「新社会兵庫」 12月27日号
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- 野田政権のいい加減さは枚挙にいとまがない、という感じなのだが、これだけは(いや、これもか!)許し難いと思ったのは、臨時国会で承認された原子力協定だ。ロシアとは国内の原発(この言葉も国際標準で核発電にしたほうがよいと思う)から生み出された核廃棄物の処理、韓国には核発電の部品などの輸出、ベトナム、ヨルダンとは核発電の輸出建設が念頭にあるという▼フクシマの事故で国内では新設が難しくなったので高い技術力をもとに輸出する。冗談じゃない。日本の核発電技術がいかにいい加減で、完成などという域からは程遠かったことは、この間の経験と事実から明白になった▼服部良一衆議院議員の話によると、ヨルダンの建設予定地は乾燥地帯のど真ん中だという。炉を冷却する水も遠くから引いてこないといけない上に、ヨルダンも地震が懸念されるそうだ▼協定の承認には、民主党内からも核発電所を地元に抱える議員らが反旗を翻したようだが当然で、こんなことは到底許されない。ストレステストというまやかしを行った上での再稼働もダメ。もんじゅや核燃サイクルにはどれほどカネをかけてきたのか。もんじゅに至っては1ワットも発電していないのだ。
- さようなら原発1000万人署名
より大きな運動のうねりへ/2.4兵庫県集会の成功を
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この国は「人間の国」か
12月6〜7日にかけて福島市に出張で出かけた。福島駅に降り立っても他のどの駅とも変わらないと感じた。しかし、目に見えない放射能は福島に降り注ぎ続けているのが現実で、街で子どもたちを見ることはあまりなかった。福島の仲間からは、「街で子どもが遊ぶ姿を見ることはない。街に笑顔がないのが福島の現実を現している」と報告された。
福島県の人口は、11月1日で198万7千人あまり。今年3月と比べて3万7千人減となっている。これは、住民票の異動の数字であり、現実的にはこの数倍の人たちが県外へ避難していることは明らかである。自らの意思とは別に、生まれ育ったふるさとを離れざるを得なかった福島の人たちの思いははかりしれない。また、健康不安と精神的苦痛。とくに放射線の影響に敏感な子どもたちや次世代を育んでいく若い人々への健康被害は重大である。農産物や海産物への影響、就労や生活への不安なども生み出されている。そして、健康差別や就職差別など「福島差別」がはじまっていることも現地から発信されている。
政府や東電は、物的被害だけでなく精神的被害に対する補償を考えているのであろうか。自分たちがどれだけの被害を生み出しているのか考えたことはあるのであろうか。
阪神・淡路大震災時に、「この国は人間の国≠ゥ」という鋭い指摘がなされたことを思い出す。あらためて、このことを私たちが指摘し、新たな責任追及のたたかいを全国運動として展開していかなければならない。
もっと脱原発運動の広がりを
「さようなら原発・兵庫」(さようなら原発1000万人アクション兵庫県実行委員会)では、これまでに毎月11日の県下統一街頭署名行動や脱原発パネル展などを取り組んできた。署名活動は、これまでにない箇所、参加人数で取り組まれ、12月現在、約3万筆を集計している。パネル展も淡路市、加西市、相生市、新温泉町などで開催され多くの参加を得ている。各地域で、これまでの運動に関わりの無かった人たちが多く参加し、新たな運動の広がりもはじまっている。
しかし、マスコミを介しての執拗な電力不足の宣伝などは、事故後の脱原発に向けた世論の動きをかき消し、唯一原子力発電の延命しかないとの「常識」をまたもや作りあげようとし、停止中の原発の再稼動をもくろんでいる。また、マスコミは放射能被害の現実を正確に伝えることはなく、3・11後のこの国の進むべき道を示すことはない。こうしたなかで、原子力・放射能への恐怖はかき消されつつあるのも現実ではないだろうか。
あらためて、私たち一人ひとりが職場・地域で宣伝・煽動を進め、もっと大きな脱原発運動のうねりをつくりあげていこう。
1・14アクション、2・4兵庫県集会に最大限の結集を実現しよう
「さようなら原発・兵庫」は、「さようなら原発1000万人アクション」の成功に向け、来年2月4日、明石市民会館で兵庫県集会を開催する。また、その前段の取り組みとして、1月14日には「1・14アクション」を神戸市三宮で実施する。
兵庫県集会では、「さようなら原発1000万人アクション」呼びかけ人の一人であるジャーナリストの鎌田慧さんによる問題提起、ハイロアクション福島の武藤類子さんの福島からの訴え≠受ける。1・14アクションでは、脱原発の運動に取り組む俳優の山本太郎さんを迎え、お話を聞くとともに、三宮の神戸マルイ前で街頭での署名活動を一緒に行う。
「さようなら原発・兵庫」は、以上の取り組みを成功させるため、いま1口1千円の個人賛同(団体は3口以上)を呼びかけている。
職場・地域から、あらゆる「核」に反対し、「さようなら原発1000万人アクション」を全力で取り組み、脱原発・エネルギー政策転換にむけた運動の強化を進めていこう。
森 哲二(平和運動研究会)
- 還暦の年、雑感・・・
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2011年卯年。めでたく還暦、「イエーィ」とはじけるはずが、社会的にも個人的にも多くの出来事に直面し、考えさせられる日々のうちに過ぎていこうとしている。1年を振り返り、還暦年「雑感」を……、ぼやいてみる。
3月11日、東日本大震災の日。コミュニティハウス「花たば」の喫茶店当番をしていたところ、医療生協の組合員さんが東北に大きい地震があったらしいが、ニュースないですかと声を掛けてこられた。集会室のテレビをつけると名取市上空のヘリのカメラがとらえた津波が市街地や田畑を嘗めつくすように前進していく映像が流れた。逃げる車ごと飲み込んでいく様子が、無音の情景のように続いていた。こんなことが現実にあるのか、今、リアルタイムで起きていることを見ている自分がこわくてたまらなかった。その後の原発事故も含め、長い復興への道のりに私たちが出来ることは何か。誰のための政治かを問わなければ、災害・災難を教訓ではなく踏み台にすらされてしまう。注視し続けなければならない。
政権交代を経験したものの、震災対策も原発対応も、いやそれ以前に振りかざした「マニフェスト」も撤回ばかりの政権。内輪もめの様子も含めてお粗末な政治家ばかりで、小選挙区制度がこんな政治家をいっぱい送り出したんだと改めて腹を立てていたら、この制度導入の道をつけた当事者2人(細川護煕当時首相と河野洋平当時野党自民党総裁)がケロッとした顔で小選挙区制の問題を並べたて、何とかチルドレンみたいな人がたくさん出てきて政治が劣化している、穏健な多党制が望ましいと思っていた、とこもごも語り合う記事を見つけた。当時、その片割れの大応援団かと思える主張を展開した朝日新聞社がこれまたケロッと「94年政治改革の悔い」(10月8日付)と特集しているではないか。新たな政治改革が必要と締めくくられていたが、今さら何という言い草だろう。が、どうやら選挙制度を変えたい勢力が出てきていることは間違いないのだろう。でもお任せはしない、これまた注視し続けねばならない。
1月、夫の母が逝き、10月には私の母も逝った。これからをどう生きるか、否応なく考える年代になった。生活基盤をどう持つかは、とても大きい指標になる。……、そう最後に一つ。還暦を迎えてうれしかったこと。10年ぶりに無収入を脱したことだ。わずかながら年金が支給されるようになった。わずかな小遣い程度でも収入0円がどんなに悔しかったかと比べるとうれしい!大盤振る舞い出来そうな錯覚を起こすほどだ。そこで、晴れて手にした年金額を申告し党費の計算をお願いすることに決めた。来年いいことがありますように。
岡崎 宏美
- 全国ネットの厚労省交渉に参加
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コミュニティ・ユニオン全国ネットワークが12月5日、厚労省交渉を行った。派遣や有期労働契約、パート労働法、高年齢者の雇用、監督行政など11項目を要請書として提出し、2時間半かけて交渉した。
私はこの交渉中、ずっと腹を立てていた。例えば、「パート労働者の差別的取扱い禁止の観点から、福利厚生制度や施設利用、教育の機会などを正社員と同様に」との要請には「事業主の裁量によるところ」と回答。「フルタイムパートの正社員化を義務化」については「企業の採用の自由」と回答し、「正社員への優先的応募と相互転換の保障」については「企業の採用を規制することになり、新卒者の就職を奪う」という回答だった。
厚労省は、労働者救済のために労働法を守らせ、企業を監督する行政機関のトップである。その厚労省が企業を擁護し、労働者の救済を考えられなくなっていることが悔しかった。労働組合の力のなさを痛感した。
労働政策審議会・労働条件分科会では「有期労働契約のあり方」について討議が進められ、年内に議論を終了、とりまとめが出されて来年の通常国会で有期労働契約が法制化されるかもしれない。12月14日に開かれた労政審の資料では、有期雇用労働者の「利用可能期間は何年とするか」、「クーリング期間を設ける」など、労働者を「モノ」扱いしている文字が目立つ。未だに「有期契約を労働者も望んでいる」と資料には書かれている。有期労働契約は、生活を不安定にする貧困の温床だ。
全国ネットでは、昨年の厚労省交渉でも「合理的理由のない有期契約の禁止。入口規制を!」と訴えた。労政審の議論には連合も参加しているが、入口規制に消極的な対応だという。
労働者はモノじゃない。心があり、血が通っている人間だと叫びたくなる。人をモノ扱いする法律は、絶対につくらせてはいけない。未来に「貧困」という負の遺産を引き継がせないために、いま私たちにできることをやりたいと思う。
木村文貴子(神戸ワーカーズユニオン書記長)
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