「新社会兵庫」 2月28日号
 セヌリ党、民主統合党、統合進歩党。馴染みのない政党名、いったいどこの国のこと? 実は、隣の韓国だ。いずれも昨年末からこの2月にかけて誕生した新党である▼日本は衆院総選挙を通して政権交代が行われるが、韓国は5年に1回の大統領選挙。今年は、年末の大統領選挙と同時に4月に国会議員選挙の年だ。露骨な新自由主義政策をとってきた李明博政権はすでにレームダック状態に入っているうえに、これまでの悪政のつけで評判がたいへん悪い。政権交代の可能性が高いのである▼だから李明博与党のハンナラ党は名前をセヌリ党、新しい世の中というほどの意味、に替えた。目先を変えるつもりのようだ▼対する野党陣営も進歩大統合、民主大統合、さまざまに議論され駆け引きも行われた末に、民主党・韓国労総などの民主統合党と民主労働党・国民参与党・進歩新党離脱グループ(統合連帯)の統合進歩党が生まれた▼今後は、民主統合党と統合進歩党を中心に反李明博(反セヌリ)の選挙共闘も模索されていくのだろう。4月の総選挙も間近だ。目が離せず複雑な政党状況だが、新社会党はひきつづきポスト民主労働党の労働者政党との交流を模索していくことになるだろう。
子どもたちの行きやすい“場”づくりこそ行政の責務
 1979年の養護学校義務化によって、それまで学ぶ′利すら保障されてこなかった障がいのある子どもたちが皆、学ぶ°@会を保障されるようになったと言われてきた。しかし、その一方で当時、この義務化に対して、子どもたちや教員による全国的な反対運動が展開され、養護学校ではなく地域の学校への就学をと、障がいの有無にかかわらずともに生き、ともに育つ教育≠ェ求められてきた歴史的経緯がある。
入学希望者が増える特別支援学校
 その養護学校が2007年度から特別支援学校となり、その頃から徐々に特別支援学校への入学希望者の増加傾向が見られるようになった。そのことが気がかりで、私は昨年6月から始まった『神戸市における特別支援学校整備の在り方懇話会』の傍聴を続けてきた。懇話会での資料によると、知的障がいのある子どもの場合、この10年間で、小学部、中学部がともに1・8倍、高等部が1・6倍と増加傾向が顕著に表れ、根拠は定かではないが2025年度にはピークを迎えるという。しかも、この傾向は神戸市のみならず全国的なものだ。なぜ入学希望者が増えているのか。 手厚い支援を求めて、就職のことを考えて、専門的教育環境を望んで……、背景には様々な事情があると考えられる。
ある支援学校の実態から
 2010年秋、神戸市内の「S支援学校」で、高等部に在籍する生徒が給食中に椅子ごと転倒し亡くなるという悲しい事故が起きた。この学校の床や廊下は打ちっぱなしのコンクリートの上にビニールを被せたようなもので、事故後、教員が教育委員会に対して「床や廊下をクッション張りか絨毯張りに替えてほしい」と要求したら、「なるべく生徒をこかさないようしてほしい」という信じられない答が返ってきたという。また、3階以上の階にはスロープが整備されておらず、子どもたちの安全な避難経路が保障されていないなど、特別支援学校としての構造そのものに大いに問題がある。
 また、この「S支援学校」は、開校後、入学する子どもたちが年々増加し、3年間で在籍数200人をはるかに超える大規模校になり、この過密状況に対してプレハブ教室で対応してきた。にもかかわらず、知肢(知的障がいと肢体不自由)併置≠ニいう国の方針の下、この4月からさらに肢体不自由部門が新設されるが、多目的スペースや特別教室を転用することで、保護者の送迎に不可欠な駐車スペースに教室を建設することで対応しようとしており、これでは子どもたちが安心して学ぶことのできる教育環境が保障されるとは到底考えられない。 教員一人ひとりの力には限界がある。教員が安心して受け入れることのできる、子どもたちが安心して学ぶことのできる、保護者が安心して託すことのできる教育環境を整備することこそが、行政の本来の責務だと思う。
子どもたちの生きやすい場≠テくりを
 今、神戸市の特別支援学校は、このような大規模・過密化という問題のみならず、耐震化率が未だ66・7%に止まるという老朽化問題、さらに神戸市東部地域には皆無というアンバランスな配置の偏在化問題など、多くの課題を抱えている。今後、障がいのある子どもたちの学びの場≠ニして長期的な、全市的な視点での特別支援学校整備が必要とされてくる。
 またその一方で、障がいのある子どもたちの学びの場≠ニして地域の学校・学級での就学保障のための教育環境整備も必要とされる。未だに保護者に精神的、身体的な負担を押し付けている現状の改善が求められる。保護者にも一人の人間としての人生があるのだ。
 特別支援学校か、地域の学校・学級か……、常に選択を求められる子どもたちや保護者。あくまでも本人の意思が尊重されなければならない。そのためにも行政は子どもたちの生きやすい場≠テくりに力を注がなければならない。
小林るみ子(神戸市会議員)
制度に翻弄される介護現場
 この4月から介護保険制度がまた変わる。3年ごとの改定だから2000年に始まった介護保険は4回目の改定で、その度に利用者である高齢者と現場の介護労働者は翻弄されてきた。しかも回を重ねる毎に悪くなっていくから手に負えない。ますます高齢者は利用しづらく、現場は財政的にも運営しづらく、介護労働者は労働条件悪化で働きづらくなっていく。
 今年1月25日に出た厚労省の指針によると、全体的な方向性としては、施設は増やさず重度の人も在宅で看る方向で、当初目的の「介護の社会化」はどこへやら?家族の負担はさらに増えていくことは間違いない。今でさえ、同居家族の居る場合の生活援助はよほどの場合(家族が高齢とか障害があるなど)でないと認められず、昼間働いている息子さんや娘さんは帰宅後や休日に老親の世話が待っていて自分の事に使う時間など無い状況だ。しかも鼻や気管や胃腸にチューブ等の医療器具を付けたままの重度高齢者を家に帰すという。
 「最期まで住み慣れた家で」というのは高齢者の願いではあるが、それを逆手に取って厚労省は金のかかる施設を作らず、家族と介護労働者に負担を強いて介護保険財政を切り詰めようとしている。
 人が生活≠する在宅を支えるのは家事を中心とした生活援助≠セと思うが、今回の改定ではヘルパーの生活援助時間を縮め通常45分とした。今は最高90分だ。将来的には生活援助自体を介護保険から外そうとしている。
 私たち在宅ヘルパーは、食欲の落ちた高齢者の好きそうな食材を買いに行き、軟らかく煮て、声をかけながら食べさせ、台所を片付ける。身体を拭いたり、入浴介助などの身体介護もするが、着替えをすれば衣類やタオルも洗濯が必要だし、もちろんお風呂の掃除もしなければならない。認知症高齢者の一人暮らしも増えていて、訪問するとご本人が捜し物をしていて家の中が散らかし放題ということもあるし、買い物に行けず食べる物が全く無いということもあるのだ。
 在宅重視≠ニいうことで新たに巡回型の訪問介護を創設していて、「1日に何度でも、月に何度利用しても利用料は月額定額」となっている。が、現在、主婦パートに頼りきっているヘルパー事業所のうち、夜中も走り回る割には低収入のこの事業にどれだけの事業者が手を挙げるだろうか?
 しかも重症者が増えてくるので医療行為である痰の吸引≠ヘルパーがせざるを得なくなり、講習や実技研修を受けなければならなくなってくる。文字通り命を預かるハイリスクが付きまとうのだ。下手をすれば警察沙汰にもなりかねない。
 今、1世紀を生き抜いたある独り暮らしの女性が最期の時を迎えている。この方の場合は、ご本人も「私の死に様を見届けて欲しい」と言われるくらいしっかりした意志を持っておられ、通いで介護している70代の娘さんも、ケアマネージャーも、それをきちんと受け止める器を持っておられ、主治医やナースなど医療系スタッフとの連携もとれているので警察沙汰云々は心配ない。チームで関わるヘルパーもみんな覚悟を決めてはいるが、やはりひとりでベッドに横たわる彼女の家の扉を開ける時には、誰もがドキドキしてしまうのだ。
(K・M)
高齢者パワーをつなぐ
 県下の高齢者組織を横に繋げ運動の更なる前進をはかろうと、「兵庫県高齢者団体連絡会」の結成が1月28日、六甲道勤労市民センターで行われた。「熟年者ユニオン」「明日を考える東播高齢者の会」「西はりま熟年者の会」の3者が昨年から交流と討論を深め合いながら結成への歩みを進めてきた。
 各地域での取り組みを強化しつつ連帯して高齢者の問題を取り上げ、その改善のためにと、以下の行動方針を確認した。@団体間の相互交流に努め、高齢者の生活と権利を守る運動を強化・前進させる。A高齢者のくらしを直撃する消費税大増税と社会保障の改悪に反対する運動に全力を上げる。B脱原発の運動をいっそう強化・拡大するために努力する。C後期高齢者医療制度の廃止を求める運動の強化をはかる。D県下に組織を拡大するために努力する。
 「連絡会」として具体的にどのようなことが出来るか、今後の交流会での論議となるが、とくに「後期高齢者医療制度」「脱原発」、「社会保障と税の一体化」の問題などはこれからも長期的な運動が求められている。
 また、神戸市では「敬老パス」問題に取り組んでいるが、今後さらに各地での高齢者問題が色々な形で表面化すると考えられる。若い世代の闘う力の組織化が大変重要な課題であるが、一方で団塊世代が高齢者世代に入ってくる中で高齢者の運動の強化=高齢者の組織化もこれまで以上に求められている情勢でもある。
 世話人代表に、山村ちずえ(熟年者ユニオン・会長)、蔭山正彦(明日を考える東播高齢者の会・会長)、尾上勝(西はりま熟年者の会・会長)の3氏が就任した。当面、事務局は熟年者ユニオン内に置き、事務局長は横林賢二(熟年者ユニオン事務局次長)が担う。
 結成会には20人を超える参加者があり、「レク活動も大切に」の声も出された。その後の懇親会では初めての会員同士の交流も深まり、元気の出る結成会と懇親会となった。交流会は3月、明石市内で予定されている。
横林賢二(熟年者ユニオン事務局次長)