月、テレビ朝日で「復興という名の地獄」というタイトルで30分のドキュメンタリー番組が放映された。かなり強烈な印象を与える内容になっている(番組を収録したDVDがありますので、視聴をご希望の方は中島までご連絡ください)。
一方で裁判を起こしながら、原告の商店主さんの1番館南棟は、6番館北棟のように区分所有法に定める管理者を「まちづくり会社」から自分たちに変更して別の民間管理会社に委託するための集会を開いたところ、人数的には9対2で可決するものの、空き床を所有する神戸市の反対で4分の3の議決権が得られず規約改正はできなかった。一体、神戸市は住民か会社のどちらの味方なのかと商店主は抗議している。
2710億円もの巨費を投入して西の副都心、防災拠点、安全・安心な街づくりを目指した新長田駅前再開発事業はどうだったのか。鉄人28号や三国志のモニュメントも結構だが、根本的な活性化にはなりえない。約50%を占める保留床の売却はほとんど進まず、しかたなく賃貸に出しても借り手がなく、家賃のダンピング、内装費の補助という不公平な施策が行なわれる(先に売った区分所有者には補助はない)。1階はまだしも地階と2階はシャターが閉まったままの空き店舗が目立つ。本来、保留床の売却で償還するべき市債の残高は763億円残っている。今後どう返済するのだろうか。
事業である限り、その収支決算はあるはずである。昨年秋、事業開始からの歳入、歳出の公文書公開請求を行なったところ、保有しないことを理由に非公開の通知があった。資料がなくてどうして決算するのだろう。外部監査も平成18年度に行なって以来できていない。前回から5年を経過しているので、もう一度外部監査をする必要があるのではないだろうか。
震災後、とくに国道より南の大正筋は人通りが少なく、売上が上がらない。おまけに高い管理費と固定資産税、購入時のローンの返済に耐えきれず店をたたむ商店も出てきている。
「協働と参加」とは名ばかりで、住民を無視するどころか区分所有者を食い物にして独占的に管理する会社、果たしてこのままでいいのだろうか、根本が問われている。
この再開発事業のすべてを検証し、情報を公開し、街の活性化のためにはどうすればいいのか、まずそこに住む人、商業を営む人の意見を素直に聞き、議論し、対話すべきである。いまこそすべての英知の結集が必要とされている。
中島秀男(新しい神戸をつくる市民の会世話人)
- 体の歪みをなおす体操
-
「ゆる体操」というのを教えてもらった。寝る前に布団の上で「ゆるゆる」と声を出しながら、体の筋肉を緩めていく体操である。やってみると体が温かくなる。おかげですぐに寝られた、という人もいた。そのとき、ふと思い出したのが、1970年代後半に、「子どもの体がおかしい」と問題になり、「野口体操」というのを岩手まで習いにいったことである。このときに習った体操をもとに、「ゴキブリ体操とお休み」を体育館では続けている。「揺り」や「振り」から、腹式呼吸、重力を感じ脱力する―、こんなことが体を取り戻せるのでは、と教わった。当時は、テレビや受験競争による詰め込み教育、自然破壊の中で、外遊びが減り、群れ遊びが減っている、だから、子どもたちが当たり前の動きができず、骨折や大きなけがが増えていると問題にされたのである。
17年前の震災の後、激震ベルト地帯を中心に、子どもたちが荒れて問題になったときにも、じっとしていられない、椅子に座っていられない、話も当然聞けない、落ち着いて学習できないなどと問題になった。そのときにも、家庭が破壊され、生活習慣の乱れ、遊び場のなさと体が問題にされた。どうするのかというなかで、太極拳やヨガなど、ゆったりした動きと深呼吸が必要だ、行進練習や縄跳びの交差跳びやあや跳びが左右のバランスをとるにも効果がある、といろいろやってきた。
神戸市の養護教諭の人たちも体づくりを問題にし始めた。今の勤務校でも、落ち着かない子どもたちの姿勢が問題になり、学習の基礎、生活の基礎としての体づくりをと、姿勢体操づくりに取り組んできた。最初は、「しんそう体操」を学習し、体の歪みをなおす体操にと考えた。やはり行進と昔の侍歩きが深い呼吸と一緒だと効果的ということだった。また、保護者のバレエの先生にも協力してもらい、背筋を伸ばすこと、椅子に座ってできる体操もつくり、子どもたちと始めた。毎朝取り組んでいるが、聞くところによると、朝から同じような体操を取り入れているところが増えているようだ。子どもたちにも「ちょっと痛いけれど、気持ちがいい」と好評である。
ゲームに、おけいこごとに、塾に、と追われ、思いっきり遊べない子どもたち。保護者も生活に追われ、精神的にも追い詰められ、ゆったり子どもと関われない現状。厳しいからこそ子どもたちに過大な期待が寄せられ、過度の緊張とプレッシャーがかけられている現状が第一の問題なのだが、少しでも改善をと、小さな一歩である。
でも、バレエの先生からは、「子どもたちも気になりますが、一番姿勢の悪いのは先生方。いつも下向きで、背中が曲がっている」と言われた。毎日気持ちよく体操する余裕がなかなかとれないこともある。でも、胸を張って堂々と「自分たちが主人公」と主張できる楽しい職場になってないのではと反省させられた。(長田 T・K)
- 次世代の育成に「ユニオン・セミナー」
-
2月26日、あかし地域ユニオンの第14回定期大会を開催した。1999年2月に10数人の組合員でスタートしたが、今大会は150人を超える組合員と共に迎えることができた。
組織は少しずつ大きくなってきているが、組織を次の世代へどのように引き継ぐのかが、ここ数年の執行部としての課題であった。そこで議論を重ね、労働組合の基礎知識と可能性についてのノウハウを伝えることを目的に、学習会を企画した。月1回の開催で、10回連続の「ユニオンセミナー」である。
昨年6月から始めたセミナーの各回のテーマは、「労働組合って何?」「労働組合は働く人の味方」「労働組合が力を発揮するとき」「労働条件の基礎知識」「セーフティネットの基礎知識」「団体交渉の基礎知識」「労働協約の基礎知識」「争議行為のノウハウ」「労働組合の作り方」と設定した。
テーマは固いが、組合に加入して間もない組合員にも理解してもらえるよう、パワーポイントやDVDを利用するなど視覚に訴える工夫も行われた。参加人数は回によって20人から5人までと幅があったが、少人数で理解できるまで討論し、時にはテストが行われるなど、和気あいあいと進められた。
10回連続講座であるが、2月の講座で実質的な講義は終了した。1回目から連続して出席する組合員もあり、企画した側としてうれしい次第である。3月の最終回は、「労働組合の可能性」と題して、参加者全員で労働組合への思いを語り合う卒業式を予定している。先生の1人として、この1年間まなんだ卒業生の答辞に期待を膨らませている。
今回の定期大会で役員改選が行われ、20代と30代の新役員が3人誕生した。他の組合から見れば何も自慢できることではないが、それでも自慢したい。
これからも活動の中に学習を定着させていきたいと考えているところである。
西山和宏(あかし地域ユニオン委員長)
|